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今日は大阪で講演会があり、今東京へ向かう新幹線の中から投稿しています。もう少しで東京に到着です。
大阪での講演会は少し狭い部屋でしたが100人若の方が集まり、2時間半の講演を無事終えました。酸欠にならないかとヒヤヒヤしましたが。

久しぶりの大阪でしたが、不景気のせいなのか、大阪駅周辺は人通りもそれほど多くなく、どちらかと言えば閑散とした状態でした・・。街を歩く人の顔も何気に元気がなさそうな・・。活気が売りの大阪には珍しい光景でしたね。

明日から2月です。元気に、そしてストレスに負けない1日をスタートしましょう!
by nutmed | 2010-01-31 23:01

今朝の東京は風もなく、陽だまりで日向ぼっこをしているネコがうらやましいほどの陽気になりました。
昨日の代謝タイプ判定を紹介したところ、有料にも関わらず、午後から深夜にかけてたくさんのメール申込をいただきました。ありがとうございました。 メールで申し込みいただいた方にはなるべく早く返信をするようにしたいと思います。この週末は大阪でセミナーがあり出張のため、週明けの月曜日になる可能性が大きいですがご容赦くださいね。

読者の方から「最近血液を使って遺伝子解析をし、食事指導をする遺伝子検査がありますが、代謝タイプとの違いは?」という質問をいただきました。早速この遺伝子検査を扱っている某サプリメント販売会社のサイトへ行ってみました。サイトで紹介されている内容は以下のようなものでした。
「OOOの遺伝子検査は数種類の遺伝子を検査し遺伝的リスクを判定するキットです。OOOの遺伝子検査は、遺伝的にどんなリスクがあるかを調べ、予防や改善のお手伝いをします。生まれ持った体質を知ることで、より効率的にサプリメントや食事を選択できる、最先端の検査です。遺伝子は生涯変わらないものなので、一度調べておけば何度も調べなおす必要はありません・・・」

遺伝子検査というとこの文章中にもあるように「最先端の検査」であると同時に、検査結果で報告される遺伝的な原因は、今のところ一生涯変わることのないものです。検査で発見確認された遺伝子が、高血圧や糖尿病に深く関わっていたり、その遺伝子を持っていることで血圧が高くなり、血糖値が高くなるということを決定づけられる検査でもあります。確かにそのリスクを持った遺伝子が発見されたとしても、一生症状が出ないことだって珍しくはありません。そのリスク遺伝子が発見確認された場合でも、その症状が出ないように予防するための試みや手段は少なくはありませんが、何がその遺伝子を活動させてしまうスイッチを入れてしまうのかについてはすべての遺伝子で明確になっているわけではありません。確かに高血圧や糖尿病のリスク遺伝子が発見された場合に、食事内容を考え予防することは大切かつ有効な方法だとは思いますが、それによってスイッチがOFFのままにできる確約は残念ながらありません。
それよりも、遺伝子検査を受ける側の人が、検査を行った結果「あなたの持っている遺伝子の中から、高血圧のリスクを決定づける遺伝子が確認されました。これは死ぬまでかわりません・・」と告知されたら、多くの方は大きなストレスを感じるのではないかと私は考えていますし、私なら無償といわれてもお断りします。

一方、代謝タイプについては、少なくとも現段階では遺伝子で決定づけられているものではなく、実際に子供の時と、成人になってから、また高齢者になってから、またストレスなど様々な外的な要因によって変化することも確認はされています。
そして何よりも、日常食べる食材、摂取される栄養素によって、生きる源となるエネルギーの作り方や神経の働きが良くも悪くも変わるという点についていえば、遺伝子によって決定づけられる背景とは大きく異なります。そして、すべての人がそうではないかもしれませんが、少なくとも自分の代謝タイプを知って、それに従った食事をすることで、多くの人が体内環境を改善することが可能であるということです。
by nutmed | 2010-01-30 10:47

先日、このブログでも以前に紹介した代謝タイプの判定を行った結果、たんぱく質を食べてエネルギーをつくることが優位な代謝タイプとわかり、今まで自分が思っていた食材選びと食事の仕方とはかなり異なる食生活が必要であることがわかった読者の方がいました。この方は低血糖傾向が見られ、脱力感や不眠症状などがあったため、クリニックで指導された食事療法やサプリメントをしばらく行ってきた結果、あまり症状の改善が見られないだけでなく、いくつかの症状は悪化した経緯がある方でした。代謝タイプの判定によるたんぱく質と炭水化物、脂質の摂り方や食事の仕方のアドバイスにしたがって10日ほど食事をしたところ、薬やサプリメントでは自覚できる程の改善効果が少なかったのに、たった食材の選び方と食事の仕方で自覚できる程の改善効果があったようで、食事指導をした私もうれしい報告をいただきました。

昨年秋までは、無償で代謝タイプの判定を行っていましたが、現在は有償で代謝タイプ判定と食事指導を25ページほどの報告書にまとめてさしあげていますので、ご希望のかたがいましたらnutmed1@gmail.comまでメールの件名に「代謝タイプ判定申込」として、お名前、年齢を記載して送ってください。折り返しこちらから設問内容、回答用紙、判定料金の振込先を返信します。なお、携帯電話のメールアドレスには返信できませんので、ご注意ください。

なお、代謝タイプ判定の料金は1回¥1200(消費税含まず)となります。報告書はメールに添付して返信さしあげますが、報告書を印刷したものをご希望の場合には宅配料金が別途¥500かかりますのでご注意ください。

それではよい週末を!
by nutmed | 2010-01-29 14:04

今朝の東京は午前7時までは平年並みの気温でしたが、午前7時を境に急に南風に変わったと思ったら、グングンと気温が上昇し、オフィスに到着するころには気温も14℃まで上昇していました。これから数時間雨が降る予報ですが、夕方には雨も上がりまた風は北寄りにかわり、夜には肌寒くなるようです。

さて、今日は潰瘍性大腸炎IBDの2回目です。潰瘍性大腸炎は初期症状が過敏性腸炎(IBS)とよく似ているのでIBSと間違えることもありますが、IBSについては、以前に数回特集していますのでそちらを見てください。

前回、潰瘍性大腸炎が発症する背景の1つにウィルス、特にサイトメガロウィルス(CMV)とヘルペスウィルスが関わっている研究発表があることを紹介しましたが、このほかにも1992年にアメリカのウィルス学会誌でクラミジアウィルスとの関係が深い可能性が報告されています。潰瘍性大腸炎を発症している患者の血液を採取しウィルス抗体価の検査をした結果、クラミジア抗体価が非常に高く、症状のない正常な人と比較しても、クローン病患者では93%、潰瘍性大腸炎では45%も高いことが報告されています。

潰瘍性大腸炎患者に対して栄養療法では、腸の粘膜の炎症修復とバクテリアの環境改善にフォーカスし、それらの作用効果の高い以下のようなサプリメント、アミノ酸、ハーブをつかいます。
1、L-グルタミン
2、グルコサミン(NAG:N-Acetylglucosamine)
3、タラの肝油(EPA/DHA)
4、ビタミンE
5、ビタミンC
6、亜鉛
7、ビタミンA
8、システイン(N-acetylcyctaine)
9、γ-オリザノール
10、ケルセチン
11、グルタチオン
12、レシチン
13、クルクミン
14、甘草(Licorice)
15、アカニレ
16、アロエベラ

ここにあげた成分は潰瘍性大腸炎の改善には有効な素材で、その有効性は今までにも多くの研究によって報告されていますが、全てを同時に使うのではなく、症状や年齢、アレルギーの有無などを考慮して使用していきます。
この素材を見てLGS(Leaky Gut Syndrome)の改善効果のある素材と共通点があると気づいた方は、このブログのヘビー読者でしょうね(笑)。そうなんです、LGSも潰瘍性大腸炎も症状の根本には「腸の粘膜の機能低下」があります。私ごとで恐縮ですが、LGS改善のために私が設計デザインしたサプリメント(その名もLGSです)が茨城にあるプレバランスさんで扱っていただいています。

これに加えて、直接的に有効な素材としては乳酸菌があります。潰瘍性大腸炎と腸内細菌の因果関係は深く、強い粘膜接着性をもった大腸菌や他の腸内細菌が腸の粘膜に繁殖することによって、腸の膜で作られる免疫のしくみに多大な影響を及ぼすものと考えられます。
スーパーストレインと呼ばれる乳酸菌(L.acidophilus DDS-1/B.bifidum/L.bulgaricus LB-51)を1日を通して飲むことによって、腸内のバクテリアの環境が改善できますが、栄養療法では、L.acidophilus やDDS-1などの乳酸菌を週に1度「乳酸菌浣腸」をすることは珍しくありません。乳酸菌を使った浣腸の効果についてはいくつかの研究報告がありますが、1999年にLancetという権威ある医学誌で、潰瘍性大腸炎の治療薬(メサラジン)による治療効果と同等の効果があると報告されています。

潰瘍性大腸炎の改善には食事も重要なファクターであるといえます。
潰瘍性大腸炎患者に対する食事療法の研究では、症状がひどくなるような食材を避ける「除外食」を厳守した食事と、低含硫食(硫黄成分が含まれない食材)によって潰瘍性大腸炎の症状緩和に効果があります。またタラの肝油などの魚油を摂取することによって症状緩和効果が上がります。
by nutmed | 2010-01-28 16:22

このところ、日中の気温が3月中旬並みに暖かくなる日が増えてきましたね。早朝は相変わらず寒さが身にしみますが、日中、外に出て陽だまりの中で読書なんていい季節ですね。
昨年末に我が家で導入した40年前のアメリカのストーブ(Perfection)はこのところ大活躍で、ファンヒーターの燃料代も昨年よりも確実に少なくなっていることと、あのオレンジ色の炎は心まで暖めてくれます。
先週末、ふいに「このオレンジ色の炎の光で発電ができないものか?」と考え、小型のソーラー発電用のパネルで発電電圧を測定したところ、なんと12ボルト弱の発電が可能で、充電可能な電池くらいなら充電が可能であることがわかりました。これはエコとは言わないでしょうが、いままで放出されていた光でエネルギー変換ができるって、なんだかワクワクしました。
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さて、気を取り直して今日の話題は潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis)についてです。
潰瘍性大腸炎は一般に IBD(inflammatory bowel disease)と呼ばれることもあり、小腸から大腸にかけて起こる炎症が原因の腸炎で、最近マスコミメディアでもにわかに注目されている症状です。症状は腸の働きにかかわるため、下痢や粘血便(血液・粘液・膿の混じった軟便)、発熱や体重減少などの症状があらわれます。病状は長期にわたって繰り返されます。世界的にも患者数は増えていて、日本でも厚生省から特定疾患(難病)に指定されている病気でもあります。
潰瘍性大腸炎は腸炎や腹痛、またクローン病の症状に似ているため診断が難しい症状でもあります。潰瘍性大腸炎とクローン病の違いは、潰瘍性大腸炎では炎症が発現する部位が腸粘膜の表面であるのに対し、クローン病では腸壁の深い部分で炎症が発現すること、また、炎症発現部位の多くは小腸のほか、口腔内、食道、胃、十二指腸、大腸、盲腸、肛門と広範囲に発症するため、クローン病のほうが改善はかなり難しいといえます。
潰瘍性大腸炎は年齢性別に関係なく発症しますが、発症が多い年齢は15-30歳です。家族内に発症者が出た場合には家族内で連鎖的に潰瘍性大腸炎が発症することもあります。潰瘍性大腸炎の発症の背景にウィルス感染が関係している可能性は以前から報告されています。
1986年にクローン病は結核菌と同類の菌の感染との因果関係が報告されていますが、潰瘍性大腸炎は、サイトメガロウィルス(CMV)というウィルスとの強い因果関係が報告されていますが、このほかにもヘルペスウィルスとの因果関係も報告されています。

次回は潰瘍性大腸炎の栄養療法について・・
by nutmed | 2010-01-27 19:48

「異常気象」「地球温暖化」という言葉が世間を賑わすようになってから久しいですが、この数年の1月の気温の変化はやはりおかしいと感じているのは私だけではないでしょう。それが温暖化のせいだと明確には言えないものの、季節感がなくなりつつあるだけでなく、体調のコントロールができにくくなっているのは確かですね。

さて、今日はオキアミ(Krill)の話題です。
オキアミと言えば海釣りをする方にとっては釣りの餌として慣れ親しんでいるものでしょうし、佃煮の具材でもありますね。甲殻類のオキアミは、比較的温度の低い海に生息するエビに似た小型の海洋生物です。
繁殖能力が高く栄養価も非常に高いオキアミを絞ったオイルには、オメガ-3系の必須脂肪酸が豊富に含まれているだけでなく、細胞膜をつくるリン脂質(フォスファチジルコリン)、それにオキアミの殻のオレンジ色をつくっている抗酸化作用を持つアスタキサンチンが豊富に含まれています。
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私はアメリカで勉強していたときにオメガ-3必須脂肪酸の働きを知り、その不足が人間、遠くに現代人の生活習慣を原因とする症状の背景に深くかかわっていることを知り、フラックスオイルによって驚くほどの症状の改善をしたクライアントを何百人も見てきました。日本で今の仕事をスタートした当初、実際に日本人にもフラックスオイルを頻繁に紹介し、そして使ってもきましたが、白人や黒人が劇的に症状を改善させていくのに比べ、日本人、とくに子供や10代の子供たちでは、思ったよりもフラックスオイルの切れがわるく、期待するほどの効果が得られないことがありました。その原因として考えられる背景はここを参照してください。
まあ、そんなこともあって私はかなり前から体内でかなり直接的に炎症を抑える作用が引き出せるDHA/EPAの源となるタラの肝油を紹介し、実際にフラックスオイルでは効果のでなかった方に改善効果を見るにいたっています。
タラの肝油は魚臭が強いために、フラックスオイルやオリーブオイルのようにそのままでは飲むことは敬遠されるためカプセル状にしたものをお勧めしていますが、カプセルが飲めないお子さんやゲップが魚臭くなるのを敬遠する方に、最近オキアミをお勧めしています。
オキアミには80種類ほどの仲間がいることが確認されていますが、大西洋、北極海、北太平洋に生息するオキアミ(Euphasis Superba)にはオメガ-3必須脂肪酸(DHA/EPA)などが豊富に含まれています。
もちろん生で食すことはよほど新鮮でなければ難しいですが、多少に熱には強いオキアミの栄養素の恩恵を受けるために私がお勧めしているのは、佃煮風にして食べることです。
残念ながら日本ではオキアミは魚屋の店先に並ぶことは非常に稀ですが、近所に釣り具店があればそこに釣り餌用のオキアミを購入できます。
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こんな風に凍結した1-2kgの大きさのブロック状にして売られています。ボイルしたものや半ボイルしたものも売られていますができれば生を凍結したものがいいでしょう。これを自然解凍してフライパンや鍋でさっと熱を通して醤油とみりん、または砂糖で少し味をつけてできあがりです。佃煮のように時間をかけて熱をかけると脂肪酸成分が壊れてしまうので注意してください。
最近は日本にも海外からオキアミオイルをカプセルに充填したサプリメント(Krill Oil capsule)が入ってきていますので、それでも結構ですが、カプセルが飲めないお子さんや高齢者には、このオキアミの佃煮風をつくってあげてご飯にかけて毎日でも食べさせてあげるといいですね。
by nutmed | 2010-01-25 12:56

昨日までと一変した今日の全国の天気です。寒さも平年並みに落ち着いてきました。体調管理な今シーズンです。
さて、長きにわたって継続テーマとしてきたビタミンDも今日でひとまず終止符をうつことにしようと思います。
ただ、アメリカを中心としたビタミンDの議論、トピックス、それに研究発表はこの後も活発に続く様相で、いずれ日本でもマスコミメディアがビタミンDの話題に飛びつく日も近いと思います。私もこの数年間ビタミンDを意識してマークしていますので、また何か新たなトピックスがあればその時点で改めて紹介しようと思いますのでご期待ください。

今日はこの2週間の間に読者からいただいたメールの中からドクターからのメールを1つを紹介したいと思います。本人には掲載承諾をいただいています。
「佐藤さん、2年前から臨床栄養士のひとりごと、楽しく購読させていただいています。今まで聞いたことのない栄養にかかわる情報は、私だけでなく今ではうちのクリニックの看護師たちも栄養の自己啓発にも一役買っていますし、(本来であれば事前に使用の承諾を得るべきですがごめんなさい・・)クリニックの掲示板にもブログの内容を拝借して患者さんたちにも紹介をさせてもらっています。日本ではまだあまり認知されていない欧米の栄養療法の知識や情報を、論文や文献を交えて紹介したブログの内容は医師である私には非常に助かります。
この数週間特集されているビタミンDについてですが、私だけでなく日本の医師の多くは、よほど専門的な研究をされていなければ、ほとんど執着しないビタミンだと思います。ましては血液検査でビタミンDを検査したり、定期的なモニターをすることはないです。昨年5月のブログ記事でインフルエンザの予防に対するビタミンDの効果を拝見し、今シーズンのワクチンに多少の懸念を持っていた私は、私と家族4人、それにうちの看護師3人で昨年10月からビタミンD3を毎日飲みはじめました。正直言ってそれがビタミンDの効果であるかは不明ですが、少なくとも「勇気をもって」ワクチン接種をしなかった我が家の家内と15歳と16歳の子供、それに私の71歳になる母親は、この地でも周囲で感染者が増える中でも感染者になることはありませんでしたし、現在も同様です。残念ながら私と看護師は仕事柄今回の新型ワクチンは接種せざるをえませんでしたが、全員が感染することもなく現在にいたっています。この数日でビタミンDの血液検査のことが紹介されていましたので、早速8人全員で25-OH-ビタミンDの血液検査をしてみましたが、8人全員の数値が30ng/mから33ng/mllの間にあり、ひとまず紹介されていた最適な維持数値であったと思います。ビタミンDを服用する以前の検査数値がないのが残念ですが。 ブログの中で紹介されていた論文も全て取り寄せて読んでみましたが、私が想像している以上にビタミンDの不足が与える体への影響は大きいことも理解しました。
当院では地域特性から高齢者が多いため、常に骨の状態には気を使っていたつもりですが、それでもビタミンDの検査などは行うことは滅多にありませんでしたが、骨の状態を把握するだけでなく、ビタミンDが関わる症状の背景確認のために今後は患者さんにもビタミンDのことを説明紹介して血液検査での確認もしてみたいと考えているところです。
最後にこれからも有益な情報を楽しみにしていますので、よろしくお願いします。」
by nutmed | 2010-01-22 13:04

昨日は予報とおりに気温が上昇し、大寒だというのに全国的に観測史上初の気温上昇になったようです。
今日の東京は昨日の延長で、朝から気温が高い状態でしたが、昼過ぎから風向きが北にかわったようで、これからまた寒さが戻ってくるような感じです。本当に体調管理には留意してくださいね。

さて、今日のビタミンDのテーマは、ビタミンDが持つ炎症を抑える働きと免疫力を向上させる働きについてです。
結核と言えば過去の病と思われがちですが、TVコマーシャルで北野たけしさんが言っているように、結核はここ数年減るどころか増えている病気の1つです。最近の結核はかつて日本でも猛威を振るった牛タイプや鳥タイプの結核菌だけでなく、東南アジアから持ち込まれた従来日本では見られなかった結核菌も増えているそうです。
この結核菌に感染すると体内の免疫応答システムのスイッチが入り、抗体を作るこおとを含め様々なシステムが動き出しますが、真っ先にスイッチがはいるのが異物である結核菌を認識するセンサーと初動攻撃の役割担っているシステムになります。この2つのシステムが結核菌など外部から侵入してきた異物に対してアタックを開始してくれるおかげで、免疫を高め健康な状態を維持することができるわけです。
2006年にUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の研究発表によれば、ビタミンDには、結核菌に感染した直後に働くこの初動アタックのシステムを活性させ向上させる働きがあることが報告されています。
研究チームは「アメリカ国民の70%でビタミンDの不足および最適な量のビタミンDの補給が行われていない可能性があり、結核菌だけでなく新種のウィルス感染予防のために最適な量のビタミンDの積極的な摂取が望まれる」とコメントしています。
翌年の2007年にはイギリスのクイーンマリー大学の研究グループが人による臨床実験で、ビタミンDには結核菌に対する免疫応答システムを増強する効果があることを発表しました。

2007年にはUCSD(カリフォルニア大学サンディエゴ校)の研究グループが皮膚細胞を使って、外傷からくる炎症を改善する作用には、カテリシジン(cathelicidin)という物質が関わっていて、ビタミンDがカテリシジンの生産能力がコントロールされていることを発表しています。つまり、常時最適なビタミンDを摂取し、体内に十分なビタミンDを維持していないことによって、皮膚に受けた外傷による炎症を抑えることができずに回復が遅れるということになります。

転んで手足に傷をつくったり、ニキビやじんましんの後に傷が中々治りにくい人は、ひょっとするとビタミンDの不足という背景があるかもしれないですね。
傷の治癒のために外から抗生物質、ステロイドを塗ることも重要なことですが、自分自身が持っている自然治癒の力の元となるビタミンDの過不足も考えて見る必要があります。
by nutmed | 2010-01-21 13:52

昨日の東京は広範囲に気温が14℃まで上昇し、今日も4月中旬なみの18℃まで気温が上昇するという予報でした。今朝5時30分の段階では、外気は冷たくて本当に4月中旬なみになるのだろうかと思っていたら、午前9時30分の今現在、気温はあがってきましたね。今日はコートがいらないくらいになりそうです。

さて、今日もビタミンDのトピックスです。
皆さんはクル病(Rickets)という病気をご存じでしょうか? 最近では骨軟化症と同義語で使われるようですが、世界的にも相変わらず発症数の多い、特に乳幼児に多い骨の形成に関わる症状をともなう病気です。日本でも戦後の栄養不良が日常的な時代には大きな問題となりました。
主な症は骨の形が変わってしまうことで、多く見られる症状としては足のO脚やX脚ですが、歯のエナメル質がうまく作られずに歯の形が変形してしまうこともあります。

死語とまでは言いませんが、今ではクル病の名前さへ目につくことが少なくなり、妊婦さん向けの雑誌にもあまり登場することがなくなったようです。妊娠が確認された後に産科や、妊婦手帳をもらう頃にはクル病の名前と症状についてのレクチャーを受けることはあっても、多くの女性が自分の子供とは無縁だと考えているのではないかと思います。
その乳幼児のクル病がここ最近にわかに増えているという報告があります。
クル病の原因のほとんどは、ビタミンDの不足と活性型ビタミンDの代謝障害で、骨の基になるリンやカルシウムが骨の石灰化を妨げることにあります。
今までにビタミンDのテーマの中で説明してきたように、ビタミンDという物質はほかのビタミンに比べて体内環境だけでなく細胞や臓器の働きに直接的に影響を及ぼす、ホルモンにも似た生理活性をもったビタミンですから、ほかのビタミン類の不足や欠乏と同じような理解ではいけないビタミンの1つでもあります。
アメリカの小児学会では、かなり昔からビタミンD不足とクル病の関係を国民、特に妊婦に対して強力に説明をし、以下の点を強調しています。
1、妊娠中期以降からの妊婦は積極的にビタミンDを補充することと。
2、少なくとも生後12カ月間は母乳を与える
3、毎日十分な日光浴をさせる
4、場合によっては乳児に対してビタミンDを与える


日本でも小児科の中にも、母親と乳幼児に対するビタミンD不足の喚起を行っているドクターが多く、マスコミメディアでは話題にはならないまでも、確実にクル病が増えている現状があるようです。
ここへきて乳幼児のクル病が再び増えている背景には、やはり食生活と生活習慣の影響があると思います。
特に、この数年、インフルエンザをはじめとする感染症の問題が大きな話題になり、親が乳幼児を外出させることを避けることが増えていることもその一因になっているのではないでしょうか。

十分に日光浴で適度な紫外線を浴びさせていても以下のような原因背景によって、肝臓、腎臓でビタミンDが代謝されずに、クル病の症状を現すこともあります。
1、先天的または後天的に腸における脂肪の吸収がよくない
2、先天的または後天的に肝臓、腎臓の働きが低下している
3、抗てんかん薬の長期服用によって肝臓でビタミンDの合成が著しく低下する

by nutmed | 2010-01-20 11:19

今日の東京の午後は昨日までの寒さから一変して気温も上昇し14度まで上昇ています。明日はさらに気温が上昇して4月上旬の陽気になるそうです。今年は寒暖の差が激しいようですから体調管理には十分注意してください。

さて、今日はビタミンDのトピックスの2つ目のテーマになります。
その前にビタミンDのもう1つの働きについて少し紹介させてください。
ビタミンDには「一酸化窒素(NO)」の合成を抑制する作用があります。一酸化窒素と聞くと光化学スモッグなど公害にかかわる物質なので体にはよくないものと思うかもしれませんが、一酸化窒素は人の体内でアルギニンというアミノ酸によって作られ、血管を拡張させて血液の循環量を増加させるために重要な働きをもった物質でもあります。男性の場合にはペニスの勃起を促す血液の循環、また男女問わず毛髪毛根に栄養を送る血液循環を増加させるために一酸化窒素は重要な働きを持っています。男性のED(勃起不全)治療で処方されるバイアグラ、発毛促進剤のミノキシジル(Reup)は、この一酸化窒素の合成生産を増やす目的で開発された薬でもあります。ビタミンDは体にとって重要なビタミンであることは間違いのないことですが、ED改善や発毛促進を行っている人にとっては、ビタミンDが必要以上に過剰とならないよう最適な摂取量を心がけるために、以前お話しているような血液中のビタミンD(25-OH-ビタミンD)と活性型のビタミンD(1-25-OH-ビタミンD)を、少なくとも治療の前と治療中に定期的に検査をすることが、ビタミンDの恩恵を受け、かつED改善や発毛促進の治療を良好にするための条件となることを考えるべきでしょう。

ここからが今日の本題になりますが、体内のビタミンDの量を最適に維持するため、ビタミンDを摂取する手段としては食材は勿論ですが、ビタミンDのサプリメントを摂るということがあります。ただ、日本にはビタミンDに特化したサプリメントというものが見受けられないのは残念でなことです。
しかし、体内に蓄積しているビタミンDの多くは、本来食材やサプリメントで摂取するよりも紫外線を浴びることで皮下で作られる量のほうがはるかに多いはずなのですが(1-4)、この数十年の間に、ことの善しあしは別として必要以上に紫外線から皮膚を保護する習慣が世界的に広がり、その流行は女性だけでなく男性や子供にも広がっている現状です。
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日光浴によってどれくらいのビタミンDを皮下でつくることができるのでしょうか?
たとえば春から秋までの日中、10-40分間日光浴で紫外線を浴びることで平均20,000IU(500マイクログラム)のビタミンDが作られると言われています(5)
現代生活環境を考えた場合に必要と考えられる1日あたり3,000-5,000IU(75-125マイクログラム)のビタミンDを得るためには4月から9月までの日中で2-5分程度、10月から11月までの日中で10分ほど、12月から3月までの日中でも15-20分程度紫外線に浴することで最適なビタミンD量が皮下で作られるわけです。仮にこの量を牛乳で摂ろうとすれば、コップに30から50杯の牛乳を飲むことになります。また日本で販売されている平均的なマルチビタミンミネラル1錠に含まれているビタミンD量(3.5µg)を考えると、35錠も飲まなければなりません。

わずかこれだけの時間の日光浴でビタミンDが得られる、それも無料で得られるわけですから、老若男女問わず1日1回は日光浴をする習慣をつけていただきたいものですね。紫外線を大量に浴びることえの懸念は確かにありますが、紫外線を防ぐクリームを塗りたくる前のわずかな時間だけでも日光を浴びることは有効です。
特に、これから妊娠を考えている女性と授乳期の乳幼児には積極的に日光浴をしていただくメリットは高いでしょう。


1. Holick MF. Photosynthesis of vitamin D in the skin: effect of environmental and life-style variables. Fed Proc. 1987 Apr;46(5):1876-82.

2. Poskitt EM, Cole TJ, Lawson DE. Diet, sunlight, and 25-hydroxy vitamin D in healthy children and adults. Br Med J. 1979 Jan 27;1(6158):221-3.

3. Available at: www.vitamindcouncil.org/health/autism/vitamin-d-theory-autism.rtf. Accessed August 19, 2008.


4. Holick MF. High prevalence of vitamin D inadequacy and implications for health. Mayo Clin Proc. 2006 Mar;81(3):353-73.

5. Cannell JJ. Autism and vitamin D. Med Hypotheses. 2008;70(4):750-9.
by nutmed | 2010-01-19 17:25