臨床栄養士のひとり言

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第780回 血圧コントロールと栄養 その8

GW初日の今朝は、自宅前の幹線道路をけたたましく走るハーレーの1団の音で目が覚めました。ざっと40台はいるでしょうか、きっと渋滞を避けてどこかにツーリングする集団なのでしょう。バイクに乗る私にとっては決して不快な音でも光景でもないのですが、早朝からこの光景には閉口する人も少なくないかもしれませんね。 今日は私もこれからワイフを乗せて鬼怒川温泉に浸かりに行ってきます。 

さて、連休初日の今日は血圧コントロールに有効な素材の続きです。

4、アントシアニン
アントシアニンは植物に含まれる赤・紫・青い色素をもったフラボノイドの1つで、クランベリー、ブルーベリー、ぶどう、ザクロ、ナス、紫いも、アロニア(チョークベリー)などの持つ色素です。日本でもブルーベリーのアントシアニンは有名ですが、強い抗酸化作用を持ったフラボノイドの1つです。2007年8月にポーランドの研究チームが発表したメタボリックシンドロームの改善治療に関する報告は興味深く、1日あたり300mgのアロニアから抽出されたアントシアニンを3回にわけ(100mg/回)2カ月飲んでもらったところ、平均で上の血圧が12.37mmHg、下が5.07mmHg低下していることが報告されています。この研究報告では、同時に総コレステロールが平均で14.84mg/dl、LDLコレステロールが12.5mg/dl、それぞれ低下していることが報告されています。、また、2008年8月にアメリカの臨床栄養学誌で発表されたイスラエルの研究チームによる報告によると、1日あたり50ccのアントシアニンリッチなザクロジュースを飲むことで、平均12%の血圧降下の作用があったことが報告されています。

5、オメガ-3脂肪酸
オメガ-3脂肪酸については昨年6月にテーマで取り上げていますが、多価不飽和脂肪酸の1つです。栄養医学研究所でも扱っているタラの肝油をはじめ、サケ、サバ、イワシ、マグロなどの魚に含まれるDHA/EPA(長鎖脂肪酸)、また、植物性素材に含まれるα-リノレン酸(ALA・短鎖脂肪酸)では最近日本でも話題のフラックスオイルをはじめ、ナッツ類、大豆、カボチャの種子、緑黄色野菜にも含まれています。ただ、植物性素材のALAの場合、短鎖脂肪酸なので、体内でDHA/EPAに変化合成させる必要があります。
オメガ-3脂肪酸が血圧を低くする作用を持つことについては、この10年間で沢山の記事や文献が報告されていますが、その1に日本の滋賀大学の上島らが2008年に発表したオメガ-3が心臓病予防と血圧コントロールに及ぼす影響についての報告は世界的にも注目されました。日本人を含むアジア人とイギリス人、アメリカ人の白人の合計4、680人が酸化した疫学調査ですが、魚油由来のオメガ-3必須脂肪酸が血圧を低下させる効果があることを報告しています。
by nutmed | 2010-04-29 07:13

第779回 血圧コントロールと栄養 その7 マグネシウム#2

昨晩遅くから激しくなった東京の雨も、今朝は一段と強くなっています。ただ、幸いなことに気温が徐々に上昇しているので、皆さん期待のGW中は平年並みの汗ばむ陽気になる予報です。
明日から長いGWですが、皆さんゆっくり英気を養ってくださいね。

さて、今日はマグネシウムの2回目、マグネシウムの吸収についてです。

ビタミン、ミネラルを吸収するためには、食物を消化分解して得られた栄養素として吸収することが日常的に行われる方法ですが、サプリメントや健康食品として摂取することは、現代社会においてはポピュラーな方法になりました。
食べたものが栄養として、全て体に吸収されると思っている方が少なくないでしょうが、食材の持つ栄養素が、体の中に吸収されるためには、胃と腸の1部で行われる消化分解というプロセスを経ることが前提条件になります。つまり、体にいいと思って食べた食材も、この消化分解のプロセスが正しく行われなければ、栄養素は腸から体内に吸収されないということです。
・サプリメントの形状による吸収の違い
日本では、一般的に販売されているサプリメントの形状は、錠剤、カプセル(ハード、ソフト)、パウダーが全体の約97%を占めています。
このようなサプリメントは、生の食材から摂取する栄養素の吸収に比べ、アドバンテージはありますが、形状によって吸収率は大きく異なります。
サプリメントではありませんが、体内に栄養素を送る手段として最も効率的で、効果の高い方法は、医療施設で行われる点滴のような静脈注射、次に筋肉注射になります。
静脈注射の場合、ほぼ100%、筋肉注射の場合でも約90%の栄養素を体内に送り届けることが可能です。一方で、錠剤、カプセルの場合、栄養素によって大きく変わりますが、マグネシウムの場合には、そのサプリメントに含まれるマグネシウム元素の35%ほどしか吸収できないという報告があります。
また、ほとんどのマグネシウムは、十二指腸付近で吸収されますが、最低でも12時間十二指腸から回腸の近辺に残存していないと、吸収量は低下するという研究報告があります。

私のGWは60%が仕事が入っていますが、連休中もブログは更新しますのでお楽しみに。
この2カ月ほど、我が家で19年生きている猫が、そろそろお迎えが近くなっているようで、体重も体力も食欲も著しく減少し、腎臓の働きもかなり低下し貧血も激しくなり、呼吸も脈拍も浅くなってきました。そんな老猫の看病で精神的にも肉体的にも疲労困憊のワイフの慰労も兼ねて、29日30日だけはワイフと温泉旅行です。
by nutmed | 2010-04-28 07:38

第778回 血圧コントロールと栄養 その6 マグネシウム

今朝のニュースを見ていると、 日本動脈硬化学会は26日、健康診断で心筋梗塞(こうそく)などの危険度の判定に使われている悪玉(LDL)コレステロールについて、「現行の直接測定法には問題があり、今のまま診療や健診に用いるのは適当でない」とする声明を発表したことが報道されていました。これにともなってメタボリック症候群の診断検査に総コレステロールを追加を求めたということです。いままでの方法では、LDLコレステロールを、総コレステロールからHDLコレステロールを引いて計算で求めていたわけで、それが問題があったということは、今まで受診して検査し、診断されていた人はどうなるのでしょうね・・・

さて、今日は血圧コントロールに有効な8つの栄養素の2回目、マグネシウムについてです。マグネシウムについては2回にわたって紹介します。少し長くなりますが、ついてきてくださいね。

マグネシウムは人間の体を構成している約60兆個もの細胞、そしてその細胞で形造られる組織の働き、またビタミン、ミネラル、タンパク質、炭水化物、脂質など栄養素の働きおよび各種酵素の働きには不可欠なミネラルの1つで、血圧のコントロールもその1つです。皆さんも、「マグネシウムと血圧」についてネットで検索してみると沢山の記事がでてくると思いますが、国内外の記事や文献を見ても、マグネシウムが単独で血圧のコントロール、特に血圧を下げる効果についての文献や記事は、明確なものがなく、また症例数も少ない状況でした。マグネシウムが血圧を下げる効果の記事や文献の内容を見ると、実はマグネシウム単独ではなかったことも少なくありません。しかし、2009年6月にアメリカの高血圧に関する学会誌(American Journal of Hypertension 2009 Oct;22(10):1070-5.)でギリシャのAristotle大学の研究チームが発表した研究内容では、12週間のサプリメントによるマグネシウムの単独摂取(1日あたり600mgを3回に分けて摂取)によって、中程度の高血圧患者の血圧が平均で、上が5.8mmHg、下が2.8mmHg
下がったという報告があります。マグネシウム単独での血圧低下の研究報告としては、はじめての報告になると思いますが、この報告によって、サプリメントによるマグネシウムが単独でも血圧を下げる作用があることが証明されたわけです。実際にコロラド在住の私の友人のドクターのクリニックでも、高血圧の改善にかなり以前からマグネシウムを単独で使っていますが、彼のクリニックでは平均して上が20mmHg、下が8mmHg下がると言っていたことがあります。
日本ではミネラルと言えばカルシウムの不足のことや、カルシウムの摂取のことについては盛んに取り上げられていますが、カルシウムにも勝るとも劣らず、人間の体には重要で必要不可欠なミネラルです。

マグネシウムは多くの野菜、果実、動物性たんぱく質に含まれているミネラルです。私自身はサプリメントの熱狂的な信者でも愛好家でもないですから、ビタミンミネラルについていえば、本来は食事の中で様々な食材から摂取するべきだと考えています。マグネシウムもまた同様です。しかし、マグネシウムがリッチな食材を食べないこと、食材に含まれるマグネシウム量、食事の仕方、胃酸や消化酵素の分泌量など、マグネシウムの吸収に不可欠な条件が不十分な現代人の食生活を考えると、マグネシウムが十分量であるとは言い難い状況があります。加えて、ストレスや薬剤の多用によって、体内に蓄積されているマグネシウムの需要が高くなり、また薬剤の影響によりマグネシウムの体外への排泄が進んでしまう状況は、現代人にとって日常的に起きていると言わざるをえません。このような背景から、マグネシウムは、日常から積極的にサプリメントなどで摂取するべきミネラルと言ってもいいでしょう。

体内のマグネシウムの多くは筋肉などの細胞と骨に蓄積されています。マグネシウムは人間の細胞に存在するミネラルとしては、カルシウムに次いで2番目に量が多く、細胞の働きに不可欠なミネラルです。マグネシウムのもっとも重要な働きの1つは、細胞で作られるエネルギーに直接かかわるだけでなく、エネルギーの運搬にもかかわる働きです。
そのほか、マグネシウムには以下のような働きにかかわっています。
・カルシウム、リン、亜鉛、銅、鉄、ナトリウムの代謝
・300種類以上の酵素の活性
・神経の働き
・ホルモンの働き
・筋肉の働き
・免疫の働き
・血圧のコントロール
・血糖のコントロール
・脂肪の代謝
・DNAの合成

これ以外にも、マグネシウムが直接的にも間接的にも影響を与える体内環境はたくさんあります。
言い換えれば、マグネシウムが不足することによって、これらの働きに影響を及ぼす可能性は非常に高いということでもあります。
by nutmed | 2010-04-27 10:18

第777回 血圧コントロールと栄養 その5

日曜日は絶好のツーリング日和だったので久しぶりに秩父方面に走りに行ってきました。早朝6時に家を出て、渋滞のない飯能からの山道は、ヘルメットを通して肌をつく風が冷たく新鮮でした。午前10時前には帰宅して、庭一面に散らかった桜の額の掃除でした。

さて、今日から血圧コントロールに有効な8つの素材を紹介していきます。初回の今日はCoQ-10とビタミンDです。

1、CoQ-10
CoQ-10は正常な血圧を維持コントロールする働きを持った機能性素材の1つですが、2007年にアメリカのJournal of Human Hypertension誌で発表された362人を対象に行われた研究内容によれば、1日あたり30-360mgのCoQ-10を摂取することで、血圧上では平均16.6mgHg、血圧下では平均8.2mgHg、血圧が低下したことが報告されています。この背景には、CoQ-10には心臓の筋肉の肥大を抑制改善する作用があるものと考えられています。
2、ビタミンD
ビタミンDについては、以前ブログでも特集をしていますのでそちらを参考にするといいと思います。血圧とビタミンDの関係については、レニンというホルモンと密接な関係があります。レニンは何らかの理由で血圧が低くなると分泌されるホルモンで、レニンが分泌されることによって、体液の量が増え血圧は上昇しはじめます。ビタミンD(活性型ビタミンD)にはこのレニンの働きを抑える作用があり、不用意な血圧上昇を抑制してくれます。日本では、高血圧の人を治療、経過観察をする場合、血液中のビタミンD(25-OH-ビタミンD)の検査する先生は多くないようですが、定期的に検査してモニター(60-70ng/mlを維持させる)することは有効な指標になると思います。また、1日あたり150マイクログラムのビタミンDの摂取は、血圧の上昇を抑えることが報告されています。
ビタミンDが血圧の上昇に与える影響の背景の1つには、前回紹介したカルシウムと血圧の関係があります。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進させる働きがあるので、ビタミンDが不足することで、食物から摂取したカルシウムの吸収が低下する可能性があります。
以前のブログでビタミンDを特集したときにも紹介しましたが、体内にどのくらいビタミンDが蓄積されていることも重要ですが、25-OH-ビタミンD(体が使える形のビタミンDの活性)がどのくらいあるかを確認することは、血圧のコントロールのために有効な検査だと思います。
by nutmed | 2010-04-26 11:24

第776回 血圧コントロールと栄養 その4カルシウム

来週末からいよいよGWがスタートします。今年は比較的長い休みがとれる人が多いようですね。このところの気温が低い状態がGWまで続かなければいいのですが・・・
このブログも今日で800回目の投稿になります。途中から「週末歳時記」「閑話休題」などがありましたので、トータルすると今日で800回目の投稿です。1つの節目の1000回まであと200回。今のペースで行けば今年の年末ころには1000回を迎えることができるかもしれませんね。

さて、今日は血圧コントロールとカルシウムについてです。
現在、高血圧の薬の主流はカルシウム拮抗剤という種類のものですが、文字通りカルシウムを抑えてしまう薬です。カルシウムは血管を構成している筋肉細胞内に入り込むことで、筋肉を収縮させるため、血圧を上昇させます。ただし、カルシウムをたくさん摂取しないほうがいいのか?ということではありません。少し難しくなるかもしれませんが、人間の体内にはカルシウムの吸収代謝にかかわるシステムが大きくわけて2種類あります。1つはカルシウムが必要な場合に細胞の中にカルシウムを積極的に取り込むシステムで、これを「カルシウムチャンネル」と言います。もう1つは過剰または余剰なカルシウムを細胞の外に排泄するシステムで、これを「カルシウムポンプ」といいます。
人間は、体内のカルシウム量が年齢、性別、ストレスや病気などの体内環境の変化、また仕事の環境などによって変化するカルシウム量を、一定の状態に保つ機能を持っていますが、ここではこの2つのシステムと、副甲状腺という組織から分泌されるホルモンによって調整されています。通常は体内(血液中)のカルシウムを一定に保つために、食物から摂取されるカルシウムがその役割を担いますが、食物からのカルシウム量摂取が不足したり、腸の機能に原因がありカルシウムの吸収状態が低下することによって、血液中のカルシウム量を一定に保つため、骨や歯に含まれるカルシウムが副甲状腺ホルモンの働きによって溶けだしはじめます。骨や歯から溶けだしたカルシウムの一部は、筋肉細胞に入り込み、血管を収縮させ血圧上昇を来たすわけです。
つまり、食物から摂取するカルシウムが不足を来たすことで、体内に蓄積されているカルシウムが引き出されはじめることになるわけですから、常にカルシウムの補充は必要不可欠になるわけです。補充するカルシウムの基本はやはり食事です。また、食事から補給するカルシウムが正しく吸収されるためには、胃での消化分解と腸での吸収が正しく行われる必要があることも忘れてはいけませんね。そのうえで不足しているものはサプリメントで補うということがポイントになると思います。

それではみなさん、よい週末を!
by nutmed | 2010-04-23 16:06

第775回 血圧コントロールと栄養 その3

連休を目前にして、今日の東京は冷たい雨。本当にどしてしまったのでしょうね・・今年の地球の気象は・・

さて、今日は血圧コントロールと栄養の3回目。油の摂取に注意するべきことについてです。
保存安定性を高めるために、水素を結合させた脂、常温で固まってしまう油脂、いわゆるトランス脂肪酸を避けることは、血圧のコントロールには重要なポイントになります。トランス脂肪酸が体内環境に及ぼす影響にすいては、改めてここで紹介はしませんが、ネットでトランス脂肪酸を検索していただければ、山のように情報が出てくると思います。トランス脂肪酸の摂取については、アメリカの食生活では大きな問題になっており、メタボリックシンドロームの根源として社会問題にもなっていますが、近年の日本人の食生活を見ると、アメリカほどではないにしろ、老若男女問わずトランス脂肪の摂取量は以前に比べ増えていることは間違いないでしょう。2007年に金城学院大学薬学部が「脂質栄養学」誌で発表している内容を見ると、日本人のトランス脂肪酸の摂取量はすでに安全域を超えているという報告もあります。アメリカやカナダでは、すでに食品のラベル表示にトランス脂肪酸(hydrogenated oil)を使用していた場合には表示義務が法令化されており、デンマークではトランス脂肪酸の使用配合量を総使用配合油脂量の2%以下にしなければいけないことにもなっています。
日本でも、すでにトランス脂肪酸の使用表示義務を法令化する検討会が消費者庁に発足していて、まもなく表示義務の法令化が整備されるものと思います。
トランス脂肪酸同様、酸化した脂肪も血圧の上昇やコレステロールの性質を変化させてしまう可能性が非常に強いと言えます。最近ではコマーシャルでも「健康にいいオイル」を標榜している油が増えていますが、オイルそのものはいいものだとしても、保存方法、調理方法によって、いい油もその性質は一変することは少なくありません。たとえば、ベニバナ油(Sufflower oil)は、コレステロール抑制作用、血圧上昇を防ぐ作用を持つ多価不飽和脂肪酸(過去のブログ参照)として人気のある油の1つですが、非常に酸化が早く、長時間熱をかけること、特に揚げ物をすることで油は酸化してしまいます。
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最近、日本でもファンが増えているフラックスオイルも多価不飽和脂肪酸の代表油ですが、その恩恵を受け、血圧の上昇を防ぐ目的で使用するのであれば、最低でも保存に注意し、熱をかけずに食すことがお勧めですね。
by nutmed | 2010-04-22 13:58

第774回 血圧コントロールと栄養 その2

今日は雨もあがり、気温も23度まで上昇。冬から一気に初夏の陽気になりそうです。
アイスランドの火山噴火による影響も徐々に少なくなりはじめ、EU諸国の閉鎖されていた空港も、徐々に平常スケジュールに戻り始めたようでなによりです。

さて、きょうは途絶えていた血圧コントロールと栄養の2回目です。
食材、栄養素が血圧に及ぼす影響は、皆さんの多くが既に経験していることです。飲酒すれば直ちに血圧は上昇しますし、塩分過多の食生活によって多くの場合、長い時間をかけて徐々に血圧が上昇します。ちょっと変わったところでは、マグネシウムが含まれる点滴の静脈注射をすることで血圧は下降します。
血圧は低すぎることも、高すぎることも体内環境にはいい状況ではありませんが、日常的に血圧の乱高下を繰り返さない、特に高血圧傾向にならないようにするための、栄養による方法を紹介したいと思います。
日本でも以前から言われているように塩分の過多は言うまでもありませんが、私自身は日本人の中でも地域性(東北地方またはその地方出身者)があって、一律に塩分が健康に及ぼす影響が皆同じだとは思っていませんが、その話題は別なときにお話しすることにします。
基本的には、毎日の食生活に豊富な植物(野菜、果実)または植物由来の食材を取り入れること、脂については不飽和脂肪酸、特にオメガ-3脂肪酸を積極的に取り入れること、そして、小麦とトウモロコシ由来(コーンシロップ)のフルクトースを避けることです。
小麦(グルテン)について、かなりロングランで紹介してきたので詳細はそちらを参考にしていただくといいと思いますが、小麦と血圧については、直接的な関係ではないものの、体重、コレステロールの増加を誘発するという点では、血圧上昇の背景にある体重増加とコレステロールの増加の改善には重要なポイントになるはずです。
2000年の10月にアメリカの「臨床栄養学」誌で、小麦には食欲促進を刺激する因子がある可能性が報告されていて、小麦食材を除くことは体重のコントロールに有効であることも報告されています。
by nutmed | 2010-04-21 07:28

第773回 43Lという考え方

昨日UPしたセリアック病簡易検査キットの紹介動画は私が想像していた以上に反響がありました。ブログのアクセス数もこの3年間で最高数を更新です。今後、このようなキットの紹介だけでなく、動画で栄養講座なんかもUPしてみようと思っています。最近は便利なツールやサイトがあって、Ustreamという無料でライブ放送をさせてくれるサイトがあったり、そんなサイトを使って、日時を決めてライブの栄養講座もできますね。

さて、途切れていた栄養と血圧コントロールに戻る前に、血圧のコントロールのテーマにもつながる話題を少し紹介させていただきます。
私は今年のはじめから「43L」(サイズ表示ではありませんよ・・)という基本的な考え方を提唱しはじめています。3Lの3つのLは「Live」「Life」「Long」の頭文字ですが、「For Live Life long」=「末永く活きるために」ということになります。栄養にかかわっている私の立場から言えば、末永く活きるための食事、栄養、食事の仕方ということになります。ただ、決して有機栽培、オーガニック、無添加、無着色などということを厳格に意識したものではありません。あくまでも現代の食生活環境を考え、日常的に、手の届く範囲の中で入手可能な食材を使うことが基本になります。一方で、以前から何度も繰り返して言ってきているように、食材の「旬」を意識してもらうことは大きなポイントになるでしょう。
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末永く活きるための栄養を摂ることを日常生活の中で意識し、実践してもらうことにありますが、その根底には「ストレスを溜めない生活」と「自身の体内環境を知る」ということがあります。栄養(栄養素)は明らかにストレスの低減、またストレス耐性の向上に重要な役割を担っていることは間違いありません。老若男女が否応なしに、好むと好まざるとにかかわらず何らかのストレスを被るような現代生活の中で、多くの人が末永く活きるために食生活、生活スタイル、栄養、運動など、様々なことを実践していますが、想像以上に結果が出ない、挫折するといったことは少なくないでしょう。その原因の多くは以下の4つに集約されると思います。
1、身の丈に合っていない
2、自分の手の届く範囲を超えている
3、できるところからはじめようとしていない
4、自分の体内環境の状況を把握していない

これらは全てストレスとなり、折角末永く活きるためにはじめたものの、ストレスのリバウンドとして自分の身に貯まるいっぽうになります。
43L、末永く活きるための食生活、栄養の摂り方、食事の仕方は、まずこれら4つと逆のことを考えて実践すればいいわけでもあります。
一見簡単なように見えますが、これが実に難しいことでもあることは、皆さん自身が一番理解できることではないでしょうか。
by nutmed | 2010-04-20 10:56

第772回 セリアック病の簡易検査キット

週末の季節はずれの雪にはびっくりしましたね。週末の日曜日に麹町で行われたMedical Skin Care Specialist講習会で講演することになっていたので、その打ち合わせで土曜日の夕方に麹町まででることになっていたため、朝はいつもよりゆっくりだったんですが、カーテン越しに外が明るいので、まさか・・とは思いましたが薄ら雪化粧していたので、驚くよりも、気候が本当におかしいと思いました。
先日、セリアック病の診断検査の1つ、トランスグルタミナーゼ抗体の有無を確認するための、自宅でできる簡易血液検査のお話をしましたが、今日時間があったので、早速自分の血液を使って検査してみました。その様子をビデオで撮影したので紹介したいと思います。10分弱あるので多少長くなりますが、こんな簡易検査キットがあることも認知してもらえればと思います。


結果は私は陰性でした。
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by nutmed | 2010-04-19 14:24

週末歳時記 医療とサプリメント

箱根では昨晩もずと雪模様だったようですね。予報では東京も雪が舞うかもしれない4月中旬です。
以前このブログでも紹介しましたが、医科向け専用のサプリメントを紹介提供する会社を興して丸2年が経ちました。医師がサプリメントを日常の治療に使う状況は、日本でも増えてきてはいますが、まだまだアメリカ、カナダ、EU、オーストラリアのような状況には至っていません。これは日本の保険診療システムという問題もあるのでしょうが、やはり医学教育のシステムの中に栄養療法をはじめとする、自然治癒療法のカリキュラムが圧倒的に少ないことが大きな理由だと思います。

それでも、いわゆる「サプリメント外来」という看板をあげているだけのクリニックではなく、独学を含め、治療のアプローチに栄養素(サプリメント)を本格的に使うドクターが少しずつ増えていることも事実です。
日本のドクターもサプリメントを上手に積極的に治療に取り入れることは、今までの治療の幅と可能性が広がるという点では大きなメリットがあると思ってはいるのですが。

加えて、患者として治療を受ける国民も、マスコミメディアに誘導されたり、まな板の鯉になることなく、栄養素(サプリメント)について積極的に知識を得るべきだと思います。

週末はまだまだ寒くなるようですが、体調を崩さぬように、皆さんよい週末を!
by nutmed | 2010-04-16 11:30