臨床栄養士のひとり言

ブログトップ | ログイン

<   2010年 10月 ( 20 )   > この月の画像一覧

第935回 サプリメントに対する異常気象の影響

私が企画してフォーミュレーションしたサプリメントの99%は、アメリカまたはドイツ、オランダにある提携工場で製造していますが、今年は日本だけでなく、世界的に異常気象であったために、この季節に収穫されるハーブや植物素材原料の作柄にも大きな影響が出ています。例年よりも雨が少なかったり、逆に雨量が多く日照時間が少なかったために、収穫量が例年よりも大幅に少ない素材や、色にも影響があります。
栄養医学研究所で扱っているサプリメントには、天然素材を使っているものが多く、製品として完成したサプリメントにも少なからず影響があります。一番の影響は素材原料の価格です。2001年以降、影響の大小はありますが、世界的に気象環境の変化が著しく、特に今年のような異常気象による素材原料の収穫量への影響は、市場での原料価格の高騰を招いています。2つ目は製品の色調への影響です。雨、太陽など気象環境の変化、特に日照時間と気温の影響は、原料となる植物の花、根、葉、実の色合いに影響が出てきます。
例えば、栄養医学研究所で扱っているビタミンCに配合しているグレープフルーツの種子ですが、同じ農家で栽培されているにも関わらず、昨年収穫された原料に比べ色調が明るいベージュになっています。これは栽培農家のある南カリフォルニアとフロリダの日照時間、雨量と気温の影響によるものです。
このほかにもクルクミン(ウコン)やマリーゴールドなどのハーブも同様の理由で色調に変化がでています。
もちろん原料に含まれている栄養素量にも影響のでている素材もあります。例年であれば100gの原料から必要なビタミンミネラルが抽出できていたものが、今年は倍の200gの原料が必要になるものなど、異常気象の影響はこんなところにも現れてきています。
サプリメントの原料価格に対する影響は、実はこれだけではありません。 2000年に入って以降、世界的なサプリメント市場の成長に伴い、配合使用する素材原料が投機対象になりはじめ、投資家のマーケットが拡大しています。5年ほど前からバイオ燃料の素材として一躍脚光を浴びたトウモロコシがありましたが、あのおかげでトウモロコシの市場価格は上昇したのと同じ状況が、今サプリメントなどの食品原料にも広がりはじめていることです。
これらの影響は、天然素材原料だけにとどまらず、いわゆる合成されたビタミンなどの原料価格にも影響があります。

さて、明日から週末です。週末は全国的に台風14号の影響で荒れ模様のようです。おでかけの方は十分注意してください。 それでは皆さんよい週末を!
by nutmed | 2010-10-29 10:42

第934回 40歳を過ぎてからのダイエット 最終回

冷え込みは一段と強くなった感の今日の東京。雨も降っているので体の芯から冷え込みますね。こんな日は日本酒で、という方が多いのでしょうね。私は日本酒がダメなんですが、実においしそうに日本酒を飲む人を見ていると、なぜか心が温まります。

さて、今日は40歳からのダイエットの最終回です。
前回、1984年の国際肥満学会誌で発表されたプロポールを1日3回、食前に摂取した人とプラセボを摂取した人の脂質の変化と体重の変化を紹介しましたが、実際にこの素材の効果を検証してみるために、私の家族と友人に協力をしてもらい、8週間の継続摂取による効果を、血液検査と実際の体重変化で追ってみました。

以下のグラフは、私のワイフと彼女と同じ歳のテニス仲間の女性に協力してもらい、8週間後の脂質と体重の変化を示したグラフです。この両人には通常と同じ食生活と運動(テニス)をしてもらい、ワイフにはプロポール以外のサプリメントは一切摂取してもらっていません。ワイフの友人にはプロポールを飲んでもらっていません。
d0070361_14115610.jpg

プロポールを摂取していたワイフの8週間後の血液検査によるコレステロール、LDL-コレステロール、中性脂肪の数値は、優位に低下していることから、食事内容や運動の質と量に変化がない中で、これほど脂質が低下したことは、グルコマンナンの脂質改善の効果は高いと思われます。
d0070361_14144640.jpg

続いて体重の変化ですが、脂質の改善同様、体重にも優位な変化がありました。友人のほうは変化がないだけでなく、多少各数値が上昇しています。
この結果から、グルコマンナンを上手に食生活に取り入れることは、減量だけでなく、脂質代謝の改善にも有効ではないかと思われます。

以前にもお話していますが、減量を進めるうえで、私がクライアントさんに注意を促していることは、体重の数値に囚われ一喜一憂することのないようにということです。体重計の数値は筋肉と脂肪も含まれた数値ですが、減ってもらいたいのは脂肪であって、特に40歳以降のダイエットを行う上で注意しなければならないことは、その後の10年、20年、30年先の生活と体内環境を考え、筋肉を落とさぬような減量を進めることが大切です。
by nutmed | 2010-10-28 14:23

第933回 サロン健康セミナーのお知らせ

今年5月に、茅ヶ崎にカフェをオープンさせた友人が主催する、初のサロン健康セミナーを開催することになりました。程よい海の香りが漂う湘南茅ヶ崎のカフェでのセミナーになります。スペースの関係から、限定30名ということだそうなので、お近くの方、また興味のある方は是非ご参加ください。テーマは季節がら「感染症予防と栄養素」についてです。
サロン健康セミナーin CafeDoor
テーマ  :感染症予防と栄養素
開催日時:11月27日(土) 午後1時から午後3時
場  所:CafeDoor 神奈川県茅ケ崎市浜竹1-6-10 電話0467-86-1327
     JR東海道線 辻堂駅下車徒歩12分 
     駐車場がありませんので、お車での来場はご遠慮ください。
d0070361_994131.jpg

参加費 :1500円(コーヒーまたは紅茶とお茶菓子がつきます)
お申込みは以下のサイトから、またはお電話でお願いします。
http://cafedoor.jp/?page_id=55
「題名」には「サロン健康セミナー参加希望」、「メッセージ本文」には参加人数をご記入ください。
なお、先着順とさせていただきますので、満席になり次第終了とさせていただきます。
by nutmed | 2010-10-27 09:10

第932回 40歳を過ぎてからのダイエット その2

昨晩から日本列島を今年初の寒波の洗礼をうけはじめました。昨晩も冷えてきたなと思っていたら、今朝は冷たい風が吹き、一段と冷え込む朝です。今日は東京も木枯らし1番でしょうか。

さて、今日は40歳う過ぎてからのダイエットの2回目です。
繊維質の中には大きく分けると、水に溶ける水溶性繊維質と、水に溶けない不溶性繊維質があります。水溶性繊維質の代表格はリンゴに多く含まれるペクチンやこんにゃくに含まれるグルコマンナンで、不溶性繊維質の代表格は、カニやエビなどの甲殻類に含まれるキチンキトサンや植物の樹皮に含まれるセルロースです。
水溶性繊維質、不溶性繊維質ともに腸の働きを促す作用を持っていますが、胆汁酸の分泌を抑え、脂質、糖の吸収を抑える作用は水溶性繊維質のほうが圧倒的に強いと言えます。
日本でも、以前から水溶性繊維質を摂ることでコレステロールを低下させることが話題になってきましたが、この背景には水溶性繊維質が、脂肪を乳化させる胆汁の分泌を抑える作用があることがその1つの背景になっています。
こんにゃくのグルコマンナンにはこれらの作用があり、日本だけでなく欧米でも注目されてきた素材の1つですが、繊維質量が、従来のグルコマンナンに比べて多く、ペクチンに比べて繊維質の量が5000倍含まれた、高純度グルコマンナンが日本の企業によって開発され、欧米でも多くの商品に使われています。
実は私もこの素材の事を少し前に知り、アメリカのコネチカットで栄養療法クリニックを開業している友人のアメリカ人が、減量の素材として効果の高い素材があると言う話だったので、是非教えて欲しいと言ったところ、彼からの返事は「この素材はあなたの国の会社が開発したものだよ」と言うことだったんです。
この素材はプロポールと言う素材で、広島県の清水化学が開発製造し、33カ国で特許を取得している素材です。私はこの10年間、常にニュートラルな立場で活動しているので、特定の企業の商品の名前を紹介したりすることはめったに無いですが、海外でも豊富な臨床データが存在することと、実際に家族に使ってもらい、前後の血液検査でコレステロールと中性脂肪の数値が優位に低下していることもあって、この素材については高く評価をしています。
下のグラフは1984年の国際肥満学会誌で発表されたプロポールを1日3回、食前に摂取した人とプラセボを摂取した人の脂質の変化と体重の変化ですが、明らかに優位な差があります。
d0070361_6494161.jpg

d0070361_65044.jpg

こんにゃくのグルコマンナンは、日本だけでなく欧米でも減量の素材としてはもちろん、脂質代謝改善、糖の代謝改善、腸内環境調整にも非常に優れた素材であることが証明されており、愛用者も多い素材です。

次回は我が家の臨床データを紹介します。
by nutmed | 2010-10-27 06:55

第931回 40歳を過ぎてからのダイエット その1

昨日は、日曜日夜から体調を崩し1日仕事を休んで充電しておりました。 先週末のセミナーも好評のうちに終了し、参加された皆さんは消化分解と吸収の大切さを改めて認識していただいたことと思います。

さて、今日は40歳を過ぎてからの減量についてです。
この30年の間、世の中がめまぐるしく変化をしている中で、不変と言ってもいいのは「減量」「ダイエット」でしょう。社会が高齢化する中で、減量志向の年齢層は一段と高くなっているのも事実です。しかし、最適な減量方法は年齢とともに変わるもの、異なるもので、20歳、30歳代に最適な方法が、40歳を過ぎてからも最適な方法であるとは言えません。最近話題の炭水化物を避ける傾向が強い減量方法は言うに及ばず、自分の置かれた生活環境と同時に、自分の年齢、特に40歳を過ぎてかは、自分の体内環境と細胞組織の働きを十分に理解し、考慮したうえで最適な減量を行うべきだと思います。
d0070361_9525725.gif

私はカウンセリングで対応する、減量を希望する40歳以降のクライアントの方に必ず言っていることがあり、「減量を行う際には決して体重計には乗らないように」というアドバイスをしています。その理由は、体重計に表れる数字は皆さんが落としたい「脂肪」だけでなく、落としてはいけない「筋肉」の重さも含まれているからです。40歳を過ぎてからの減量で考慮しなければいけないのは、その後の60歳、70歳、80歳になってからの自分のことで、この年齢の生活の中で重要な役割を担う「筋肉」を、40歳以降の減量によって必要以上に落としてしまうことは、その後の生活の質(QOL)を落としてしまうことにもなります。したがって、若いころのように体重計に乗り、毎日の数字の変化に一喜一憂することなく、筋肉を落とさず、むしろ張りのある筋肉を維持するための、そして、体内にコレステロールや中性脂肪を必要以上に貯め根\まない、その後のQOLを考えた減量をしていただくことが大切だと思います。
40歳を過ぎてからの男女が減量を考える場合、適度な運動の継続はもちろんですが、私が最近注目しているのは「胆汁」と「繊維質」です。
胆汁は肝臓で作られ、胆のうを経て小腸に分泌される液体で、おもに脂肪の分解にかかわります。食事で摂取した脂肪に胆汁がからみ合うことで脂肪を乳化します。乳化とは水と油のように混ざり合わない物質を混ざり合うようにするしくみのことで、マヨネーズをイメージしてもらうといいでしょう。胆汁によって乳化された脂肪は、膵臓から分泌されるリパーゼという酵素によって細かく分解され吸収されやすい状態をつくります。
40歳以降の減量で注意しなければならないのは、食材に含まれる脂肪分で、若い時に比べてコレステロール、中性脂肪の蓄積を増加させる背景にもなります。
つまり、必要以上に胆汁の分泌を増やさないようにすることと、コレステロールの源になる炭水化物の吸収を抑えること、血糖を急激に上昇させないことが、40歳以上からの減量方法のポイントになると考えています。この3つのポイントを叶えてくれる素材が「繊維質」になります。
繊維質の中には、胆汁の分泌を抑制するだけでなく、炭水化物の吸収を抑えてくれる作用をもったものがあり、最近ではイタリア、アメリカ、カナダ、ドイツでも、加齢性肥満の改善や40歳以降の減量の素材として注目されています。
by nutmed | 2010-10-26 09:53

第930回 セミナー終了

今日は朝から好天に恵まれ、セミナーも順調に参加者が集まってきていただき、無事終了しました。
遠くは山形、仙台、宮崎からも参加していただいた方もあり、参加の皆さんありがとうございました。 話の内容は多少難しいところもありましたが、胃酸と栄養素吸収の関係についてご理解いただいたかと思います。
胃酸の状態のレポート、楽しみに待っていますのでよろしくお願いします。
d0070361_16541212.jpg

d0070361_16544437.jpg

d0070361_16551997.jpg


次回は来年2月を予定していますので、お楽しみに!
by nutmed | 2010-10-23 16:56

第929回 肥満を作り出す要因 男性ホルモン その5

南の島の雨の被害は尋常ではないですが、これも台風13号の影響だということです。この台風、今までにない大きさと強力な台風で、スーパー台風と言われているそうです。環境気象学の専門家の話では、これほどの大きな台風が発生することは非常に稀で、環境変化による可能性が高く、もはや地球温暖化ではなく、「地球高温化」の状態に入っているということです。
明日は私の今年2回目のセミナーです。準備も万端整いましたので、参加される方は楽しみにいらしてくださいね。事務局のほうから、会場のスペースを少し広げてもらったそうなので、余裕が多少できたということで、当日の急な参加も結構ですとのことです。

さて、今日は肥満を作り出す要因 男性ホルモンの最終回になります。昨日に続き、加齢に伴い、40歳以降から低下する男性ホルモンのテストステロン量の改善をする間接的な方法について紹介します。

2、間接的方法
直接的な方法では、男性ホルモンのテストステロンの量を増やすために有効な素材を見ていただきましたが、間接的な方法では、テストステロンが不必要に低下しないためと、テストステロンが適切に作られる状況を邪魔する背景を極力排除することが目的になります。
①大豆の摂取量を控える
大豆のたんぱく質に含まれるイソフラボンには、女性ホルモン(エストロゲン)に似た作用がありますが、これがテストステロンの代謝に影響を与える可能性があります。決して、全く食べないほうがいいということではありませんが、1日に何丁もの豆腐や多量な豆乳、納豆を食べることは控えたほうがいいと思います。
②リグナンを積極的に摂取する
リグナンとは植物の実、花、茎、根に含まれているポリフェノールの1種類です。特に多く含まれているのが亜麻の実(フラックス)やゴマです。ゴマに含まれるセサミンもこのリグナンの1つになります。リグナンにはエンテロラクトンという物質が含まれていますが、このエンテロラクトンには、テストステロンを女性ホルモンのエストラジオール(3種類あるエストロゲンの1つ)に変換させるアロマターゼという酵素の働きを抑制する作用があります。つまり、エンテロラクトンが含まれるフラックスやゴマを積極的に摂ることで、テストステロンの低下を抑えることができることになります。
③ザクロを積極的に摂取する
エンテロラクトンと同じように、ザクロに含まれているエラジタンニンの中に含まれるウロリシンBには、アロマターゼを阻害する作用が確認されています。
④副腎にかかる負担要因を排除する
副腎という臓器は、ストレス、血糖、エネルギー生産、体温など、人間の命にかかわる多くの働きを担っている臓器ですが、ホルモンの生産にも重要な働きを持った臓器です。この副腎の負担が増加することで、加齢とともに低下するテストステロンの低下に拍車がかかり、肥満やメタボリック症候群のリスクが高くなるわけです。

今回で男性の肥満とホルモンのテーマは終了になりますが、テストステロンと言うホルモンは、うつ病、心臓病、前立腺肥大とがんにも深くかかわっているホルモンで、日本でも増え始めている、40歳を超えてからの男性の男性更年期症状の原因背景でもあります。いずれテストステロンと男性更年期についてはテーマとして取り上げる予定です。

それではみなさんよい週末を!
by nutmed | 2010-10-22 11:03

第928回 肥満を作り出す要因 男性ホルモン その4

昨日は神尾記念病院のカウンセリング日でしたが、3か月ほど前から担当している、ヘルペスウィルスによる帯状疱疹症状で悩んでいたクライアントさんの症状が出なくなったことを聞いて、一安心しています。ヘルペスによる帯状疱疹で悩む人は多く、ほとんどはアシクロビルなどの抗ヘルペス薬で治療をします。このクライアントさんも抗ヘルペス剤を多用していましたが、副作用がないわけではなく、できれば自然な方法で症状が出ないようにしたいということで、アミノ酸のL-リジンを使ってもらうことにしました。ヘルペスとl-リジンについては昨年11月のブログで紹介していますのでこちらを参考にしてください。帯状疱疹は、多くの人がその症状が出る前に前兆を感じますが、その段階でL-リジンを飲むことでほとんどの場合症状は出なくなります。 抗ヘルペス剤でウィルスを殺してしまう方法も必要な場面はありますが、ウィルスの性格や構造を上手に利用して、殺すことなく自分の力でコントロールすることは大切なことだと思いますね。

さて、前置きが長くなりましたが、今日からテストステロンの低下を予防改善する方法について紹介します。
加齢に伴い、40歳以降から低下する男性ホルモンのテストステロン量の改善をする方法としては、直接的・間接的の2種類が考えられます。
1、直接的方法
文字とおり低下したテストステロンを増やす方法ですが、テストステロンを作るために不可欠の栄養素を積極的に摂る方法と、テストステロンそのものを補充するテストステロン補充療法(TRT:Testosterone Replacement Therapy)が考えられます。
①栄養素
男性では、テストステロン全体の95%ほどは精巣で、残りが副腎で作られていますが、テストステロンが作られる過程の中で、マグネシウム、ビタミンB2、ビタミンB6、亜鉛は非常に重要な役割を担う不可欠な栄養素と言えます。
お勧めの食材:牡蠣・ブロッコリ・キャベツ・ホウレンソウ・アスパラガス・ナッツ類・アボカド
②糖分の過剰摂取を避ける
2009年の5月と6月にアメリカのボストンの研究チームが発表した研究調査によると、砂糖の過剰摂取はこテストステロンの生産と分泌を低下させてしまうという報告があります。詳細は2009年12月のブログを参考にしてください。
③テストステロン補充療法
アメリカでは、天然型のテストステロンを皮膚から吸収させるクリームを用いたホルモン補充療法が日常的に行われていますが、血液検査によるテストステロンをはじめとする検査や現在の体内環境を十分に確認したうえで、知識と経験のあるドクターの基で行われます。昨年9月のブログで紹介していますが、私自身も昨年5月から師匠のDr.ライトの指導の基、天然型テストステロンの補充療法をはじめています。1年以上を経過した今、テストステロンの量も昨年9月に比べ増加し安定的維持を続けているほか、女性ホルモンのエストラジオールも昨年よりも低下していること、またエコー検査による前立腺の大きさも肥大傾向はなく、むしろ昨年よりも若干小さくなっているようです。補充を始めたまえとの実感として感じる最大の違いは、手足肩腰などの稼働域(動く幅)が大幅に拡大したことと、思考や集中時間の限界が高くなり、仕事や原稿書きが短時間に効率的にこなせるようになったことですね。加えて、体力とその回復力も格段に向上したことは、趣味で乗っているバイクで走る距離が驚くほど伸びたにもかかわらず、疲労が回復するまでの時間が短くなったことです。
テストステロンの補充療法については、アメリカでも賛否両論が存在することは事実で、特に前立腺肥大、前立腺がんの引き金になることへの懸念は後を絶ちません。
これはテストステロンが前立腺の働きに深くかかわっているという背景があり、テストステロンの補充療法を行う際には、前立腺の状態を十分確認し、かつ定期的な血液検査やエコー検査でモニターをすることが大切であると思います。
しかし、2009年7月にアメリカのハーバード大学ベスイスラエル病院の研究チームが発表した内容では、従来から言われてきた、過剰なテストステロンと前立腺肥大、前立腺がんの関係とは逆に、テストステロンが低下することによっても、これらのリスクが高くなる可能性を示した報告内容でした。この研究報告が、すぐにテストステロン補充を肯定することにはなりませんが、少なくとも従来から決定的な否定をされていたテストステロン補充と前立腺の関わりに新たなエビデンスが報告されたと言えるでしょう。

テストステロン補充療法の相談にのってくれるクリニック
神尾記念病院アンチエイジング外来
青山外苑前クリニック
岡田クリニック

by nutmed | 2010-10-21 10:20

第927回 肥満を作り出す要因 男性ホルモン その3

日の出の時間がだんだん遅くなり、6時ではまだ暗い季節になってきました。 この時期になると、年末の各種イベント行事のPRがスタートしますが、11月27日(土)に茅ヶ崎のCafeで初のサロンセミナーを開催することになりました。スペースの都合で人数にはかなり制限があるそうですが、詳細は追って掲載します。

さて、今日は男性ホルモンと肥満の3回目です。
日本では耳にすることがありませんが、アメリカの糖尿病専門医の中には、男性に対して、空腹時血糖値、ヘモグロビンA1cと言った血糖コントロールの指標となる血液検査だけでなく、テストステロンの検査を行い、インスリンの感受性と糖のコントロールの状態を確認するドクターが少なくありません。特に、中高齢の男性や遺伝的に糖尿病リスクのある男性には有効な指標であると思います。
加齢による肥満がどのように進んで行くかをまとめてみると・・・・
テストステロンの低下
    ↓
脂肪の増加(肥満)
    ↓
脂肪細胞中のアロマターゼがテストステロンをエストラジオールへ変換
    ↓
テストステロンがさらに低下し肥満が加速


肥満、特に40歳を過ぎてから腹部を中心に脂肪が蓄積する肥満の状態は、単純にコレステロールが上昇し、メタボリック症候群の可能性が高くなるということだけではありません。
2009年5月のブログで紹介していますが、脂肪細胞の中にはアロマターゼという酵素があります。この酵素は男性ホルモンのテストステロンを女性ホルモンのエストラジオールに変換をする働きがありますが、男性ホルモンのテストステロンがさらに少なくなり、女性ホルモンのエストラジオールが増加することによって以下のような状況を生みだす可能性も高くなります。
エストラジオールの増加の主な影響
・性機能の低下
・不妊症(男性)
・骨の代謝低下
・痴呆症のリスク増可能性

50歳後半以降には、自然な食欲や食事の量の低下によって、脂肪量も徐々に少なくなり体重が減ってくることは多いと思いますが、40から50歳半ばまでに、テストステロン量の低下による肥満と、肥満によってさらにテストステロン量が低下するような時期を経てその時期を迎える場合と、40から50歳半ばに肥満を適切に改善し、場合によっては男性ホルモンを補う療法を受けたうえでその時期を迎える場合とでは、体内環境に大きな差がでることは少なくないと言えるでしょう。 アメリカの研究者の中には、「30から50歳までの20年間に、メタボリック症候群や肥満を経験している男性の場合、60歳以降に痴呆症、骨密度の低下、心臓病を患うリスクが高くなる」という研究者も少なくありません。

40歳から50歳代の男性で、この10年ほどの間に腹部や背中の脂肪が増え、10kg以上体重が増えているような方は、血液検査を受けるチャンスがあれば男性ホルモン(総テストステロンとフリーテストステロン)、女性ホルモン(エストラジオール)の検査を受け、現状の数値を知ることをお勧めします。その数値は現状のホルモン状態を知るとともに、現状の基本の数値になりますから、定期的に検査を受けることで、数値の上下を知るとともに、肥満の改善指標になると考えます。

次回は男性ホルモン低下の改善と予防についてです。
by nutmed | 2010-10-20 07:30

第926回 肥満を作り出す要因 男性ホルモン その2

今週末に行う私の今年2回目のセミナー、おかげさまで参加申し込みが70名を超えました。80名収容の部屋なので、10名ほどは残席があります。今からでもまだ間に合うそうですので、参加希望される方はお早めにお申し込みください。

さて、今日は男性ホルモンと肥満の関係について紹介します。 
1昨日の男性ホルモンのヒアリングアンケートの申し込みは昨日も後を絶たず、多くの男性諸氏からメールをいただいていおり、関心の大きさに改めて驚いています。 中には、早速クリニックへ行き、男性ホルモンの検査をしてきましたという方もいらっしゃいました。
d0070361_1014147.gif

40歳を超えたころからの肥満は、10代20代の頃の肥満の進行とは異なる部分があり、過食や不規則な食生活、飲酒などのファクターだけでなく、男性ホルモンのテストステロンの量が大きな背景としてでてきます。
テストステロンは男性ホルモンで、文字通り男性らしさを現すホルモンですが、体内環境のバランスコントロールには不可欠なホルモンでもあります。
去年の6月のブログで男性の減量のためのポイントを紹介したときにも、テストステロンと肥満の関係を詳細に紹介していますので、こちらを復習の意味で是非見ていただきたいと思います。
テストステロンには、活性を持ったフリーテストステロンと、たんぱく質と結合していて、ホルモンとしての活性が低いホルモン(性ホルモン結合グロブリン:SHBG:SexHormoneBindingGlobulin)があります。
d0070361_1019175.jpg

上のグラフを見てもらうとわかるように、テストステロン、特にフリーテストステロンは40歳前後から生産量は減りはじめ下降線をたどります。 従来から肥満とテストステロンは関係があることがわかっていましたが、研究者たちの見解の多くは、肥満になった結果テストステロン量が減るというものでした。しかし、この10年ほどの間の研究で、テストステロン量が低くなることで肥満を作りやすくなるということがわかってきました。
テストステロン(フリーテストステロン)が持つ働きの1つに、糖の代謝にかかわるインスリンの感受性を高める働きと糖のコントロール、脂肪の代謝に関わる働きがあります。これらの働きは直接的にも間接的にも脂肪の蓄積に深くかかわることになることから、テストステロンの生産量と分泌量が低下することによって、脂肪、特に腹部脂肪が増えることになります。また、インスリンの感受性が低下し、糖のコントロールがし難くなるために、血糖の上昇を招き、糖尿病(2型)のリスクも同時に高くなることになります。
by nutmed | 2010-10-19 15:53