昨日は我が家の近辺でも17℃ ! 一気に春に突入か?と思いきや、やはり季節の変わり目は大きな変動があるものですね。昨晩遅くから降りだした雨、今朝は冷たい雨に変わり、この投稿原稿を打っている今、新富町の外は大粒の雪にかわりました。

さて、今日はこのところ寄せられていた読者からの質問疑問などのいくつかに公開回答しようと思います。
最初のメールは、最近TVや雑誌でも話題になっている「ショウガ(生姜)」の効能についての質問です。
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「毎日ブログを楽しみにしています。いつも興味深い内容で感謝しております。今回メールしましたのは、最近流行っている生姜ダイエットについてです。何とかダイエットは殆どが怪しいオカルトダイエットで信じていないのですが、ショウガエキスには膵臓から分泌される、脂肪分解酵素のリパーゼの働きを阻害する作用があり、腸管からの脂肪の吸収を低下させ肥満を予防する効果があるという、熊本大学と愛媛大学の論文など、ショウガには肥満を予防する作用があるエビデンスをみつけました。是非「生姜と脂肪」について先生の意見がお聞きしたいです。」

事の良し悪しは別としても、ショウガに減量効果があるということで、食品メーカーが一斉にショウガ配合商品を作り宣伝し、老若男女がこぞってショウガ商品に飛びつく様は、私にとって、相も変わらず日本人は「おもいっきりあるある症候群」から脱していないことを痛感させてくれました(笑)
この読者から紹介いただいた文献には確かに、ショウガに含まれるエキスには、膵臓で作られる脂肪分解酵素のリパーゼの働きを阻害することが報告されています。ショウガに含まれる機能成分が、人間や家畜の病気や症状の改善治療に使われてきた歴史は非常に古と言えます。その機能性の多くは、ショウガに含まれるショウガオール、ジンゲロールなどの揮発成分によるものです。発汗作用、去痰作用、抗血液凝固作用のほか、胃酸分泌促進、SOD活性とグルタチオン生産能力が高いことが知られており、心臓病、気管支炎、リウマチ、高血圧などの治療と症状改善に使われています。
今回の発表にもある、脂肪の分解を抑えて、腸管からの脂肪吸収を抑える作用についても、古くから知られており、世界中でいくつかの研究報告が発表されているところです。
ただし、私の知識と経験の中にあるショウガの持つ機能性の中には、今回の作用とは全く逆の作用、つまり「ショウガには膵臓のリパーゼの働きを活性させ、脂肪の分解を促進する」という作用があります。(googleなどの検索で「ginger enhanced pancreatic lipase activity」とキーワード検索をすると沢山ヒットします) 同じショウガという素材なのに、ある論文では脂肪の分解を低下させると報告されていたり、別な論文では脂肪の分解を促進すると報告されていたり、どちらを信じればいいのか迷ってしまいますね。

この2つの異なる報告は両方とも正しいと言ってもいいでしょう。その背景にはショウガに含まれる揮発成分が関係しているものと思われます。詳細な原因は私も不明ですが、水で抽出されたものや、ショウガの切片を使ったハーブティをお湯で煎じたような素材の場合には、揮発成分の効果が顕著に現れるため、膵臓のリパーゼの働きを阻害する作用が強く出てきて、摩り下ろした絞り汁を乾燥させて作られたパウダーのような素材の場合には、膵臓のリパーゼの働きを活性させる働きがあるものと考えられます。実際に、トリとマウスを使って、ショウガの粒子の大きさによって作用効果に違いがあるかを検討した報告がカナダと中国の研究グループから2009年に発表されています。

今回読者の方から頂いた論文や過去から発表されている研究報告、それに私がアメリカの大学や師匠たtから教えられた知識と経験を総合的に考えると、今日本で話題になっている「ショウガの持つダイエット効果」に偽りはありませんが、ショウガには、そのダイエット効果の裏付けとして言われている「膵臓が分泌する、脂肪分解酵素のリパーゼの働きを阻害することで、脂肪が腸管から吸収されることを低下させる」作用とは180度異なる「膵臓が分泌する、脂肪分解酵素のリパーゼの働き促進させる作用」があることも事実であること。つまり、ショウガの機能性の恩恵を正しく受けるためには、素材と使い方を間違えることで期待する効果は得られない可能性があるということでもあります。

因みに、私がアメリカで研修をしていたときに教えられ、今でも食材に含まれて体内に入ってくる可能性の高い毒素(重金属、化学物質)の改善を行うために食事指導で行う方法の1つに、脂肪の吸収抑制プログラムがあります。毒素の多くが脂肪に吸着していたり、脂肪と反応しているために、脂肪の吸収抑制を一定期間行うものですが、毒素の吸収を低下させるだけでなく、腸の動きが改善され、好ましい副作用として減量につながることは少なくありません。
この場合に、私がお勧めする方法は、ショウガのハーブティーとウーロン茶です。市販のショウガ茶ではなく、生のショウガを使います。以下を参考にして興味があれば作って試してみてください。容器に入れて作り置きができるので、冷蔵庫に入れて保存できます

・ジンジャーウーロンティーの作り方
準備するもの:生のショウガ、ウーロン茶葉(ティーバックでも可)
1、生のショウガを皮をむかずに1mmほどの厚さにスライスする。
2、スライスしたショウガをクッキングペーパーなどの上に並べ、晴天の日に天日で丸1日乾燥させる。
3、鍋またはヤカン(アルミ製は不可)に水1リットルに対して乾燥させたショウガ片を20gを入れて沸騰させる。
4、沸騰したら火を止め、ウーロン茶葉おおさじ2杯(ティーバックの場合は1袋)を鍋またはヤカンに入れて、10分蒸らす。
5、蒸らした後にショウガ切片とウーロン茶葉を漉し取り、そのまま飲むか、ガラスの容器に入れて冷蔵庫で保存し、冷たいまままたは温めて飲む。

脂肪分の多い食事の最後にコップ1杯のジンジャーウーロンティーはお勧め。


by nutmed | 2011-02-28 16:15

今日は朝から気温はグングン上昇中です。ここ新富町の街中を歩くOLやサラリーマンの皆さんも、心なしか顔が明るい! 給料日と言うこともあるのでしょうが、気温が暖かくなり、気分も高揚しはじめる季節になってきたということでしょうね。

さて、今日は50歳以降の血糖管理のテーマが終了したばかりですが、血糖管理にも、またその延長線上にある心臓病の予防にも、直接的間接的に有効な素材を1つ紹介します。
その素材は「クルミ(胡桃)」です。 以前からナッツ類、特にアーモンドやクルミに含まれれいる豊富なミネラルと質の良い脂肪酸には、炎症を抑える働きのほか、コレステロールやフリーラジカルなどの血管の働きにダメージを与える物質を中和したり抑える働きがあることが、世界中の研究者によって沢山報告されています。
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私も何年か前に、カリフォルニア州のクルミ協会の仕事をしたことがありますが、そのときに20kgのクルミをいただいたことがあります。
オメガ-3系の必須脂肪酸α-リノレン酸を豊富に含んだクルミには、コレステロールの吸収を抑える働きをもつβ-シトステロールも豊富に含まれています。
以下の表はクルミをはじめとする日本でもおなじみのナッツ類の栄養成分です。
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クルミ100gあたりに含まれる栄養成分の中で注目するのは、インスリンの分泌に関わるカルシウム(インスリンの生産を増やす作用)とマグネシウム(インスリンの生産を抑える作用)のバランスがいいことです。不用意に過剰なインスリンの生産を刺激し、初期の低血糖症状のような反応性の低血糖を招くことがなく、また過剰なインスリンの分泌によってインスリンに対する抵抗性を養ってしまうことを防ぐことができます。
低血糖の方にナッツが勧められるのは、たんぱく質が豊富だからというだけではないということですね。

ビタミンについて言えば、ビタミンB6と葉酸が比較的多く含まれていることから、ストレスや酸化物質の過剰摂取からくる心臓病のリスクを押し上げてしまう、ホモシステインの改善にも有効です。
最大の魅力は多価不飽和脂肪酸(PUFA:polyunsaturated fatty acid)の量です。PUFAは、オメガ-3系脂肪酸であるEPA、DHAが豊富に含まれる油です。PUEFAにはコレステロールが含まれていないだけでなく、血液での有害な脂肪を減少させ働きがあります。
以前にもブログで紹介した、脂肪のコントロールシグナルであると同時に、インスリンの調整にもかかわるアディポネクチンと言うホルモンを増やす働きがクルミにはあることがわかりました。

クルミの総合的な臨床評価に関する研究論文を見ると、40歳以降の中高年の心臓病、糖尿病、高血圧の予防には最適な食材であることがわかります。
むかし、私が子供のころに祖母がいつもクルミを2つ手に握って、手のひらでくるくると回していたことを記憶しています。あれは、手の平にある神経を刺激して、いわゆるボケを予防する効果があると言われてきたものですが、そのクルミの実には、このような有効成分が豊富に含まれているので、1日に2個のクルミはお勧めの食材ですね。

明日から週末です。この日曜日、東京では東京マラソンがあり、道路が混雑するようです。走るためには調度いい気温で、絶好のマラソン日和になるといいですね。
それでは皆さんよい週末を!
by nutmed | 2011-02-25 12:53

今日の東京も暖かいと思っていたら、予報では明日はもっと暖かくて日中は20℃くらいになるそうです。このまま暖かくなってくれればいいのですが、そうはうまくはいかないのでしょうね。3月中旬までにひょっとすると雪なんて予報もアリかもしれませんよ。 今日からタイトルの投稿回数が変わりました。1000の単位をTから始まる数字(「T」(thousand)にしました。

さて、今日は50歳を過ぎてからの糖分管理の最終回になります。
50歳を過ぎてからの糖分管理の最終回に紹介するのは、糖分管理を戦略的に進めるために役立つハーブサプリメントの紹介です。

私が自分で使って実感し、カウンセリングに来ているクライアントや友人知人に紹介をしてきたハーブの中で、80%近くの方が実感して満足の行く血糖コントロールができた素材は、ゴーツルー(Goat’s Rue)、ニガウリ(bitter melon)、シナモン(cinnamon)、ステビア(stevia)および緑茶のエピガロカテキンガレート(epigallocatechin gallate)です。

味は別として、かなり以前から、いつかこれらのハーブをミックスしたグルコースコントロールハーブティーを設計開発したいと思っています。ここに紹介したハーブの特徴は、おのおのの素材が血糖を何らかのしくみや働きによってコントロールする作用を持っていることですが、最大のメリットは、そのしくみや働きがそれぞれ全く異なるので、相反することもなく、また副作用が出にくく、何よりも、個人の血糖コントロールのレベルにあった使い方ができるということです。 シナモンとステビアを使ってもらったことがある、関西の某大手製薬会社の役員夫人の場合、血糖降下剤の副作用が強く、低血糖を頻繁に起こす状態で相談にいらっしゃいましたが、この2つのハーブのお茶をある条件で飲んでもらったところ、3週間目に年齢相応の血糖管理ができるようになり、食後血糖も安定し、HbA1cも6.0%を下回る数値まで改善できるようになりました。

これらのハーブのほかにこの3年ほどまえから注目しているのが「コタラヒム」というスリランカ産の灌木の樹皮から抽出される成分です。日本ではフジフィルムがコタラヒムに力を入れており、スリランカにコタラヒム栽培の広大な農場を数年前から運営していますね。フジフィルムが「メタバリア」というサプリメントを扱っていますが、あの中に配合されている「サラシアレティキュラータ」はコタラヒムと同じものですね。確かに、コタラヒムの樹皮成分には、インスリンに対する抵抗性を緩和する作用があり、欧米でも今後注目される素材になるでしょう。
by nutmed | 2011-02-24 13:18

今年は言われているほど花粉の飛散が多くはないのかと思っていたら、昨日も今日も私の車のボディーにはうっすらと花粉がこびりついていました。 これからしばらくは花粉に悩まされるシーズンのスタートです。

さて、今日は血糖管理の食材についてです。
砂糖、小麦粉、白米などの精製漂白をした後の食材や、その食材から加工された炭水化物を、日常的に過剰摂取することによって、食後の早い時間にインスリンが過剰に分泌されることによって空腹感が襲ってきたり、反応性低血糖の状態を招くことは少なくありません。また、過剰な炭水化物を継続して食べることによって、いずれインスリンに対して反応し難くなるようなインスリン抵抗性が出始め、今度は食血糖が中々下がらなくなり、前回説明したように、細胞組織の炎症を招き、中性脂肪とLDL-コレステロールの上昇を招き、2型の糖尿病、高血圧、心臓病へのシナリオをたどるリスクは高くなります。
逆に、50歳を過ぎてからの血糖管理、糖化抑制管理で重要なポイントは、砂糖、小麦粉、白米などの精製漂白をした後の食材やこれらの素材を使った加工食品の摂取量を控えることが、食後血糖の管理の鍵になり、インスリンに対する抵抗性を抑制するとともに、中性脂肪とコレステロールの上昇を防ぐことになります。特に、男性の場合、50歳を過ぎてからの腹部脂肪は中々落とせなくなるばかりか、以前に紹介した男性ホルモン(テストステロン)の低下の背景にもなるアロマターゼの影響を助長させることにもなります。
血糖管理の指標として、GI値(グリセミックインデックス)を参考にすることは有効かもしれません。GI値はネットや雑誌などにたくさん掲載されているので参考にしてみてください。ご存じのように、GI値の数字が大きいほど、血糖の上昇は早く、食後血糖とインスリンの抵抗性に与える影響は大きいと言えます。GI値を上手に使い血糖管理をするには、「GI値の低い食材の種類を多く、1つ1つの量は少なく」がポイントになります。
次に、血糖管理の食材としてお勧めなのが繊維質です。
食物繊維は、医に働きかけて消化をゆっくりと進める作用があるため、空腹感がくるのが遅くなりますし、脂質とたんぱく質の消化分解を十分に行うことができます。また、食後の血糖の上昇を防ぎ、中性脂肪の急激な上昇も防ぐことができます。
by nutmed | 2011-02-23 07:47

先週土曜日に1000回目を達成したことに対する「おめでとうメール」が、昨日も今朝もたくさん寄せられています。この場を借りてお礼もうしあげます。

さて、今日のテーマは先週から継続の50歳を過ぎてからの糖分管理で、今日は食後血糖についてです。
血糖管理と言うと、とかく空腹時の血糖コントロールのことばかりが注目されていますが、2型糖尿病でも、糖による糖化抑制、細胞の老化抑制でも、食後の血糖管理は重要なファクターだと言えます。
今日はまず初めに、食後の血糖管理がいかに重要であるかを理解してもらうために、2007年にアメリカのミズーリ―大学の研究チームによって発表された研究内容を紹介します。少し難しいかもしれませんが、ついてきてくださいね。
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このグラフは、食後2時間後の血糖値と、冠動脈の内側の直径の変化を表したものです。食後2時間の血糖値が高くなるほど、冠動脈の直径が狭くなっているのが理解できると思います。
冠動脈は、最も太い流れの大動脈を流れてくる酸素と栄養素を心臓に供給するための重要な動脈です。つまり、この冠動脈が常に酸素と栄養素をスムーズにそして正しく供給できる流れを維持することできなくなると、心臓の筋肉の働きに直接的に影響がでるわけです。 最近日本でも言われるようになってきたようですが、欧米では、「2型糖尿病=心臓病」、「血糖管理不良=心臓病リスク増大」という方程式を徹底して市民に理解させています。

さて、次のグラフを見てください。最初のグラフは、日本でも大学や研究機関が公表しているものと同じで、食後の血糖値の変化と中性脂肪の推移です。一般的には、食後2時間くらいから血糖値は下がりはじめますが、中性脂肪はこの時間あたりから上昇をし始めます。
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続いてのグラフは、食後の血糖の変化に伴い、細胞や組織の炎症度合、酸化ダメージと、動脈硬化のリスクを間接的に調べたものです。
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ここで診ているのは、CRP(C-Reactive Protein)という、細胞や組織で炎症が起きているときに上昇することが多い血液中のたんぱく質。ニトロチロシン(nitrotyrosine)というやはり炎症やストレスが高いときに多く作られる物質で、糖尿病の進行による腎臓の障害度合を調べる指標のほか、最近の研究ではセリアック病、喘息、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患の判断にも使われる検査です。 そして最後はFMD(flow mediated dilation)と呼ばれる検査で、腕の動脈を止めてから、再び血液が流れたときの動脈の直径の変化をみる検査で、動脈の柔軟性をみることで動脈硬化のリスクを判定するときに使われる検査です。
食後の血糖値が上昇し、コントロールを逸することによって、CRPもニトロチロシンも上昇しているのがわかると思います。一般的に食後2時間以降は血糖値は下がりはじめてきますが、その後もCRPもニトロチロシンが上昇しているということは、細胞組織に直接的な炎症が発生し、酸化ストレスがかかっているということになります。さらに、FMDが食後の時間経過とともに低くなっているということは、極端に言うと血管へのダメージが増大し、動脈硬化のリスクも上昇すると言うことになります。

果たして、40歳を過ぎた何人の人が、職場や地域の検診で「血糖値や中性脂肪に注意してください。このままでは心臓病になりますよ!」と恫喝されていることでしょうか。医者や看護師に耳タコ状態で言われても、管理栄養士にイラストやマンガを使って説明されても、依然として対岸の火事と考えている人が何人いるでしょうか? 私なりに考えると、多くの人が「血糖の上昇が何故心臓の働きに関係するのか?」という方程式が想像できないこともその原因の1つではないかと思います。 もはや「血糖値が高いから注意してくださいよ!」では限界にきているのかもしれませんね・・・
by nutmed | 2011-02-21 17:37

人生の中で、忘れることのできない瞬間や日時、場所、そして人や風景は、実はそんなにたくさんあるものではないと思っています。その中の1つが、ブログ更新1000回目を迎えた平成23年2月19日(土)の今日になります。その今日は私の53回目の誕生日でもあります。昨年暮れから今日のこの日に1000回目の節目を迎えようと半ば計画していたので、節目であると同時に感慨深いものがあります。
2006年6月7日にこのブログをスタートさせたときには、一般的なブロガーと同じように、自分の生活を中心にした公開日記のように、日々のトピックスを、臨床栄養学の知識と経験のある自分の目線で綴っていこうとはしめたものです。今振り返ってみると、最初の1年間ほどはそういう流れで綴ってきていたようですが、徐々に公開日記の性質を離れ、公開セミナー、Eラーニングのように、トピックスや経験と裏付けを踏まえた教育指向を前に出したブログにするよう強く意識して綴っています。おそらく、臨床栄養士のひとり言の読者の80%は、単に健康志向が強い方というだけでなく、医療関係者とそうでない方を含め、自己啓発で良くも悪くも様々な知識を持っている方だと感じています。購読者の方からは、「内容が難しいのでもっとわかりやすく説明してほしい・・」というメールをいただくことがよくあります。ただ、私としては申し訳ないですが、今までの綴り方を変えるつもりはないので、ネットを検索したり、書籍を購入していただいき、難しい部分は自分なりに理解を深めていただければ幸いです。
さて、今後のブログの方向性については、大きく変えるつもりはありませんが、今まで以上に40歳以降、特に自分が50歳を過ぎてということもありますが、50歳以降のアクティブシニアの「体内環境の質の向上」を目的にしたテーマを取り上げていきたいと思っています。
今年の下期からは、栄養療法に携わるプロフェッショナルスタッフ育成のためのEラーニング講座を開講する予定でいますので、このブログの内容が生きた情報として反映されるようになると思います。

それと、1000回達成記念講演会の開催ですが、この5月下旬ころを予定していますので、詳細が決定したらブログでお知らせいたします。

先週からたくさんの「1000回おめでとうメール」をいただいておりますが、この場を借りてメールをいただいた方々にはお礼申し上げます。m(_ _)mありがとうございました!

この6月には6年目に突入します。 次の節目の2000回、10年目に向けてこれからも綴っていきますので、ご期待ください!
by nutmed | 2011-02-19 09:54

子供のころから三日坊主ばかりで、日記すら1週間と続けられなかったのに、5年弱続けてきたこのブログも、あと1回で1,000回を迎えるところまできました。 節目というには大げさかもしれませんが、何かワクワクしてます。

さて、999回目の今日は、50歳を過ぎてからの糖分管理 食事の質です。
50歳を過ぎてからの最適な血糖コントロールを行う際の最大のポイントは「質(クオリティ)」に尽きると思います。「生活の質(QOL)」であると同時に、「食事の質」がそれにあたります。
ここで言う食事の質は、単に義務感や空腹を満たすための食事ではありません。ファーストフードやインスタントフードもたまにはいいでしょうが、これらの食材は、50歳を過ぎてからの精神的にも肉体的にも、QOLを向上させてくれるものとは言い難く、糖分の積極的なコントロールをしようとする際には、食に対する楽しみた期待感の持てない食材であると同時に、体内環境を整える食材とは決して言えないと思います。
30歳後半までの空腹感を満たすことが優先の食事の質とは異なり、50歳を過ぎてからの食事の質、特にこれから生活習慣病の予防や老化抑制のために、積極的な糖分のコントロールを行う際の食事の質では、食事の仕方から、味覚や香り、食事の環境までをも含んだ「食事を楽しむ」ことを優先にした食生活が重要になると思います。
その最大の理由は、積極的な糖分のコントロールを無理なく、またストレスを溜めずに継続させるためです。
前回も話したように、糖尿病の血糖コントロールのための食事ではないので、ストイックになる必要はありませんが、食べたいものを我慢することほどストレスが増えることはないでしょう。「子供じゃないんだから我慢できないことはないだろう・・」と思われるかもしれませんが、加齢とともに低下してくるストレス抵抗力は、皆さんが想像している以上にジワジワと体内環境に暗い影を落とすことになります。
そのためにも、食材の選び方(旬な時の素材選び)、調理方法、食事の仕方、味覚や香り、食事の環境(テレビを見ながらではなく)までをも含んだ「食事を楽しむ」ことを優先に考えた食生活で、積極的な糖分のコントロールを実践していただきたいですね。
旬な素材で自然の恵みを受け、不必要な調味料は使わず、五感を刺激し、ゆっくりと時間をかけて食べることで急激な糖分の上昇を抑える。50歳を過ぎたら是非考えてみてください。
by nutmed | 2011-02-17 13:57

日を追うごとに夜明けが早くなっています。今朝も5時に起きしばらくすると、1カ月前にはまだまだ暗闇だったのに。今では5時30分を過ぎるころから空が薄茜色に変化してきます。特に検査は、先日の雪のおかがで、空気も澄んで綺麗なので一段とすがすがしい朝です。

さて、今日は糖分管理を積極的に行うことについてです。
本来、胃酸の分泌能力はもちろんのこと、消化酵素の生産能力など、エネルギーを得るための素材の吸収代謝に不可欠な要素は、年齢が進むことで低下していくことは自然の摂理と言ってもいいでしょう。逆に言えば、細胞組織とともに、若い時のようにエネルギーを要する生活習慣や場面が加齢にしたがって少なくなるので、吸収代謝に不可欠な要素も加齢とともに少なくなると言ってもいいかもしれません。糖の吸収、消費、代謝の量(必要量)も少なくなったときに、有り余るほど過剰な糖分が体内に入ってきても、それをコントロールする能力だけでなく、コントロールするために必要な栄養素の需要も少なくなるため、過剰な糖分が細胞臓器のあちらこちらで厄介な結果を招く原因になるわけです。
日本では毎日の血糖を自宅で確認するための「血糖モニター」や「グルコメーター」は、いわゆる糖尿病と診断がついた人には主治医から勧められることが多いため、おなじみのデバイスですが、ここ10年間で、アメリカやイタリアでは、糖尿病以外でも、50歳以上の男女のアンチエイジング管理、心臓病、脳梗塞などの予防管理のために、個人が自宅で血糖の確認をする目的で使われることが多くなっています。
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私も個人的に2年前からグルコメーターとHbA1cのモニター計を使って、2週に1回ほど、最適な血糖モニターを行っています。従来の血糖を上げないための食事のメニューを主体とする食生活管理と運動管理は、一見すると、積極的なアクティブコントロールのように見えますが、実際には肥満解消、血糖抑制、老化抑制に対して非常にストイックな受動的な管理(パッシブコントロール)に陥りやすい傾向があります。一方で、糖尿病の血糖コントロールではなく、50歳以降で、細胞臓器を中心とした体内環境の管理を、糖分のコントロールという切り口で実践する場合に、随時自宅で自分の血糖モニタリングができることによって、アクティブなコントロールを進めやすくなると思います。
by nutmed | 2011-02-16 06:51

昨晩からの降雪速度は早かったですね! 予報では雪の見込みが100%だったので、仕事も早々に切り上げ帰宅の途につきましたが、自宅を目前に道路が真っ白くなりはじめ、あと1時間遅かったら途中で動けなくなったかもしれないですね。 この数年、関東では2月を過ぎてからの降雪が多いような気がしてます。今年も3月末までは油断できないような気がしてます。

さて、今日から静かなる脅威、糖分の後半のシリーズに入ります。50歳を過ぎてから注意するべき糖分のコントロールについてです。その1回目は、アンチエイジングには直接かかわる、糖分とスキンケアについてです。
このシリーズの前半から、過剰な糖分はやがて細胞の糖化をもたらすことになることを紹介しています。糖化が進むことで、皮膚を形成しているコラーゲンの働きに直接影響が現れ、年齢相応な健康な皮膚が保てなくなることは、以前のブログでも詳しく紹介しています。 過剰な糖分は、糖化に直接影響があるほかに、細菌の繁殖構造を一変させてしまう影響もあります。50歳を過ぎてから、糖分のコントロールが出来にくい状況が慢性的に継続することによって、皮膚の表面に生息しているブドウ球菌(Staphylococcus )という細菌の繁殖が強くなる可能性が高くなります。ブドウ球菌は、健康な人の皮膚、鼻腔、口腔や腸内に生息している常在菌ですが、体力や免疫力が低下した場合だけでなく、慢性的な過剰糖分のコントロール不良によっても、増殖を促し、特に皮膚や口の中の細胞の環境を一変させてしまうことがあります。
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ブドウ球菌は、皮膚の毛包に入り込み繁殖し、炎症を起こさせるだけでなく、まぶたの下や爪でも繁殖することがあり、炎症を起こします。また、ブドウ球菌の増殖が続くことで、炎症はさらに憎悪します。

このほか、カンジダ菌をはじめとするイースト菌の過剰な繁殖も、腸や膣への影響だけでなく、皮膚の炎症にも影響があり、イースト菌の繁殖もまた、糖分のコントロール不良によって憎悪する可能性は高くなります。
by nutmed | 2011-02-15 16:34

3連休明けの今朝の東京近郊も雪でスタートしましたが、天気は徐々に回復しています。予報では夜にはまた雪のようですから、今日の帰宅は少しお早めに!

さて、今日は糖分の3回目です。
前回の最後に、不必要な糖が血液中を多量に流れ続けることや、インスリンの過剰分泌、インスリンに対して反応し難くなることが原因で、細胞組織が糖化、酸化を受け、慢性的な炎症をもたらすというシナリオで、合併症が進むことをお話しましたね。これが、糖尿病の最大の予防点であって、血糖値を上昇させないようにすることを考え、それを実践することが、糖尿病の予防になるだけでなく、糖化、酸化、慢性的な炎症を予防改善することになり、細胞組織のダメージを回避することになるわけです。

アメリカでは1990年ころから、血糖値を上げないためにカロリーの摂取制限の食生活CRD(Calorie Restriction Diet)が話題になり、血糖を上げて、インスリンを過剰に分泌させるような、炭水化物を中心とした高カロリー食材を避ける食生活によって、積極的な血糖のコントロールを勧める栄養療法医師や臨床医が増えています。
最近、日本でも「カロリス」などと呼ばれるCRDの考え方を勧めるドクターや栄養士が増えつつあるようですが、一時の流行で終わらないことを祈るばかりです。
CRDは、老化抑制(アンチエイジング)としての効果は高いと考えられています。私の友人でアメリカのデンバーで栄養療法を行っているドクターは、6年前から50歳を過ぎた男女の老化抑制プログラムの中にCRDと血糖の積極的なコントロールを取り入れて好結果をあげていますが、彼が患者にアドバイスする血糖の目安は、空腹時で70-85mg/dlの範囲、食後2時間の血糖値は空腹時血糖に40mg/dlを加えた数値をオーバーしないこと、つまり、110-125mg/dlの範囲を維持するように努めさせています。
特に、男性の場合には、血糖の管理に加え、テストステロン、フリーテストステロンおよびエストラジオール(女性ホルモン)の血液検査を2カ月に1度行い、肥満と男性更年期の予防も同時に行っています。男性の場合では、50歳以降の人ではエストラジオールの数値を18-30pg/mlの範囲に維持してもらうようにしてもらっています。
人間の体の細胞組織の働きや、ホルモンの生産能力などは、加齢とともに能力や機能は低下をしてきます。
逆に、多くの場合、必要とするエネルギーの重要量は、若い時に比べて圧倒的に少なくなるわわけですから、エネルギー源にはなりますが、不必要に糖分がいつも高い状態は、糖化、酸化、慢性的な炎症という厄介な状況を作ることにもなります。
したがって、血糖のコントロールは45歳を超えたときから真剣に考え始めていただき、50歳までの5年間で、その後の生活習慣の礎を作ることが大切だと私は思います。例えそれまでの生活習慣を一変することになったとしても。
by nutmed | 2011-02-14 11:40