臨床栄養士のひとり言

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第1128回 Newトピックス 亜鉛が風邪初期症状の緩和改善

d0070361_13161240.jpg 来週から11月ですね。この週末から来週以降は、徐々に冬の気配が一段と濃くなるようです。
冬と言えば、乾燥=風邪の季節ですね。この季節になると懐かしく思い出すのは、カナダ、アメリカに留学していたときに、ドラッグストアの店先に陳列される飴やトローチです・これらの全てが「亜鉛」が含まれたものです。今から30年ほど前にカナダに住んでいたころには、もうオレンジ味やチェリー味の亜鉛の飴やトローチが出回っていましたから、歴史は古い商品ですね。
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亜鉛が風邪の初期症状緩和に使われる背景には、亜鉛が持つ炎症を抑える作用と同時に、一般的な気管と粘膜に影響を及ぼす風邪の原因となる、「ライノウィルス( rhinovirus)」の増殖を亜鉛が阻害するためです。予防商品にトローチや飴、舌下錠などがポピュラーな理由はここにあって、舌下や口の中で溶け出た亜鉛が、直接、喉の粘膜に付着することによって、ライノウィルスの活動を阻害し、炎症を抑えるためです。
この20年ほどまえにアメリカに出張で行った時には、亜鉛だけでなく、喉や鼻の粘膜保護と免疫力向上の機能を持ったエキナセアを亜鉛と一緒に配合した商品が出始め、今ではエキナセアと亜鉛の商品が一番ポピュラーかもしれません。 もちろん飴やトローチのように舌下から亜鉛を吸収させるものだけでなく、一般的なカプセルや錠剤のサプリメントも少なくありませんが、風邪の予防の目的で配合される亜鉛は、酢酸亜鉛(Zinc Acetate)と呼ばれる亜鉛フォームが一般的で、これは亜鉛の吸収がいいフォームの1つであるためです。
日本では、酢酸亜鉛は食品ではなく、医薬品のカテゴリーに入るので、アメリカやカナダのサプリメントのように気軽に購入することができない亜鉛でもあります。
2011年5月に発行されているアメリカの気管支疾患に関する医学雑誌で、フィンランドのヘルシンキ大学の研究チームが、酢酸亜鉛が配合された舌下タイプのサプリメントの摂取が、風邪の初期症状にどの程度有効であるかの調査結果を報告しています。 この報告によると、酢酸亜鉛の舌下錠については、亜鉛の配合量(元素としての亜鉛量)によって有効性が変わる可能性があり、その目安は1日当たり75mgという報告をしています。1日当たり75mg以上を摂取した場合、症状が現れる期間が42%短くなり、また、亜鉛のフォームの中では、酢酸亜鉛が最も有効であると報告しています。
1日当たり75mgという量は、「えー!そんなに大量に!」と言う量に感じると思います。年齢にもよりますが、一般的に、健康を維持する目的で、推奨される亜鉛の1日あたりの摂取量上限は、日本では15mg、アメリカでも30mgと言われているので、75mgは確かに多いと感じるかもしれないですね。
ただ、舌下錠や飴、トローチに配合されている亜鉛は、一般的なサプリメントや薬の亜鉛のように、胃で胃酸の洗礼を受け、腸で吸収される工程を経るのではなく、上記で説明したように、口の中でだ液によって溶けだした亜鉛が、口腔から咽頭の粘膜に付着して機能するので、カプセルや錠剤を経口で飲む場合とは異なります。また、トローチや飴の亜鉛の場合、1つ当たりに含まれ亜鉛の量はそれほど多くはなく、症状が現れている時には、数時間おきに舐めてもらうようにするような商品ですので、一度に大量の亜鉛を摂るわけではありません。
一方、このような商品を摂る場合の注意点は、長期間継続して摂らないように注意することでしょう。舌下でなめて摂る亜鉛とは言え、かなりの量を継続して長い期間摂ることによって、同じミネラルの銅の吸収を阻害することがあります。ひとつの目安としては、鼻水やくしゃみがではじめてから最長でも5日間ですね。

私はアメリカやカナダに出張した時には必ず亜鉛(酢酸亜鉛)のキャンディやトローチを空港のKioskで買ってきますが、欲しい時にない場合、知り合いのドクターにお願いして、酢酸亜鉛のカプセル(ノベルジンカプセル25mg)を処方してもらいます。カプセルの中身を出して、コップに100ccほどのぬるま湯を入れ、やさしくうがいをします。

さて、明日から10月最後の週末ですね。来週からはもう11月です。 明日はハロウィーンのパーティに出かける人も少なくないでしょうが、外出の時には風邪をひいて自分の体調が「Trick or Treat!」にならないようにしてくださいね。
それでは皆さん、Nice Oneな週末を!
by nutmed | 2011-10-28 14:54

第1127回 Newトピックス ビタミンDが骨そしょう症改善薬の働き向上

d0070361_12445386.jpg 最近、セミナーや講演会に行くと、参加者から頂く質問の80%は、セシウムやストロンチウムなどの放射性物質の解毒方法や、予防のための食事など、311以降の時節を反映した内容です。中には、「この秋に収穫された米や野菜はセシウムが入っている可能性が高いので、食べない方がいいですよね?」という、国民の多くがいだいているであろう質問があります。私は放射性物質や放射線の専門家ではないので、コメントは控えるようにしていますが、内心、「その答えは専門家に聞いても確実な答えはでないでしょ!」と思うところがあります。放射性のセシウムやストロンチウムが、生きるものにとっては危険極まりない物質であることは間違いないことですが、多くの国民が、目の前にあるメディアやネットの情報に煽り立てられ、「生きるという本質」を見失っているようにも感じています。

さて、今日のトピックは、体内のビタミンDの蓄積量が、骨そしょう症改善薬の効果を向上させるという内容です。これは、2011年6月にアメリカのボストンで開催された、内分泌学会で発表された内容です。
骨そしょう症の治療、症状の改善に処方される薬として、世界的にポピュラーな薬はビスホスホネート(bisphosphonate;BP)と呼ばれる薬で、骨の細胞の破壊と吸収を防ぐ作用を持っています。しかし、全ての人に有効な薬ではなく、平均すると40-45%ほどの人では、ビスホスホネートに反応しないという報告もあります。内分泌学会で発表された内容を見ると、骨そしょう症女性の中で、ビスホスホネートが有効であった女性と、有効でなかったしなかった女性の、血液中ビタミンDの量(25-OHビタミンD)を検査確認してみると、有効であった女性では、33ng/ml(ナノグラム/ml)以上の数値を維持していることがわかりました。一方、有効でなかった女性の数値は20-30ng/mlであったと報告しています。
この報告をみる限りでは、日本でも骨そしょう症治療の目的で処方されるビスフォスフォネートの効果を高めるためには、日常的にビタミンDの体内蓄積量を高く維持しておくことが有効であると言えますね。

以前のブログでも、アメリカの一般的な医療施設では体内のビタミンDの適切な維持量として血液中の25-OH-ビタミンDの下限数値を30ng/mlとしているところが多く、また栄養療法を行うクリニックでは下限を50ng/mlとし、少なくともこの数値以上を維持することが健康管理には必要としていることを紹介していますが、高齢者、特に女性の高齢者における骨そしょう症の治療に際しては、積極的にビタミンDの体内量を増やすことは有効だと思います。
例えば、血液中の25-OH-ビタミンDを40ng/ml前後に維持するためには、1日あたり3,000-5,000IU(75-125マイクログラム)のビタミンDを摂取することが必要だと思います。
by nutmed | 2011-10-27 13:54

第1126回 Newトピックス グルテン不耐性改善のため米粉パン注目

d0070361_916256.jpg 数年前から日本で話題になっている米の粉「米粉」を使った食品、特にパンやパスタですが、アメリカやEUの小麦グルテン不耐性やセリアック様症状の改善食として今注目を集めています。米粉のパンやパスタを食べたことのある人は、あのモチモチッとした食感が病みつきになるといわれますが、その食感は万国共通のようでした。欧米でのグルテン不耐性や感受性障害、セリアック様症状の改善、グルテンによるアトピー性皮膚炎の症状改善には、グルテンを除去する食生活、いわゆる「グルテンフリー」を厳格に行うことがその後の改善のカギになると言ってもいいでしょう。そのグルテンフリーの食材、今でこそ欧米ではグルテンの影響が多くの国民にも認知されはじめ、主要な都市にはグルテンフリー食材を扱うショップが存在するだけでなく、最近ではネットで豊富なバリエーションの中からグルテンフリー食材が購入できます。それでも、ぱんやパスタに限っては、スペルと小麦など、比較的反応の出にくいとされる食材に限られ、パンやパスタを食べることができないストレスは想像以上でした。そこへ来て、日本の米粉を使ったパンやパスタが話題となり、今まで食べていた欧米のパンやパスタよりも食感や味がいいと高評価を得ています。テキサスのフォートワースで栄養療法のクリニックを開業している私の友人のドクターは、学会で台湾に来た帰りに東京に寄ってくれ、10年ぶりの再会で旧交を温めようと考えていると、日本に寄港した理由は、パン焼き機、それも米粉の「ゴパン」が焼ける機種を購入するためだったほどです。
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このパン焼き機、価格がこなれてきたとは言え、まだまだ高価な商品ですから、もう少し価格が安くなったら、私もクライアントには使っていただこうと思っています。
by nutmed | 2011-10-25 09:40

第1125回 Newトピックス ごま油が血糖値の上昇を抑える

d0070361_9335642.jpg 昨日の午後は、青山外苑前クリニックでの栄養カウンセリングでした。今月初めに爪でミネラル分析をしたクライアントさんでアルミニウムが高い方が再来院されました。本人もアルミニウムが高い原因が不明で心配しての来院です。30分くらいかけてこの方の生活習慣、食生活、食材、飲料水、サプリメント、薬などのヒアリングを重ねていったところ、アルミニウムが体内に高濃度で蓄積してきた背景がわかりました。その原因はミネラルウォーターでした。一般に市販されているものではないようで、このミネラルウォーターのPRパンフレットを見ると、このミネラルウォーターは「天然鉱物」を通した特別な水で、しかもしっかり「アルミニウム」が入っていますと記載されていました。アルミニウムは比較的早く体外に排泄されるミネラルではありますが、体内環境の条件によってはアルミニウムが骨や歯に吸着しやすくなり、長期間にわたり体内に蓄積することもないわけではありません。
その条件の1つがカルシウム不足です。その背景は以前に紹介したブログを参考にしてください。

さて、前置きが長くなりましたが、今回のトピックスは、ごま油が持つ血糖降下作用についてです。
2010年の12月にアメリカのClinical Nutrition誌で、インドの研究チームがゴマ油が2型糖尿病の改善に有効であることを人の臨床検討で行って発表しました。
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この臨床検討では、2型糖尿病と診断され、薬剤治療および食事療法を行っている60人のボランティアの協力で行われています。2型糖尿病と診断されている人またはその予備軍では、血糖値とHbA1cの上昇は勿論のこと、コレステロール、中性脂肪の上昇も改善しなければいけない問題であることはご存じかと思いますが、ごま油を調理に使うことと、サラダにかけたり、調味油として使うことで、血糖値、HbA1c、コレステロール、中性脂肪を明らかに低下させたという結果がでています。この60人には、1日あたり35gのごま油を、調理油、調味油、サラダオイルなど様々な方法で摂取してもらってます。60日後の血糖値の変化を見ると、ごま油の摂取前と比べると、平均でも36%低下しています。また、血糖降下のための薬として、日本でも汎用的に処方されている、グリベンクラミドやオイグルコンと言った薬を、すでに服用している2型糖尿病の患者では、ごま油を食生活に組み込むことで、薬との相互作用によって、43%も血糖値が低下しています。
この背景にはゴマ油の持つ抗酸化作用だけではなく、インスリンの感受性を高める作用があると考えられます。

2型糖尿病の食事指導を受けている方で、思いのほか血糖値が下がらない、また2型糖尿病予備軍と言われているような方や血糖値のあがりが気になる方は、ごま油を食生活に積極的に取り入れるといいですね。

さて、明日から週末です。今晩から全国的に雨模様のようですが、スイス気象局の放射線飛散予報図を見ると、今週末は関西、中部圏、そして関東地方に至るまで、低い高度で放射線物質の飛散が予想されているので、雨にあたることは注意してください。

それでは皆さん、よい週末を!
by nutmed | 2011-10-21 13:09

第1124回 Newトピックス トコトリエノール

d0070361_11202043.jpg 先月のセミナーで、お土産としてお配りしました、私がフォーミュラした糖化抑制を目的とした糖化抑制ティ(Anti-AGEing Tea)の評判評価が予想以上に高く、年内に商品化をすることが決定しました。 8人の女性からティを飲み始めて4-7日で肌の柔軟性が増してきたという実感のほか、3人の男性から、早朝の尿の泡立ちが6-10日で最大80%無くなったという実例に加え、私の知人の男性で、血糖値の少し高い方に、このティを飲む前と14日間飲んでもらった後のヘモグロビンA1c(HbA1c)という糖化の指標の血液検査を行ってもらったところ、6.4%が5.9%に低下していました。 発売時期が正式に決定しましたらブログでも紹介します。

私がコラムを寄稿している、軽井沢のプラチナマガジンも好評で、第4号が発行されました。フリーペーパーということもありますが、地元の軽井沢だけでなく、東京のアンテナショップなのでも人気だそうで、中々入手が難しくなってきたそうです。
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さて、今日はトコトリエノール(ビタミンE)が脳梗塞の細胞ダメージを防ぐという話です。
2011年8月の医学誌で報告された、犬の脳梗塞モデルを使った実験によると、脳梗塞が発症した後の脳細胞へのダメージを、ビタミンEの構成成分の1つであるトコトリエノールが防ぐ働きを持っていることを発表しています。
ビタミンEは、トコフェロール以外に「トコトリエノール」という成分がビタミンEを構成する成分として存在しています。トコフェロールとトコトリエノールは非常に似た物質ですが、体内ではそれぞれ異なる働きをすることもわかってきました。例えば吸収について言えばトコトリエノールのほうがトコフェロールよりも早く優れていることや、抗酸化作用については、トコフェロールよりもトコトリエノールのほうが勝っていることが最近の研究でわかりました。
α-トコフェロールは市販されているビタミンEの主要成分として多く使われていますが、2005年にアメリカ栄養学学会誌で発表されたドクターTanらの研究によると、α-トコフェロールはトコトリエノールの吸収を阻害することが報告されています。また、1996年にニュートリションジャーナルで発表された研究によると、トコフェロールにはコレステロールを抑制する作用はほとんどなく、トコトリエノール(特にデルタ-トコトリエノール)にはその作用が多く存在していることが発表されています。
従来からビタミンEの抗酸化作用とコレステロール(LDL)抑制作用が心筋梗塞などの循環器系疾患の予防に有用であることが叫ばれてきました。しかし、市販されているビタミンEサプリメントの多くがα-トコフェロールを中心とするミックストコフェロールを配合した商品で、トコトリエノールが配合されたビタミンEは非常に少ないのが現状です。
私の師匠のDr.ライトや多くの栄養療法に従事するドクターは、肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症などいわゆるメタボリック症候群の改善のために患者に処方するサプリメントの中には確かに必ずビタミンEをラインアップしていますが、彼らのビタミンEは市販されているビタミンEとは異なり、トコフェロールとトコトリエノールを成分配合した、いわば「フルスペクトラムビタミンE」とよばれるビタミンEです。
by nutmed | 2011-10-20 13:57

第1123回 Newトピックス イチゴが糖尿病合併症を予防

d0070361_654424.jpg 今朝の東京は、ようやく秋めいてきた風を感じる朝でスタートです。ついに私も老眼鏡の助けを借りる年齢になりました^^; 自分がそうなったから言うわけではありませんが、それにしても「老眼鏡」という言葉はあまりいい響きではないですよね。特に女性の方はこの言葉に敏感になるようです。英語では「Reading glasses」つまり「読書用メガネ」という言い方をします。日本もこれから中高年層の厚みが増える社会構造になるのですから、こんな言葉にもデリカシーがあるといいのにな、と思っているのは私だけかもしれませんね(笑)


さて、今日は、イチゴが糖尿病の合併症の予防に有効である可能性が高いというアメリカの報告からです。
カリフォルニア州サンディエゴにあるソーク研究所(Salk Institute’s Cellular Neurobiology Laboratory)の研究チームが、2011年7月に発表した内容によると、イチゴに含まれるバイオフラボノイドのFisetin(フェスチン)は、糖尿病の合併症の予防に有効である可能性が高いことを報告しています。
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今回の報告は、マウスによる動物実験レベルではありますが、研究結果から、1型と2型糖尿病の両方で深刻な合併症、特に2型闘病病における糖尿病性腎症や腎疾患、網膜症、および神経障害の発症率が、フェスチンを与えたマウスでは明らかに軽減していると報告しています。また、フェスチンには、以前からブログでも書いてきた、「糖化最終産物(AGE)」が作られることを防ぐ働きがあることもあわせて報告しています。
フィセチンは以前から記憶力、集中力を向上させる働きが注目されていたバイオフラボノイドの1つで、イチゴのほかにブルーベリー等にも含まれています。 今回の研究報告で注目するのは、フィセチンには従来から言われていた、神経の働きへの作用のほかに、糖化を抑制、特に脳神経細胞における糖化の影響を抑制する作用の存在の可能性が高いことだと思います。
by nutmed | 2011-10-19 07:51

第1122回 Newトピックス スタチン系薬の副作用軽減

d0070361_16301726.jpg 今日は久しぶりに銀座通りを歩いてみました。街路樹へのクリスマス装飾の準備がすでに始まっていて、季節感が失われていくような感じですね。今日もAppleストアには長蛇の列ができていましたが、先週末のサーバートラブルによってiPhone4Sの登録ができずに漏れた人たちなのでしょうかね。私は、先週金曜日になんとか機種変更で4Sを入手しました。
PDAからスマートフォン歴は長いので、この手のデバイスは年齢の割には強いんです(笑)直感的に操作もわかりますし!

さて、今回から、しばらく貯めこんでいたトピックスのまとめが終わりましたので、何回かにわたって最近のトピックスを紹介していきます。1回目の今回は、スタチン系薬の副作用予防に有効な素材です。日本での市販薬名はメバロチン、リピトール、リポバス、シンバスタチン、プラバスタチン、ローコール、クレストール。
スタチン系の薬は、脂質異常症(以前は高脂血症)の原因背景にある、コレステロールや中性脂肪を低下させるための薬剤です。以前にもこのブログで詳しく紹介していますので、コチラを参考にしてください。
スタチン系の薬は脂質異常症の改善の目的で、コレステロールを低下させることに対しては確かに有効です。一方で、その副作用もクローズアップされるようになっていることも事実です。その1つが3年前に日本でも話題になったスタチン系薬剤のCoQ10の合成阻害作用ですね。肝臓でその多くが作られるコレステロールの代謝には、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)という酵素が触媒として働き、コレステロールの合成を促進します。スタチン系薬の主要成分である「スタチン」は、このHMG-CoA酵素を抑制する作用を持った成分なんです。HMG-CoA酵素の働きの1つには、体内でCoQ10の合成に関わっているため、アメリカではスタチン系薬を使用する時には、CoQ10の併用が常識的に行われるようになっています。 CoQ10 が不足することによって、筋肉痛、不眠、下痢、脱毛、口内炎、倦怠感、足が重い、胃が重い、肝臓腎臓の機能障害などが現れることが少なくありません。また、最近の研究では、膵臓から分泌されるインスリンの量にも影響を与える可能性が分かりつつあり、スタチン系薬によって2型糖尿病を誘発する可能性の有無についての臨床検討が行われています。

2010年11月にアメリカの内科学雑誌で発表された、米国ジョンズホプキンス大学公衆衛生研究室による臨床検討によると、スタチン系薬の副作用の中でも多くみられる、筋肉痛をはじめとする筋肉の働き絵の影響を緩和するために、クレアチンが有効であることが報告されています。 すでにアメリカでスタチン系薬を処方するドクターの中には、CoQ10と同時にクレアチンを併用処方するケースも増えているようです。
by nutmed | 2011-10-18 17:50

第T1121回 ビタミンミネラルが高齢女性の死亡原因!?

d0070361_13295835.jpg 今日は少し長くなりますが、重要なトピックスでもあるので、最後まで付いてきてくださいね。

「Junk Science」(ジャンクサイエンス)。日本ではあまり馴染みのない言葉ですが、アメリカでは、「意味のない研究」とか「根拠に乏しい研究」などと解釈されています。何故そんな意味のないジャンクサイエンスな研究を発表公表するのか?その目的の背景には意図的に世論を誘導したり、特定の商品や思想をサポートしたり、敵対する商品や思想の評価を下げる等の目的で、唐突に発表されることが少なくありません。この10月10日に全米の主要なメディアがBreaking Newsとして扱った、ビタミンミネラルサプリメントに関する調査研究報告も、ある意味ではジャンクサイエンスと言えるでしょう。
10月10日付けのAmerican Medical Association(アメリカ医学協会)が発行する Archives of Internal Medicineに掲載された「Vitamin and Mineral Supplement Use in Relation to All-Cause Mortality in the Iowa Women’s Health Study」がそれです。和訳すると「アイオワで女性を対象に行われた健康調査から、ビタミンミネラルが全ての死因と死亡率に関わっていることがわかった」というニュアンスでしょうか。言ってみれな、日本の「国民栄養調査」のような類の調査だと考えてもいいでしょう。
まず、この調査論文を見て異例だなと思ったのは、アメリカのアイオワ州で、1986年から2004年までの19年間に行われたアンケートを中心とする調査報告を、フィンランド、ノルウェー、韓国の大学や研究機関の研究者らが中心となって統計分析をして報告しているのかということでした。
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この調査では、1986年、1997年、そして2004年の3つの異なる時期をポイントにして、39000人の女性を対象に食事内容、生活スタイル、そして飲んでいるサプリメントについてアンケートを行いました。しかし、参加した39000人の女性に行っているアンケート調査の中には、少なくともその女性たちの病気の有無、服用医薬品の有無、身体的な特徴などの情報は得られていません。その後、2008年時点で、この調査に参加した女性の中で何人が死亡しているかと同時に、1986年、1997年、2004年のアンケート調査で、死亡した女性がどのようなサプリメントを飲んでいたかをピックアップして調査しています。興味を引いたのは、対象になった女性の年齢層です。59歳から62歳までの女性が対象で、その平均年齢は61.9歳です。つまり、対象となった女性の背景を考えると、「運動量が少なく」「基礎代謝量が低く」そして「潜在的にどのような症状と服用医薬品の詳細が明確ではない」女性を対象に調査された結果であるということです。さらに、この調査では、統計的有意分析という手法を用いて、女性の死因とサプリメント(ビタミンミネラル)の因果関係を導き出していますが、統計的有意分析を行うには、19年間と調査期間は十分に長いものの「僅かに3回のデータ」であること、39000人と対象者の数も十分ではあるものの「郵送によってアンケートを送付し自己判断で回答」してもらっており、その回答の有効性分析すらされていません。つまり、この時点ですでに信憑性に疑問のある調査結果であるとも言えます。そして、なによりも、死因の背景にある可能性の高い病気の有無や医薬品の処方の有無、加療歴を統計分析に加えず、65歳前後になった女性の死因とサプリメントで摂ったビタミンミネラルを強引に関連付けし、「あたかも結果在り」の調査結果は鵜のみにはできない、大きな疑問を残しました。
私も、ケーブルTVのライブで放映さていたCNNでこのニュースを偶然見ていましたし、昨日には今回の論文についてのコメントを求めて、Dr.ジョナサンライトと私の友人のドクター(栄養療法と西洋医学の両方の友人)にメールを打診したところ、彼らの全員が、「この手の論文や一般記事は、アメリカでは数年に一度公表されるので、日本人が想像しているほど、アメリカ国民全体と、その購買モチベーションにはインパクトはない。そして、これらの論文記事の背景にある意図は、サプリメントを医薬品並にアメリカの行政(FDA)のコントロール下に置くための策略の存在であり、その後ろには巨大な製薬会社が存在し、そのロビーストとして積極的に活動している上下院議員は多い」ということです。
by nutmed | 2011-10-13 13:53

第T1120回 痛風と栄養素

d0070361_138531.jpg この3連休、全国的に天気は上々で、あちこちで秋の運動会が開催されていたようです。 私も連休の合間を見て、このところ忙しくて乗っていなかったバイクで秩父の正丸峠までちょこっと走りに行ってきました。僅か200kmほど走っただけですが、体で感じる風はストレスも一緒に吹き飛ばしてくれるに十分で、またその風邪の中に秋の匂いも感じることができました。 また日曜日は35年ぶりに同級生に再会する、高校の同期会があり、人生の機微を過ごしてきたいい顔をした、かつての同級生の口から出てくる話題は、体調や両親の介護に加えて、孫の話題! もうそんな年齢になったんだと改めて実感しました・・

さて、今日はこれからの収穫の季節に話題になる、痛風についてです。
痛風が「贅沢病」と言われていたのは、一昔以前のこと。いつでも24時間好きな食べ物が好きなだけ食べられる現代、痛風はもはや現代人の潜在病と言っても過言ではないでしょう。それを裏付けるように年々痛風発症者の数が増えており、年齢層も若くなっています。
痛風は、自分の体内の環境を分析し、栄養素をコントロールすることによって、特有の痛みとは無縁の生活も不可能ではありません。

痛風の食事と栄養 
日本の痛風治療には食事療法があります。アルコール(特にビール)を控える、プリン体の多い魚介類・もつ類・牛肉を控える、ダイエット、水分を多く飲むなど、見るだけで生きる楽しみの40%は奪われたような気になってしまうような内容です。実際、食事療法によって痛風と「上手に付き合う」
ことは可能ですが、ビタミン・ミネラルなどの栄養素を考え、コントロールすることによって、痛風の痛みに苦しむことなく穏やかな生活を送ることは夢ではありません。

痛風治療に有効な栄養素
①オメガ-3脂肪酸
良質のオメガ-3脂肪酸が豊富に含まれる素材としてはフラックス(亜麻)油が最強だと考えます。フラックスオイルには、炎症と痛みを抑える働きがあります。
②ビタミンC
ビタミンCには血液中に大量に放出された尿酸を減少させる働きがあります。
③フラボノイド
フラボノイドの中でも、クルクミン、アントシアニン、ケルセチンは尿酸を抑える働きをもっています。また、クルクミンには強力な抗炎症作用があります。
④葉酸
葉酸には尿酸の生成に関わる酵素を抑える働きがあります。
⑤亜鉛
痛風には鉛性痛風というタイプもあります。体内に蓄積された鉛が増加することによって発症する痛風で、鉛によるタンパク質の合成阻害が生じるものです。このタイプには亜鉛が有効です。


この季節、食材も豊富になり、ついつい食べ過ぎてしまう傾向がありますが、日ごろから尿酸値が高い人や、痛風発作の経験者の人は、食材にも気を配りながら、秋の恵みに舌鼓を打ってくださいね!
by nutmed | 2011-10-11 13:18

第T119回 11月のセミナーのお知らせ

d0070361_723539.jpg 今朝の東京は雨です。今日は1日気温が上がらず、冷たい雨の1日になる予報です。 インフルエンザ、RSウィルスなどの流行の兆しがみえはじめていますので、この時期の体調管理をしっかりしてくださいね。





さて、今日は11月26日に開催する今年4回目のセミナーのお知らせをします。 テーマは色々考えた結果、私としてはこの数年危機感を抱いている、小麦グルテンの体内環境への影響についてを取り上げることにしました。ご興味がある方は是非参加ください。

日時:平成23年11月26日(土) 午後1時30分から午後3時30分
   開場は午後1時00分となります。
テーマ:「小麦グルテンの体内環境への影響」
参加費:1,000円(当日受付でお支払いください)
会場:日本印刷会館 2階会議室
住所:東京都中央区新富1-16-8(地図参照)

申し込み方法
参加ご希望の方は、メールの件名に「セミナー参加申し込み」とし、以下の内容を記入の上、以下のメールアドレスまで送信ください。折り返し事務局より返信メールで連絡さしあげます。

住所:
名前:
連絡先メールアドレス:

なお、誠に申し訳ありませんが、お1人1回の申し込みとさせていただきます。1回のメール申し込みで複数人同時の申し込みは可能です。
送信先:nutmed1@gmail.com


先着80人となりますので、80人の定員になり次第締め切りとさせていただきますので、ご容赦ください。また、当日はセミナーの録音、録画、写真撮影はお断りいたします。

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by nutmed | 2011-10-05 07:34