臨床栄養士のひとり言

ブログトップ | ログイン

<   2011年 12月 ( 12 )   > この月の画像一覧

第1153回 2012年に向けて思うこと

栄養医学研究所は本日が仕事納めになります。来年2月の川越への移転のため、大掃除と引っ越しのパッキングを同時に行っているためか、昨日今日とオフィスはバタバタ状態です。

今年2011年は3月11日の震災に続き原発事故から始まった未曾有の想定外事が重なる、本当におぞましい1年でした。放射線ろいう目に見えない、ある意味ではとらえようのない物質を相手にするために、さらなるストレスが加わり、メンタルとフィジカルの両面から、これまた多くの日本人が経験したことのないストレスを体験することになった年だったと思います。
今年の4月以降、毎日のように電話やメールで「内部被ばくを回避する方法やサプリメントがあったら教えて欲し・・」という内容の問い合わせが後を絶ちませんが、最近私が思っていることの1つは、内部被ばくをしないようにすることが一番であることは間違いのないことではあるものの、それを避けるためにも、また自分の体内環境と細胞臓器が本来もっている自浄能力さえも、体がまともに動かなければ果たせないことであるということです。
その意味では、以前からブログでも幾度もテーマに揚げてきている副腎への負担を軽減させることと、副腎機能の改善は重要なポイントになるでしょうね。

原発事故の影響というものさしで見ると、今後30-40年はその影響は継続するわけですから、その影響は我々の生活環境の周辺に存在し続けることを意識する一方で、ストレス耐性を高めつつ、副腎の働きを維持向上させることが、これからの日本人には必須ではないかと考えています。
そんなことから、2012年は「副腎機能」というキーワードで、ストレス耐性を向上し、副腎の働きを改善するための栄養素、ハーブに注目し、サプリメントのフォーミュレーションも積極的に行うつもりでいます。

2012年が皆さんにとって良い年になりますように、そしてストレスの少ないまともな年になるようにしましょう!
by nutmed | 2011-12-27 15:45

第1152回 年末年始の体内環境調整の対策

さて、クリスマスウィークも終わり、残すは年末へのカウントダウンです。皆さんはクリスマス、どのようにお過ごしでしたか? 私はいつものように家族会議でチョイスしたレストランに行って過ごしました。今年は、全員一致で川越にある穴場的なフレンチレストランで、ジビエ中心の目にも胃腸にもいいフレンチをいただいてきました。
この週末はクリスマス寒波到来で、全国各地で猛烈な寒さだったようで、九州や四国でも積雪のたよりを聞きました。 
これから年末年始にかけては、胃腸にも大きな負担のかかる季節でもありますが、大掃除、おせち料理の準備とともに、体内環境、特に胃腸と副腎の機能に負担をかけないようにするための準備を考えていただくことも肝要かと思いますね。例年我家でも年末の1日と年始の1日、胃腸と副腎の機能を改善するために、負担のかからない「クレンジングダイエット」を行っています。特に年が明けてから仕事初めの前日には、胃腸と副腎の機能回復のために非常に有効な食事方法だと思いますので、皆さんにもお勧めですね。
食材は非常に簡単シンプルで、繊維質と緑黄色野菜の葉もの、低脂肪の動物性たんぱく質と植物性たんぱく質、含硫野菜(硫黄成分を含んだ野菜)に玄米です。我家ではここにビタミンC、ビタミンD、オメガ-3&6脂肪酸をサプリメントで多めに摂ります。
素材は加熱はしますが、油を使って揚げたり焼いたりすることなく、茹でるか、蒸す調理方法をとります。調味料は醤油または薄塩、すりごまなどであっさり味付けです。
1昨年に知人の和食調理人から教えてもらった調理方法が最近の定番になっていますが、鍋料理にして全ての素材をいただく方法です。 全ての素材を鍋に入れて、すりごまたっぷりのポン酢の付け汁でいただいた最後に、一晩水につけておいた100%玄米で炊いた玄米ごはんを鍋に入れ、雑炊にしていただきます。この時に我家では、お茶の葉を大さじ1はい鍋にいれます。
d0070361_1137757.jpg

山形在住の私の親しい友人が、山形の地もの素材を厳選して鍋材料を提供していますが、この冬はこの素材でクレンジングダイエット鍋を作ってみようと思っています。コストもかからず効果は大きなクレンジングダイエットですので、この年末年始は是非おためしください。
by nutmed | 2011-12-26 11:37

第1151回 妊婦さんの栄養管理について

明日からクリスマスホリデーに突入といこともあって、今晩はあちこちで忘年会もピークになるのでしょうか。
体調管理には十分注意してくださいね。私も今週はじめから風邪をひいてしまったようで、体調が下降気味です。

さて、今日は、私の知人の娘さんが妊娠され、妊娠中の栄養管理やお勧めの栄養素などのアドバイスを求められたので、いいチャンスなのでブログでも紹介しておきたいと思います。
まずは、妊娠初期に元も注意する1つでもある流産がありますが、注意を要するハーブについて紹介します。
現在では多くのハーブ(生薬、漢方を含む)が妊娠の継続上安全であることが確認されていますが、植物性ステロイドを含む以下のハーブの使用は、よほどの理由がない限り、その量および使用方法(アロマ、入浴剤など)に関係なく100%避けるべきです。
・ブラックコホッシュ(Black cohosh)
・オオアザミ(Bleesed thistle)
・ブルーコホッシュ(Blue cohosh)
・クランプバーク(Cramp bark)
・ダミアナ(Damiana)
・当帰(Dong quai)
・朝鮮ニンジン、シベリアニンジン(ginseng)
・甘草(Licorice)
・サルスパリラ(sarsaparilla)
・ノコギリヤシ(Saw palmetto)
・ヤーロー(yarrow)


また、ハッカ系統のハーブは妊娠の継続を妨げる可能性が古くから報告されているので、やはりその量および使用方法(アロマ、入浴剤など)に関係なく100%避けるべきでしょう。

妊娠初期の栄養管理
流産など妊娠の継続を妨げる原因背景には、栄養失調、ホルモン生産と分泌、およびメンタル要因など多数あります。妊婦、特に妊娠初期の栄養素の要求量は予想以上に多いと考えてください。
新鮮な野菜、新鮮な果物、全粒穀物、スプラウトはお勧めの素材です。ただし、果物については、フルクトースの過剰摂取には注意してください。フルクトースはグルコースよりも15倍糖化(たんぱく質と糖が結合)の量が多いので、末梢血管への影響と胎児への酸素と栄養素の供給に影響がでるためです。
避けるべき食材としては、コーヒー、紅茶、アルコール、人工甘味料、揚げ物、小麦粉、砂糖や人工着色料です。これらの食材、添加物はビタミンとミネラルの吸収を抑え、代謝を低下させます。

流産予防と妊娠継続のためのビタミンミネラル

ビタミンB12:1,000 mcg/日 
葉酸:500mcg を 1 日 3 回摂取
ビタミンC:200 - 1000 mg を分割して摂取
鉄:フェリチン値により鉄欠乏が確認された場合に摂取
亜鉛:5-10 mg を 1 日 3 回摂取
銅:2 - 4 mg 1 日 3 回にわけて
ビタミンE:400IU/日
ビタミンB6:10mg/回を3回/日
ビタミンB2:10mg/回を3回/日
B -コンプレックス:3回/日
タラの肝油:毎食後に1カプセル
ビタミンK:100μgを3回/日

I wish all you have wonderful moment and very merry Christmas !

by nutmed | 2011-12-22 14:19

第1150回 ハーブについて その2

昨日のブログでも紹介しましたが、糖化を抑えるハーブティが完成し、年明けから正式に販売となります。詳細は近々にアップします。

さて、今日はハーブについての2回目です。前回紹介した以外のハーブの有効成分について紹介します。
粘液成分
精油などのように有機溶媒やアルコールでは溶けない成分で、非常に粘着性の高い成分です。多くは樹皮から抽出されます。
配糖体
糖分とそれ以外のアグリコンを総称して配糖体と言います。アグリコンは発酵や酵素によって分解された糖分のあとに残った物質で、通常植物の糖分はこのアグリコンと結合した大きな分子の形で存在しています。
サポニン
ハーブのなかでも人のホルモン作用に似た働きをする素材に多く含まれる成分です。人が体内でも造ることができるステロイド(性ホルモンの基になる)に非常に似た構造をしたもので、ブラックコホッシュや大豆などに多く含まれています。
タンニン
お茶や柿に含まれることでも有名な渋味成分のタンニンですが、血液の中に含まれるタンパク質を凝固させる強い作用を持った成分でもあります。
ビタミン・ミネラル
あまり知られていませんが、ハーブ自体をビタミン・ミネラルの摂取源として使用することはめずらしくありません。目的とする病気や予防効果を狙った場合、対象となる人の体内環境によってはいわゆるサプリメントとしてビタミン・ミネラルを摂取するのではなく、ハーブからビタミン・ミネラルを摂取することが最適なこともあります。

*食前茶の勧め
食事の前に「何を飲む?」と言われれば、「とりあえずビール」中にはワインやシェリー酒などを飲むことが一般的ですね。確かに食前酒の効果はいまさら言うまでもありませんが、おいしい食材に豊富に含まれる栄養素を確実に吸収するために食物の消化分解を促進したり、脂質の分解を促進する作用効果を持つハーブは少なくありませんので、食前にハーブティという習慣は栄養素の消化分解にも効果があります。

by nutmed | 2011-12-21 06:47

第1149回 ハーブについて その1

もう、今週はクリスマスウィークです。忘年会もピーク、クリスマスパーティーなどもあり、何かと飲酒の機会が増える1週間ですので、体調、特に肝臓と胃腸への気遣いには留意してください。

さて、今日から数回にわけてハーブについて紹介してみます。 今年は私がフォーミュラ―した糖化を抑えるハーブティも好評で、何とか12月末にはリリースのお知らせができそうですし、来シーズンはあと2種類のハーブティを企画していますので、ここらでハーブについて少し開設をしておくことにしましょう。
d0070361_9245172.jpg

英語のHERB(ハーブ)の語源は草や葉を意味するラテン語の”HERBA(ヘルバ)からきています。ハーブとして利用されている植物は世界各国に存在し、その数は確認されているだけでも3万種類を超えています。ハーブは薬草とも訳されますが、その背景には古くから各地の民族が病気の治療や予防に用いられてきたことがあります。欧米では治療の目的で使用されているハーブは多く、一般的なハーブと区別して「Medicinal Herb(医応ハーブ)」と呼ばれています。日本でも臨床で使用する漢方、生薬も広義にはこのMedicinal Herbと言ってもいいでしょう。
*使用部位について
漢方や生薬では単一の素材を使用することに比べ、様々な素材を混合調合して使用することが一般的ですが、医応ハーブは単一で使用することも、調合して使用することもあり、副作用の成分を分離させ体におだやかに効果があるような素材として利用されます。
ハーブでは、植物の部位、例えば茎、根、葉、花、実、樹皮によってそれぞれ効能効果、作用が異なり、同じハーブ素材でも使用用途、目的によって利用部位と方法が異なります。
ハーブとして使用頻度の高い部位は葉で、以降、茎、根、実、樹皮、花という頻度で使用されます。
*有効成分について
アルカロイド
ハーブの作用効果を持つ有効成分の多くが糖分やタンパク成分ですが、病気の治療に用いられる医応ハーブでは、その作用効果の多くが「アルカロイド」と呼ばれる活性有機化合物です。アルカロイドは窒素原子を持つ化合物で、強力な作用効能を持ちますが、有毒な成分でもあります。比較的毒性が低く、副作用も非常に軽いものを「マイナーアルカロイド」、毒性が強く毒性については厳重な注意が必要なものを「メジャーアルカロイド」と言います。アルカロイドはハーブの使用方法、例えばアルコールなどの溶媒で抽出したり、煎じたりすることによって作用が強く出るものがありますので、使用方法には注意が必要です。
苦味成分
ハーブでも根に多く存在する苦味の多くは、胃酸分泌促進作用、食欲増進作用があります。
酵素成分
全ての植物に含まれる酵素は、体内の様々な生化学的反応にかかわる重要な生体触媒です。
精油成分
ハーブ素材を蒸留、有機溶媒抽出、圧力抽出によって得られる芳香性のエキスがエッセンシャルオイルとも呼ばれる精油成分で、植物の香油が濃縮されたものです。多くは花、根、実、樹皮から抽出され、確認されているものだけでも500種類を超えます。精油成分の作用効果は、心と肉体と精神に働きかけ高揚を促し、活力を与えるとともに、筋肉の緊張を和らげリラックス作用を持ち、肌の張り艶を造りだすことでしょう。
by nutmed | 2011-12-20 09:25

第1148回 コレステロールの管理 その2

d0070361_10145253.jpg 機能は1日神尾記念病院での栄養カウンセリングの日でした。昨日は感激することが2つありました。 1つは、8カ月前に母親に連れてこられた3歳の男の子。アトピー性皮膚炎が痛々しく、ケアするお母さんもたいへんの様子でした。薬やサプリメントを使えるような年齢ではないのですが、お母さんにお願いして炎症を抑え、皮膚の新陳代謝を向上させるためにタラの肝油を少し飲ませてもらうことと、食材、特に乳製品と小麦、卵のローテーションダイエットをお願いして、症状が落ち着いたらIgG抗体検査をお願いしてあったクライアントです。久しぶりに見た男の子は、まだ足に痒みが残るものの、皮膚の状態はかなり改善していたので安心しました。本人も「頑張る」ということだったので、採血をさせてもらってIgG抗体検査をすることにしました。もう1人は、もう3年近くカウンセリングをしてきた50歳を過ぎた男性ですが、精神的なストレスから副腎にかかる負担が大きく、体の各所で散発的な炎症を持っていたり、ウィルスや細菌感染で喉を傷めたり、眠剤や安定剤が手放せず、飲酒量も多かった男性です。約3カ月ぶりに対面したこの男性は、まず6kgの減量に成功しており、体系がスッキリ。また土気色気味だった顔の血色がよく、エネルギッシュな面持ちで、見違えるような変身ぶりには驚きました。酒量もかなり減ったことと、何よりも眠剤と安定剤を切ることができたことは大きな成果です。 この数カ月でこれだけの変貌を遂げた背景にある功績は、9月に伴侶になった奥様の献身的な食事とメニューの管理、調理につきるようです。 これに勝る栄養療法はありませんね。

さて、今日はコレステロールの管理の2回目です。
今日はまずコレステロールの作用について見てみましょう。
1、コレステロールは体内で必要とされるときに合成される。
2、1日をとおして体内で必要とされるコレステロール量は異なる。
3、コレステロールの血中濃度は冬場(温度が低い時)に高く、夏場(温度が高い時)に低い。
4、コレステロール(LDL)は怪我をしたり手術を受けた後の細胞や皮膚が損傷した場合に血中濃度は高くなる。
5、コレステロールはストレスが高くなると需要(合成)も高くなり血中濃度もあがる。
6、心筋梗塞のリスクが高い場合、また心筋梗塞が起きた直後はコレステロールは高くなる。

上記の6つのコレステロールの実情には共通するものがありますが、それは「治癒(Healing)」ということです。
コレステロールの中でも、ホルモンを合成し細胞の膜を作るために必要なLDLコレステロールには、体内で起きている細胞や筋肉の損傷、細菌やウィルスの侵入、有害な化学物質・重金属の侵入、細胞(膜)の酸化ダメージ、炎症を治癒する際に最初に動き出す物質でもあります。体内でこれらの状況が起きると血液を介してシグナル(信号)が送られ、肝臓からLDLコレステロールが、損傷や異物の侵入が起きている場所に送られ、細胞の損傷を修復するプロセスに入ります。損傷が修復されると今度は肝臓からHDLコレステロールが送られ、LDLコレステロールを肝臓まで運び戻し、その後体外に排泄されます。

コレステロールが高くなるということは確かに心臓や脳、血管の働きにはマイナスの影響を与えることも事実ですが、コレステロールはホルモンの源でもあり、細胞の構成成分でもあり人間にとっては不可欠な脂質でもあるわけです。
検診や人間ドッグの血液検査でコレステロールが高いからと言っても、ただちに「脂質異常症」や「メタボリック症候群」と判定され、薬の投薬ということにはいささか疑問もあります。コレステロールはこのように体内環境にとっては不可欠な脂であることを考えれば、一時的な血液の数値だけで、一喜一憂することなく、高い場合には高い成りの原因と背景を十分に知ることが大切だと思います。
by nutmed | 2011-12-15 10:37

第1147回 コレステロールの管理 その1

d0070361_6412050.jpg 2011年も残り少なくなってきましたね。昨日は午後から、来年2月に川越に移転する栄養医学研究所の新オフィスにネットの構築の打ち合わせに行っていました。道路も混雑していましたが、クリスマスと年末商戦真っ盛りの川越の街は、賑やかでした。
一転、今朝の東京は雨でスタートしていますが、冷たい雨というほどのものではないので、インフルエンザ流行の兆しのある都会には、喉にも適度なお湿りが心地いい1日になりそうです。

さて、今日から、年末年始のシーズンに先駆けて、前回のアルコールの影響に続き、コレステロールの管理について、数回にわたって紹介しようと思います。
1、コレステロールの役目
年末年始は何かと暴飲暴食の傾向が出てきてコレステロールも気になるシーズンですね。
「善玉・悪玉」などと呼ばれるようになったコレステロールですが、場合によっては毛嫌されてコレステロールを摂らない食生活が横行することも少なくないようです。今日はまずコレステロールの役目について復習をしていただきましょう。コレステロールの85%近くは肝臓、脳、各細胞内で合成されるもので、食事から摂取するものは皆さんが想像している以上に少ないのです。
コレステロールは体内で酵素の働きによって、ビタミンD、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)男性ホルモン(テストステロン)やストレスホルモン(コルチゾール)に変化するもの、また胆汁によって脂として吸収されるものがあります。コレステロールは体を構成している細胞の膜を作っているほか、コレステロール全体の約25%は脳細胞を構成するために使われています。つまり脳の働きにはコレステロールは欠かせない物質で、神経の働きはコレステロールに依存していると言ってもいいでしょう。
減量のためにコレステロールを摂取しないかなり過激なダイエットをしている若い女性も困りますが、もっと厄介なのは、マスコミやネットで情報を得て多少知識があり、炭水化物は言うに及ばず、タンパク質と脂質の摂取制限をし、毎日のようにジムに通ってポンプアップエクササイズや1時間以上のジョギングをハードにこなしてしまう方々、特に40歳を過ぎてからの方々ですね。
このような方々の中には、筋肉をなるべく落とさないように体重は期待とおり落とすことはできるのですが、記憶力や集中力が以前よりも急激に低下してくることがあります。さらに検診や人間ドッグで血液検査をすると本人が想像している以上にコレステロールが高くなっていて、「食事や運動をこれだけやっているのに・・」と落胆してしまう方も少なくありません。
これと性格は違いますが、コレステロールが高く、コレステロールや中性脂肪を低下させるような薬を長い間処方され服用し、コレステロールを蓄積させないようにする厳格な食生活を送っている方々もまた似たような状況を作ってしまうことがあります。
この両者の原因には、背景は違いますが「脳の働きに必要なコレステロールを必要以上に低下させてしまう」ということがあります。
コレステロールの中でもLDLコレステロールが基準値を下まわるほど低下していることが少なくありません。メタボリック症候群予防に関して、コレステロール、特にLDLコレステロールが「悪玉コレステロール」としてやり玉に挙げられますが、LDLコレステロールの極端な低下はかえって脳の働きや細胞の治癒にマイナスになることがあります。事実、LDLコレステロールが脂質改善薬(スタチン系薬)で急激に低下したり、ダイエットとエクササイズで低下していて、記憶力や集中力が低下している方に、食生活指導でLDLコレステロールを上昇させてあげることで症状が改善することがあります。
by nutmed | 2011-12-14 06:51

第1146回 アルコールに影響を受ける栄養素

d0070361_11284590.jpg 来年の川越への引っ越しに向けて、連日大掃除とパッキングを兼ねて埃だらけのオフィスです。読者の中には、川越に引っ越したら川越でセミナーを開催して欲しいというリクエストもすでに寄せられています。引っ越し後、落ち着いたら春先に川越のオフィスでサロンセミナーも開催しようと計画はしていますので、詳細はまたブログでお知らせします。

さて、今日は、年末年始の季節がら、飲酒の機械が多くなるので、アルコールに影響を受けるビタミンミネラルについて紹介します。飲酒の機会が多い方は、是非参考にしてビタミンミネラルの補充には気を使ってくださいね。

ビタミンA
肝臓での代謝を抑制させるだけでなく、男性の場合、ビタミンAの代謝が抑制されることによって精子の生産が低下する。また、アルコールは脂肪の代謝バランスを崩すために、脂溶性ビタミンであるビタミンAの吸収が抑制される。
(Van Thiel, D.H.; Gavaler, J.; & Lester, R. Ethanol inhibition of Vitamin A metabolism in the testes: Possible mechanism for sterility in alcoholics. Science 186(4167):941-942, 1974.)
ビタミンB1
1日あたり500cc以上のアルコールを飲み続けた場合、ビタミンB1(チアミン)の欠乏症となりアルコール依存症になる可能性がある。(David V. Gauvin, Ph.D. & Philip J. Langlais, Ph.D)
ビタミンB2
アルコールによって吸収障害を引き起こす。(Physician’s Optimal Health Program)
葉酸
尿中への葉酸の排泄を促進させる。
 (McMartin KE, Collins TD. Role of ethanol metabolism in the alcohol-induced increase in urinary folate excretion in rats. Biochem Pharmacol 1983;32:2549–55.)
ビタミンB6
アルコールによって吸収が抑制される(米国立健康研究所:NIH)
ビタミンC
アルコールによって吸収が抑制される(米国立健康研究所:NIH)
ビオチン
アルコールによって吸収が抑制される(米国立健康研究所:NIH)
亜鉛
アルコールによって吸収が抑制される(Crutchfield CE, Lewis EJ, Zelickson BD. The Effective Use of Topical Zinc Pyrithione in the Treatment of Psoriasis: A Report of Three Cases. J Geriatr Dermatol 1997; 5:21-4.)
カルシウム
アルコールによって胃酸および酵素の分泌が低下し結果としてカルシウムの吸収が抑制される(Jackson Gastroenterology)
ビタミンE
アルコールは脂肪の代謝バランスを崩すために、脂溶性ビタミンであるビタミンEの吸収が抑制される。(Lieber, C.S. Alcohol and nutrition: An overview.Alcohol Health & Research World 13(3):197-205, 1989.)
ビタミンD
アルコールは脂肪の代謝バランスを崩すために、脂溶性ビタミンであるビタミンEの吸収が抑制される。(Lieber, C.S. Alcohol and nutrition: An overview. Alcohol Health & Research World 13(3):197-205, 1989.)
マグネシウム
アルコールによって吸収が抑制される(Crutchfield CE, Lewis EJ, Zelickson BD. The Effective Use of Topical Zinc Pyrithione in the Treatment of Psoriasis: A Report of Three Cases. J Geriatr Dermatol 1997; 5:21-4.)
by nutmed | 2011-12-13 11:38

第1145回 トランス脂肪酸について

d0070361_743681.jpg 毎週水曜日は、1日お茶の水の神尾記念病院で栄養カウンセリングがあるため、早朝自宅を出て、一度新富町の栄養医学研究所に寄って海外からのメールをチェックしてから神尾記念病院に向います。この時期の午前5時過ぎは真っ暗闇ですが、あと2週間もすれば冬至を迎え、この日を境に日ごとに日の出の時間が早くなり始めます。
私は1年を通じてこの時期、12月初旬の早朝が一番好きですね。東の水平線の下から押し上げられ、こみ上げてくる陽の光と、夜のしじまのバトンタッチの瞬間のグラデーションは美しく、一度として同じ光景はありません。このページェントを見るだけでも早起きの価値はありますよ。

さて、今日はふたたび日本でも話題になりはじめたトランス脂肪酸(TFA)について少し。
動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸やラード、マーガリンなどのトランス脂肪酸は非常に酸性度が高く炎症を憎悪させる可能性が高いと言えます。脂肪酸には2種類あり、バターやラードなどの動物やココナッツなどの植物に多く含まれる脂肪で、常温で固まる飽和脂肪酸とオリーブオイルやフラックスオイルなどの植物やタラやサバなどの動物に多く含まれ、常温では固まりにくく、健康にいいとされる不飽和脂肪酸があります。トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸の1つですが、飽和脂肪酸と同じように常温で固まりやすし脂肪酸で、LDL-コレステロールを増やしてしまったり、細胞の働きを低下させてしまう可能性のある脂肪酸です。食品中に含まれるトランス脂肪酸には、人工のものと天然のものがあり、人工のトランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸を多く含む植物油が常温で固まりやすいようにしたもので、マーガリンやショートニング、ファーストフードのフライを揚げるときの油がこの類です。また体にいいとされるオリーブ油でも、高温度で加熱することでトランス脂肪酸が生成されます。牛肉の脂肪や乳脂肪にも少量のトランス脂肪酸が含まれています。これは、牛の胃の中に生息する微生物によって生成される天然のトランス脂肪酸です。食べた総カロリーの5%以上がトランス脂肪酸であった場合にはLDL-コレステロールの増加に影響を与えるという報告があります。
by nutmed | 2011-12-07 07:21

第1144回 免疫力の向上について

d0070361_1652550.jpg 今日の東京は夕方から冷たい雨が降り始めました。栄養医学研究所は来年2月に、小江戸と蔵造りの街として有名な歴史と文化の街、そして地盤の硬い埼玉県川越にオフィスを移転するため、今週に入ってから私の書籍の荷図栗作業をスタートさせています。幅にして90cmの棚が5段ある本棚が6本分の書籍にもなるので、箱詰めだけでも大変な作業です。おまけに1冊1冊中を見ながらの作業になるので、中々先に進みません(笑)



栄養医学研究所に寄せられる質問の中で、今でも多い内容が、「アガリクスなどで本当にガンが治るのでしょうか?」と言うものがあります。一時に比べて少なくはなりましたが、相変わらず多い質問内容です。確かに、医学的研究でもアガリクスなどキノコから抽出された成分が、ガン細胞の成長を抑えると言う報告がされていますが、ここで間違えてはいけないのは、アガリクスやプロポリスがガンそのものの成長を抑えるのではないと言うことです。
本来人間には、体の中に入ってきた異物や、体の中に発生する異物を取り除き、常に安定した状態に保つ働き「自然治癒力」が備わっています。このメカニズムは多種多様に富み、現在も研究が進められているところです。キノコやプロポリスには、このような人間が本来持っている自然治癒力を刺激し免疫力を増強させる作用があり、自分の体の細胞が変化してできたガン細胞を排除するする働きを持つ白血球やリンパ球の仲間の活動を活発にすることができます。しかし、ガン細胞を直接たたく働きを持つ白血球やリンパ球は、約60兆個もある我々の細胞が作り出すもので、この細胞の働きが十分でないところへ、いくら免疫力を増強させる健康食品を飲んでも、一般的に言われている効果は期待できないと思います。10年以上まともに体を動かしたことのないお父さんが、いきなり子供の運動会でリレーに出て力の無さを痛感するのと同じで、それぞれの細胞が担うべき役割をいつでもまっとうできるように、日常の食生活の中で必要な栄養素を十分に摂取していなければ、免疫力を増強させる物質の効果は半減してしまいます。
とかく日本人は、事がおきてからでないと真剣には考えない国民性があるようで、その時になってはじめて何かをあわてて摂取しても、駅の売店でドリンク剤を飲むのと同じで、気休めになるどころか、場合によっては体に悪影響を与えてしまうだけです。
読者の皆さんの中には、すでにアガリクスやプロポリスなどの免疫力を向上させる作用を持つ健康食品を愛用されている方が少なくないと思いますが、もし免疫力を増強させる効果を今よりも期待したいと思っているのであれば、まず日常の食生活に気を使い、必要な栄養素を十分補給し、1つ1つの細胞の働きを高めることを考えてください。
もう1つ大切なことは、栄養素であれば何を摂っても言いと言うわけではありません。まずはご自分の体内環境がどのようになっているのか、栄養素の過不足や、食物の消化や吸収を妨げる重金属など有無、さらには、せっかく食べたものが上手に消化することができる体質なのかを調べることが非常に重要だと言えます。
by nutmed | 2011-12-06 17:04