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ここ連日の気温が真夏日前後をウロウロする季節になり、また明日から6月ということもあって、メディアの報道でも「猛暑」「電力不足」「節電」が連呼されるようになってきました。 今後は更に企業、自治体だけでなく、全国の各家庭で節電対策が進められていくのでしょうか。
昨年の同じころにも、電力不足と節電意識の向上が連呼されていましたが、栄養と健康に関わる立場の私が感じた節電意識向上と節電対策は、食生活環境の見直しと節電の両立ということでした。この考え方は今年も変わっておらず、逆に今年はその思いが昨年以上に強くなっています。
私の考える節電対策の1つは、「食材の買い出しは小まめに行って無駄なものを買わない」という全くもって言い尽くされてきたことですが、その実践のための方法として「冷蔵庫のサイズを小さくする」という提案です。
かつて、私のミネラル学の師でもある、ドイツ、ニュールンベルグ在住のドクター・ブッシュ宅を訪問したときに、ドイツの冷蔵庫のサイズは日本よりもかなり小さいと言ったところ、彼女から「何故日本ではそんなに大きな冷蔵庫が必要になるの?」と言われたことがあります。
ドイツでは住んでいる場所に関係なく、食材の買出しは多くてもせいぜい2日分、生鮮食料品の多くはその日に食べる分を購入し、パン、牛乳、チーズ、ハム、ソーセージであってもせいぜい3日を限度に購入するために、どこかの国のように、スーパーに行ってどっさり食材を購入し、詰めるだけ冷蔵庫に詰め、挙句の果てに賞味期限が切れたものまでも冷蔵しつづけて最終的には生ゴミにななり果てることはドイツではありえないわけです。サイズがコンパクトであり、庫内には1-2日分の食材しか冷蔵しないわけですから、庫内スペースに余裕があり、冷却能力が低く設定されていても十分冷蔵できるわけですし、使用電気量も大幅に少なくなるわけです。食材を庫内で腐らせてしまうこともなくなり、バクテリアの温床を作ることもなく衛生面でも有効な方法です。多くも日本人が冷蔵庫を買い替える時の目安は「電気消費量」でしょう。確かに技術の進歩で、今や5年前に比べると電気の使用量は1/2なんていう機種もあるくらいです。電気消費量も節電対策の重要なポイントですが、日常生活の中で、食生活環境を少し見直すだけで無駄な電力を消費することを防ぐことができるだけでなく、食材の選び方、保存が利くもの利かないものなど、食と健康に対する取り組み方にも変化が出てくるはずです。
だからと言って、これからサイズの小さな冷蔵庫に買い替えることは、これもまた本末転倒は話になりますね。私が昨年秋から我家で提唱して実践してきている方法は、現在の冷蔵庫のスペースをサイズダウンさせる方法でした。週末に冷蔵庫内の全てを一度外に出し、庫内を空にします。百円ショップで売られているようなサイズの異なるプラスティック製のカゴをいくつか用意し、あえて冷蔵庫内の棚にこのカゴを置いて、いわゆるデッドスペースを作る方法です。カゴが置いてある場所は冷気は通ることはできますが食材を置くことはできなくなります。我家でもすでに半年以上このデッドスペース冷蔵庫を行っていますが、食材の買い物の回数とタイミングに変化はあったものの、特段の不都合は出ていません。実際の電気代の変化はまだ調査していませんが、私を始め家族全員が実感したのは、キッチンの体感温度が明らかに低くなっていることと、冷蔵庫のモーターのスイッチが入る回数が少なくなっているようです。これは庫内が従来のように目いっぱいぎっしりと詰め込まれていた状態に比べて、デッドスペースの存在によって冷気がスムーズに流れることで効率的に冷却できるようになったためだと思います。
お金をかけずに手軽に参加意識を持って、継続できる節電対策と方法だと思いますので、お試しください。
by nutmed | 2012-05-31 17:24
昨日、一昨日の雷雨が嘘のように晴れ渡り、正しい初夏を感じさせるに十分な今朝の東京です。今日は水曜日なので、朝から神田淡路町の神尾記念病院で栄養カウンセリングです。
さて、今日は前回に続いてグルテン不耐性と脂質吸収障害の状態を確認するための方法について紹介します。
私の師匠であるDr.ジョナサン・ライトのシアトルにあるTAHOMA CLINICでは、グルテン不耐性の顕著な症状である小腸からの脂肪の吸収が著しく低下することを利用して、小麦グルテン不耐性の患者の症状の進行状況を確認するための血液検査を汎用的に行っています。日本でも頻繁に検査される項目で、健康診断やメタボリック症候群の検査では必ず行われる中性脂肪(トリグリセライド)がその検査です。中性脂肪は血液中を流れている吸収された脂質(中鎖脂肪酸)ですから、グルテン不耐性で小腸の機能が低下している場合には、消化分解されて小腸近辺で吸収されるはずの脂質が吸収されにくくなり、血液中の中性脂肪も低くなるというわけです。TAHOMA CLINICでは、中性脂肪を検査して数値が75mg/dl以下の患者には、グルテン不耐性を疑い、唾液中のIgA(sIgA)の検査を勧めます。日本のいりょうしせつや検診で検査される中性脂肪の許容基準値は50-150mg/dlだと思います。中性脂肪の検査の前日(少なくとも採血の9-12時間前)の食事で脂肪分の多い食事をしてもらった後、採血のまでの間は食事しない空腹状態で採血をした血液中の中性脂肪を検査します。加えて、グルテン不耐性によって小腸の吸収機能が低下するとアミノ酸とミネラルの吸収にも影響がでるため、中性脂肪の数値が60を下回る患者には、血中アミノ酸分析と毛髪(爪)によるミネラル分析して、不足低下しているアミノ酸とミネラルないかを確認します。アミノ酸とミネラル分析までしなくても、定期的な、また症状が出た時の中性脂肪検査は非常に有効だと思います。
by nutmed | 2012-05-30 09:51
昨日の関東地方の雷雨突風に雹の来襲に遭遇してしまった人も多かったのではないでしょうか。栄養医学研究所のある川越も、昼過ぎには西北の秩父連山方面から怪しげに育った黒い雲が張りだしたと思っているそばから、水の匂いが立ちこめ、空気がひんやりとしてきて雨と雷がはじまりました。 今の川越は快晴ですが、すでに秩父方面には怪しげな積乱雲が育ち始めていますので、今日の午後もやはり・・・

さて、今日の話は私のブログでは以前から幾度も扱っている小麦グルテンにまつわる話です。グルテンについては以前のブログを参考にしてください。

小麦グルテンに対する耐性が無くなるまたは低下する不耐性によって発症するセリアック病、またはセリアック様症状(non-celiac gluten sensitivity:NCGS)の最たる症状の1つが腸の機能低下または障害による、栄養吸収障害(malnutrition)です。 この栄養吸収障害の中にはカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルの吸収障害のほか、ビタミンA、ビタミンDなどの脂溶性ビタミンの吸収障害も顕著に見られます。
今回はこの脂の吸収の仕組みと、小麦グルテンによる脂質吸収の影響について紹介します。
*3つのステップからなる脂質の消化分解
脂溶性ビタミンを含む脂質の吸収に際して、脂質の消化分解には3つのステップがあります。
第1ステップ
胆のうは、食物から摂取した脂質を吸収しやすくするために脂質の分解を促進する胆汁をたくさん生産するために、それまで溜っている胆汁を一度空にする。
第2ステップ
膵臓で作られた消化酵素によって、食物から摂取した脂質は脂肪酸とリン脂質に分解される。
第3ステップ
分解された食物から摂取した脂質は、小腸へ至り吸収され、肝臓に運ばれ脂肪酸が再合成されるとともに、蛋白質、コレステロール、およびリン脂質と結合して、リンパ系によって体内各所に輸送される。

この3つのステップのいずれかが上手く機能しなくても脂質の吸収は低下することになりますが、その背景に小麦グルテン不耐性の影響が少なくありません。脂質の分解が正常に行われず、吸収が低下することで以下のような症状を起こすことになります。
下痢
脂肪便
腹部膨満と痛み
悪臭ガス

グルテン不耐性の腸の症状で最も多いのは便通に関する症状で、中でも下痢と腹部膨満でしょう。その原因は、正常に消化分解されずに、小腸で吸収されなかった脂質は、腸の中を旅する過程で小腸の下部と大腸近辺で脂肪酸に分解されることになりますが、大腸付近に集まった過剰な脂肪酸が水分を集め、大腸から再吸収され切れずに残った過剰な水によって下痢がおこります。

次回は小麦グルテン不耐性と脂質吸収障害の確認方法について
by nutmed | 2012-05-29 14:57
週末は汗ばむほどの天気でしたが、絶好のバイクツーリング日和だったので、久々に茅ヶ崎にある友人のCafeまで高尾山、丹沢を廻って走ってきました。体に受ける風はもう真夏の風ですが、背後に流れて行く風に乗ってストレスも一緒に飛んで行ってくれました。
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今日の話は、たんぱく質摂取の素材についてです。約1カ月前の4月21日にアメリカサンディエゴで行われたExperimental Biology meetingでTexas大学の研究チーム(Blake Rasmussen, PhD, of the University of Texas Medical Branch)がたんぱく質摂取素材についての非常に興味深い発表をしています。日本では話題にならなかったようですが、日本でもプロテイン摂取の人口は増加していますし、高齢社会でプロテインの積極的な摂取が話題にもなっているので、こういう貴重な学術的な発表こそメディアは取り上げてもらいたいものですね。
多くの日本人がたんぱく質の摂取としてプロテイン素材を選択する蔡の素材の多くは、大豆由来のプロテインではないでしょうか。実際プロテイン商品の市場を見ても、大豆プロテインの比率は高いと思います。一方で、プロテイン摂取の素材としては大豆のほかに牛乳やヤギの乳由来のホエイ(Whey)と同じく乳成分のカゼイン(Casein)があります。今回のテキサス大学の研究チームの発表の中で注目するのは、筋肉の増強増量、筋肉疲労回復、筋肉トーンの維持を目的とした場合、プロテインの素材によってその目的達成のための素材が大きく変わると言うことと、全てのアスリートの筋肉の増量と疲労回復のためのプロテインの黄金比をはじめて紹介しています。日本でも数年前からのアスリートやスポーツトレーナーの中にもプロテインの摂取素材として牛乳由来のホエイプロテインを使用したり勧める傾向が高くなっていると聞きます。アメリカでも5年ほど前から練習、試合を問わず、運動の前と後にはホエイプロテインとNa/Kの電解質を摂ることをトレーナーが勧めてきました。従来の大豆由来のプロテインからホエイプロテインに人気が集まった最大の理由は、アミノ酸のロイシン(Leucine)で、筋肉の合成には最も有効なアミノ酸と言われているこのアミノ酸がホエイプロテインには豊富に含まれているためです。
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しかし、ホエイプロテインにも弱点があり、ホエイプロテインは非常に消化が早い(fast digester)素材であることがわかってきて、今回のテキサス大学の発表では、ホエイプロテインは摂ってから約1時間で吸収しプロテインの供給が終了すると報告しています。同研究チームの報告によると、大豆、カゼインともい消化吸収までにかかる時間が、以下のように大きく異なることがわかりました。
1、ホエイプロテイン :30-60分
2、大豆プロテイン  :120分
3、カゼインプロテイン:180-300分


この各プロテイン素材の消化吸収にかかる時間差を考慮することによって、対象となる競技種目や運動、加えてどのタイミングで最大の筋力が必要で、運動後の筋肉疲労回復のスケジュールを考えたプロテイン素材を摂取し、最大の効果を得ることができることにもなるわけです。 筋肉細胞の断裂や損傷の修復を行うリカバーに必要とされる時間は、一般に24-48時間と言われているので、アスリートにとって重要なリカバースケジュールでもプロテイン素材を吟味することは重要なファクターになるはずです。

結果としてテキサス大学の研究チームが導き出した3種類のプロテイン素材の黄金比は以下の比率と報告しています。

50%=カゼイン・25%=大豆・25%=ホエイ
この黄金比はベースとなる配合比率で、運動の量、筋肉への負荷時間、種目によって比率の微調整をすることが望ましいと報告しています。
加えて、このベースとなる黄金比率は、アスリートだけでなく、高齢者の生活で必要となる筋肉の働きを向上させ維持する目的でも十分使えることを報告しています。

最後に、ホエイ、大豆、カゼインの各素材の使用に際しては、言うまでもなく使用する本人がこれらの素材に反応してしまうような食物不耐性を持たないことが前提となります。
by nutmed | 2012-05-28 11:06
来週、6月2日の土曜日に開催する私のセミナーが迫ってきました。順調に参加希望者も集まっています。今回九州からの参加者を含め、遠方からいらしていただく方も少なくありません。本日現在で座席にはまだ若干の余裕があるそうです。参加ご希望の方がいましたら早めに申し込みくださいね。先日のブログでも紹介したように、今回は珍しいハーブの種をお土産で準備していますが、加えて私がお手伝いしているニュージーランドからやってきた天然ケイ素(シリコン)が含まれたミネラルウォーターをプレゼント予定しています。

さて、今日はミネラルについてです。ビタミンは生命維持のためには不可欠なものであると考えられてきました。また、ある種のミネラルや微量ミネラルが働くためには重要な役割を担っていますが、ミネラルはビタミン以上に生命維持のためには不可欠なものです。事実、人間および動物の細胞組織は、ビタミンの欠乏状態には比較的肝要に対応できますが、ミネラルの欠乏状態に対しては過敏に反応します。
近年の研究によって、ごくわずかなミネラルの偏重が体内ミネラルバランスを崩し、健康に影響を与えることがわかってきたにもかかわらず、依然としてミネラルの摂取に関する十分な啓蒙がされておらず、ミネラルバランスの崩れた現代人が非常に多いことが危惧されています。
医薬品分析の第一人者でもあるHeinz Scholzが、「人間の生命維持に不可欠な必須ミネラルおよび微量ミネラルに関する研究が遅れ、あまり注目されてこなかった背景には、あまりにもビタミンや、その他の機能性成分に注目すぎたことによる」とコメントしているように、現代食生活、生活習慣によってミネラルおよび微量ミネラルの不足状態が広範囲に見られるにもかかわらず、消費者の注目はあいかわらずビタミンや機能性成分に注がれています。

つい最近まで、ミネラル元素の分析は、急性の欠乏症や急性毒性の診断の目的で主として血中、及び、尿を材料とする分析手法に集約されてきました。
何らかの自覚症状が出てはじめて分析にかけられる従来のミネラル分析に対して、重大な健康問題に関わる症状がでる前に、一定の期間の中で体内ミネラルのバランスを分析することができる爪や毛髪を用いた分析手法は非常に有効な手段で、その歴史も古いのですが、不幸にも、根拠の確かな情報が少なかったため、伝統的な西洋現代医学の医師らにはめったに使われることがありませんでした。昨年3月11日以降、放射性物質としてのミネラルに注目が集まるとともに、この1年で体内のミネラル分析への興味関心も増しています。重金属だけでなく、カルシウムやマグネシウムなどの必須ミネラルの状態についても、今まで調べたことがない人が多いこともあって、栄養医学研究所で扱っている爪によるミネラル分析の依頼検体数も増えていることも事実です。

しかし、現代社会、特に先進国では産業の進歩の影で、着実に人々の健康を危険にさらす環境が増えており、体のミネラルおよび微量ミネラルのバランスに異常が見られ始め、早期のミネラル分析がより重要となっています。我々を取り巻く住環境、食生活によるミネラルバランスの崩壊は予想異常に危機的状態であると言わざるを得ません。
我々人間が健康を向上させることを望むならば、まず、自らの体内ミネラルバランスを分析することによって確認する必要があると考えます。

医療費の劇的な増加は、米国やEC諸国だけの問題ではありません。自覚症状がでてから病気になることで必要となる医療コストの総額は、重大な健康問題に関わる症状がでる前にその原因を確認し、病気を未然に防ぐために必要とするコストに比べ結果的には少ないことは、過去の例からも明白です。
by nutmed | 2012-05-24 14:14
先週末、以前から気になっていた携帯型炊飯ランチボックスをついに購入しまして、今日ははじめてオフィスで発芽玄米を炊飯してランチをしました。
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サイズはこんな大きさですが通勤でギリギリ持参可能なサイズでしょうか。車であれば無問題でしょうし、炊飯器だけをオフィスに常備しておけば、持って行くのはお米とおかずだけで済みます。
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しっかりカニの穴もできて暖かくておしくいただけました。付属のおかず入れは炊飯時の水蒸気でおかずも温めることができる優れものです。白米のほかに玄米もおかゆも炊けるのでいいですね。 これからしばらくこの炊飯器のランチが楽しみになりました。

さて、今日の話題は現代では珍しくなった脚気(かっけ)症状についてです。昭和の初期までは多くの人を死に追いやった脚気はビタミンB1(チアミン)の不足によって発症することがわかっています。ビタミンB1はたんぱく質、炭水化物を代謝しエネルギーを作り出す際には必須なビタミンの1つで、不足することによってエネルギー不足による慢性疲労が発生することはもちろん、うつ病、筋肉疲労、心臓機能低下などの症状が現れます。最近、栄養カウンセリングで対応するクライアントさんや、健康相談を受ける人の中に多い「慢性疲労」の一部に、全身の倦怠感、食欲不振、足のむくみやしびれ、不眠などの症状を併せ持つ人がいます。これらの症状は脚気の症状と同じものですが、明らかな脚気ではないものの、背景にはビタミンB1の不足が関わっている可能性を秘めているようでもあります。
その原因と考えられる背景にあり、これらの症状を訴える人に共通する事項がいくつかあります。その1つが食事の傾向です。ビタミンB1は糖分とたんぱく質の分解には不可欠なビタミンの1つなので、清涼飲料水、スイーツ、加工食品、インスタント食品、アルコールなどに多く含まれる糖質を分解するため、牛丼、焼肉、ハンバーガーなどのたんぱく質を分解するためには、ビタミンB1が必要不可欠です。脚気に似た症状を持つ人の食生活を見るとかなりこれらの食材の過剰摂取が確認できます。

これだけではなく、私が個人的には、ビタミンB1を吸収するために必要な酵素「チアミナーゼ」の不足が背景にあるのではないかと考えています。チアミナーゼは人間が作ることはできませんが、ビタミンB1を含む多くの素材自身が持つ酵素の1つでもあります。このほか、バクテリアの一部にはチアミナーゼを作り出す菌種があります。人間はビタミンB1の欠乏や不足を来さないためには、ビタミンB1が含まれた素材を意識して食べることによって、その素材が持つビタミンB1を分解するチアミナーゼが胃の中で作用し、ビタミンB1を吸収しやすい状態に分解してくれるわけです。しかし、脚気様の症状を持つ人の食生活、特に一定期間の食餌メニューを確認すると、チアミナーゼが含まれているような食材が想像以上に少ないという点です。
症状が重くシビアでない場合には、サプリメントで一時的にビタミンB1を補うことを考えてもいいでしょうが、ビタミンB1を含んだ素材は、それを分解する酵素チアミナーゼをも含んでいることが多いので、精製漂白された素材ではなく、玄米や全粒穀類を意識して、高熱をかけないように調理にも注意し摂取することで十分初期症状の改善につながると思います。
ハヤ、ナマズ、コイなどの淡水魚にもチアミナーゼが豊富に含まれています。 余談ですが、発展途上国、特に川や湖水の淡水魚を主食にする民族の中には、明らかにビタミンB1含有食材が豊富ではないにも関わらず、脚気の症状が見られない地域があるのは、おそらくこれらの淡水魚に含まれるチアミナーゼの影響ではないかと考えていたことがあります。
by nutmed | 2012-05-22 14:32
今朝の世紀の天体ショー「金環日食」は皆さんもご覧になったことでしょうね。我が家では昨晩から敢えて窓のシャッターを開けておき、早朝明るくなって晴れていたら起床、そうでなければ諦めてTVの中継を見ようと決めていましたが、幸い観測には無問題の快晴でした。
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近所の家庭の庭からも歓声が飛び交い、こんなに日本国民がおおらかに、そして一つの目的で歓喜の渦に巻き込まれる様は、私の記憶には久しくなかったように思います。

今日の話題はアレルギー症状、特に食餌性の食材による、アレルギー症状改善のための除去食についてです。
私が栄養カウンセリングを行っている青山外苑前クリニック神尾記念病院でケアをしているクライアントさんの中に、食餌性アレルギー症状を持った方が少なくありません。これらのクライアントには避けて通れないのが食餌指導であるとともに、症状の原因背景にあると目される食材のを避ける、いわゆる「除去食」や「回転食」という指導です。私の日米双方における経験から見ると、以前に比べ白人に多いとされている小麦(グルテン)に反応する日本人がかなり増えていることと、日本人の食生活を見てみると、小麦やグルテンを配合した食材、加工食品、添加食品がこの10年ほどで圧倒的に増えていることです。
アメリカでは、自分が持ってるアレルギー症状の改善のために、原因となっている小麦を食材から排除する除去食メニューを考えてもらうことと実行することは、彼ら彼女らにとってはあまり難しいことではないことのほうが一般的、つまり除去食をどのように進めるかについて精神的なストレスになることはあまり多くはないゆです。したがって、除去食をすすめるこちらとしてもあまり悩むことはないし、除去食の進行具合によって明らかに症状が軽減されていくことをクライアントと確認しながら進める余裕すらもできるようになります。
一方、日本人の場合、決して多くはありませんが、過去に私が栄養および食事の指導で関わってきたクライアントの多く(遠慮せずに言うとほぼ100%ですね)は除去食を進めていく際に共通するのが、何を食べればいいのか、何がOKで何がNOなのかという不安に加え、多くのクライアントの口をついて出てくるのが「その食材が大好きで食べたいのに、どうしても我慢しないといけませんか?」というものです。厳密に言えば、同じように反応する食材でも、個人差があることは歴然としており、一概な指導回答ができないことも除去食指導の難しさでもあります。10年ほど前に日本人の食餌性アレルギー症状の栄養指導を行っていたころは、アメリカで行ってきたように、高いレベルで反応することが明らかな食材はクライアントが何と言おうが完全に避けてもらうような指導を例外なしに行っていました。実際に、完全除去食の効果が顕著に現れたクライアントもいた反面、想像以上に改善が進まないクライアントが少なくなかったことも事実です。あるときに、私の師匠のDr.ライトと彼の奥方とシアトルで会食をしているときにこの話をしたことがありました。Dr.ライトの奥方の答えは明快で、それが今の私の日本人に対する除去食指導のベースになっています。白人、少なくともアメリカに住んでいる白人が簡単に除去食、例えば小麦の除去食をスタートして、苦もなく進めることができるのは、白人の食卓に並ぶ小麦製品、小麦使用配合添加食材の数と、日本人のそれとでは雲泥の差がある。いくら日本食がブームとは言え、毎日将由、味噌汁、カレーを食べる白人はいないけど、日本人はそうはいかないでしょ?!というのがその背景でした。確かに白人にとってもハンバーガーのバンズやホットドッグのパンを除去しろというのは辛いことと感じる人もいますが、小麦を除去することの目的と意味が十分理解できていて、今の症状がそれで軽減改善されるのであれば、彼ら彼女らは積極的に小麦の除去食を進めることも事実のようです。
多くも場合、アレルギー症状が炎症に関わるものであることを考えると、自分の体内で炎症を抑えるステロイドホルモンを生産する臓器である副腎は、同時にストレスのコントロールを担ってもいるわけですから、症状の改善を行う目的の除去食がクライアントのストレスになるようであれば、単純に除去食を進めることはできないこともあるわkです。「我慢」という言葉に現れているように、好きな食材を食べることができないことは、例えその食材が今の自分の症状の背景にあるとは理解していても、クライアント、多くの日本人にとっては「何かを諦める、我慢して自制する」ことはストレスとなり副腎に多大な負担をかけることとなり、想像以上に症状の改善のハードルを高くするということも事実です。
by nutmed | 2012-05-21 17:36
今日は朝から真夏思わせる陽射しで、昨日の肌寒さがウソのようです。。最近寄せられる相談かカウンセリングで多くなってきたのは、季節柄なんでしょうか、減量についてです。以前にも減量については少し話したことがありますが、楽をするしないは別として、やはり黙ってなにもせずに減量をすることは人間の体内環境の摂理から見ると難しいことは言うまでもありません。多くの女性が減量が長続きしない背景には、自分の置かれた環境と性格を無視して、かなり過激にそして安直に実行してしまうことだと思っています。アメリカやヨーロッパには正しくそしてその方に合った、無理なく継続できる減量をちゃんとプログラムしてくれるクリニックが数多くありますが、なぜか日本にはこの手のクリニックは見当たりませんね。 欧米のこれらのクリニックでは個人の体内環境を綿密に分析したうえで、性別、年齢、就労環境、職種、住環境に加え、性格や精神的なストレス耐性の強弱などを考慮して、個人の要望と期間を定めてプログラムをつくり進めます。これに近いことを実践している日本のクリニックはたまに見かけますが、欧米の専門クリニックとの決定的な違いは、精神的なサポートでしょう。
減量に挑戦する多くの女性が経験していることに、「飽きる」「諦める」そして「孤独感・愁想感」があると思います。減量のハード面については欧米も日本も大きな差はなく、健康食品、サプリメント、器具などなどは十分に揃っている環境にありますが、減量に挑戦する女性に一番欠けているものは「サポート」それもメンタルなサポートだと思います。と言ってもそばにいて「頑張れ!」「君ならできる!」とどこかのキャンプに入るのとはわけが違いますが・・・
、「飽きる」「諦める」という背景のかなりの部分には、ストレス耐性を無視したプログラムがあると思っています。本音を言えば「楽して痩せたい・・」とか「朝起きたら体重が3kg落ちていたら・・」ということが多かれ少なかれあるわけですから、ここには「我慢」というある意味では自分の気持ちに相反するストレスが生まれます。 ですからストレス耐性が低い状況で減量をスタートしても長続きはしない、増してはここに「開き直り」なる感情が芽生えるわけです。「どうせ誰も見ていないから・・」「今年はやめて来年の春からスタートしよう・・」とかですね。

欧米の減量を専門とするクリニックの中には「Money Back gurrantee」と言って、もし希望する減量が成功しなければすべての費用はお返しします・・という自信たっぷりのクリニックさえあります。女性にとってはかなり殺し文句ですよね。
なぜこんな自信が持てるのかと言えば、確かに心理的な効果もあるでしょうが、それ以上に経験とノウハウに培われた個人個人に合う減量プログラムを作ることができるからです。
中でもこのメンタルサポートの部分の充実ぶりはかなりの実績に裏付けられているのでしょう。
サプリメントや器具などのハード面の充実以上に、ストレスコントロールの手法とプログラムをスタートしてからのメンタルサポートの充実はかなりのものですね。

日本でもこのようなクリニックや医療機関が今後望まれることでしょうね。

肌を露出する機会が増えるこれからの季節、女性の皆さんは二の腕やわき腹、背中についたお荷物が気になる季節です。1つアドバイスをさせていただくとすれば、まずはご自分のストレスに対する耐性が高いか低いかを考えてみることでしょうね。

1、レストランなどで食事をしている自分を他のお客に見られていることが気になる。
2、外出先で靴下に穴が空いていることに気づきそのことが1日中頭から離れない
3、満席の電車の中で自分の隣の人が老人に席を譲った後、回りの人から自分が責められているように感じることがある
4、朝一番に上司に指摘されたミスが気になって食欲がなくなる
5、路上で拾得した1000円札は迷わず交番へ届ける
6、自転車置き場で他人の自転車が自然に将棋倒しになったら進んで立て直してあげる
7、一度ついたウソは絶対に押し通す
8、黒いジャケットの肩にネコの毛が一本ついているのを発見するとジャケットを脱いで全体を確かめる
9、人と口論をすると顔がすぐ紅潮するほうだ
10、真っ暗な部屋では眠れない

もし、3つ以上YESならば減量の前にストレスコントロールのトレーニングとストレス耐性を向上する食事内容を考え、ストレス耐性を高めてからのほうがいいかもしれませんね・・
by nutmed | 2012-05-16 09:40
先週土曜日は千葉の柏そごうの特設会場で開催された「美と健康フェア」で、ジュース療法のすすめについて講演してきました。午前と午後の2回の講演でしたが、聴講していただいたお客様が圧倒的に女性が多かったことと、晴天で紫外線が強い午後だったため、急遽講演内容の1部を紫外線によるシミ、シワ、皮膚の糖化予防に切り替えましたが、好評のうちに無事終了しました。

さて、今日はビタミンの吸収率についてです。
以前、米国国立衛生研究所( NIH )が4600人を対象に行った、栄養補給の効果を調べる研究から、非常に興味深い結果が得られ報告されています。この研究では白内障、黄斑変性、及び、緑内障患者に対して処方するビタミン・ミネラルの栄養素をどのような方法で摂取させたときに最も効果が高いかを検討しています。
人間の栄養素の吸収能力は、20歳台をピークに徐々に下降し、40-60歳以降更に低下し、ピーク時の20-30%の吸収能力になることが報告されています。
この背景には胃酸の生産・分泌が加齢とともに低下すること、胃酸の分泌低下によって口腔内、膵臓、小腸で分泌される消化酵素の生産も低下することにあります。
食材だけでなくサプリメントに含まれるビタミン・ミネラルなどの栄養成分は、胃液に含まれる胃酸によって消化分解されるために、胃酸の分泌、消化酵素の分泌が低下している中高齢以降の年代や胃酸の分泌が低下するような病気や、薬剤で胃酸を止めてしまうような状況では栄養素の吸収能力も低下することになります。胃酸の分泌に影響を受けるビタミン・ミネラルはいくつかあり、ビタミンB12、ビタミンB2、ビタミンB6、亜鉛は胃酸の分泌低下によって吸収が低下します。

ここで、サプリメントのように加工された食品と生の食材の吸収効率を考えてみてください。
自然界に生育する全ての植物、動物の肉など生の素材には消化酵素を含め数百種類の酵素が含まれています。これらの酵素はそれ自体が自らの細胞組織を守るために、また破壊するために働きます。
例えば、炭水化物を消化分解するために働くアミラーゼは多くの根菜類に含まれ、たんぱく質を消化分解するプロテアーゼは果実、緑黄色野菜に含まれ、パンクレアチンやペプシンなどの消化酵素は動物の臓物に含まれており、食材自体が持つこれらの酵素は人間が口・胃・腸において行う消化分解のプロセスに有用な素材となります。
一方、加工食品としてのサプリメントは、いかに生の天然素材を利用しても、加工段階で受ける熱、触媒、化学物質の影響によって、素材自体が持つ機能の恩恵を受けることは難しいといえます。

サプリメントの多くがカプセル、錠剤の形状をとる理由の1つには、求める素材を濃凝縮可能なこと、保存安定が容易であることなどがあげられると思いますが、そのために加工というプロセスをふむことと、保存安定をはかるために内容素材とは関係の無い保存、安定成分を配合しなければならないこと、さらにその多くが動植物性のグリセリンまたはセルロースでできたカプセルや固めるための物質に充填しなければならないことがあります。
確かに現代の食生活環境を考えると、保存安定、防腐のために様々な化学合成物質が添加されてはいますが、基本的に生の素材を食材として摂取する場合には、前述の酵素や機能の恩恵を受け、消化吸収プロセスを進めていくことが可能です。
生の素材の欠点と言えば、腐敗発酵による素材の安定性が低いということになるでしょうか。

続いて米国のPFD(Physicians’ Desk Reference, NPPDR No. 18:676, 1997.)のデーターから液体と固形の吸収率について説明します。

PFDの報告では栄養素の吸収はその形状によって異なり以下のような数値が出ています。
1、タブレット:10%
2、カプセル:20%
3、ソフトジェル:30%
4、皮膚からの経皮:45%
5、舌下(液体):50%
6、筋肉注射:90%
7、舌下(ミスト):95%
8、静脈注射:100%
この数値は栄養素の成分によっても異なりますが、ビタミン・ミネラルの多くは舌下からの吸収ができます。ビタミンB12をはじめとするビタミンB群、マグネシウム、亜鉛、クロミウムは錠剤、カプセル形状で経腸吸収させるよりも舌下からの吸収がはるかに効果が高いといえます。
特にミスト状にしたスプレーによる舌下吸収タイプのものは吸収が高いと言われています。
舌下からの吸収を考慮した場合、ビタミン・ミネラル、特にビタミンB12、マグネシウム、亜鉛については、イオン化したエレメントとしてのミネラルを直接吸収させることが可能となるため、カプセルや錠剤に配合するような媒体、例えば炭酸、クエン酸、塩素などのパートナーが必要なくなります。
このほか、最近では目から栄養素を吸収させるような点眼タイプのサプリメントも現れています。

さてさて、来月に迫りました私のセミナーですが、今回は少し趣向を変えて、ハーブの種のセットを参加者へのお土産として用意しました。内容は見てからのお楽しみですが、中々入手できないハーブの種も考えていますのでこうご期待です!
by nutmed | 2012-05-15 16:55
昨日の首都圏の暴風雨と落雷、突風には恐怖すら感じた人が多いのではないでしょうか。私も青山外苑前クリニックでのカウンセリングのために、調度午後2時過ぎに青山一丁目付近で突風と雷雨に遭遇し、傘は役に立たず全身びっしょりの状況でした。それにしてもこの数年気候が変ですね。
今ころになってアナウンスしても遅いのですが、明日5月12日(土)に千葉県柏のデパートそごうで、午前と午後の2回、ミニ市民講演会を行います。テーマは最近ブログでも紹介したジュース療法です。30分という短い時間なので、多くは話せませんが、ギュっと内容の濃い話をします。無料のレクチャーですが会場の都合で先着20名ということだそうですので、もし興味のある方はおいでください。そごう10階の催事場で11時と13時の2回です。

さて、週末の今日は久々に目からウロコの話ですよ。
皆さんもよくご存じだし、サプリメントの代表選手でもあるビタミンEについてです。ビタミンEを摂取している人の目的の多くは、メタボ対策としてのコレステロールの改善ではないでしょうか? 雑誌やネット、TVの健康番組でも「悪玉コレステロール退治にはビタミンEが一番!」なんて言葉が躍っていますよね。ところが、今日の話は、摂るビタミンEを間違えると、コレステロールを下げることができないだけでなく、コレステロールを下げるために摂るビタミンEの作用を邪魔してしまうという話です。
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この図はビタミンEを構成する成分を大雑把に描いたものですが、ビタミンEの大部分は、トコフェロールとトコトリエノールによって構成されています。以前にもトコトリエノールについてはブログで紹介したことがあるので、こちらを参考にしてみてください。2002年に発表された内容では、同じビタミンEでもコレステロールを下げる作用は圧倒的にトコトリエノール(ベータとデルタ)が高く、トコフェロールには従来から言われているほどのコレステロールを下げる作用は確認できていません。それだけでなく、トコフェロールを多く含んだビタミンEは、トコトリエノールのコレステロール抑制作用に影響を与え、コレステロールを下げる機能が低下することもわかりました。最近の臨床研究によると、コレステロールや中性脂肪が高くなる脂質異常症の治療でポピュラーに処方されているスタチン系薬と一緒にトコトリエノール(ガンマ、デルタ)を摂ることで、スタチン系薬だけの患者よりもコレステロール低下の効果が高いことも報告されています。天然のビタミンEの中で、トコトリエノール(ガンマ、デルタ)を多く含む素材は、アナトー(Annatto)です。アナトーはベニノキの種子で、この種子から抽出される色素はリップクリームなど化粧品の色素として広く使われています。 このほか、ヤシの油もトコトリエノールを多く含んだ素材です。
アメリカでは市場で販売されているビタミンEのサプリメントの50%ほどは、「フルスペクトラムビタミンE」を謳った、トコフェロールとトコトリエノールを最適な比率でミックスしたサプリメントが出回っていますが、日本ではトコトリエノールのことすらあまり耳にしないのは残念です。もちろん私は栄養カウンセリングでも、また友人のドクターにも、自分で設計したトコトリエノールが配合されたフルスペクトラムのビタミンEを使っています。
天然と合成のビタミンEを論点にすることは決して悪い話ではないですが、そろそそどんな目的でビタミンEを使うのかを十分考える時ではないかと思います。

明日から週末ですね。私は柏で市民講演会があります。
天気は穏やかな週末のようです。皆さん、よい週末を!
by nutmed | 2012-05-11 15:11

栄養・健康・食に関する気ままな日記


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