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6月2日に行った私のセミナー参加者にお土産で配布したハーブの種、残った種を栄養医学研究所の玄関前のプランターに撒いていたところ、フラックスがムクムクと子葉を伸ばし始めてくれました。
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開花して結実後に収穫した種を冷温で搾って自家製フラックスオイルができるといいですが・・

さて、今日はオーガニック素材に関わるテーマです。オーガニックについて私が持っている考え方については以前のブログを参考にしてください。
昨年の原発事故や近年の食の安全性問題以降、オーガニック食品、オーガニック野菜・果実を求める消費者が以前よりも増えています。消費者がこのようなオーガニック素材を求める大きな理由には「オーガニック=安全」という考え方があると思いますが、残念ながら「オーガニック=安全」という方程式は100%成り立つわけではありません。また、添加物や化学物質が含まれているから健康を害するという理由から、健康維持の目的でオーガニック素材を求める消費者も少なくないと思います。オーガニック素材のメリットはメディアで数々取り上げられていますが、実際に高い価格で買ったオーガニック食品を食べ始めてから健康になったという方の話はあまり多く聞こえてきません。それは何故でしょうか?
オーガニック素材の恩恵を受けられる体内環境が必要
「オーガニック=安全」というイメージと同様に、多くの方が「オーガニック=健康的な食品素材」または「オーガニック=吸収がいい」というイメージを持っているようです。オーガニック食品といえども、吸収して代謝するためには消化分解というプロセスが必要になります。また、吸収の能力にも左右されるでしょう。オーガニック素材の恩恵を最大限に受けるためには、それらを摂取する人間は何もしなくても構わず、ただ食べればいいということではありません。恩恵を受け取ることができる体内環境と能力を向上させること、つまり、消化分解、吸収のプロセスに重要な胃腸の環境と能力を向上させること、加えて代謝を司る肝臓の能力を高めることが大切です。
オーガニック素材の恩恵を受けられる体内環境つくりのベースという考え方
最近巷では、「マルチビタミン・ミネラルで体のベース作り」という考え方が増えてきました。ベース作り」という曖昧な表現ではなく、オーガニック食品を含めて、日常食事から得るべき栄養素が正しく消化分解され吸収・代謝することができるような、素材の恩恵を受け取ることができる体内環境のベース作りが必要であり、言い換えれば、体内環境を整えることによって、体の60兆個もの細胞とその集合体である臓器組織が正しくその機能を果たし、最大限に能力を発揮できるようにするための準備が必要だとも言えます。
本来食事から得るべき栄養素は、食事から摂取することが人間の営みを考えた場合には望ましいものです。健康に悩みを持っている、病気がち、体力、エネルギーが低下しているという方の多くが、これらの栄養素を正しく消化分解し吸収・代謝する機能を持った胃腸、肝臓の働きが低下していると言えます。これらの器官の働きが低下していては、せっかくのオーガニック食品やオーガニック素材を摂取しても実感する期待は薄いとも言えます。
素材に何らかのメリットや恩恵を求めるならば、まずはそれを食べる自分自身の体内環境に目を向けて、オーガニックの恩恵を最大限に受けることができる準備を試み於てください。

さて、6月最後の週末です。
天気はまずまずのようですから、不足しがちな紫外線に浴びてビタミンDの合成を促してきてはいかがでしょうか。

それでは眠さんよい週末を!
by nutmed | 2012-06-29 12:03
今年は8月から例年になくセミナーや勉強会、講演会の依頼が増えています。元来教えることは好きな私ですので、今から楽しみでもあります。中にはベイエリアのホテルで企画されている、中学受験を考えている母親を対象とした。IQを揚げるために有効な栄養素と栄養の吸収のしくみなど、私自身も楽しみなテーマが目白押しです。

さて、今日は読者の方からの質問にあった、乳がん治療の化学療法で処方されている抗がん剤の服用で注意するべき栄養素との関係について紹介します。
乳がんの化学療法で比較的汎用的に使用される「タキソール」という抗がん剤があります。この抗がん剤は、乳がんが発見された後の治療の中で、リンパ節への転移を抑えるために行われる化学療法で使われる薬です。タキソールの成分はセイヨウイチイという植物の樹皮エキスから得られた成分ですが、今では自然界に生息するセイヨウイチイの生息量には限界があることと、樹皮をむいてしまうとすぐ枯れてしまうことから、天然成分と合成成分がほぼ半分の天然合成成分です。
セイヨウイチイを原料とするタキソールを服用するときの注意点は主治医が説明してくれるものですが、タキソール投与中にはアミノ酸のトリプトファンまたはトリプトファンの前駆物質の5-HTPが含まれた食材を避けるようにしたほうがいいと思います。トリプトファンと5-HTPは脳内でセロトニンに変換されるアミノ酸ですが、タキソールと一緒にこれらのアミノ酸を摂取することによって、タキソールの副作用を増強させる可能性が報告されています。
トリプトファンが多く含まれる食材は牛乳・ヨーグルト・卵・ナッツ類・マグロ・チーズ(特にスイスチーズ、チェダーチーズ)です。
次に代表的な抗がん剤シスプラチンの効果を残しつつ、腎臓の毒性などを軽減させた『カルボプラチン」という抗がん剤があります。白金製剤のこの抗がん剤には、カルシウム、マグネシウム、カリウム、およびリンの尿からの過剰排泄作用が報告されています。言うまでもなく主治医チームは点滴でこれらの電解質ミネラルを補給するはずですが、特にマグネシウムのモニターをするときの検査材料は注意したほうがいいと思います。血清中、血漿中のマグネシウムを測ってもマグネシウム欠乏状態を把握するのは難しいので、赤血球中のマグネシウムを測定してモニターしてもらったほうがいいと思います。
また、白金製剤の腎機能への影響と白血球減少の副作用を抑えるために、電解質ミネラルの点滴の中にセレニウムを入れてもらうといいでしょうね。
by nutmed | 2012-06-28 17:00
今日の川越は朝から抜けるような空と、太陽の日差しが強い1日ですが、湿度が低い分さっぱりとした過ごしやすい1日でもあります。それでも、この季節は紫外線対策は必須でしょうね。TVやメディアのCMもUVケア商品が多くなり始めました。
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過去30年以上にわたり、世界中の研究者によって紫外線が細胞のがん化を促進することが報告され、それは疑いの余地はありません。 もちろん女性の皆さんには紫外線によるシミ、シワの原因を作る行為はもってのほかですから、この時期になると、紫外線を透過させないSPFを謳った紫外線ケアのための化粧品は必携でしょう。
今日はそんな紫外線ケアに際しての注意するべきことをいくつか紹介します。
多くの女性が、また最近では男性も利用者が多いSPF入りのクリームですが、この類のクリームはSPFの数値が高いほど紫外線の透過を防いでくれることでも知られていますね。今更ですが、SPFとはSun Protection Factor(紫外線防御指数)の略で、紫外線のB波の防止効果を表す数値です。最近ではSPF50以上は表示しないという決まりができたようで、50以上の商品には50+などと表示されています。これらの日焼け止めクリームに使われている素材原料は、微粒子二酸化チタンと酸化亜鉛が多く使用されています。特に二酸化チタンには紫外線の吸収能力が高いとされている白い粉末で、日焼け止めクリームを塗った後に顔や肌が白く浮き上がったように見えるのはこの素材のためです。最近では屋外に出る場合だけでなく、室内にいる場合でも紫外線の栄養の予防のために日焼け止めを塗るという女性の話を聞きましたが、過剰に反応し過ぎているのではと思うところもあります。以前、幾度もビタミンDをテーマにブログで紹介してきましたが、人間は紫外線を浴びることで皮下でビタミンD(コレカルシフェロール)を合成することができます。しかし、場合によってはSPF値の高い日焼け止めクリームの影響でビタミンDの皮下合成に影響が出る可能性を懸念する研究者や医師も少なくありません。以前に、この数年、ビタミンDの皮下合成低下によるビタミンDの不足を調査した研究者が、1年で5月から10月までの夏季が予想以上にビタミンD不足の傾向があるという報告をしていた記憶がありますが、この背景には高いSPF値による紫外線の過剰な防御によるものだと考えられています。 日本人など黄色人種では、1週間に100-150分ほどの間接的直接的な紫外線を浴びることで最適なビタミンD(コレカフシフェロール)量が維持できると言われています。微粒子二酸化チタンと酸化亜鉛はアレルギー反応を起こしにく、さらには最近の加工技術によって流行の「ナノ」単位まで小さく加工されているので、人体には安全だと言われてきました。しかし、一方ですでにチタニウムに対するアレルギー反応をする人が出始め、徐々に増えていることも事実です。また、米国のUCLAの研究チームが、人間の大腸細胞を使った実験で、ナノ処理された微細な酸化亜鉛が細胞毒性を示すことを報告しています。
そこで、この季節の皮膚のケアですが、ビタミンDとビタミンAの上手な摂取による、紫外線の影響からの皮膚の新陳代謝の向上をお勧めします。いわゆるアクティブディフェンスですね。
紫外線の影響によるもう1つの怖さは、皮膚の細胞中に存在するレチノイン酸の受容体の破壊です。レチノイン酸は、トレチノインという薬剤名で形成美容科や皮膚科などで汎用的に使われているのでご存じの女性も多いと思います。皮膚の細胞の中にはレチノイン酸が働くために必要なパートナーである受容体(レセプター)というものが存在しています。言わばレチノイン酸を鍵とするならレチノイン酸受容体は鍵穴で、双方が一対で初めて機能するわけです。レチノイン酸はビタミンA(レチノール)の前駆物質でもあることから、紫外線が強くなり始める5月から10月半ばころまでの季節には、いつもよりも積極的にビタミンAと不足が懸念されるビタミンDを摂る事をお勧めします。
ビタミンAとビタミンD(コレカルシフェロール)の両者が1度に無理なく摂取できる都合がよく便利な素材がありますが、それはタラの肝油です。 タラの肝油にはビタミンAとビタミンDが豊富に含まれているだけでなく、日焼けによって炎症を起こした皮膚の炎症を抑えてくれる働きもあるDHAとEPAも豊富に含まれています。
摂取の目安としては1日あたり1500mgのタラの肝油を1日3回にわけて食後に摂るといいでしょう。
by nutmed | 2012-06-27 14:39
さて、今日はR-α-リポ酸についてです。
その前にα-リポ酸(ALA)の復習をしてみましょう。
ALAは2つの硫黄イオンを持った物質で、人間の体内では酵素を補う働きを持った機能性成分です。もともとALAは病院やクリニックで解毒や肝臓の働きを改善する薬としても使われてきた成分ですが、現在では食品としても使うことが認可された成分でもあります。
ALAの主な働き
1、糖(グルコース)、炭水化物、脂肪酸、蛋白質、及び、アミノ酸の代謝
2、強力な抗酸化作用
3、有害物質の解毒作用
4、コレステロール抑制
5、エネルギー生産
以上がALAの主な働きですが、特に糖(グルコース)の代謝作用は人間が持つインスリンという糖を代謝するためのホルモンにも匹敵するほどの作用があります。
ビタミンC、ビタミンEが体内のサビとも言われる酸化物質を除去する抗酸化ビタミンとして有名ですが、ALAにはこれらのビタミンを上回るほどの抗酸化作用があるだけでなく、ビタミンC、ビタミンEが酸化物質によって酸化されることを防ぐ抗酸化作用があります。ALAには、「最強の抗酸化物質」「抗酸化物質のチャンピオン」とも言われるグルタチオンという物質を体内に増加させる働きもあります。ALAが「抗酸化物質の中の抗酸化物質」と言われる由縁はここにあります。ビタミンC、ビタミンEをはじめ、他の抗酸化物質のほとんどは水溶性(水にしか溶けない)または脂溶性(脂にしか溶けない)のどちらかの性質をもっているので、一緒に摂取するものの組合せを考えなければ効果も期待できなくなりますが、ALAは水溶性と脂溶性の両面の性質を持つ抗酸化物質であることから、何と一緒に摂取すればいいか悩むことなく広範囲に使える便利な抗酸化物質でもあります。
ALAには硫黄の成分が含まれており、この作用によって体内、特に肝臓に蓄積した水銀や鉛などの有害重金属を体外への排泄を促してくれます。
ALAはビタミンB1とB3と一緒になることで細胞のミトコンドリアというエネルギーを作り出す工場に働きかけて、エネルギーの生産を高めてくれる作用もあります。
ALAが最も多く含まれる食材はホウレンソウです。そのほか牛の腎臓やブロッコリにも多く含まれています。
食材含有量(μg:マイクログラム)
ホウレンソウ5μg/ 30g中
米胚芽11μg/ 118g中
豆類 7μg/ 145g中
ブロッコリ 4μg/ 71g中
芽キャベツ 3μg/ 88g中
トマト 3μg/ 123g中
牛の腎臓32μg/  85g中
牛の心臓19μg/  85g中
牛の肝臓14μg/  85g中
卵白0.3μg/  17g中

リポ酸には左右対称にRとSという物質があります。日本のサプリメント市場では、「α-リポ酸(ALA)」と総称されていますが、ALAに含まれるリポ酸が、RとSの比率によってリポ酸そのものの作用が左右されます。インスリン抵抗性を改善する能力はRのα-リポ酸のほうが圧倒的に強いことがわかってきました。

インスリンの抵抗性を改善する目的で、R-ALAを摂取する場合、予防やインスリン抵抗性改善のサポートとして使う場合には、1日あたり300-600mgでいいと思います。すでに血糖が高め安定で肥満傾向にある人の場合には1日あたり800-1500mgを使うこともありますが、血糖値が低くなりすぎることがあることから、十分な知識をもった医師または専門家の指導に基づいて使うことが重要です。
by nutmed | 2012-06-25 09:11
先般、モニター募集をしていたケイ素含有ミネラルウォーターの応募を先週締め切りましたが、予想を超える応募があったため、抽選の結果、当選者の方には直接メールで通知を出していますので、当選者のかたは試飲後のアンケート調査ご協力もよろしくお願いします。 

さて、今日は前回に続いて糖尿病は軽度の炎症の2回目です。
いわゆる2型の糖尿病の背景の多くがインスリンに対する抵抗性を持つことによるものであることは前回紹介しました。中でもオーバーカロリーな食生活による脂質の代謝に影響が出ることで炎症を来し、インスリンに対して抵抗性を持つことのほか、全身性の細胞における酸化ストレスが炎症をスタートさせ、インスリンに対する抵抗性が高くなることが2007年に米国ペンシルバニア大学の研究チームによって発表されています。この全身性の酸化ストレスの中には、喫煙、飲酒のほか、薬剤、重金属の蓄積による影響も考えられます。
彼らの研究報告で興味深いのは、日本のマスメディアや健康関連サイトなどでも言われてきた、細胞の酸化ストレスが高くなることと、抗酸化物質の不足によって、インスリンに対する抵抗性が高くなるということよりも、インスリンに対する直接的な原因は、細胞の酸化ストレスが引き金となって起きる炎症による可能性が高いと言う報告です。
報告の中では、マウスを使った実験ではありますが、インスリン抵抗性を改善する機能性成分として2つの素材を揚げており、それは以前から私のブログでもおなじみのN-アセチルシステイン(N-Acetyl Cysteine:NAC)とR-α-リポ酸です。
NAC:Nアセチルシステイン
日本でも最近強力な抗酸化作用を持ったN-アセチルシステイン(NAC)が注目されていますね。
NACは硫黄性のグルタチオンを合成するために必要なアミノ酸で、体内に蓄積した水銀・鉛などの重金属の排泄を促すアミノ酸です。
システインは、体内環境の状態によって体内で合成することができない硫黄の成分を持つ含硫アミノ酸の1つで、シスチンと双子のような関係にあり、シスチンはシステインが安定した形と考えられているます。含硫アミノ酸であるシステイン、シスチン、タウリンはメチオニンおよび硫黄から構成されていて、システインは糖代謝に関る重要なアミノ酸で、グリシン、グルタミン酸、ナイアシンおよびクロミウムとともに糖コントロールに関っています。システインの代謝にはビタミンB6が必要となります。
N-アセチルシステイン(NAC)は硫黄性のグルタチオンを合成するために必要なアミノ酸で、強力な抗酸化物質であると同じに、体内に蓄積した水銀・鉛などの重金属の排泄を促すアミノ酸です。

システインの働き
・毛髪や爪に含まれるケラチンたんぱくの合成
・インスリン、トリプシノーゲン、パパインなどのたんぱく質を合成
・フリーラジカルの分解(メチオニンととも)
・グルタチオンの合成
・α-リポ酸の合成
・ビオチンの合成
・ヘパリンの合成
・補酵素の合成
・ラクトグロブリンの合成
・有害重金属の排泄

以下にあげる薬剤を服用中の場合にはシステインの使用には注意する必要があります。
・ACE阻害剤
ACE阻害とNAC(N-アセチルシステイン)を併用した場合、血圧の降下作用が増強される可能性がある
・狭心症薬
ニトログリセリンおよびイソソルバイドとNACを併用した場合、頭痛、低血圧を引き起こす可能性がある

注意点
システイン摂取に際して、糖尿病既往者が過剰なシステイン(1500mg/日以上)を摂取する場合にはインスリンの分泌に影響を与えるため、摂取には十分注意すること。また、尿酸値が高い場合や結石を持つ場合、システインがシスチンに変化することによって腎臓および胆嚢の結石をつくり易くなるので、システインまたはシステインが多く含まれる食材(タマネギ、ニンニクなど)や摂る場合には、その3倍量以上のビタミンCを摂取することでシステインの結晶化を防ぐ。

NAC使用上の注意点
1、NACはカンジダ、イースト菌の好物でもありますので、NACを飲む場合には、ラクトバチルスなどの乳酸菌を一緒に飲んでください。
2、飲んでいる期間中はイースト菌を使用した食材(パン、クッキーなど)をなるべく避けてください。
3、NACを飲んでいる期間はなるべく水を多めに飲んでください。
4、NACは亜鉛、マグネシウムの排泄も促しますので、必ずマルチビタミン・ミネラルなどを併せて飲んでください。


次回はインスリン抵抗性改善のR-α-リポ酸です
by nutmed | 2012-06-19 14:49
栄養医学研究所を川越に移転させて3カ月半が経ちますが、サインボードがなくて栄養医学研究所を訪問される方からも場所が分からないという声や、宅配業者さんからも看板ださないんですか?という声も多く、栄養医学研究所のロゴをデザインしたサインボードを発注し、先週末にようやく届きまして、今朝から摂りつけ作業をしました。
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栄養医学研究所のオフィスは戸建ての角地なのでどちらの方角からも目立つように角の壁面に1枚づつ張りつけることにしました。できたボードを見た時には少し大きすぎたか!?と思いましたが実際に壁面につけて見ると見栄えがするし、遠くからでも視認できるので良かったです。これで栄養医学研究所におられる方も迷子になることはないと思います^^

さて、今日の話題は糖尿病と炎症についてです。ここで言う糖尿病は2型糖尿病(NIDDM)で、ここ数年その原因にはインスリンに対する抵抗性が高くなることで、血液中を流れる糖分のコントロールと細胞への取り込に働くインスリンが上手に働かなくなることがわかりはじめた2型の糖尿病です。アメリカでは今の日本で言う2型糖尿病(Type2 Diabetes)という言い方ではなく、IRDM(Insulin Resistance Diabetes Mellitus:インスリン抵抗性糖尿病)という言い方をする傾向が強くなりつつあります。私のブログでは以前からインスリンの抵抗性、インスリンと中性脂肪の関係ンスリンと炎症の関係などについても扱っているのでそちらで復習をしてみてください。
2010年にポルトガルの研究チームが、過剰な炭水化物、たんぱく質、脂質の摂取により、腹部周囲の脂肪細胞の機能が低下すること、および脂肪細胞の酸化ストレスが原因となり、脂肪細胞が軽度の炎症を起こすことを報告しています。この軽度な炎症は、中性脂肪を始め脂肪酸の過剰生産、脂肪酸の酸化によるインスリンの作用に影響を与えることも同時に報告されています。つまり、インスリンがすい臓で生産されても、体がインスリンに抵抗性を持ち反応しないことから、血糖値が慢性的に高くなるということで、そのスタートが皆さんもご存じの肥満であり、その肥満によって炎症を起こすことがスタートになるということでもあります。
糖尿病の予備軍の人たちが、とにかく肥満を改善するように強く指導される背景はこおkなんですが、その背景には炎症があるということを是非覚えておいてください。
by nutmed | 2012-06-18 12:57
今日は現代人、特に女性と若者の亜鉛欠乏症とストレスの関係についてお話しましょう。
皆さんもご存知のように亜鉛(Zn)は免疫機能に重要なかかわりをもつ必須ミネラルなんですが、もう1つ重要な働きに「生殖機能」にかかわるミネラルであるということです。亜鉛の持つ生殖機能への作用は以下の代表的なものがあります。
1)卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンの働きを促進させる作用
2)胎児の正常発育の維持や流産の予防作用
3)生殖器の発育維持や性腺機能維持作用
4)ビタミンEとの相乗効果によって胎盤停滞の予防作用
また、Znの血中濃度は、ストレスに対し非常に鋭敏に反応することが報告されていますが、実際、女性では出産直後から18-24時間後に亜鉛の血中濃度が平均で40%ほど低下します。
さらに、流産、死産などの場合、1週間後にかけて亜鉛の血中濃度は50%以上低下します。また、肉体的なストレスだけでなく、精神的なストレス、特に最近の10-30代後半のストレス耐性が非常に低い男女では、慢性的に精神的なストレスを受けることによって亜鉛の血中濃度は著しく低下してきます。
最近この年齢層に顕著な「味覚障害」や「不妊症」の原因には、ストレス耐性が非常に低い男女が精神的なストレスを受けることによって低下する亜鉛という背景があるのではないかという報告もあり、現代の日本人を見る限りあながち間違った説ではなと思うこの頃です。事実、アメリカでは出産後の女性に亜鉛のサプリメントを勧める産科医が少なくありませんし、日本でもかっては出産後の女性にビール酵母汁やフスマ汁(小麦胚芽)を1週間ほど飲ませた背景には、これらの素材に含まれる亜鉛などの必須ミネラルが豊富であることがあるのでしょうね。
次に亜鉛とメタロチオネインというたんぱく質の関係についてお話します。メタロチオネインは金属蛋白質とも呼ばれるたんぱく質でして、肝臓で作られます。メタロチオネインには亜鉛の体内貯蔵にかかわる働きがあります。つまり、体内に亜鉛を貯蔵しておく際には欠かせないたんぱく質です。この関係は鉄とそれを貯蔵しておくためのたんぱく質フェリチンの関係に似ています。このほかメタロチオネインにはカドミウム、鉛、水銀といった毒性重金属の解毒の作用があります。最近話題の解毒(デトックス)には欠かせないたんぱく質でもあるんです。メタロチオネインは前回説明したように妊娠や流産を含め肉体的、精神的なストレスが増大した場合やインフルエンザや細菌による感染症に陥った時、その合成が増大します。 この背景にはストレスや感染症によって体内の亜鉛、銅などのミネラルが急激に低下するため、体内への吸収と貯蔵を増やす必要があることがあると考えられています。「メタロチオネイン」、少し難しい成分ですが、皆さんがストレスを感じたり、慢性的に疲労感を感じるようなときには思い出してください。

さて、明日から週末です。
皆さんもよい週末を!
by nutmed | 2012-06-15 18:30
梅雨入りしたのだからいたしかたのない天気ですが、今年の梅雨は肌寒いように感じます。
昨日は名古屋に出張でした。以前から温めてきて、ここ数カ月、要望や需要が非常に高まっている栄養療法と臨床栄養の教育事業立ち上げの打ち合わせで名古屋へ行ってきました。前回のブログでも紹介したように、70%以上のい臨床医が栄養学の知識の必要性を感じていることに加え、整体師、カイロプラクティクス、指圧、マッサージから理美容師に至る広範囲の職域で、栄養の知識に対するニーズは確実に高まっています。可能であればこの秋から、インターネットを使ったこれらのニーズに対応する栄養療法などの教育プログラムを展開する計画を進めています。

さて、今日は読者の中の63歳の男性からの非常に興味深いビタミンb12に関する質問がありましたので、その内容と私なりの回答を皆さんにもぜひシェアしていただきたいと思い紹介します。
「島根県南部在住で、定年後の趣味で楽しく毎日を暮らしている63歳、男性です。いつも佐藤先生のブログは楽しみに、また何枚も目からウロコを落とさせていただいてきました。今日はビタミンB12について私なりの疑問がありメールさせていただきました。佐藤先生は日ごろから、胃酸の重要性を説いてらっしゃいますが、特に加齢とともに胃酸の生産量と分泌量は低下するため、たんぱく質食材を胃酸によって分解することで得られるビタミンB12については、50歳もすぎたころからサプリメントで積極的に摂るべきだともおっしゃられていますね。日本では見かけることがありませんが、アメリカのサプリメント通販で入手できるビタミンB12のサプリメントの中には「シアノコバラミン(Cyanocobalamin)」の形のビタミンB12を目にします。また日本でも薬局で販売されている点眼薬では、このシアノコバラミンを配合したビタミンB12を良く目にします。私のつたない知識ではこの「シアノ」とは毒性のあるシアン化合物(Cyanide)のことであると思われ、微量で中毒症状を表すシアンの化合物であるビタミンB12としてのシアノコバラミンは体にとって毒ではないのでしょうか?」

不謹慎かもしれませんが、こういう素朴な質問というのは大切な疑問なんですね。長年栄養に携わってきましたが、私自身このような疑問にはぶつかったことがありませんでしたが、非常に大切な的を得た疑問だと思います。
この男性の質問の中にあるように、シアノコバラミンを形成しているシアノはシアン化合物と同じものです。それではシアノコバラミンを摂ると中毒症状が出る危険なビタミンなのか?というとそうではないんですね。結論から言えば、シアン化合物ではあるものの、中毒症状を起こすほどの量ではないことと、体の中の肝臓で、体が使える形のビタミンB12に変換する過程の中で尿とともに体外に排泄されてしまいます。
シアン化物はある種の細菌によって作られることが分かっていて、シアン化物を含む食物があります。例えばリンゴの種やアーモンドがそれで、タピオカの原料になるキャッサバイモの根の中にも確認されています。
ビタミンB12(シアノコバラミン)を抽出する際に使用される活性炭の働きによって、シアノコバラミンが生成されますが、バクテリアが作ったビタミンB12を活性炭で洗浄濾過する際に、活性炭に含まれたシアン化合物が反応結合してシアノコバラミンが精製されます。
シアノコバラミンを摂ることで全く副作用のようなものはないのかと言う点については、絨リアから報告されている症状の中に、シアノコバラミンを1日あたり1000μg以上を継続摂取した場合、また点眼薬などで摂取した場合には、眼精疲労などの症状が現れることが稀にあることは報告されていますが、通常の使用方法であれば特段の心配はないと思います。
by nutmed | 2012-06-12 16:52
今日はいきなりのニュースです。
つい先日、ネット上のニュースでも取り上げられていたので、目にした方も多いと思いますが、日本の医師の7割が、医学部の授業で栄養学が必要だと感じているというアンケート結果がでたようです。
これは、医師だけを対象にしたコミュニティサイトの「MedPeer」が行った医師へのアンケート調査によって得られた回答だそうです。アンケートでは、「医学部に栄養学の講義が必要かどうか」と聞いたところ、7割以上の医師が大学での栄養学の講義の必要性を感じていることがわかったそうです。その背景は近年の医療事情を反映しており、高齢患者や生活習慣病の治療では、薬を使った薬物療法よりも、食事生活の指導による食事療法が中心となるケースが多いためだということです。その一方で、2割程度の医師は、「必要性について差し迫った状況ではない」ことや、「現在の医学部のカリキュラムを見ても、これ以上栄養学を学ぶ時間的な余裕をもつことは難しいのでは?」というような理由があったそうです。
具体的な医師からのコメントを見ると...

「高齢患者の治療は何はともあれまず栄養改善。薬の減量もできる」(50代、一般内科)
「摂取カロリー過多による肥満、糖尿病、高血圧が激増しており、体系的に教育してほしい」(50代、小児科)
「医食同源の重要性を知ったのは臨床を長く経験してから。栄養学は必要」(60代、一般内科)
「臨床上、栄養に関しての判断を求められる場面が少なくない」(50代、精神科)
「薬が病気を治すのではなく、身体の治癒力を引き出すことを前提に医療を再定義すべき。そのために栄養学は必須」(40代、脳神経外科)


一方で、臨床現場の栄養学の知識については(管理)栄養士に任せればいいというようなコメントもあったようです。
いずれにしても、現在の日本の臨床現場における栄養学の知識と経験の必要性及び需要は想像以上に高く、加速度的にその必要性は増していると思います。 臨床医が実際に医学部で栄養学を勉強習得するかどうかは別として、臨床現場での需要が高くなっていることは事実ですので、欧米、特にアメリカやカナダのように日本も臨床栄養学のスペシャリストの育成に取り組むべきだと思いますね。

さて、明日から週末です。6月最初の週末はどうやら梅雨入りのプロローグのようです。これからジメジメの季節ですから、室内のカビや乾燥対策と同時に、皆さん自身の上手なメンタルコントロールも忘れずにしてください。
それではよい週末を!
by nutmed | 2012-06-09 11:54
先日お話したように、本日でこのブログも7年目に突入いたします! たくさんのお祝いメールと予想外の電報までいただき、この場を借りてお礼もうしあげます。ありがとうごさいます、そして10年を一つの目標にこれからもがんばります。 
さて、節目の7年目初回のテーマは、今更かもしれませんが、今だからこそもう一度消化分解と吸収の働きについて考え直してみて欲しいと思ってこのテーマにしました。
体を癒し、修復するためには、いくらかの、非常に重要な栄養摂取の改善を行うことが重要です。現在摂取している食生活を変えることは、損傷を受けた組織を修復し、体内の毒素を浄化させるとともに、胃腸の粘膜、及び、酵素の正常な機能を回復し、食材、サプリメントの効果を促進させます。
しかし、これらの効果を上げるために最も重要なことは、本人の理解、食生活改善の意欲、そして、目標に到達するための道程です。目標を達成させるためには、健全な体へと変化していく過程、体内機能の変化を注意深く見守り、実感することも重要です。
胃腸の働きは、体内環境を最適な状態に保つために非常に重要であると同時に、自分の胃腸の働きと、現在の状態を知ることは、体内環境を最適な状態にたもつために役立ちます。

胃腸の機能としては、食物、栄養物を消化分解、吸収し、体外へ老廃物を排出することをも含みます。胃腸の極めて重要な機能の中のいくつかが制限を受け、不均衡な状態が続くと、体内の汚染物質が排出し難くなります。最適な健康、および、生命力は、食物から必要な栄養成分を消化吸収することによってのみ、得ることができます。

このブログでも従来からずと言い続けているように、胃腸機能に障害を与えるいくつかの因子があります。それは以下のようなものです。
・栄養に乏しい食品 ・薬物、食物アレルギー ・ストレス ・乳児の母乳不足、重金属、化学物質
・運動 ・遺伝的要因 ・ある種の疾病 ・酵素不足 ・環境汚染物質 ・水道水

消化の工程は、口に食物を入れることから始まります。
口に入れられた食物は、歯、および、顎によって小さい破片に砕かれ、この工程を咀嚼(そしゃく)と言います。砕かれた食物片は、だ液腺の酵素と交じり合い、澱粉を消化します。食物をよく噛み砕くことで、消化がしやすくなります。ゆっくり食物を噛むことに時間を費やすことが極めて重要であると言われるのはこのためです。食物の大きいかたまりを、噛まずに飲み込むことは、予想以上に胃腸の消化機能にストレスを与えることになります。
口内で破砕された食物は、食道へ送られ、食道のぜん動運動によって、胃へと送られます。
胃の強い収縮運動によって、食物が攪拌され、続いて胃壁細胞から、胃酸と消化酵素が分泌されます。
この消化酵素は、ペプシン、および、プロテアーゼです。これらの酵素は、食物を更に小さい破片に分解します。これら消化酵素のpH値は、約1.0-3.0 です。これらの酵素が、これほど強酸性である要因としては、肉などのたんぱく質をアミノ酸まで分解するためです。
アミノ酸の形まで分解されると、細胞が血液を介して容易に栄養を吸収しやすくなります。
食物の種類、および、消化酵素の機能によって、その食物が胃の中にどの程度残存し、どのくらいの時間をかけて消化しなければならないかが決定します。
例えば果実は、非常に消化し易く、そして、わずか20-30分で消化されます。一方、牛肉は、非常に複合的食物であり、消化には数時間を要します。
胃が動物性の肉などの複合的食物を消化するためには、多くの時間とエネルギー、そして、酵素を必要とします。胃で消化された食物は、糜汁となって、十二指腸と呼ばれる小腸の部分へ運ばれます。

小腸は十二指腸、空腸、および、回腸から構成されます。
十二指腸は、おそらく小腸の最も重要な部分で、ここでは極めて重要な吸収工程が発生しています。
強酸性を示す糜汁が十二指腸に移動すると、十二指腸の壁における細胞は、 粘液によって糜汁のpH値をアルカリ性にするように働きます。小腸壁は、胃壁と異なり酸性酵素に耐性がないため、自身を保護するために、時間をかけて粘液によってpH値をアルカリ性に転換します。
ストレスが、小腸が強酸性をアルカリ性に転換するための、粘液分泌を阻害することを理解することが、処置を進めるために重要なポイントになります。
ストレスが頻繁に発生すると、苦痛、および、潰瘍化が発生します。糜汁をアルカリ性に変換するための酵素は、同様に膵臓、および、肝臓からも分泌され、蛋白質、および、炭水化物を含む複合的な食物を消化する働きを担います。
肝臓は、胆のうに蓄えられる胆汁を産出し、胆のうは、消化を支援するための洗浄作用を持った、胆汁を小腸に分泌します。胆汁は、可溶性ビタミン A 、 D 、 E 、 F、 K 、および、カルシウムの吸収を補助する働きを持っています。また、胆汁には、ベータ‐カロチンをビタミン A に変換する働きもあります。
食物粒子が空腸、および、回腸を経て運ばれ、そこで栄養物、ビタミン、および、ミネラルが吸収され、血液中に流出します。
鉄、ビタミンA 、B12、Dは、血中から吸収され、肝臓に貯蔵されます
同じく肝臓は、アミノ酸、および、糖から、脂肪酸を合成する過程、脂肪が酸化してエネルギーを作る過程、そして、リポプロテイン、コレステロール、リン酸の生産を行う過程で、脂肪代謝において極めて重要な役割を果たしています。
過剰に摂取された食物は、肝臓で脂肪として蓄えられます。
同じく肝臓は、解毒器官として働き、蛋白質の代謝を調整し、殺虫剤、アルコール、薬品、および、化学薬品を、毒性のない代謝物に変換させ、腎臓。を経て体外に排出されます
続いて、まだ消化吸収が可能なものは、大腸へ運ばれます。
直腸を通る残廃物質の輸、除去、および、水の再吸収が大腸の機能です。

皆さんが口に入れてから体内に吸収されるま¥でにはこれだけの時間と工程をかけなければならないことは、今更言うには及ばないことは承知していますが、いまだからこそ、自分の体内環境の中心を担う消化分解と吸収の働きと機能を見直してみてください。
by nutmed | 2012-06-07 13:25

栄養・健康・食に関する気ままな日記


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