臨床栄養士のひとり言

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第1244回 再び副腎疲労改善へのアプローチ

先週末はバイク仲間のおじさんたちと久々の1泊ツーリングに、津波の爪後の残る福島県いわき方面を走ってきました。目的は、今年の8月にバイク事故で亡くなった我々のバイク仲間の73歳の大先輩の追悼ツーリングです。自宅のある茨城県に伺い線香を手向けてきたときに、残された奥さんが「死んだことは悲しいけれど、この歳まで生きて最後は大好きなバイクで逝ってしまったことはこの人にとっては大往生で幸せな最後だったのかもしれない」という言葉に重みを感じるとともに、何故か幸せだったんだろうなと感じました。今回のツーリングで今年のツーリング納めになりました。

さて、今日は、最近再び増加の兆しがある副腎疲労の改善のための生活習慣について数回にわたって紹介します。副腎疲労については私の過去のブログではかなり時間を使って扱ってきたテーマですので、背景の詳細はそちらを復習の意味で参考にしてください。今日はコルチゾールと睡眠についてです。
私が栄養カウンセリングを行っている神尾記念病院でも青山外苑前クリニックでも、この半年の間のクライアントの傾向を見ると、副腎疲労の症状を持った人、特に女性が多いことに気がつきます。また、年齢も20歳後半から40歳前半までの女性が圧倒的に多いと感じます。食生活を含めた生活習慣とストレスやアレルギーに関わる背景のヒアリングアンケートを行うとともに、だ液を使った副腎皮質ホルモンのコルチゾールのリズムの検査をお願いし、食物不耐性(IgGアレルギー)検査をお願いすることで、今目の前にある症状の原因がかなり集約されてくることがすくなくありません。
コルチゾールを検査する目的は、副腎の1日の働きのリズムを確認するためです。コルチゾールは、副腎で産生されるホルモンで、甲状腺ホルモンの活性化、骨吸収、筋力、エネルギー生産(糖代謝)、感染症や癌に対する抵抗性、自己免疫疾患の進行、およびアレルギー反応の強さなど、多くの身体の機能をコントロールする重要な機能を持っています。
コルチゾールには1日のリズムがあり、それが同様に副腎の機能のリズムでもあります。コルチゾール(副腎機能)は早朝に一気に高くなり、時間の経過とともに徐々に低くなり、夜から翌朝までは最低のレベルになるような周期リズムを持っています。この24時間のサイクルはサーカディアンリズム( circadian rhythm,)と呼ばれ、このリズムが乱れ崩れることによってエネルギー生産(糖代謝)や免疫機能をはじめとする体内環境に悪影響を与え症状として現れることになります。副腎のサーカディアンリズムに変調をきたすことによって、疲労感、出血、感染症、骨粗しょう症、性欲、不妊、片頭痛、ニキビ、腹部膨満感、低血糖、血圧の乱れなどの可能性があります。また、副腎の働きは睡眠にも影響を及ぼしますが、本来働きが低い状態であるべき夜間にコルチゾールが高くなり副腎の働きがハイテンションになることで、深い眠りに関わるノンレム睡眠(NonREM Sleep)状態に入るスイッチを阻害し、途中覚醒が起きたり、睡眠困難の状態を招き、結果として睡眠不足が慢性化することで、昼夜問わず眠気に襲われることが少なくありません。
レム睡眠(REM Sleep)は、皆さんが夢を見る睡眠状態になり、呼吸数が増加する一方で筋肉が緩んでリラックス状態を伴う睡眠です。レム睡眠状態の時に夢を見る背景では脳の活動が高まっている状態でもあります。8時間以上十分な睡眠があったにもかかわらず、ぐったり疲れ切ったような気分で目覚めることがある人の多くは、レム睡眠が何らかの原因で中断してしまうか、単発的であったことが考えられます。
副腎疲労や低血糖、慢性疲労を訴える人の多くが睡眠が十分ではなく、日中に眠気に襲われたり、食後に睡魔が襲ってくる原因の1つが、この夜間の睡眠のメカニズムでありその背景にあるコルチゾールのサーカディアンリズムのアンバランスな状態、特に夜間にコルチゾールの高い状態を作ってしまうことにあります。
つまり、副腎疲労を改善し、その症状の1つでもある睡眠障害と疲労症状を改善するためのポイントは、副腎皮質でつくられるコルチゾールのリズムを整えることにあります。つまり、日中は組織臓器の活動に併せて上昇し、必要に応じて高いレベルを維持させ、夜間には不用意に高いレベルにならないようにする生活習慣を心がけることにあります。
食生活でコルチゾールを上昇させないようにするためのポイントは、GI値(グリセミックインデックス)に注目した食材選択だと思います。つまり、GI値の数値が高くなるほどコルチゾールの生産分泌量(要求量)は比例して高くなるということでもあります。GI値についてはネット上で検索参考にしていただければいいですが、端的に言うと「糖分が高く、繊維質が低い食材」がGI値の高い食材です。糖分は脳と筋肉を活動させるエネルギー源でもあるので、理由もなく不必要に糖分の摂取制限をすることには私は反対で、体の組織臓器の活動に伴い要求される最適な糖分の供給と同時にそれに伴い必要に応じたコルチゾールの上昇は必要だと思います。GI値の高い食材は、食べてから後、およそ5時間はコルチゾールレベルに影響をあたえることが報告されています。したがって、朝食に精製漂白された砂糖、でんぷんが豊富なGI値の高い食材を大量に食べることは、その後のコルチゾールのバランスにも影響を及ぼし、結果として夜の睡眠への布石を残すことにもなります。
加えて、自分のエネルギー代謝の潜在的なタイプが炭水化物タイプなのかたんぱく質タイプなのか、両者を備えたミックスタイプなのかを理解しておくことも重要だと感じます。

今現在、慢性的な疲労感があり、寝つきが悪く、夢を見るような熟睡が持てなくて、朝までに途中覚醒を頻繁にする、また、日中の睡魔がある人は一度、自分の1日の食事の内容をチェックしてみて、GI値を目安にした食事を実践してみて、睡眠や疲労感に変化があるかを確認して診ることをお勧めします。

次回はコルチゾールリズムを整える生活習慣についてです
by nutmed | 2012-11-27 14:02

第1243回 ビタミンDがインスリン抵抗性の糖尿病予防に有効

今朝の川越は、放射冷却の影響もあってかなり冷え込みました。車のフロントガラスにと屋根には霜が降りていましたね。さすがにビルに囲まれ、海に近かった東京の新富町とは気温の差を感じますが、その分、空気の澱みがなく、新鮮な空気が流れていることを肌で感じますね。

さて、今日は以前にも紹介しましたが、ビタミンDがインスリンの抵抗性を低下させる作用を持つことについての続報です。以前のブログでも紹介したようにビタミンD3(コレカルシフェロール)には、血糖を上昇させる背景、特に2型糖尿病の多くの人が持つと考えられている、インスリンに対する抵抗性の状態を緩和する作用があることが報告されてきています。2011年8月にアメリカのタフツ大学とハーバード大学の研究チームによる臨床検討によると、1日あたり50マイクログラム(2000IU)のビタミンD3と400mgのカルシウムを1日に2回、16週間摂取してもらった92人の2型糖尿病、またはその予備軍の人の経過を観察したところ、2つのサプリメントを摂取しなかったグループに比べ、血糖コントロールの指標でもあるヘモグロビンA1c(HbA1c)の数値が低くなり、逆に摂取しなかったグループでは平均してHbA1cが高くなっていたと言う報告があります。
この背景ににはビタミンDが機能する背景にある、ビタミンDは、「受容体(レセプター)」に結び付くことで作用をすることが多いビタミンであり、ビタミンDが「鍵」だとすれば受容体は「鍵穴」で、ドアを開けるためにはビタミンDが不可欠という関係があり今回の場合には、ビタミンDの鍵に対して、膵臓や血管に存在する鍵穴がビタミンDの受容体だと考えられます。
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また、この研究報告では、ビタミンDの体内での代謝物質である血液中の25-OHビタミンDの数値が、24.5ng/mlよりも低い場合には、インスリン抵抗性を持ちやすくなる傾向があると報告していることから、2型糖尿病の治療にはビタミンD3の日常的な摂取(50μg/日)または積極的な日光浴が有効だと考えられます。
by nutmed | 2012-11-20 13:46

閑話休題 オススメの一冊

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11月13日に発売された、広尾レディースの宗田先生の新刊の中で、私の免疫力アップのジュースレシピを寄稿させてもらいました。対象となる年齢層の女性が抱える妊娠出産への悩みや疑問に的確に応えてくれる一冊です!
年齢だけの問題だけでなく、ストレスフルな生活環境と食生活による、ホルモンをはじめとする女性機能に対する影響が予想以上に多いため、最適なアドバイスになる内容だと思います。
by nutmed | 2012-11-17 07:06

第1242回 アーモンドが血糖値の上昇を予防

11月に入ってセミナーや講義が目白押しのシーズンになり、12月中旬までほぼ毎週末が講義またはセミナーで埋まりました。いままでの講義と異なるのは、対象者がより医療のスペシャリストの傾向が強くなってきたことでしょうか。私としては事前の資料作りや専門性を求められる内容だけに、それなりに大変なんですが、それ以上にやりがいのある講義です。

さて、今日の話題はアーモンドについてです。
アーモンドの機能性については2000年ころからアメリカを中心に、コレステロール、中性脂肪の抑制効果、食欲抑制、肥満予防の作用があることが研究報告されています。
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今回はその中でも2011年にアメリカのアリゾナ州立大学の研究チームの報告内容(Cohen AE, Johnston CS. Almond ingestion at mealtime reduces postprandial glycemia and chronic ingestion reduces hemoglobin A1c in individuals with well controlled type 2 diabetes mellitus. Metabolism (2011), doi:10.1016/j.metabol.2011.01.017
PR Newswire (http://s.tt/1tFdt)から、1日あたりアーモンドを60-90g食べることで、血糖値の上昇を抑え、糖化の指標デモあるヘモグロビンA1c(HbA1c)が平均で4%低下するという報告を紹介します。
過去に報告されているアーモンドの研究報告でも紹介されているように、アーモンドには優良な脂肪酸が含まれていて、アーモンドに含まれる脂質のおよそ90%が不飽和脂肪酸です。また、アーモンドの約20%がたんぱく質です。アーモンドと言うと「脂肪、カロリーが多い・・」と敬遠される向きもあるようですが、このように、細胞にとっては最適な必須脂肪酸が豊富なので積極的に食生活に取りこんでもいい素材です。
アーモンドが血糖値を抑える作用の何時には、豊富に含まれる必須脂肪酸があります。以前のブログでも紹介しているように、2型糖尿病の背景には脂肪細胞における炎症が深く関わっているおとから、この炎症を抑えることによって、インスリンに対する抵抗性を改善し、血糖値を抑制すると考えられます。このほか、アーモンドには機能性成分のフラボノイドが豊富にに含まれていることが分かっていて、果肉に含まれるケンフェロール、ケルセチン、皮に含まれるカテキンなどがあります。特にケルセチンについては以前のブログでも紹介しているようにケルセチンには血糖を抑える作用があることからも、アーモンドに含まれる優良な脂肪酸とこれらのフラボノイド類は、血糖値上昇を抑える、また予防のための機能性素材だと言えます。
ただ、アーモンドを選択する際には、油で揚げたフライドアーモンドではなく、ドライローストのほうが必須脂肪酸を壊すことがないので注意してください。
by nutmed | 2012-11-16 10:42

第1241回 2013年ブレークするであろうダイエット素材

昨日の日曜日は、⑨月からスタートしているカイロプラクティクスの施術者とアスリートを対象にした、臨床栄養の講義の2回目がありました。いつものことながら参加者は皆真剣に聴講してくれて、演者の私も4時間喋り続けの講義でしたが、充実感一杯です。今年は下半期に入って、カイロプラクシクスや整体師、スパのスタッフ、アロマセラピストなど、パラメディカル名スタッフへの臨床栄養、栄養療法の講義依頼が相次いでおり、講義の評判も上々です。年末から開講する栄養療法塾の塾生の期待も大きく、来年は今まで以上に教育、レクチャー活動に傾注したいと考えています。 ブログ読者のなかで、私の栄養療法、臨床栄養のレクチャーに興味のある団体、グループがあれば栄養医学研究所(nutmednst@gmail.com)までお問い合わせください。

さて、今日は、未成熟コーヒー豆に含まれるダイエット素材としてアメリカだけでんなく、日本でも話題になり始めたクロロゲン酸に続くダイエット素材として、アメリカでクリスマス商戦で話題になり始めた、新たな素材「アフリカンマンゴ」について紹介します。
学名では Irvingia gabonensisというアフリカンマンゴは西アフリカから南西アジアを起源とする高木で、マンゴに似た実をつけます。その実の中にある種から抽出され た物質(OB131)にはレプチン:Leptin、アディポネクチン:Adiponectin、グリセロール-3-リン酸脱水素酵素 (G3PDH):Glycerol-3-Phosphate dehydrogenaseの働きを活性向上させる、または抑制させる作用があります。
2008年11月にアメリカノースカロライナ州のWake Forest大学から発表された研究によると、アフリカンマンゴから抽出されたOB131には脂肪細胞中のレプチン、アディポネクチンに働きかけ肥満の改善に対する有効な結果を報告しています。
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カ メルーンの研究者が2005年に肥満判定を受けた人による臨床試験を行った検討では、平均体重約97kgの人たちにアフリカンマンゴの抽出物を飲ませたグ ループとそうでないグループにわけ、以下の項目について検査をしています。アフリカンマンゴの抽出物を飲ませたグループには1日あたり2回(150mg/ 回)を10週間にわたって飲ませています。
1、体重
2、総コレステロール
3、HDL-コレステロール
4、LDL-コレステロール
5、空腹時血糖値
6、レプチン
7、アディポネクチン
8、C反応性蛋白質(DRP)
そ の結果は多少ひいき目にみても決して悪い結果ではなく、むしろかなり期待が持てることを裏付ける結果でもあります。たとえば体重では10週間で約 12.5kgの体重減量をしています。もちろんこの検討ではアフリカンマンゴの服用だけでなく、運動療法もあわせておこなっているようですが、同じ運動療 法のメニューをこなしていてもアフリカンマンゴの抽出物を摂取していないグループではあきらかに減量効果は低い結果ですね。


実はこの素材については3年前からにわかにアメリカで話題になっていた素材で、当時、私の栄養カウンセリングに来ていた数人の減量希望の女性に1カ月使ってもらったところ、良好な結果が得られた素材でもあります。
by nutmed | 2012-11-12 09:59

第1240回 エンテロウィルスと粉ミルクが1型糖尿病のリスクを上昇

今日は朝から晴天で、雲ひとつない川越です。気温も上昇し日光浴には絶好の陽気です。

さて、今日は腸に感染するウィルスでもあるエンテロウィルスと牛乳ベースの粉ミルクの摂取が、Ⅰ型糖尿病と深い関係があるということについて紹介します。
久々に溜った論文文献の整理をしていたところ、今年2012年の2月にフィンランドのTurku大学のLappalainenらの研究チームによって発表された論文(Interaction of enterovirus infection and cow's milk-based formula nutrition in type 1 diabetes-associated autoimmunity.Diabetes Metab Res Rev. 2012 Feb;28(2):177-85. )を見つけました。
エンテロウィルスとはポリオウイルス、コクサッキーウイルスA群・B群、エコーウイルスで構成されるウイルスのグループに属するウイルスの総称で、腸管内で増殖するウィルスです。感染しても何の症状もない人が多く、かぜ様症状やインフルエンザ様症状を起こすこともあります。子どもの夏カゼの代表としてよく知られる手足口病、ヘルパンギーナを起こすウィルスでもあります。一方、Ⅰ型糖尿病は、Ⅱ型糖尿病とは異なり、インスリンをつくる膵臓の細胞に攻撃をしかける、いわゆる自己免疫疾患で、インスリンを作ることが困難になることで血糖値のコントロールができにくくなる状態です。
かなり昔からエンテロウィルスも牛乳もⅠ型糖尿病の原因ではないかと考えられていて、世界中でたくさんの研究報告がなされており、日本でも大阪医科大学などでエンテロウィルスの感染がⅠ型糖尿病を引き起こす原因に深く関わっていることが報告されています。
今回の論文の研究者の1人でもあるLappalainenは、Ⅰ型糖尿病の研究者としては世界的にも著名な研究者で、フィンランドは世界的にもⅠ型糖尿病の患者の多い国でもある背景があると思います。
牛乳とⅠ型糖尿病のの関係については100年ほど以前から因果関係があることが報告されていますが、その閉経には、牛にに含まれていて、人間が消化分解困難なカゼインというたんぱく質が原因である可能性が高いと考えられています。
今回のLappalainenらの研究調査では、Ⅰ型糖尿病のを発症した人の乳児期のエンテロウィルスと牛乳ベース乃粉ミルクの摂取時期を過去にさかのぼって調査した結果、生後3カ月以前に牛乳ベースの粉ミルクをスタートした乳幼児で、その後12カ月までにエンテロウィルスに感染してた人が多いことがわかったという報告です。
エンテロウィルスの感染と牛乳ベースの粉ミルクの早期摂取が、その後の成長過程でⅠ型糖尿病を発症しやすい原因の詳細は今後の研究にゆだねることにあんりますが、以前からⅠ型糖尿病の発症要因の中でもかなり高い要因の2つが揃ってしまうことで、Ⅰ型糖尿病を発症しやすくなることにはうなずけるものがあります。

最近では、昨年3月11日の原発事故以来、乳児に粉ミルクを与えることを心配し、ギリギリまで母乳で授乳をする母親が増えていると聞きますが、依然として早期に母乳を切ってしまい粉ミルクへでの授乳を行う母親がいることも事実です。それぞれの生活環境や考え方がありますから、それを一概に否定することはできませんし、否定するつもりもありませんが、少なくともカゼインというたんぱく質は、消化分解能力が未熟な乳幼児にとって、場合によっては自分の細胞に攻撃を仕掛ける原因をつくるだけでなく、カゼインに対する不耐性をつくる背景になることは事前の知識として、多くの母親には認識していただきたいと思いますね。
by nutmed | 2012-11-08 10:46

第1239回 アルツハイマーの予防と症状改善にセージが有効

今日は最初にお知らせを1つ。私の2012年最終セミナーが12月1日(土)に開催されますが、本日現在座席には十分余裕があるそうです。今回のテーマは最近増加傾向になる「腹部膨満」の原因と改善についてです。ご興味がある方はどうぞ参加ください。

さて、今日紹介するテーマは、アルツハイマー症の予防、症状改善にセージが有効であるという内容です。
セージ(Sage)と言えば、日本人にもなじみのあるハーブの1つで、イタリアンをはじめとして、匂いの強い食材の匂い消しに使ったり、ハーブティーやセージをオリーブオイルに漬けて、セージオイルとしてもポピュラーなシソ科のハーブになりましたね。
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日本でよくつかわれるセージは2種類あり、最もポピュラーなセージは学名で言うとSalvia officinalisで、セージと言うと一般にはこれをさし、和名ではヤクヨウサルビアと言います。もう1つはSalvia lavendulaefoliaと言い、最近のセージのハーブティーでよく使われるラベンダーセージがこれにあたります。
セージは栄養療法におけるハーブ療法でも頻繁に使うハーブの1つで、ローズマリーなどとともに、腸内バクテリアの異常繁殖(ガス)、閉経前後の発汗、生理中の不整出血、化膿どめ、歯槽膿漏の改善などの目的で使用するハーブです。これらの薬理作用とも言える昨日の背景にはセージに含まれるカルノシン酸(Carnosic acid)という天然の化学物質の作用があります。カルノシン酸はセージやローズマリーに含まれており、上記のような作用のほか、酸素や紫外線による細胞の酸化を抑制する強力な抗酸化作用があります。
このカルノシン酸には、脳内の細胞間で様々な情報をやり取りしたり、記憶力に関わる働きをするアセチルコリンと呼ばれる化学物質の働きに直接的な影響を与える作用があることがわかっており、10年ほど前から、アセチルコリンの量が低下することと、その症状に深い関係があることがわかっているアルツハイマー症や痴呆症の予防と症状の改善に、カルノシン酸が多く含まれるセージに大きな期待が寄せられています。
以前からの研究によって、アルツハイマー生痴呆症の症状には、アセチルコリンの減少が深く関わっていることが分かっていますが、アセチルコリンが減少する原因の1つにアセチルコリンを分解してしまう酵素のアセチルコリンエステラーゼ(AChE)が何らかの原因で増加すると考えられています。
実は、現在世界中でアルツハイマー性痴呆症の改善のために処方されている治療薬のほとんどが、このアセチルコリンエステラーゼ(AChE)の働きを阻害するアセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害剤と呼ばれる薬です。アセチルコリンは重要な神経伝達物質で、神経細胞で分泌されたアセチルコリンを受け取った神経細胞は興奮状態になりますが、興奮状態が長時間持続すると死んでしまうため、アセチルコリンエステラーゼという酵素が働き、アセチルコリンを酢酸とコリンに分解します。
カルノシン酸が含まれたセージをアルツハイマー性痴呆症の42人の患者に4カ月間摂取してもらった臨床検討が2003年2月のthe Journal of Clinical Pharmacy and Therapeuticsに、イランのテヘラン大学の研究チームによって報告されており、認知機能の大幅な改善が見られたことが報告されています。
有効性を得るためにはフレッシュな生のセージでも、乾燥したドライセージでもかまいません。
セージはトマト、ニンニク、タマネギ、肉、パスタ、魚との相性もいいので、アルツハイマー予防の目的であれば、1日に生の葉を5-10枚(1人分)を料理に使って食べるか、フレッシュティーにしてハーブティーとして飲んでもいいでしょう。
セージの使用に際しては注意点もあります。
妊娠中、授乳中の女性はセージの使用は避けるべき。(セージに含まれるツヨン (thujone)の影響)
関節炎、関節痛、頻繁な痛風発作を患っている人は、セージに含まれるカルノシン酸の作用でアセチルコリンが増えることによって症状が憎悪することがあるので要観察。
セージには血糖を下げる作用があるので、低血糖の人は要注意です
by nutmed | 2012-11-06 14:51

第1238回 クロミウムについて

今年もあっと言う間に11月に突入です。今日2日はAppleのiPad miniの発売日でしたね。タブレット型端末の使いやすさは、私自身も第2世代iPadを常時携帯で実感済みですが、使い慣れてくるうちに、やはり重さを感じるようになりました。iPad miniの登場は心を動かされるものがありましたが、あえて今回はiPad miniには触手を伸ばさず、電子書籍タブレットでは先行してきたAmazonのKindle Fire HDに手を伸ばしました。昨年10月から海外で購入する書籍の70%はamazonを通じて電子書籍にしてきたこともあって、実質37冊の本を持っているのと同じ感覚で使えるKindleアプリは、私の仕事から見て、もう手放せないものになりつつあります。そんな中で、10月末に日本でもようやくKindle Fireの発売が決定したことを受けて、早速購入予約を入れました。発売は12月19日とまだ先ですが、仕事のやり方とペースが大きく変わる予感がしています。

さて、今日はミネラルのクロミウムについてです。
ここで言うクロミウム(クロム)は3価のもので、血糖(グルコース、及び、インシュリン(ホルモン)が正しく機能するため、そして、コレステロール、及び、脂肪酸の吸収代謝のために必要とされる必須ミネラルです。また、クロムはマンガンと亜鉛とともに、炭水化物の代謝分解のために働きます。クロムは腸で吸収されますが、アミノ酸でキレート(アミノ酸と結合した形)されたクロムが最も吸収し易いです。環境中に存在し有毒とされている6価クロムは、生化学的な反応を経て3価クロムへと変化します。
クロミウム濃度が低い場合に考えられることは、漂白精製された食物(砂糖、小麦などの炭水化物)を頻繁に摂取する食生活、酒などアルコールの頻繁な飲酒、高齢出産女性、さらには腸でのクロミウム吸収障害を持つ場合、ビタミンB群の摂取不測が報告されています。
クロミウムが不足すると、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増加することで心臓や脳の梗塞(垢がたまる)の危険性が高くなるだけでなく、インシュリンを多量に必要とすることから、糖分に対する耐性が低くなり糖尿病の危険性が高くなることが報告されています。また、精神的なストレスへの耐性も低下します。
・摂取源
3価クロムの食材源としては、全ての穀物、ビール酵母、蜂蜜、麦芽、マッシュルームなどです。
・クロミウムが低い状態の改善方法
クロミウム(GTF:糖耐性タイプのもの)及び、ビタミンB群を十分に補給することをお勧めします。
クロミウムは人間の体内にはごく微量ですが必要なミネラルです。クロミウムは糖分のコントロールに深くかかわるミネラルで、血液中を流れる糖分を細胞に取り込むために働くインスリンが必ず必要とするミネラルです。爪分析でクロミウムが低い場合には、細胞中のクロミウムが少ない傾向にあることを反映している可能性があります。このような状態が継続することで、慢性疲労、低血糖、頻繁に甘いものや炭水化物を食べてしまう「シュガークレービング」という症状が現れることがあります。
緑黄色野菜、根菜類、ナッツ類、ブドウに豊富に含まれますのでこれらの食材を意識して摂取してください。また、クロミウムがインスリンに正しく働きかけるためには、ビタミンB6、亜鉛、マグネシウムが必要になります。また、鎮痛剤に含まれるサリチル酸はクロミウムの吸収を高めることがありますので注意してください。
クロミウム濃度が慢性的に低くなると、血中コレステロールが高くなる傾向があります。また、インスリンによる血糖のコントロールが上手にできなくなり低血糖を招いたり、慢性疲労の症状を引き起こす可能性もあります。緑黄色野菜を積極的に食べるとともに、白米、パスタ・麺類、パンなど、食後すぐに糖に変わってしまうような単純な炭水化物を控え、玄米、穀類、豆類を積極的に食べるようにしてください。

明日から週末ですね。
ここ川越では昨日から小江戸川越菊まつりが喜多院で開催されていて、菊人形展も開かれています。喜多院はこの時期紅葉もきれいなので、お時間があればでかけてみてください。
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それでは皆さん良い週末を!
by nutmed | 2012-11-02 15:06