臨床栄養士のひとり言

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第1253回 2012年大みそか

さて、今日で2012年も最終日となりました。もう皆さんのご家庭では正月の準備も完璧な状態でしょうか?
今年は私にとっても大きなイベントがありました。年の瀬の12月になって、過去から企画をしいぇ温めてきた栄養療法塾を開講することができ、また想像以上の反響とともに、想像以上に応募してくださった方が多かったことに喜びを感じています。すでに、第二期の募集はいつですか?と言う問い合わせや、関西地区でも開催シテほしいと言う要望が多く、2013年は開催場所の検討にも入りました。
また、ソーシャルネットワークを使って、FaceBookで本格的な栄養健康情報の展開を8月からスタートしましたが、連日のようにアクセス数が増え、それに伴って質問や相談件数も増え、反響に手ごたえを感じています。
2013年は、今までの知識と経験を教育啓蒙という形で、今まで以上に展開する機会を増やしていきたいと考えています。中でも、ご家庭の主婦や高齢者を対象とした、健康つくりのための栄養講座も積極的に展開して、一人でも多くの人が、自分や家族の健康を作り維持するための「ヘルスゲートキーパー」になってもらいたいと願っています。

至近な問題では、昨年3月11日の原発事故後の放射性物質のダダ漏れによる直接的間接的な体内環境への影響と健康被害は、終息するどころか、今後暫くは益々増加するものと感じています。
今日初めてカミングアウトすることになりますが、栄養医学研究所で12年間受託している爪分析による体内ミネラル分析で、この10月に分析した私の爪からもついにウラニウムが微量ながら検出されました。 毎年2回は爪分析をして体内環境チェックをしてきましたが、過去にウラニウム等の放射性ミネラルが検出されたことはありませんでした。確かにショックであることは間違いないですが、自己現場から遠く離れた地で生活していてもこのような状況があることと、事実、昨年10月以降の爪分析でウラニウムやセシウムが検出される方が明らかに増加していること、また、居住地域が中堅、関西、西日本の方からも検出されていることを考えると、決して終わったり終息したわけではなく、これからが我々の体内環境に影響をもたらす時期に入ると考えています。
そんなこともあり、2013年以降は、単に高齢化社会への準備のための健康つくりという問題ではなく、311以降の否応なしに影響を受ける体内環境つくりは、真剣に向き合っていかねばならないテーマであると考えます。
放射性物質の影響は、少なくとも私が生きている間には解決できる問題ではないかもしれませんが、有害な物質を解毒するという安直な問題ではなく、自分自身が持っている自然治癒の能力を向上させるためのアクションとその知識、方法についても、積極的に情報展開していくつもりです。

2013年も臨床栄養士のひとり言、引き続き購読、よろしくお願いいたします。
そして皆サプリメントンにとpって2013年が平和で安らかな年でありますように。
by nutmed | 2012-12-31 12:01

第1252回 ハーブの効果について

今週は2012年最終ウィークです。先週から忘年会もピーク、クリスマスパーティーなどもあり、そのまま大みそかと正月になだれ込み、油断するとダラダラと飲酒の機会が増える1週間ですので、体調、特に肝臓と胃腸への気遣いには留意してください。

さて、今日はハーブの効用についてです。年末年始の食事環境のリズムが否応なしに崩れる時期、今年は特にノロウィルス感染の拡大などもあって、イチョウを中心とした体内環境へのダメージチャンスは増えるばかりですが、そんな中、ハーブを上手につかうことで体内環境のバランスを整えリズミカルに癒してくれるのもハーブの効用です。
英語のHERB(ハーブ)の語源は草や葉を意味するラテン語の”HERBA(ヘルバ)からきています。ハーブとして利用されている植物は世界各国に存在し、その数は確認されているだけでも3万種類を超えています。ハーブは薬草とも訳されますが、その背景には古くから各地の民族が病気の治療や予防に用いられてきたことがあります。欧米では治療の目的で使用されているハーブは多く、一般的なハーブと区別して「Medicinal Herb(医応ハーブ)」と呼ばれています。日本でも臨床で使用する漢方、生薬も広義にはこのMedicinal Herbと言ってもいいでしょう。
*使用部位について
漢方や生薬では単一の素材を使用することに比べ、様々な素材を混合調合して使用することが一般的ですが、医応ハーブは単一で使用することも、調合して使用することもあり、副作用の成分を分離させ体におだやかに効果があるような素材として利用されます。
ハーブでは、植物の部位、例えば茎、根、葉、花、実、樹皮によってそれぞれ効能効果、作用が異なり、同じハーブ素材でも使用用途、目的によって利用部位と方法が異なります。
ハーブとして使用頻度の高い部位は葉で、以降、茎、根、実、樹皮、花という頻度で使用されます。
*有効成分について
アルカロイド
ハーブの作用効果を持つ有効成分の多くが糖分やタンパク成分ですが、病気の治療に用いられる医応ハーブでは、その作用効果の多くが「アルカロイド」と呼ばれる活性有機化合物です。アルカロイドは窒素原子を持つ化合物で、強力な作用効能を持ちますが、有毒な成分でもあります。比較的毒性が低く、副作用も非常に軽いものを「マイナーアルカロイド」、毒性が強く毒性については厳重な注意が必要なものを「メジャーアルカロイド」と言います。アルカロイドはハーブの使用方法、例えばアルコールなどの溶媒で抽出したり、煎じたりすることによって作用が強く出るものがありますので、使用方法には注意が必要です。
苦味成分
ハーブでも根に多く存在する苦味の多くは、胃酸分泌促進作用、食欲増進作用があります。
酵素成分
全ての植物に含まれる酵素は、体内の様々な生化学的反応にかかわる重要な生体触媒です。
精油成分
ハーブ素材を蒸留、有機溶媒抽出、圧力抽出によって得られる芳香性のエキスがエッセンシャルオイルとも呼ばれる精油成分で、植物の香油が濃縮されたものです。多くは花、根、実、樹皮から抽出され、確認されているものだけでも500種類を超えます。精油成分の作用効果は、心と肉体と精神に働きかけ高揚を促し、活力を与えるとともに、筋肉の緊張を和らげリラックス作用を持ち、肌の張り艶を造りだすことでしょう。

栄養医学研究所は本日27日で御用納めです。
by nutmed | 2012-12-27 15:40

第1251回 ノロウィルスの予防と感染拡大防止にブドウ種子エキス!

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本日はクリスマスです。 週末のイブは皆さん家族友人、大切な人と穏やかな時間を過ごせたでしょうか?
今日のテーマはノロウィルスの予防についてです。 2006年に感染拡大が話題になったノロウィルスですが、今年は前回以上に感染範囲が広く、感染スピードが速く、想像以上に重症のケースが連日報道されていますね。
今回のノロウィルスは前回に比べ顔つきが変わり、数段に強力なウィルスに変異したウィルスのようです。感染拡大は日本だけにとどまっておらず。オーストラリア、アメリカ、中国、韓国、シンガポールなどでも感染拡大が懸念されています。残念ながらワクチンが作り難いウィルスで、世界中で未だに有効なワクチン生産には至っていません。連日のTVのニュースで報じられているように、今のところ手指の十分な消毒洗浄しか予防手段がないようです。
しかし、先月にベルギーの研究チームがブドウの種子のエキスには、ノロウィルスの増殖を抑え、ウィルスの感染力を低下させるに十分の効果があるという発表をしました。(D. Li, L. Baert, D. Zhang, M. Xia, W. Zhong, E. Van Coillie, X. Jiang, M. Uyttendaele. Effect of Grape Seed Extract on Human Norovirus GII.4 and Murine Norovirus 1 in Viral Suspensions, on Stainless Steel Discs, and in Lettuce Wash Water. Applied and Environmental Microbiology, 2012; 78 (21): 7572 DOI: 10.1128/AEM.01987-12) この実験では、マウスに感染するノロウィルスを使っていますが、人間に感染するノロウィルスとほぼ同じ種類のウィルスで、人間におけるブドウの種子エキスの効果も十分期待できると報告しています。
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ブドウの種子エキスにはOPC:Oligo Proanthocyanidins)オリゴメリックプロアントシアニジンというフラボノイドが含まれており、OPCには、ウィルスの増殖を著しく抑える強力な抗ウィルス作用があるため、今回のベルギーの研究チームによる研究内容もこのOPCによるものだと思われます。
最近では、日本だけでなくチリやオーストラリアをはじめとして、世界中のブドウの品種が年間を通して入手できるようになりました。 昨日も近所のマーケットに出向いたところチリ産の種ありの赤いブドウがおいてありました。
アメリカやヨーロッパでは、皮の薄い種ありの品種を、皮ごと、種も一緒に食べてしまうことは珍しくないですが、私がお勧めの方法は、ジューサーで種も一緒にすり潰すように実と絞って、ジュースとして飲む方法ですね。
高齢者と幼児がノロウィルスに感染すると症状が重くなることはTVなどで報道されているとおりですので、予防のためにも、ブドウの種のエキスを積極的に摂ることは有効な方法だと考えます。
ノロウィルスのピークは12月から2月の初旬と言われていますので、これからしばらくは要注意の時期です。
by nutmed | 2012-12-25 12:54

第1250回 スギナ(ツクシ)の質問公開回答

今朝は一段と冷え込んだ関東ですが、気がついたことがあります。先週は、早朝ガレージに入れ忘れた車の窓は確実に霜が降りて凍っていたのですが、今朝は先週よりも気温は低いのに車の屋根も窓も凍っていませんでした。それだけ、乾燥しきってきるということですね。火の摂り扱いには十分注意シテほしい季節でもありますね。

さて、今日は読者の方からの質問に対する公開回答をしたいと思います。
質問の内容は、以前にも少し紹介した、ケイ素が豊富に含まれるハーブとしてのスギナ(Horsetail)についてです。内容は多少マニアックな質問ですが、こういう質問が寄せられると何故か嬉しくなってアドレナリンが暴発状態の私です。

「おはようございます。ハーブのスギナについて教えてください。スギナは貧血を誘因すると説いている方がいますが、コラーゲンを体内で合成するため、また骨や歯をつくるためには不可欠のケイ素が豊富に含まれたスギナですが、貧血を招くということであれば気になります・・・」
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スギナはケイ素のほかに鉄も豊富に含んだハーブ素材なので、貧血の症状改善には重宝されるハーブです。一方で、栄養療法、ハーブ療法で貧血の改善のためにスギナを使う場合の鉄則条件があります。それはスギナに含まれるチアミナーゼというビタミンB1(チアミン)を分解する酵素が除去加工されたスギナを使うことです。
貧血の改善に有効なスギナは、一方で、貧血の種類の1つである巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)の原因にもなるビタミンB1の不足を招く可能性も秘めています。巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ Megaloblastic anemia)とは、ビタミンB12または葉酸の不足欠乏によって正常な赤芽球が作られず、異常な巨赤芽球がつくられるために起こる貧血ですが、同じビタミンB群のビタミンB1の不足欠乏によっても起こる可能性が高い貧血でもあります。
このため、私が栄養療法で使うスギナは「チアミナーゼフリー」のチアミナーゼが除去されたスギナを使います。
ビタミンB1が不足することによって起こる症状には貧血のほか、疲労、腹部膨満、うつ症状などがあります。
日本で漢方や生薬として扱われているスギナはチアミナーゼ除去加工をした素材ではないと思われるため、チアミナーゼはスギナ以外にも、ワラビなどのシダ類、ハヤ、コイ、ナマズなどの淡水魚にも含まれています。
チアミナーゼは人間が作ることはできませんが、ビタミンB1を含む多くの素材自身が持つ酵素の1つでもあります。このほか、バクテリアの一部にはチアミナーゼを作り出す菌種があります。
by nutmed | 2012-12-20 11:51

第1249回 爪分析のススメ

我が家の近所の住宅地では、毎年12月に入ると数軒の家がイルミネーションでデコレーションを始めます。
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我が家も娘が中学校に入学するまではアメリカで仕入れてきたイルミネーションを家の周囲に飾り、家人から12月の電気代を考えて負担して欲しいと言われていました(笑) 今年は10年ぶりにささやかなイルミネーションで飾り付けしてみました。昔に比べてLED電球がポピュラーになったせいか、街のイルミネーションが青白い光が多くなり、なんとなく肌寒さを感じる最近のクリスマスイルミネーションですね。節電効果はあるのでしょうがね・・

今日は爪による体内ミネラル分析のススメについてです。栄養医学研究所が爪分析を受託して10年以上になり、4000名を超す日本人の爪分析を受託してきました。この検査の目的は、体内に蓄積しているミネラル量と各ミネラルのバランスを確認することと、水銀や鉛、ヒ素など重金属の蓄積状態を確認することで、食生活の改善や健康管理をするためですが、昨年3月11日の福島原発事故以降、ヨウ素、ストロンチウム、セシウム、ウラニウムと言った放射性ミネラルの拡散と汚染が日本全国に拡大する中で、自分の体内の放射性ミネラルの影響を確認するという、今までにはなかった目的が増えたことも事実です。
中には12年前に栄養医学研究所が爪分析検査を受託スタートしたころから、ご自分の誕生日に年に1回爪分析で体内ミネラル環境を確認し続けているクライアントさんも数十人いらっしゃいますが、健康管理と食事と栄養管理には役立っているようです。
長い時間軸でとらえたミネラルの数値で確認する爪や毛髪分析に比べ、血液や尿という短い時間軸ではとらえることのできない体内環境の変化や、60兆個の細胞から発せられるシグナルをとらえることができる爪分析検査は、健康管理の1つの指標としては有意義なものであると思います。
爪を用いた体内ミネラル分析検査は、日本でも法医学の分野で何十年もの間、ヒ素中毒の分析検査として高い評価を得てきました。
X線(レントゲン)の研究にともなって、爪、毛、及び、骨が同様のたんぱく質で構成されていることが立証され、性格、性質も同じ皮膚組織の一部であることがわかりました。
これらの組織を構成するたんぱく質は、「ケラチン」と呼ばれる線維性タンパクで、ギリシャ語で角を表わす「keras」を起源としています。
人間の体内に蓄積されたミネラル(金属)は硫黄成分と結合し、毛髪や爪のケラチンタンパクに組み込まれていくことから、毛髪や爪を用いた分析は、体内のミネラル(金属)量を知る有効な情報提供材料となり、数々の国際的な研究によっても有効性が立証されています。
しかし、毛髪は化学薬品やヘアーダイの影響を受け易いことから、日本人にとっては爪を用いた分析が好ましいと思われます。
爪を用いた体内ミネラルの分析によって、人間が必要とするミネラルの過不足だけでなく、本来体内にあってはならないミネラル(重金属)を調べることができ、体内の環境を確認することが可能となります。
体内の環境を知ることによって、栄養状態、毒性金属の蓄積を知り、病気を予防し、病気を克服し、人間本来が持つ自然治癒能力を向上させることが可能となると考えます。
加えて、自分の体内環境を知ることによって、適切、適確な栄養素の補給ができるわけです。
言いかえれば、花を咲かせるためには、必要な養分を含んだバランスのとれた土が必要であるのと同じことです。
by nutmed | 2012-12-19 14:56

第1248回 インフルエンザの症状改善と予防にビタミンD

いよいよインフルエンザシーズンが本格的になってきましたね。今シーズンはノロウィルスとのWパンチでこれらのウィルスの予防には十分配慮してください。

そんなことで今日はインフルエンザの症状改善と予防、特に小児に対してはビタミンDが有効であるというお話です。ビタミンDがインフルエンザの予防に有効であることは以前からこのブログでも紹してきました(2009年5月のブログ
今日は2010年に日本の慈恵医大の研究チームによって行われた334人の学童児を対象にした臨床調査結果がアメリカの臨床栄養学会誌で報告されています(Urashima M, Segawa T, Okazaki M, Kurihara M, Wada Y, Ida H. Randomized trial of vitamin D supplementation to prevent seasonal influenza A in schoolchildren. Am J Clin Nutr. 2010;91(5):1255-1260) この報告によると、2008年12月から翌年2009年3月までのおよそ4カ月間にわたって、ビタミンD3をサプリメントで毎日30マイクログラム(1200IU)飲んでもらった167人の児童と、ビタミンD3のサプリメントを飲んでいない167人の児童のグループに分け対性調査を行った調査を行っています。結果としてビタミンD3を飲んでいたグループではインフルエンザ(A型)に感染した児童が18人(10.8%)に対して、ビタミンD3を飲んでいなかったグループでは31人(18.6%)の児童が感染し、そのうち12人がぜんそく症状を併発したことが報告されています。 ビタミンDには気管支の粘膜の機能改善に有効であるという報告は以前から多少の報告がありますが、2012年にモンゴルの児童を対象に行われた、インフルエンザと、それを原因とするぜんそくの予防におけるビタミンDの効果の検討の報告を見ると、1日に7.5マイクログラム(300IU)のビタミンD3が強化添加された牛乳を飲んでいた児童に対して、牛乳を飲んでいない児童ではインフルエンザに感染しやすく、その後ぜんそくを発症しやすく、それらの児童の血液中のビタミンDの活性(25-OH-ビタミンD)を測定すると、数値が非常に低い(平均で7ng/ml)ことが報告されています。

ビタミンDは日光浴(1日当たり10-15分)で1日に必要なビタミンD量が自分の体で合成できることから、この時期は特に小児の日光浴を推奨するとともに、適宜サプリメントでビタミンDを摂ることがインフルエンザの感染予防と気管支症状の予防につながるものと考えます。
by nutmed | 2012-12-17 12:47

第1247回 食物(レクチン)不耐性対応方法

今朝は飼い猫に足の指を甘噛みされに日の出前にたたき起こされました。ため息の2つも漏らしながら早々とまだ暗い中、ゴミの集荷場所に生ゴミの袋を2つ抱えて寒さをおして外に出ると、オレンジ色になり始めた、これれから陽が出る東の空をふと見ると、オレンジ色の地平線に飲み込まれるように流れ星が1つ2つ! 明日にピークを迎えるふたご座流星群です。何かいいことが起きる予感を感じつつ、早起きして得した気分になりました。猫に感謝^^

さて、今日は私のブログでは、ここ1年ほど扱う頻度が多い、食物不耐性の背景にあるレクチンの影響を可能な限り抑えるための目からウロコの簡単な方法についての紹介です。レクチンについては復習を含めてこちらを参考にしてください。

レクチンの影響によってスタートする細胞の凝集反応、炎症の原因ともなり、食物不耐性の症状に深くかかわっているのは、赤血球の膜やほとんどの粘膜組織の表面にあり、不耐性の原因となる食材に含まれるレクチンと結合をする多糖類(ムコ多糖類)という糖タンパクが粘膜などの細胞に炎症などの温床をつくってしまうものです。 レクチンの影響を抑えるための方法として以前から、30分以上、最低でも70℃のお湯で処理してあげるとレ多くのレクチンが失活することは紹介しましたね。でも、すべての食材がこの方法で熱処理できるものばかりではないため、また、熱処理しても素材の風味が変わらないものはいいですが、風味や食感まで変わってしまう素材はなかなか難しいですね。
そこで今回紹介する方法は、熱処理をするのではなく、レクチンには正しく働いてもらいつつ、レクチンの性格を利用して、凝集反応や炎症をスタートさせない食事の方法です。言ってみれば、レクチンを欺いて、細胞の表面にあるムコ多糖類とは結合せずに、別なものと結合をしてもらうことで、レクチンにはおとなしくしてもらおうという方法です。実は私のブログでレクチンを扱い始めた2年前の2月から、レクチンの性格を調べ、論文を読み漁り、何か栄養学的にレクチンの影響を抑えることができないかと考え続けて、つい最近ようやくその結論と考えがまとまったばかりでした。実際に世界中のレクチンによる食物不耐性の研究を行っている研究者の数人が、今回私が紹介する方法と全く同じコンセプトで症状の改善アプローチをしていることもわかり、勇気づけられたことも事実です。
さて、その方法のコンセプトですが、いたってシンプルで、本来細胞の表面に存在し、食材のレクチンと結合してしまうムコ多糖類を同時または事前に接種することによって、食材に含まれるレクチンのデコイ(おとり)になってもらい、細胞表面のムコ多糖類とは可能な限り結合させないゆな状況をつくる方法です。
多くの食材に含まれるレクチンと結合するムコ多糖類はほぼ決まっていて、以下のムコ多糖類がそれにあたります。
N-アセチルガラクトサミン(N-acetyl-D-galactosamine)
D-ガラクトース(D-galactose)
L-フコース(L-fucose)

これらのムコ多糖類の多くはムチンと呼ばれる粘性の高い、いわゆるネバネバした素材が多い食材に含まれているので、ムチン質が豊富に含まれたネバネバ食材を積極的に食べる、少なくとも食物不耐性の原因となりえる食材を食べる際には一緒に食べることで、レクチンの影響を最小限に抑えることができる可能性は高いといえます。
実は我が家でもこのデコイ食事法を3日間行ってみました。鶏肉に多少の反応を感じている私を筆頭に、大豆に反応する娘と奥方が、これらの食材を食べる食事の少し前に、オクラとめかぶを細かく切って酢醤油で和えたものを前菜として食べてみると、腹部膨満や肩のはりなどの症状がいつもの半分以下に収まっていることを実感しています。
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私がお勧めの食材は、その素材自体が強力なレクチン反応を刺激することなく、ムチン質が豊富で、そのような加工もできるオクラとめかぶですね。
レクチン不耐性の症状のある方で、すでに怪しい素材がある程度特定できている人は、ぜひこのデコイ食事法を実践してみてはいかがでしょうか。
by nutmed | 2012-12-12 15:35

第1246回 N-アセチルシステイン

9日の日曜日からいよいよ栄養療法塾が開校し一回目の講義があります。限られた時間の中でたくさんのことを習得してもらいたいと思うあまり、資料もてんこ盛りになり、教材作成の途中で幾度も追加が発生し、とどめが亡くなりはじめています。今日中には最終まとめをして日曜日の本番にむけて調整です。

さて、今日はアミノ酸の1つでもあるNアセチルシステインについて紹介します。
システインは、体内環境の状態によって体内で合成することができない硫黄の成分を持つ含硫アミノ酸の1つで、シスチンと双子のような関係にあり、シスチンはシステインが安定した形と考えられている。含硫アミノ酸であるシステイン、シスチン、タウリンはメチオニンおよび硫黄から構成されている。システインは糖代謝に関る重要なアミノ酸で、グリシン、グルタミン酸、ナイアシンおよびクロミウムとともに糖コントロールに関る。システインの代謝にはビタミンB6が必要となる。
①システインの働き
・毛髪や爪に含まれるケラチンたんぱくの合成
・インスリン、トリプシノーゲン、パパインなどのたんぱく質を合成
・フリーラジカルの分解(メチオニンととも)
・グルタチオンの合成
・α-リポ酸の合成
・ビオチンの合成
・ヘパリンの合成
・補酵素の合成
・ラクトグロブリンの合成
・有害重金属の排泄
①臨床応用
・肝毒性物質の排泄(アルデヒド、脂肪、ダイオキシン)
・水銀、カドミウムのキレーション
・術後の上皮細胞治癒促進
・火傷による上皮細胞治癒および炎症抑制
・老化抑制(アンチエイジング)
・抗真菌剤の有効性向上

INTERACTION
以下にあげる薬剤を服用中の場合にはシステインの使用には注意する必要がある
・ACE阻害剤
ACE阻害とNAC(N-アセチルシステイン)を併用した場合、血圧の降下作用が増強される可能性がある
・狭心症薬
ニトログリセリンおよびイソソルバイドとNACを併用した場合、頭痛、低血圧を引き起こす可能性がある

注意点
システイン摂取に際して、糖尿病既往者が過剰なシステイン(1500mg/日以上)を摂取する場合にはインスリンの分泌に影響を与えるため、摂取には十分注意すること。また、尿酸値が高い場合や結石を持つ場合、システインがシスチンに変化することによって腎臓および胆嚢の結石をつくり易くなるので、システインまたはシステインが多く含まれる食材(タマネギ、ニンニクなど)や摂る場合には、その3倍量以上のビタミンCを摂取することでシステインの結晶化を防ぐ。

N-アセチルシステイン(NAC)は硫黄性のグルタチオンを合成するために必要なアミノ酸で、強力な抗酸化物質であると同じに、体内に蓄積した水銀・鉛などの重金属の排泄を促すアミノ酸です。

NAC使用上の注意点
1、NACはカンジダ、イースト菌の好物でもありますので、NACを飲む場合には、  
ラクトバチルスなどの乳酸菌を一緒に飲んでください。
2、飲んでいる期間中はイースト菌を使用した食材(パン、クッキーなど)をなるべ  
く避けてください。
3、NACを飲んでいる期間はなるべく水を多めに飲んでください。
4、NACは亜鉛、マグネシウムの排泄も促しますので、必ずマルチビタミン・ミネ
ラルなどを併せて飲んでください。

それでは皆さん、よい週末を!
by nutmed | 2012-12-07 13:31

第1245回 再び副腎疲労改善へのアプローチ その2

あっと言う間に今年も12月を迎えましたね。先日の私の今年最後のセミナーで扱ったテーマの腹部膨満については好評のうちに終了しました。参加いただいた皆さん、来年も私のセミナーご期待ください。

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さて、今日は副腎疲労改善のアプローチの2回目で、副腎機能亢進状態の背景にある、高くなったコルチゾールを抑えるための方法について紹介します。
睡眠にも直接的に影響を与えるコルチゾールが高くなる状態の原因は前回紹介しましたが、質の良い睡眠を作ることを含め、副腎の疲労の初期段階のコルチゾールが高い状態を上手に改善することが、その後、コルチゾールをはじめ、副腎でつくられるアドレナリン、DHEA、アルドステロンなどのホルモンの生産量、また間接的に血糖をコントロールするインスリンや甲状腺ホルモンへの影響からくる様々な症状の進行を、典型的な副腎疲労のシナリオ通りに進ませないようにするポイントでもあります。ここで言うコルチゾールの高いレベルの改善については、誤解のないように言っておきますが、副腎の持つ本来のリズム(サーカディアンリズム)に反してコルチゾールが高い数値になり、副腎への負担を増長させてしまうことのないようにするための改善といことで、早朝から昼にかけて本リア副腎の機能にスパークが入りピークに向かっている状態は別ということになります。ここで言うコルチゾールレベルを下げるターゲットになる時間帯は夕方から夜にかけて、副腎がこれから休息期に入る準備段階の、少なくとも就寝の5時間ほど前からの時間帯になります。
生活習慣としては、1日を通じて自律神経のバランスのいい生活習慣を心がけることです。もう少し具体的に言うと、交感神経と副交感神経に支配される体の機能に五感を集中することですね。多くの人は、興奮したりエキサイトしたり、驚いたり、恐怖を感じたりする場面では、アドレナリンが大量に出てくることを感じることがあると思いますが、これが交感神経が優位になっている状態で、副腎でつくられるアドレナリンが活躍する状態です。一方、精神や体(筋肉)がリラックスしている時にはアセチルコリンという神経内の情報を伝達する物質がつくられます。つまり、本来の副腎の働きのリズムを考えると、就寝に向けての5時間ほどまえからは、副腎にアドレナリンをたくさん作らせるような状況をさけることが質の良い睡眠と、翌朝に向けての副腎への休息を迎えるためのポイントになると思います。就寝前にアドレナリンの分泌が増えるようなTV、パソコン、ゲームは習慣化させないほうがいいといことにもなるでしょうか。
次に、食事ですが、前回紹介したように、一つの目安はGI値(グリセミックインデックス)です。就寝の5時間前くらいの食事でGI値が高い炭水化物を摂ることは、副腎に直接的な負担をかけるだけでなく、SIBO(小腸におけるバクテリアの過剰繁殖)や食物(レクチン)不対性、グルテン不耐性、ラクトース不耐性など、胃腸にかかる負担から発生する炎症を抑えるために予想以上に副腎野機能が亢進することになります。
最後に、直接的にも間接的にもコルチゾールを下げる作用のあるハーブ、ビタミン、ミネラル、機能性成分についてです。
・ハーブ:ショウガ、バジル、ドンカイ(Dong Quai)、アストラガルス(astralgus)
・ビタミン:ビタミンC、ビタミンB群、イノシトール
・ミネラル:マグネシウム(経皮)
・機能性成分:タラの肝油、月見草オイル、ケルセチン
by nutmed | 2012-12-04 14:01