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今日はヒスタミン不耐性についての3回目です。
ヒスタミンの影響による症状の重症度は、個人によって異なりますが、症状のパターンは、比較的パターン化されているようにも感じます。
過剰なヒスタミンの影響で比較的多いのは湿疹症状だと思います。湿疹は時々アトピー性(アレルギー性)皮膚炎と呼ばれる皮膚の炎症性疾患です。
潜在的なヒスタミンの許容数値が低い人の場合、湿疹は現れやすい症状の1つでしょう。
ヒスタミンは、活性アミン(アミノ酸複合体)の一種で、通常は、ヒスタミンは細胞内にとどまっているので、体内にヒスタミンが存在していること自体には、とくに問題はありません。外部からの刺激を受けると、細胞外に放出されるようになり、度が過ぎて過剰に放出されることで、さまざまな症状があらわれます。ひどくなると、ア レルギー反応だけでなく、血圧降下・血管の拡張などが引き起こされることがあります。

ヒスタミンは、神経伝達物質として、温度、湿度、音、光、臭気など、環境周囲から体に入ってくる情報、また喜怒哀等の感情の刺激に対して応答し、細胞外に放出が促進されます。皮膚科では、外部からの刺激に対して応答した、ヒスタミンによる蕁麻疹等の皮膚症状の改善のために、過剰なヒスタミンが活性するために作用するヒスタミン受容体に作用する、抗ヒスタミン剤が処方されます。

ヒスタミン受容体について
ヒスタミン受容体は、ヒスタミンが結合して生理活性を現すたんぱく質です。つまり、ヒスタミンが作用するためには、ヒスタミン受容体が必須と言うことになります。
現在までに確認されているヒスタミン受容体には、以下の4種類が有ります。
ヒスタミンは炎症を誘発sる化学物質であると同時に、胃酸の生産と分泌を起こすために重要な物質ですが、言い換えると、以下に紹介する4種類の受容体に関係する作用は、ヒスタミン不耐性のような、ヒスタミンが過剰に体内に存在することによって、大きな影響を受け、症状として現れると言うことでもあります。
1、H1受容体
  回腸の収縮
  血管拡張作用
  気管支収縮
  中枢神経系における神経伝達
2、H2受容体
 心臓機能
 胃酸分泌亢進
3、H3受容体
 中枢神経における各種情報の伝達
4、H4受容体
 免疫機能への関わり(好酸球の働き)


by nutmed | 2013-10-29 15:41
前回に続いてヒスタミン不耐性の2回目です。今日はヒスタミンが過剰になることと関わる症状についてです。

3、ヒスタミンが過剰と症状
ヒスタミンは、体外からのウィルス、バクテリア、化学物質などの侵入とその影響から守るために重要な炎症を引き起こすためのメディエーターとして、体には不可欠な物質です。そかし、ヒスタミンが過剰に生産され分泌されることによって、体が過剰なヒスタミンに対する耐性が低下し、以下のようなヒスタミン過剰の症状が発生します。

・皮膚のかゆみ、特に目、耳、鼻のかゆみ
・じんましん
・顔面の浮腫み、腫れ
・低血圧
・頻脈(脈拍数増加)
・不安やパニック発作に似た症状
・胸痛
・貧血
・筋肉疲労
・継続する微熱
・手足の湯に先の冷え
・皮膚の乾燥
・鼻づまりと鼻水
・結膜炎
・片頭痛
・頭痛
・気管支炎
・咳
・ぜんそく
・くしゃみ
・疲労
・過敏症(光、臭い、色、味などに対する過敏症)
・便秘
・下痢
・カンジダ菌症
・腹部膨満
・低血糖
・胸やけ
・逆流食道炎

これらの症状を見て皆さんはどう感じますか?
ほぼ皆さんの全員が多かれ少なかれ1つや2つは抱えている症状ではないでしょうか。
これらの症状の全てが、必ずヒスタミン過剰が原因だとは言いませんが、時として、これらの症状のいくつかがシビアになった時に、医療施設を訪れ、問診、検査をしてもi異常は見つからない、いわゆる不定愁訴の多くにリストアップされる症状でも有るように感じます。 おそらくは今まで、これらの症状の背景にヒスタミンがある可能性を疑うことがなかったとも言えるのではないでしょうか。
by nutmed | 2013-10-22 17:51
週末は栄養医学研究所のある川越で「川越祭り」が行われましたが、生憎の雨で、京都の祇園祭にも劣らぬ山車の練り歩きも大幅に縮小中止となり残念でした。これだけの豪華で華やかな山車は、京都や岐阜高山には引けを足らない祭りで、東京からも遠くない川越の地で行われている祭りですので、東京近郊に住んでいる方は是非来年は見物に来ていただきたいですね。

10月11日、シーチキンで有名な「はごろもフーズ」がシーチキン マイルド缶詰から、社内基準を超えた量のヒスタミンが検出されたとして、素手の流通されている672万個の回収を開始したことが報道されたのは記憶に新しいでしょう。まず、私がここで気になり、気に入らないのは、マスコミの見識のなさと調査不足です。新聞やニュースの見出しの多くは「はごろもフーズが製造したシーチキンからアレルギー物質のヒスタミンが検出され672万個を回収へ」でした。ヒスタミンはアレルギー物質ではありません。確かにヒスタミンの性質から、アレルギー症状を引き起こすことはあっても、アレルギーを起こす原因物質(アレルゲン=たんぱく質)ではありません。
このヒスタミン、決して花粉症、ダニ、ハウスダスト、食材のアレルギー物質だけに反応するのではなく、ヒスタミンという化学物質そのものに不耐性を持つ原因による様々な症状が、アメリカを中心に確認されるようになり、「ヒスタミン不耐性」という症状が動物だけでなく人の臨床実験によっても確認されてきました。
私が行っている栄養カウンセリングで対応するクライアントの中にも、頭痛、PMS,不眠、疲労など、慢性化傾向にある症状を持つ人の原因背景に、このヒスタミン不耐性が買う人された人が見られるようになってきました。
今回から、日本ではあまり馴染みのないヒスタミン不耐性について、少し継続テーマで紹介したいと思います。
1、ヒスタミンとは?
一般的には、じんましんの原因とされているヒスタミンは、多くの体の機能には欠かせない、非常に重要な生理活性化学物質で、神経伝達物質であり、胃酸、血管、筋収縮、および脳機能の調節に関わっています。 ヒスタミンは、ヒトでは皮膚、肺、胃で最も量が多く、脳と心臓では少量確認されています。
ヒスタミンは肥満細胞(MAST Cell)でつくられ、全身に分布していて、白血球や肥満細胞に格納され存在しています。ウィルスや、アレルギー症状の原因物質となる花粉、ダニ、ハウスダスト、ペットのフケなどが体内に侵入してくると活性化され、生体システムを防御する最初の防衛化学物質として血液細胞中に放出されます。放出されたヒスタミンは、ヒスタミンの受容体(H1レセプター)と結合し、体内に侵入した病原体や毒素が全身に拡散しないよう、炎症を起こすことによって外部から侵入した異物から細胞の働きを守るほか、血管拡張、血圧降下、血管透過性亢進、平滑筋収縮を担います。
*注:血管透過性亢進とは、血管内皮細胞の間隔を拡張させることで血管の収縮を増大させるとともに、貪食細胞(マクロファージ)や白血球などの細胞が血管をすり抜けて、炎症部位へ運ばれやすくする状態を言います。
鼻水、咳、くしゃみ、目の痒み、じんましんなど、アレルギー症状が発生する背景には、ヒスタミンが過剰に生産されることによって、血管透過性亢進を伴う血管の拡張、収縮によって細胞の浮腫、炎症の憎悪が拡大することがある。
2、ヒスタミンは人間の生体外でもつくられる

ヒスタミンは人の体内でつくられるだけでなく、食品や飲み物からの摂取して体内に入る経路も有ります。ヒスタミンは、アミノ酸のヒスチジンを、バクテリアが持つ代謝酵素によって生産することが確認されています。味噌、醤油、納豆、キムチ、鰹節、塩辛、醸造酒、ナタデココ、アンチョビ、漬けもの、魚醤、発酵バターなど微生物による発酵食品をはじめ、ヨーグルト、ナチュラルチーズ、ワインの製造過程で関わるバクテリアの多くが、発酵過程でヒスタミンを生産します。このほか、熟成工程や保存加工を経た肉や魚で使用するバクテリアも同様にヒスタミンを生産します。ヒスタミンを生産するバクテリアの中には0℃前後の低温で繁殖する種もいて、長期間冷蔵保存している魚等でも保存中に大量のヒスタミンが生産されることが確認されています。

今回テーマにしたヒスタミン不耐性の背景には、花粉症等の原因となるアレルギー原因物質が引き金になる症状ではなく、生体外でつくられた食品中のヒスタミンを原因背景に持つと考えられる症状でもあります。
by nutmed | 2013-10-21 17:25
今日は産後うつに備えて。コントロールと栄養管理の2回目です

2、産後うつ(PPD)の予防改善のための栄養管理
PPD改善のアプローチ
PPDの症状と進行を改善予防するためのアプローチには、大きく分けて以下の2つの方法があると思います。
①モノアミンそのものの量を増やす方法
神経伝達物質であるモノアミン(ノルアドレナリン,アドレナリン,ドーパミン,セロトニン、ヒスタミン)の蓄積有効量を増やす
②MAO-Aの量を低下(阻害)させる方法
  うつ症状のはいけいにある、精神安定、睡眠等の機能に作用するセロトニン、ドーパ
ミンを分解してしまう、モノアミン酸化酵素(MAO-A)の生産を阻害する

神経たんぱく質(セロトニン)の脳内での合成と働きを高めてあげる以下の栄養素を積極的に摂取する
・ビタミンB3 ・ビタミンB6 ・ビタミンB12 ・葉酸 ・マグネシウム ・ビタミンC ・ビタミンE ・トリプトファン・フェニルアラニン・チロシン
これらの栄養素をサプリメントで摂取することも考えられますが、これらの栄養素を豊富に含む食材としてアボカドをお勧。 2日で1個を目安に食べる

①モノアミンの合成に不可欠なアミノ酸(トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン)の消化分解、 吸収に関わる体内環境及び機能を向上させる
②胃酸の分泌機能確認・食物不耐性(アレルギー)の有無確認、カンジダ菌の繁殖有無確認
③主要なモノアミンであるセロトニンの合成に不可欠なトリプトファンの吸収の向上に着目
④炭水化物はトリプトファンの吸収を向上させる
インスリンがトリプトファンの吸収を促進
⑤たんぱく質の食べ過ぎ、野菜オンリーの食生活はトリプトファンの吸収が低下する
⑥ビタミンB6はトリプトファンの吸収を促進
・ビタミンB6は腸から脳内へのトリプト
 ファン量を増加させる
・ビタミンB6はトリプトファンの前駆物質
 5-HTPからトリプトファンへの変換を増加さ
 せる
⑦乳酸菌の補充による腸内環境の向上
バクテリア(大腸菌、ウェルシュ菌など)の繁殖によって腸で吸収されるはずのアミノ酸が奪取され、吸収されるモノアミン構成アミノ酸が低下する
ほとんどのセロトニンは腸壁(小腸)の内側で合成され脳内に運ばれる。

MAO(モノアミン酸化酵素)阻害剤の副作用
MAO阻害剤を服用すると、MAOの働きが著しく抑えられます。そこへチーズなど、アミノ酸のチラミンが豊富に含まれた食材を食べると、チラミンが大量に供給され、脳に入ったチラミンはMAOに分解されること無く神経細胞に取り込まれ、ノルアドレナリンが神経末端から放出されます。これにより交感神経が上昇し、異常に興奮し、血圧が急激に上昇するので、脳卒中の危険が高まります。

薬を使わずナチュラルにMAOの働きを阻害する方法
①天然のMAO阻害作用を持つフラボノイド
MAOの働きを阻害する方法は薬だけではありません。副作用を持ち強力にMAO阻害作用を持った薬ではなく、穏やかにMAOの働きを抑制する天然成分 としては、ポリフェノール(バイオフラボノイド)であるケルセチン、ケンフェロール があります。
②銅の過剰摂取はMAOの合成を増加させる
MAO-Aの合成にはミネラルの銅が不可欠です。言い換えれば体内のMAO-Aの量と銅の濃度は比例して上下することになります。したがって、銅の体内の蓄積量が上昇することでMAO-Aの合成可能量も増加します。 PPDの背景の1つに、出産後の女性ホルモンのエストロゲンの低下がありますが、銅とエストロゲンは密接な関係をもっており、エストロゲンの上下に引きずられ、銅の体内蓄積量も上下します。この銅の上下にMAO-Aの合成量が関わってくることによって、神経伝達物質であるモノアミンの量が乱高下することで精神症状として現れことになります。
銅が多く含まれる食材
レバー(牛豚)、桜えび、イカ、イカの塩辛、ウナギ、アンコウの肝
by nutmed | 2013-10-11 14:52
最近、私の周囲でも話題になることが多くなった、産後のうつ様症状に備えての1回目です。
以前は、あまり話題になることがなかった、出産後のうつ様症状(PPD: Postpartum depression)については、女性の社会進出、就労する夫婦が増加、また出産年齢の高齢化によって、社会問題になりはじめ、妊娠前からのPPDに関する知識及びその予防管理の啓蒙が重要視されています。
1、PPDの背景
産後の女性の多くが、ホルモンの変化による情緒の変化を経験しますが、この背景には、女性ホルモンのエストロゲン数値が著しく低下することによるものです。
特に初産の女性の場合には、知識と経験のなさからくる不安が、情緒不安に拍車をかけ、PPDのシナリオをたどることが少なくありません。一方、女性ホルモンの変化だけでなく、脳内に存在する神経伝達物質の変化によって、産後のうつ様症状の発生の可能性が高いことが考えられています。

①モノアミンコネクション (モノアミン仮説)
モノアミンとは、神経の間を情報を伝達するための物質で、ノルアドレナリン,アドレナリン,ドーパミン,セロトニン、ヒスタミンを言います。うつ症状の原因が、これらのモノアミンが不足することによる可能性が強いことが考えられています。
モノアミン(ノルアドレナリン,アドレナリン,ドーパミン,セロトニン、ヒスタミン)は、トリプトファン 、チロシン 、フェニルアラニンの3つのアミノ酸で構成されています。
モノアミン(ノルアドレナリン,アドレナリン,ドーパミン,セロトニン、ヒスタミン)を分解する酵素のモノアミン酸化酵素(MAO)があり、情緒や感情、興奮、睡眠、精神安定など、精神神経の働きに深く関わっており、人にはMAO-AとMAO-Bの2種類のモノアミン酸化酵素が存在します。この2つのモノアミン分解酵素によって、神経伝達物質であるモノアミン(ノルアドレナリン,アドレナリン,ドーパミン,セロトニン、ヒスタミン)が分解され、量がすくなくなることによって様々な症状が現れることになります。

MAO-A:主にノルアドレナリンとセロトニンの バランスを調整する。MAO-Aの量が増え
   ることで不安、イライラ、視覚障害、知 覚障害、胃腸不調
MAO-B:ドーパミンの調整。MAO-Bの量が増える と四肢の不随意運動

②妊婦に多いMAO-A
特殊な画像解析によってMAO-Aの量を分析し、妊婦と健常人女性を比較すると、妊婦にはMAO-Aが平均で約40%高く、うつ病患者に近いレベルであることが報告されています。
モノアミンを分解する酵素MAO-Aが上昇すると、精神安定、睡眠等の機能に作用するセロトニン、ドーパミンが低下します。また、セロトニンの不足はうつ症状を増長させ、メラトニンの合成が低下するとともに睡眠の質が低下し、情緒不安、恐怖症などの症状が
憎悪する可能性があります。
by nutmed | 2013-10-10 17:33

栄養・健康・食に関する気ままな日記


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