臨床栄養士のひとり言

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第1352回 グルコサミンについて その3

今日はゴールデンウィークの中日。雨でスタートの水曜日です。連休前半は、所要があって、飛騨高山と飛騨古川に行ってきました。毎年、趣味のバイク仲間との1年に1回のミーティングツーリングが、すぐ近所の岐阜県馬瀬温泉で行われていますが、今年は仕事で参加できずに、2週間遅れで岐阜入りでした。天気にも恵まれ、約1阿月遅れの桜の満開現場にも遭遇でき、また、美味しい飛騨牛のステーキにも巡り合い、久々の飛騨路を胆嚢してきました。
さて、今日はグルコサミンの3回目です。

・グルコサミンは体内でどのように機能するのか?
残念ながらその回答の全てはまだ明らかになっていません。今までに行われた各国の研究から推測されることは、GSはタンパク質とムコ多糖(コンドロイチンやヒアルロン酸)との複合体で軟骨や皮膚、目、心臓の弁、腸などを構成するプロテオグリカンという物質の体内での合成を刺激し、コンドロサイトという軟骨を構成する組織の損傷を修復する働きを持つと考えられています。また、抗炎症作用を持つ医薬品のイブプロフェンなどに比べ抗炎症作用は低く、鎮痛作用についても弱いことがわかっています。
ただし、医薬品に見られる副作用がほとんどないことを考えると、抗炎症作用を期待してGSを使用することは有効であると考えます。

・グルコサミンは食材にも含まれているか?
GSは一般にエビ、牡蠣、カニの甲羅などから抽出されることが多い物質ですが、関節炎を改善するために必要な量をこれらの食材から直接摂取するには量が少ないと言えます。したがって効率よくGSを摂取するためにはやはり健康食品などで摂取することがいいと思います。

・グルコサミンに毒性はないか?
イブプロフェンやナプロシンなどの抗炎症剤の副作用によって発生する胃潰瘍や腎臓機能障害のケースは毎年沢山報告されていますが、GSにはほとんど副作用、毒性がないことは多くの研究によって証明されています。1991年アメリカの薬理研究誌でGSは非常に安全な物質であることが紹介されています。
動物による毒性試験結果では、ラットにGSを体重1kgあたり2700mgを1年間、犬に体重1kgあたり2100mgを半年間継続投与した結果、毒性および内臓組織への損傷は確認されていません。
犬に体重1kgあたり2100mgの投与は、体重70kgの人間にすると150,000mgに相当します。
アメリカおよびヨーロッパでは、関節炎患者に対して投与する一般的なGSの量は1回あたり500mgを1日3回(合計1500mg)とされています。
一方、イタリアの研究グループによるマウスを使った毒性試験(LD50:半数のマウスが死ぬ量)では、体重1kgあたり8000mgと報告されており、これは人間の場合、1回に500,000mgを投与することに相当します。

日本では既に市民権を得たグルコサミン、医薬品メーカーまでが膝関節炎の症状緩和の目的でOTC薬(処方箋なしで購入できる薬)として販売をしていますね。ただ、私が懸念しているのは、前回のブログの中でも書いたように、他のサプリメントや健康食品と異なり、医薬品メーカーを含め、相当なグルコサミン商品が市場に溢れ、その宣伝も他を圧倒しています。そこで、依存性の高い日本人にとって、グルコサミンを「薬」のような期待感をもって使用することによって、その期待が裏切られることもあることを知った上で使用して欲しいということですね。現状までに世界中のグルコサミンの研究報告を平均してみると、グルコサミンを使用して症状が改善されたと実感しているのは3人に1人というデータがあります。勿論、グルコサミンだけではなく、コンドロイチンやブロメラインなどの機能性成分との併用によってその数値は変化することでしょう。
現在までに大きな副作用の報告がないグルコサミンですから、上手に使ってお悩みを改善することが肝要だと思います。
by nutmed | 2014-04-30 09:30

第1351回 グルコサミン その2

今日はグルコサミンの2回目です。
・グルコサミンと脂質
GSがコレステロールと中性脂肪に影響を与える可能性がアメリカの一部の雑誌で紹介されたことがあります。しかし、2007年1月のデンマークの医学誌で発表された、グルコサミンが血中コレステロールと中性脂肪に与える影響の研究(The effect of glucosamine sulphate on the blood levels of cholesterol or triglycerides--a clinical study  Ugeskr Laeger.2007 Jan 29;169(5):407-10.)によると、GSがコレステロールと中性脂肪に影響を与える可能性はないことが証明されました。

・グルコサミンの摂取量
男女ともに1日あたり1,000-1,500mgを上限として、この量を2-3回にわけて、食事の直前に飲むことをお勧めします。

・グルコサミンとコンドロイチン
関節炎及び関節痛の改善緩和に有効とされるGSですが、現在までに世界中で行われている臨床研究の結果を平均すると、それでも5人に2人はその作用効果を実感できないという結果になります。アメリカやドイツで慢性関節炎の抗炎症作用を期待してGSを処方し、2-3週間で患者に効果がでなかった場合には、コンドロイチン(硫酸塩)を併用するケースが少なくありません。コンドロイチンはムコ多糖類という粘性を持った物質で、ビタミンAの触媒作用によってヒアルロン酸に硫酸が結合して作られる物質です。関節と関節の間にある軟骨組織を形成するもので、加齢とともに体内で造られる量は減ってきます。健康食品などで機能性食品として日本で販売されているコンドロイチンの多くはサメの軟骨から抽出されたものですが、このほか動物性のものとしてはスッポン、ナマコ、ドジョウ、ウナギなどネバネバした成分を持ったもの、植物性のものとしては納豆、山芋、ナメコ、オクラなど、やはりこちらもネバネバしたものに含まれています。
GSとコンドロイチンを併用することによって、GSだけでは反応しなかった患者の約40%に抗炎症が見られる報告があります。

・健康食品としてカプセルや錠剤のグルコサミンを飲んでも吸収されるか?
口からカプセルや錠剤で摂取したGSのおよそ90%は腸で吸収されることが研究によってわかっています。(これはGSでもグルコサミン硫酸塩のデータですので、日本の健康食品市場で販売されているグルコサミン塩酸塩の場合にも同様の吸収率があるかは不明です。)
イタリアで行われたこの研究では、2人の男性ボランティアにC14(放射性同位元素)で標識されたGSを250mg入れたカプセルタイプを早朝空腹時に飲んでもらい、1時間後の採血で血中のC14の量を計ることで、腸からGSが吸収されているかの検討をしたものです。
1時間後の採血では2人の男性の血中からC14が検出され、その量からGSは正常に腸から吸収されていることがわかりました。
このイタリアの研究者は、「GSは非常に早く消化吸収され、血中を流れた後ただちに組織中に移動し、関節や軟骨組織にまで届くと考えられる」とコメントしています。
また、この2人の男性ボランティアには、静脈および筋肉への注射によってもGSの投与をしてもらいましたが、その結果吸収比率としてはカプセルや錠剤で摂取するよりも3倍高いもので、カプセルや錠剤でGSを摂取することは効果的ではありますが、有効とは言えないというコメントをしています。
カプセルや錠剤から摂取されたGSは、消化された後に肝臓へ運ばれます。肝臓ではGSの大きな分子を二酸化炭素、尿素、水などの小さな分子まで分解されます。

・グルコサミンの有用性
最近では日本をはじめアメリカ、ヨーロッパでもGSが単体で関節炎改善の機能性成分として販売されることは稀で、コンドロイチン、またはMSM(メチルサルフォニルメタン)と一緒に配合された商品として販売されています。また、関節炎の改善作用を向上させたフォーミュラとして、GS、コンドロイチン、MSMに加え、強力な抗炎症作用を持つハーブのクルクミン(ウコン)、ボズウェリアなどが配合された商品も見られるようになりました。
by nutmed | 2014-04-24 09:39

第1350回 グルコサミン その1

今日から数回、グルコサミンについて特集します。以前にもグルコサミンは扱ったことのあるテーマですが、再度グルコサミンを扱う目的は、2012年秋から構想を立ち上げ、企画設計してきた従来市販されているグルコサミンとは異なる、液体タイプのグルコサミンサプリメントがいよいよ完成し、今年3回目のモニター募集を行うことが決定したためです。
この液体グルコサミンサプリメントは、多くのグルコサミンサプリメントが、カニやエビなど甲殻類を原料としている素材に対して、樹皮のセルロースを原料とする植物性のグルコサミンを使用している点、および液体タイプなので、吸収が効率的であり、同じ量をカプセルや錠剤で摂ろうとした場合、平均的なカプセルや錠剤のサイズですと、1回あたりに数十個も飲まなければいけないところ、15ccほどで充分その量を摂ることができる点です。グルコサミンのほかに、コンドロイチン硫酸塩、MSMを同時に配合しています。
モニター募集はゴールデンウィーク中から、連休明けにかけて行いますので、ご興味のある方は、ご応募ください。また、今一度、グルコサミンについての知識を、ここで再認識してください。

日本でもすっかり関節炎の改善のための機能性成分として認知されたグルコサミンですが、その働きにはまだ不明な点が多いことも事実です。
グルコサミン(以下GSといいます)は、名前の初めにある「glucos」が示すように糖分と、「amine」が示すように窒素を含むアンモニアの副産物と水素が結合した物質です。
GSは軟骨組織に存在し、関節の働きにかかわっていることが知られており、人間では加齢とともにGSは減少し関節炎、関節痛を引き起こします。しかし、GSについてはまだ不明の部分が多く、GSがそれ自体で軟骨の働きを担っているという研究報告もあれば、GSだけではなくMSM、コンドロイチン、ビタミン・ミネラルなどと一緒になってはじめて軟骨を形成するという報告もありますが、現在までの研究で明らかなことは、GSは関節炎以外の症状の改善では有効である報告はありません。
GSと軟骨に関するいままでの研究報告を見ると、関節炎患者の軟骨組織の再形成に有効である報告はありますが、外科的に軟骨が切除された患者の軟骨再形成に有効である報告はありません。また、狼瘡や慢性関節リウマチのような関節に関る自己免疫疾患に対するGSの有効性評価については現在までに詳細な研究は行われていません。
GSは健康食品の1商品として日本でも認知度の高い商品ですが、このようにGSに関する研究は始まったばかりで、未だ不明な点が多いことも事実です。しかし、GSの関節炎の予防改善と関節痛の改善については評価が高い報告が多く、関節炎諸症状におけるGSの有効性は高いといえます。

・グルコサミン硫酸塩とグルコサミン塩酸塩
GSには主に2種類あり、食品のカテゴリーで健康食品として扱われているのは「グルコサミン塩酸塩」、医薬品のカテゴリーになるのが「グルコサミン硫酸塩」になります。価格から見るとグルコサミン硫酸塩に比べグルコサミン塩酸塩のほうが安いといえます。
今までに発表されているGSに関する研究で、使用されてきたGSの形態を見ると、面白いことにヨーロッパで行われた研究の多くがグルコサミン硫酸塩を使い、アメリカを含むそれ以外の諸国ではグルコサミン塩酸塩を使った研究が多いことに気が付きます。
この背景にはヨーロッパで行われたGSの研究には医薬品企業を含む多くの会社が研究に資金提供をしている経緯があり、価格の高いグルコサミン硫酸塩を使用したことがあります。

・グルコサミンとアレルギー
最近、硫黄の成分にアレルギー反応を示す日本人が少なくありません。このような人がグルコサミン硫酸塩を摂取した場合にはアレルギー症状が現れることがありますので注意が必要です。GSとともに関節炎などの改善に用いられるコンドロイチン硫酸塩についても同様で、このような人は硫酸が含まれる含硫成分は避ける必要があります。
グルコサミンは一般にエビ、牡蠣、カニの甲羅などから抽出されることが多く、コンドロイチンは牛、豚、サメの軟骨から抽出されます。最近では植物の樹皮から水溶性のグルコサミンも抽出され市場に出始めています。

・グルコサミンと医薬品の併用
日本では医師が関節炎の患者に対してGS、またはGSとコンドロイチンを処方することは稀ですが、アメリカやヨーロッパでは医薬品の抗炎症剤であるイブプロフェンやナプロキセンまたはアセトアミノフェンと一緒にGSまたはGSとコンドロイチンを処方する医師は少なくありません。この場合、患者の症状が2-3週間で改善しはじめると医薬品を少なくするか中止してGSまたはGSとコンドロイチンだけで経過を見ることが少なくありません。

・グルコサミンの副作用
現在までに研究報告されているGSの副作用はほとんどないと言えます。しかし、従来から行われている研究では大部分の栄養素や薬と同様に、長期間の使用における副作用の発現についての研究は十分ではないとも言えます。現状、1つの目安としては他の機能性成分やハーブ同様、妊婦、授乳期の女性では使用は控えるべきと言えます。

・グルコサミンと糖尿病
糖分の含まれるGSと糖尿病の関係についての研究は多くはありませんが、1日あたり1-2グラムのGS服用は、一般的な日本人の食生活から摂取する単純な構造の炭水化物(糖にすぐ変換する炭水化物)の摂取量と比べても最小の糖分量と言えます。
アメリカの内科学会誌で報告されている2型糖尿病患者に対するGSとコンドロイチンの服用に関する研究を見ると、1日あたりグルコサミン塩酸塩1500mgとコンドロイチン硫酸1200mgを90日間服用した38人(男女平均年齢50歳)では、空腹時血糖もHbA1c(ヘモグロビンA1c)の値には有意な差はありません。
むしろ、2型糖尿病をもつ関節炎患者に処方されるイブプロフェンやナプロシンなどの抗炎症剤の副作用によって発生する胃潰瘍や腎臓機能障害のほうが、2型糖尿病の合併症に与える影響が大きいという報告があります。
by nutmed | 2014-04-23 09:03

第1349回 クランベリーサプリメント モニター募集告知

ここまで4回に渡って扱ってきましたクランベリーエキスについて、前回紹介しましたように、納得のいく品質と機能性の高いクランベリーエキスの原料を見つけ、クランベリーエキスのサプリメントをフォーミュラし、作ってみました。
それに伴い、知人のサプリメント販売会社の方が、扱ってくれることになりましたので、完成を記念してこの販社さんにご協力をいただき、モノたーキャンペーンを行うこととなりました。

モニターに当選し参加していただく方には、60カプセル入りのボトルを1本提供し、摂取の前後に簡単なアンケートに回答していただきます。

以下のモニター募集要項を参照のうえ、モニターご希望の方はメールにて申込ください。
今回のモニターサプリメントは1号サイズの遮光処理済ハードカプセルに充填したパウダー状のクランベリーエキスです。
商品スペック
商品な:クランガードA
1カプセル中に100mgのクランベリーエキス配合
内容量 :60カプセル)
小麦(グルテン)、乳成分、卵、大豆、砂糖、防腐剤は一切配合していません。

クランベリーエキスモニター応募要項
募集人数:20人(応募多数の場合には抽選とさせていただきます)
募集応募期間:平成26年4月16日から4月21日まで
以下の応募フォームをコピーし、必要事項を記入の上,nutmed1@gmail.comへ送信ください。

----------------------応募フォーム-----------------------------------------------------
名前: 
ふりがな:
〒:
住所: 
電話(商品宅配のため): 
メールアドレス:
応募理由:
------------------------------------------------------------------------------------------
当選された方の方には販社より直接商品及びモニター事前アンケートを発送しますので、商品の発送をもって当選発表にかえさせていただきます。
by nutmed | 2014-04-16 09:51

第1348回 クランベリーの機能性 その4膀胱炎の改善

前回紹介したように、膀胱炎の原因のほとんどが、大腸菌による感染が背景に存在します。このバクテリアの感染による膀胱炎を放置しておいたり、適切的確な処置、予防を行わず、慢性化する状況をつくることで、膀胱炎だけでは済まなくなり、膀胱の上にある腎臓における大腸菌などのバクテリアの感染を招き、急性腎盂腎炎の発症にも繋がることがあります。したがって、膀胱炎の日常的な予防と、的確適切な治療が、急性腎盂腎炎の予防にもつながるわけです。
前回紹介した、クランベリーエキスが、どのように膀胱炎の閉経にある大腸菌の感染を阻止し、症状の改善と予防に作用するのかについて、動画でもう少し詳しく見ていただきます。


この動画を見てもらうとわかるように、クランベリーに含まれるアントシアニジンとD-マンノースの作用によって、大腸菌が線毛を足掛かりにして、膀胱の壁の細胞表面に感染しないように、大腸菌を包み込むようにして、尿と一緒に流れ去ってもらうことで、感染を防ぎ、膀胱炎の症状を抑える仕組みです。
大腸菌の感染拡大で、急性の膀胱炎症状が酷い場合には、その急性症状の背景にある大腸菌の殺菌による炎症拡大を防ぐ必要があることから、抗生物質の使用も必要になると思いますが、膀胱炎を繰り返し発症する経験のある人、中高齢者では、日常的な大腸菌の感染予防こそが、最大の膀胱炎の治療でもあると思います。
私がアメリカで栄養療法のトレーニングを受けていた時に、お世話になったクリニックの婦人科のドクターが、膀胱炎の症状を訴えて来院する女性の患者に、クランベリーエキスとD-マンノースを処方し、「3日間これを飲んで症状が治まったら、抗生物質は飲む必要がないです。その後は、毎日乳酸菌を飲んで、10日間クランベリージュースを毎朝コップ1杯を飲むようにしてください」と指導していました。事実、この方法で、膀胱炎症状を訴えて来院する女性のほとんどが症状の改善をしていました。
一方で、私の師匠でもあるDr.ジョナサン・ライトが「大腸菌由来の膀胱炎の症状改善と予防のために、クランベリージュースは有効である反面、クランベリージュースに含まれる糖分(フルクトース)も見逃せないので、クランベリーの有効成分であるアントシアニジンやD-マンノースが抽出されたエキスのカプセルを摂る方が効果的だろう」とコメントしていました。私もこの意見には同感ですし、また、日本では100%輸入のクランベリーに依存していることから、100%果汁のジュースは比較的高価で、継続に際しての経済性と持ち歩きの至便生に欠けることが難点です。
2年前から、クランベリーのサプリメントの設計企画に着手してきて、昨年秋にようやく高品質なクランベリーエキスに巡り合い、今年の3月にクランベリーエキスサプリメントの商品化にこぎつけました。
今回、このクランベリーエキスサプリメントのモニターを募集し、簡単なアンケートに回答していただくモニターキャンペーンを行うことにしました。
この詳細は次回に紹介します。
by nutmed | 2014-04-15 10:37

第1347回 クランベリーの機能性 その3膀胱炎の治療

さて、今日は膀胱炎の治療についてです。
前回説明したように、膀胱炎の原因の75%は大腸菌で、その大腸菌の多くは便に含まれているバクテリアです。一方で、人の体内環境にはほとんど危害を加えることのない大腸菌です。
膀胱炎の治療の75%には、原因となる大腸菌の殺菌の目的で、抗菌作用を持つ抗生物質が処方されます。以下はある婦人科、泌尿器科のホームページで紹介されていた膀胱炎の治療方法の紹介文です。おそらく全く同じ文章なので、医薬品メーカーが提供したものだと思います。
「抗菌剤には、クラビットやタリビット、バクシダールなどのニューキノロン系剤、サワシリンやビクシリンなどのペニシリン系剤、パンスポリンやフロモックス などのセフェム系剤などがあります。特にニューキノロン系剤は、大腸菌に有効な抗菌剤です。処方された抗菌剤の服用を続けても、症状が改善されない場合 は、原因となる菌を検査し、有効な薬を処方し直すこともあります。
少し難しい内容かもしれませんが、この中の重要なポイントは下線部分です。この文章で言っていることは、膀胱炎の自覚症状があり、来院された患者には、症状の背景に大腸菌が原因であるかの確認をほぼせずに、上記のような強力な抗生物質を処方しますと言うこと。また、最初に処方した抗生物質の効果がなければ、もっと強力で広範囲のバクテリアを殺すことができる抗生物質も処方しますと言うことでもあります。もちろん広範囲に殺されるバクテリアの中には、乳酸菌のような有益なバクテリアも含まれることになります。
膀胱炎の治療で処方されることは、以前よりも少なくなったようですが、サルファ剤という抗菌剤があります。サルファ剤は、バクテリアが新陳代謝のために自らつくる葉酸と競合する「葉酸合成阻害剤」で、 バクテリアの繁殖を拡大させない抗菌剤です。大腸菌の多くは、葉酸を作り、1部は我々にも供給してくれる有益な面も持っていますが、「悪玉菌」のレッテルを貼られてしまい気の毒なところもあります。
次に、ハーブや漢方、生薬による膀胱炎の治療も、それらに含まれる抗菌作用による殺菌除菌を目的とするものがすくなくありません。
ここで、大腸菌が原因である膀胱炎の治療に関わる注意点をもう少し詳しく見てみましょう。
大腸菌は抗生物質によって細胞が破壊されると、大腸菌の細胞壁そのものが毒素となって炎症症状を起こします。この毒素のことを「エンドトキシン」といい、抗生物質を飲むことによって抗生物質誘導性エンドトキシン ショックと言う状態になることがあり、発熱、悪寒、低血圧や眠気などの症状を引き起こします。
つまり、膀胱炎の原因ではあるものの、不用意に大腸菌たちを殺菌することによって、エンドトキシンの影響による症状が発症することにもなるということです。
以上のように、膀胱炎の治療で処方される抗生物質の性格及び、その抗生物質によって殺菌される大腸菌が作りだす毒素であるエンドトキシンの性格を考えると、膀胱に侵入してきた大腸菌が感染し、症状が拡大する前に、殺菌することなく、大腸菌の感染を阻止することができれば、エンドトキシンショックを防ぐことができ、腸内の乳酸菌の環境を一変させることもふせぐことができることになります。そんなうまい方法があるのか?
それをかなりの確率で効率的に行うことを可能とする素材が今回テーマにしているクランベリーのエキスになるわけです。
下のイラストを見てください。これは大腸菌が膀胱の壁の表面に感染する様子をイラストにしたものです。
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左側は、膀胱炎の原因となる大腸菌の線毛が、膀胱の壁の細胞表面にある受容体に付着して感染がスタートする状態です。右側は、クランベリーのエキスに含まれるPAC(プロアントシアニジン)やD-マンノースが、大腸菌の線毛と膀胱の受容体が付着することを阻害する様子です。起用体に付着できない大腸菌は、膀胱の壁の表面で繁殖することができなくなり、感染はできす、尿によって外部に流されることになります。
これにより、大腸菌は殺菌されることでエンドトキシンと言う毒素を作り出すこともなく、また強力な抗生物質を継続して服用することで、腸内の乳酸菌の環境を乱すこともありません。
by nutmed | 2014-04-14 10:32

第1346回 クランベリーの機能性 その2

昨日は日中の気温が各地で夏日になるほどの陽気でしたが、午後から急速に北風が強まり、急速に気温が下降して、夕方から夜には2月中旬並みの気温で、体調の管理が一苦労しました。 この数年、春と秋にはこんな気象状態が増えてきたような気がします。

さて、今日はクランベリーの機能性の2回目ですが、クランベリーエキスの真骨頂の1つでもある、膀胱炎の改善、予防に際して、大腸菌観戦による膀胱炎について説明します。
膀胱は骨盤に守られるように位置する臓器で、成人の膀胱の大きさは400ccから500ccほどで、女性よりも男性の方が少し大きいと言われています。膀胱炎の発症は、小児から高齢者まで幅は広いですが、圧倒的に女性の発症率が高く、その背景には、尿道の長さに深く関係しています。一般的に、男性の尿道が14cmから18cmもあるのに比、女性の尿道は3~5cmしかあり ません。このため、女性は尿道口から細菌が入感染しやすく、膀胱炎になりやすいということです。女性の5人に1人は膀胱炎を経験していると言われています。
膀胱炎の多くはは、尿道から侵入したバクテリアが膀胱の壁に感染して繁殖することで、膀胱の壁に炎症をつくることで発症する症状です。急性膀胱炎と慢性膀胱炎に区別されますが、バクテリアの感染による炎症で発症した膀胱炎が急性ではありますが、バクテリアの感染状態が治りきっておらず、症状が長引くものを慢性膀胱炎と考えると、膀胱炎のほとんどがバクテリアの感染によるものと考えてもいいと思います。膀胱炎の原因となるバクテリアの75%が大腸菌と考えられていて、残りがクラブシェラ、ブドウ球菌、連鎖球菌、カンジダ菌、クラミジアなどです。
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膀胱炎の自覚症状には以下のような症状が出ることが少なくありません。
1、トイレが近くなり何度もトイレに行きたくなる
2、おしっこを出し切れす残尿感がある
3、おしっこをしているときやしたあとに痛みを感じる
4、尿に緑系色の濁りがある
5、尿に血が混じる

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膀胱炎の原因となる大腸菌は、日常的にヒトの体内には存在している常在菌であることと、その大腸菌の多くはヒトに危害を加える病原性大腸菌(O-157など)ではないことを考えると、膀胱炎の症状改善のための治療と予防の考え方の中には、重要なポイントと注意点があると考えられ、欧米、特にアメリカ、カナダでは、昔から、臨床の場でも不用意に抗生物質を使わない選択肢がありました。
膀胱炎の治療方法については次回に・・・
by nutmed | 2014-04-11 11:33

第1345回 クランベリーの機能性

関東地方の平野部では、桜の見ごろも終わり、新緑の葉が芽吹き始め、朝陽に映える葉がまぶしい季節になりました。
今回から、私も個人的にその機能性に期待が大きな機能性素材である、クランベリーについて少し扱いたいと思います。
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米国の国内線を利用したことがある人あ経験があるかもしれませんが、その機内でサービスされるアルコール意外の飲み物で常に人気上位なのがクランベリージュースで、ほとんどのご婦人が注文するようです。私も米国内線で機内のクランベリージュースが無くなり飲むチャンスを逸したことは1度や2度ではありません。国内線に乗る女性、特に40歳以降のご婦人たちが、機内のなるべく前方の席を予約確保する理由の1つが、クランベリージュースが品切れになる後方席を避けることだと、以前某アメリカ系航空会社の社員に聞いたこtがあります。
欧米の女性がクランベリージュースを愛飲するようになった背景には、1994年にハーバード大学医学部が、クランベリーが尿を酸性にしバクテリアの増殖を抑える効果があると報告し、その後プロアントシアニジン(PAC)による細菌接着阻害作用によるものであることが報告され、歯周病や歯肉炎の改善効果が高いと言われるようになったことがあります。実際クランベリージュースのpHは2.0前後で酸性が強いために、アルカリ性を好み尿路感染症の原因菌の1つとされる、プロテウス属菌や歯周病菌の1つである、ストレプトコッカス菌の増殖を抑制する作用があります。クランベリーを賢く使うためにはクランベリーの素性を知っておくと上手にクランベリーの恩恵をうけることができるので覚えておくといいですね。
尿路感染症の代表格である膀胱炎の原因菌は、約90%が大腸菌ですが、この大腸菌は酸性を好む菌として知られています。したがって大腸菌性の膀胱炎が発症しているときにクランベリージュースを飲むことは逆効果になることがあります。また、虫歯の初期段階ではエナメル質が酸性になることが原因とされているため、歯磨き後の就寝前にクランベリージュースを飲むことはかえって口腔内を酸性に誘導して虫歯の発生を助長することにもなります。ちなみに、クランベリーにはプロアントシアニジンのほか、僅かながらD-マンノースという単糖類が含まれていて、このD-マンノースは大腸菌が腸壁に接着して増殖することを抑制します。
また、クランベリージュースの場合、果糖も含まれます。以上の素性を考えると、プロアンチアニジン(PAC)とD-マンノースというアクティブ瀬機能成分を含むクランベリーをエキスとして抽出した、サプリメント形状のもののほうが、よりクランベリーの恩恵を受けやすいのではないかと考えます。
手前味噌で恐縮ですが、以前から温めてきた、私が設計しカプセル化したクランベリーのサプリメントが先月完成しまして、今回のクランベリー特集のシリーズの中で、モニター募集を企画していますので、お楽しみにしてください。
by nutmed | 2014-04-09 16:10

第1344回 不眠症

今日は4月1日。新年度のスタートです。
街ではフレッシュな社会人が多く目につきますが、学生気分のままで社会人になって、最も影響が出るのはストレスによる睡眠への影響だと思います。
新社会人が、これから数十年の長きにわたる社会人野歴史を刻んでいく中で、このストレス野コントロールとともに、睡眠のコントロールを上手にできるか否かが、今後の社会じん生活の岐路になるものとも考えます。そこで今日は不眠症についてです。
不眠症の原因は様々ですが原因の50%くらいは精神的なものだと推測されます。
ストレス過剰、不安、情緒不安などがその原因ですが、その背景には住環境、仕事環境の変化、精神的にインパクトのあるイベントだけでなく、食事環境もその背景にあると考えられます。
また、薬(甲状腺治療薬、胃酸の抑制薬)やカフェイン、アルコールもその背景となります。
食事の環境で言えば、以前にしばらくテーマとして扱ったアミノ酸のトリプトファンの不足も大きな背景にあげることができると思います。
最近不眠症をともなううつ症状の方が増えているそうで、睡眠導入剤や睡眠薬に依存傾向が強くなる方も少なくないようです。軽い不眠状態の場合、適度適量な運動をすることで比較的症状が改善されることも少なくありませんので、薬の厄介になる前に運動という選択肢は考えてみるといいでしょうね。

1、不眠症の予防改善のための食事の注意点
・食物に対するアレルギー反応を示さないように食材の偏りは避ける
・睡眠のリズムを乱す可能性があるので飲酒は適度にする
・睡眠の前に低血糖になることが睡眠に影響を与えるため、低血糖には注意
・カフェインの摂りすぎには注意

2、不眠症の予防改善のために有効なニュートリション
・マグネシウム
・カルシウム
・ビタミンB3
・ビタミンB6
・ビタミンB12
・葉酸
・イノシトール
・トリプトファン
by nutmed | 2014-04-01 18:06