今週は月曜日火曜日と、講義で札幌へ行ってまいりました。まだ、蒸し暑さの残る東京とは異なり、肌に触れる風も秋めいた札幌は、今が一番過ごしやすいのかもしれません。昨日の朝は札幌でも15℃ほどでした。
さて、今日のテーマは血管新生についてです。血管新生とは、まさに、新たな血管が何かの原因によって生じる現象で、新たな血管が生じることによって、体に様々な症状が現れることは以外にも多いのです。
健常な成人男女では、新たな血管が生まれる必要はほとんどありません。傷で細胞が負った損傷を修復するためには、新たな血管が生じることはありますが、一時的なもので、その状態が日常的に生じることはありません。
新たな血管が必要になる背景の多くは、既存の血管から供給される酸素、栄養素が滞るために、それらを供給するために新たな血管のバイパスが自然に作られるものです。脳と心臓の血管が詰まる梗塞の原因になる血栓が生じると、時間の経過とともに酸素と栄養が供給できないその先にある細胞が機能しなくなりますが、この時に新たな血管のバイパスを作り、酸素と栄養素の供給をしようと働くことは珍しくありません。
このほか、新たな血管を作る現象の中には、腫瘍、子宮内膜症、緑内障、コンタクトレンズによる角膜血管新生、糖尿病性黄斑変性などの症状とのかかわりがあります。
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腫瘍を例にして説明すると、上記のイラストのように、腫瘍’がん)細胞が、成長するために必要な酸素と栄養素を求め、新たな血管を作らせるためのメッセンジャーを送りだします。これがシグナルとなって、既存の血管から新たな血管が張り巡らされ、腫瘍(がん)細胞に酸素と栄養素の供給をはじめて腫瘍は大きく成長し始めます。
その他の症状で新たな血管が作られる背景も基本的には同じで、結果として酸素と栄養素の供給が滞るために機能できなくならないように、血管のバイパスが作られます。
黄斑変性や緑内障などの目の症状の場合に、血管新生が厄介なのは、新たに作られた血管によって正常な細胞に盛り上るようなコブのような塊ができることで、焦点がボヤけたり、視力と明度が低下する症状が現れることでしょうか。
以前から、血管新生を抑える治療薬は使われているだけでなく、現在開発中の薬もあるようですが、副作用も強いことから、この数年で話題になっている機能成分が「プロテオグリカン」というタンパク質と糖質の複合体です。 15年ほど前、サメの軟骨から抽出されるコンドロイチンには、がん細胞の成長を抑えて委縮させる作用があるということで、日本の健康食品市場でも話題になりました。このコンドロイチンもプロテオグリカンの仲間で、プロテオグリカンはコンドロイチンの集合体と言えます。
この数年で話題になっているプロテオグリカンは、鮭の鼻骨から抽出されたものが多く、皮膚の潤いを保つ保湿作用のほか、皮膚細胞の成長を刺激促進する作用が確認されていますが、血管新生を抑える作用も確認されています。
by nutmed | 2014-08-27 13:29

今日は少しトホホなトピックです。
多くの人が、特に健康や美容、健康に驚異のある人なら間違いなく、人の腸の面積はおよそテニスコート1面分(約250平方メートル)と教えられ、また、小中学校で習ってきたことと思います。そういう私自身も、セミナーや講演会でも「皆さんの腸の面積はテニスコート1面くらいあるんですよ」と話してきました。
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ところが、今年の6月、スウェーデンの大学の研究チームが電子顕微鏡を使い、詳細な検討をした結果、兵刃男女の腸の平均的な面積は約30平方メートルで、従来言われてきた面積の約10分の1で、バトミントンコートの半分ほどの広さであることがわかったと発表しました。検証技術の日進月歩のおかげだとはいえ、なんとなくさびしい気がしています。そうはいっても、バトミントンコート1/2面分の広さがあることを考えてもやはり、絨毛という組織によって表面積を亜聖で、栄養素を漏らさずキャッチして吸収しようとしていることに変わりはありません。 これを機に皆さんの頭の中のWikiの情報リニューアルを忘れずに! 私も早速来週のセミナーから原稿をリニューアルしなければ^^
http://informahealthcare.com/doi/abs/10.3109/00365521.2014.898326
by nutmed | 2014-08-20 13:39

西アフリカを発生源とするエボラ出血熱ウィルスの感染拡大と、その脅威が連日報道されています。
過去にもエボラウィルス感染による死者がでたという現象はありましたが、今回の感染拡大の様相は以前と異なり、感染力はかなり協力に変化しているようです。
ワクチンが現状では存在せず、ウィルスの増殖を食い止める薬剤も明確にはなっていないことから、現状では、感染拡大の予防措置としての隔離、渡航規制のほか、自らの免疫力向上に努めるほか手立てがないのが現状です。
そんな中、にわかに注目されているのが、BSA(Broad Spectrum Antimicrobial:広範囲抗ウィルス作用)を持った機能性素材で、中でもオリーブの葉に含まれる機能性のフィトケミカルです。まだ、初歩的な実験のレベルではあるようですが、今後、エボラウィルス感染の予防のための機能性素材として大きな期待が寄せられています。
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オリーブと言えば、オメガ-9脂肪酸であるオレイン酸を豊富に含む「健康油」として重宝されているますよね。欧米人にとっては命の木として聖書にも登場するほど古くから生活の1部となっていますが、日本人にはここ50年たらずで徐々に有名になってきたものだそうです。ご存知のように日本でオリーブオイルが有名になったのは地中海沿岸国の住民に心循環器系疾患の発症率が極端に低く、その原因背景を研究したところオリーブオイルに含まれるオレイン酸のLDLコレステロール酸化抑制作用の恩恵でもあることがわかりました。これ以外にもオリーブオイルはスーパーナチュラルドラッグと言われるほど、細菌やウィルスに対する効果は高いといえます。
記憶に新しい2001年9月11日の同時多発テロの直後、猛毒と高感染力を持った炭疽菌を使ったテロが米国内を震撼させましたが、このとき再びオリーブがにわかに注目を浴びることになったことはあまり知られていません。オリーブの葉に含まれるオレウロペインが炭疽菌に対して強力な抗菌作用を示すことがわかったからです。オレウロペインには細菌の生命活動、増殖を抑制させる強力な抗菌作用があり、エレノル酸カルシウムという成分には全てのウィルスに対してではないものの、ウィルスの増殖を抑制する作用があることがわかりました。米国をはじめ世界中の研究機関では今オリーブの葉エキス成分によるHIVの増殖阻止に関する研究が続けられています。オリーブにはこのほかヒドロキシチロソルという抗炎症作用をもった成分も含まれている。こうしてみると、オリーブは細菌に対してのみ有効な抗生物質の働きと、ウィルスに対してのみ有効な抗ウィルス剤の作用、それに炎症を抑える作用もあり、まさしく「命の木」であると言えます。
by nutmed | 2014-08-12 10:42

8月2日(土)に行った「和ハーブを使ったメタボと肥満改善予防」の講演の中でも扱った、「イカリソウ」という和ハーブに含まれる「ベルベリン(Berberine)」には、今回のテーマであるメタボと肥満、引いてはⅡ型糖尿病のシナリオのリスクにも関わる、インスリン抵抗性を大幅に抑制するために有効なフィトケミカルです。
実は、ベルベリンにはインスリン抵抗性を抑制する作用を持つことが分かったのは、それほど昔の話ではありませんでした。
ベルベリンが注目されてきた作用は、バクテリアの殺菌作用、カンジダ菌を含む真菌類の殺菌作用、強力な抗酸化作用、肝機能改善、胆汁分泌促進、抗がん(肝臓、前立腺)作用でした。
ベルベリンについては、ここへ来てインスリン抵抗性を抑制改善し、Ⅱ型糖尿病及びそのリスクグループの血糖代謝改善、また、血中のインスリンが高くなる高インスリン血症の改善、中性脂肪、コレステロール(LDL)の代謝改善、血圧降下作用が報告され、生活習慣病の大きな一角にある、糖尿病の予防改善、特に食事療法や運動療法に中々反応しない人に対する、インスリン抵抗性改善アプローチ素材として、非常に注目されています。
アメリカでは、インスリン抵抗性を改善することで、血糖値の上昇を抑える治療薬剤の「メトホルミン(Metoformin)」(薬剤名」メトグルコ)と同等の効果が期待されている機能性フィトケミカルの1つです。
ベルベリンが含まれる植物原料素材としては、和ハーブ野イカリソウのほか、キハダ、オウレン、バーベリー(メギ)など多くの植物に認められていますが、アメリカで注目されているベルベリンの素材は、オレゴングレープ(Oregon Grape)だと思います。オレゴングレープの根にはベルベリンが豊富に含まれていることが報告されています。
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オレゴングレープは、メギ科のヒイラギに似た植物で、日本でも見かける植物です。
実は、私がケアしているカンジダ菌症のクライアントの数人には、医療施設でナイスタチンなどの抗真菌薬で除菌をした後の再発予防とフォロー目的で、オレゴングレープの根を乾燥したものを煎じて飲んでもらったことがあります。これぞハーブ茶というほど苦味の強いハーブですが、ダイオフを伴わないカンジダ菌のコントロールハーブとしては優秀な素材です・
by nutmed | 2014-08-06 07:54