臨床栄養士のひとり言

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第1428回 除去食による小児の栄養失調

この11月からの異常な暖かさは、日本だけの話ではないようです。例年、感謝祭を終えクリスマスに向かってホリデーシーズンモードで一杯のアメリカの東部、ニューヨークやワシントン、フィラデルフィア、ボストンでは、桜が開花したそうです。ニューヨークのセントラルパークをジョギングする人たちの服装を見ても、この時期に半袖で、吐く息が白くない状況です。 西海岸では脳作没の収穫にも影響がでていて、日本だけでなく世界規模で気候変動の影響は深刻です。

さて、今日の話題は、最近の小児の栄養不足状況についてです。皆さんの大奥は、食物が豊富なこの現代に栄養失調なんてあるのか?と思われる人が少なくないと思います。しかし、現実問題として、今年に入ってから私も栄養カウンセリングで何人かの小児で遭遇しましたし、友人の小児科の医師や歯科医から、症状や検査の結果からみると、どう見ても栄養不足状態の子供が増えていることを耳にします。
子の背景の1つには、私がブログや講演会、セミナーを通じて10年以上言い続じぇている「消化分解と吸収」を無視した食事行動があることも事実ですが、この1年ほど前からの小児の栄養不足の背景を詳細に確認すると、世の中で言われている「食物アレルギー」「遅延型アレルギー」「グルテンアレルギー」というキーワードが浮かび上がってきます。
私の栄養カウンセリングに食物アレルギーの相談や食事指導を仰ぎに母親とくる小児がこの1年で増えています。これらの小児の母親の70%ほどは、ネットや雑誌で情報を得て、微量の血液で検査できる96種類の遅延型(IgG)食物アレルギー検査を受診し、結果報告書を持参する方や、この検査を受診した医療施設で、結果を見た主治医から「数値の高い食材はアレルギー反応があるので全て除去するように」と指導されて、子供に食べさせるものがなく困惑してカウンセリングに来られる母親が多くなりました。
私の経験からこの検査で数値が高くなる食物の上位は卵白・卵黄・乳製品・小麦・グルテン・アワビ・牡蠣でしょうか。
これだけの食材を除去したところで栄養不足になることなどないのではないか?と思われるかもしれませんが、今や日本人の食生活から小麦を除去することの難しさたるは言うまでもありません。ネット上の情報や臨床医までもが小麦の数値が高ければ完全に除去することを勧めていますが、小麦、グルテン、植物性たんぱく質が皆さんの毎日の食卓に並ばない日はないことを考えると、小麦。グルテン、植物性たんぱく質を除去するために、加工食品はもとより、調味料も厳格に除去しはじめることで、付随して含まれている栄養素が犠牲になることも事実です。アワビや牡蠣なんて食べないと思うかもしれませんが、これらのエキス(たんぱく質)が調味料、添加物として加工食品につかわれていることも日常茶飯事です。
除去食は場合にyっては有効な食餌指導方法の1つですが、やみくもに、それも発達途上にある小児に除去食を行うことのリスクはないわけではないので、知識と経験のある臨床医y栄養指導の専門家に相談のうえ、栄養不足のお子さんにしないように注意していただきたいと思います。
by nutmed | 2015-12-16 14:32

予防医療診断士養成講座 2016

今年も各回好評のうちに開催されてきました予防医療診断士の養成講座が、新年2月に開催されます。
私もアドバンスコースでは消化分解と吸収のテーマで毎回講義を受け持っていますが、毎回全国から医療従事者だけでなく、介護、ライフプランナー、ファイナンシャルプランナーなど、今後の日本の予防医療を担っていただく職種の方をはじめ、ご自分やご家族の健康管理、予防を考えておられる一般の方々まで参加されています。どなたも真剣に受講されていることはもちろんですが、100%の人から参加受講してよかったとの評価をいただいているようです。金城先生、木村先生および私の講義の内容も決して難しい内容ではないので、医学の知識がなくても心配なく安心して受講いただけます。
ご興味のある方はこの機会にぜひ受講されてみてはいかがでしょうか。

◆◆◆2月の予防医療診断士養成講座のご案内です◆◆◆
「老化予防、元気に若々しく年を重ねたい」=本物の予防医療に興味の
ある方が正しい情報と正しい実践方法を学ぶための講座です。
予防医療20年の研究と実践をもつ第一人者(大学病院で臨床医療16年)
医学博士金城実が主催。講師陣は関西医科大学健康科学科の木村穣教授、
栄養医学研究所の佐藤章夫先生と、充実した講師陣です。

詳しくは http://www.yoboiryo.jp/

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【1】入門講座

【2】予防医療診断士「(入門)+Basicコース」

【3】予防医療診断士「4日間集中講座」

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【1】入門講座

(講座日程)約2時間の講座です。

 ・東京:2月6日9:30~12:00 
 ・大阪:2月13日10:00~12:15 

(講座内容)入門講座は「予防医療ってなに?」を知る講座です。

■申し込み、問い合せは(コンタクトフォームから)
 http://www.yoboiryo.jp/iframe/contact_iframe.html

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【2】予防医療診断士「(入門)+Basicコース」

(講座日程)2日間の集中講座です。2日目に試験があります。
 ・東京:2月6,7日 (1日目7時間+2日目7時間)
 ・大阪:2月13,14日(1日目7時間+2日目7時間)

(講座内容)ベーシック講座受講、認定試験合格後「認定証」発行。
ベーシック講座は、予防医療を詳しく勉強したい方のための
「知る」講座です。もちろん家族、友人に教えることはできます。
ベーシック講座認定後にアドバンス講座に進むことも可能です。

(講座・認定費用) 入門講座修了者は54,000円(税別)
         (入門講座がまだの方は59,000円(税別))
■申し込み、問い合せは(コンタクトフォームから)
 http://www.yoboiryo.jp/iframe/contact_iframe.html
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【3】予防医療診断士「4日間集中講座」3期生募集のご案内 

(講座日程)2日+2日で合計4日間の集中講座です(1日7時間)
 ・東京:2月6,7日  +東京2月27,28日 (合計7時間×4日間)
 ・大阪:2月13,14日 +東京2月27,28日(合計7時間×4日間)
          
(講座内容)ベーシック講座(+集中講座用入門講座)とアドバンス講座
を一緒にした4日間(2日間+2日間)の集中講座(料金もお得です)
試験合格後「Advance予防医療診断士(3期生)」認定証発行。
予防医療協会「入門コース」の開催講師ができます。この講座は、
金城実 医学博士とパートナーを組んで、予防医療を勉強するだけでは
なく、もっと広く講座やセミナーで講師として教える側になって
活躍したい方(「知る」だけではなく「教える」)のための講座です。

(講座費用+認定費用) 合計198、000円(税別)

■申し込み、問い合せは(コンタクトフォームから)
 http://www.yoboiryo.jp/iframe/contact_iframe.html

◆◆詳しい内容はHPをご覧ください
■詳しいカリキュラムは 
 http://www.yoboiryo.jp/curriculum.php
■詳しい講座日程・費用は 
 http://www.yoboiryo.jp/iframe/contact_iframe.html 
 (入門講座のテキストにもあります)
■申し込み、問い合せは(コンタクトフォームから)
 http://www.yoboiryo.jp/iframe/contact_iframe.html
by nutmed | 2015-12-11 08:59

第1427回 銅と片頭痛

今年の7月以降、栄養カウンセリングを行っている2つの施設で、副腎疲労、女性ホルモンにかかわる症状、うつ様症状などの背景に、銅の関与が考えられるクライアントに遭遇することが多く、積極的に銅のステータスに注目してきました。日本では銅については注目されることは少ないですが、現代人を悩ます慢性症状の背景に、想像以上に銅がかかわっていることがわかります。
ということで今日はミネラルの銅についてです。
銅は人間の体には不可欠な必須の元素で、70kgの成人では体内に約80mgの銅が蓄積されていて、その3分の1が筋肉に、残りが他の組織および体液に存在しています。銅は鉄が働くために必要であるため、血液(赤血球)を構成するヘモグロビン合成には不可欠です。体内の銅は多くのタンパク質と結合した形で存在していて、セルロプラスミン、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)のほか、水銀や鉛などの重金属と結合して体外に排泄をしてくれる金属タンパク質(メタロチオネイン)も銅が構成するものです。
銅の主な働き
•鉄の吸収促進
•タンパク合成に関与
•ビタミンCの吸収を助ける
•RNA産生における重要な因子
•ミエリン産生に重要
•甲状腺刺激ホルモン(TSH)の合成に不可欠
銅はアミノ酸と結合し胃・十二指腸からの吸収が促進されます。成人では食品に含まれている銅の約56%が吸収され、主に胆汁を介して排泄されます。
銅と片頭痛は深くかかわっています。
片頭痛と言えばチラミンという物質の名前がよく登場します。チラミンはアミノ酸が作る代謝産物で、チーズ、ワイン、ビール、酵母、鶏の肝臓、ワイン、酢漬けニシン、チョコレート(カカオ)などの食材に多く含まれていて、チラミンが血管の拡張(収縮と拡張)を誘導することで片頭痛が起こるといわれています。
このチラミンは銅が結合してつくらている酵素のモノアミンオキシダーゼ(MAO)によって分解され活性を失います。言い換えればMAOが不足しているとチラミンが体内(血液中)に増加し、血管の拡張を引き起こし片頭痛が起きやすくなります。つまり銅が不足することによって片頭痛の原因と考えられているチアミンの蓄積を増長させてしまうことになるわけです。
片頭痛の改善を考える場合には、チラミンの含まれる食材のことだけでなく、銅についても考えてみると改善の効果はあがるでしょう。
by nutmed | 2015-12-09 12:59

久しぶりに執筆した書籍「サプリメント健康事典」

12月4日にSHUEISHAから発売されるサプリメント健康事典、10種類以上の素材成分について執筆監修しています。共同執筆されている先生方の顔ぶれも多彩で中身の濃い必携参考書になると思います。
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by nutmed | 2015-12-03 11:59

第1426回 意外に多いモリブデン不足

今日はモリブデンについてです。栄養医学研究所では15年前から爪によるミネラル分析を受託していますが、2010年ころからモリブデンが低く検出される人が非常に増えています。年齢別の割合をみると男女ともに10-30台の成人でモリブデンが低くなる人が非常に多いこ状況です。
モリブデンは、免疫のはたらき、細胞の酸化防止にもかかわる窒素の代謝にかかわるミネラルです。モリブデンには痛風の原因となるプリン体を尿酸に変換する重要なはたらきもあり、体内では、骨・腎臓・肝臓に貯蔵されます。
食事から摂取したモリブデンは、腸で吸収され、尿、及び、胆液によって排泄されます。
食材からのモリブデンとしては全ての穀物、豆、葉菜類、及び、もつ類。ただし、モリブデンは熱と水分によって吸収が変化しますので、コンビニ食やレトルト食は避けるべきです。硫黄分が多く含まれる食材(タマネギ、ニンニクなど)や水は、モリブデンの吸収を阻害します。また、モリブデンが過剰に摂取されると銅の吸収が低下し血中尿酸値が高い方は痛風発作を起こすこともありますので注意してください。
体内のモリブデンが急に減少する理由はまだよく知られていませんが、その理由としては、尿酸の代謝に障害がおこり、食事や飲料水から銅、亜鉛、硫酸塩(添加物に多く含まれる)が過剰に体の中に入ることによって、モリブデンの吸収が阻害されることが報告されています。体内のモリブデンが少なくなると、インポテンス・虫歯・喘息などのほか、ガン細胞に対する免疫能力の低下が報告されています。
モリブデンは比較的意識しないと不足しやすいミネラルなので、モリブデンの豊富な食材を新鮮な状態で摂取する、または、サプリメントによってモリブデンを補給することが必要です。
もう少し詳しく見ていくと、女性の場合、生理不順、PMS症状があり、胃酸分泌が少ない低胃酸で、腹部膨満を伴う人にモリブデンが低い傾向があるように見られます。
この背景には、銅の働きが関わっていると考えられます。 女性ホルモンのエストロゲンを合成する時には銅が不可欠ですが、銅はたんぱく質{アミノ酸)と結合した銅タンパクとして作用しあす。タンパク質(アミノ酸)と結合していない銅は、ある意味では毒性の強いミネラルでもあります。銅と結合するためのたんぱく質(アミノ酸)は、食物を正しく消化分解してなっければなりませんが、胃酸が少ない場合には、充分にたんぱく質の分解ができません。そのため、エストロゲンを合成するために必要な銅タンパクの供給が低下するとともに、毒性のウ良い銅(タンパク質と結合していないフリー銅)が増えることで、モリブデンの吸収が低下することになります。
by nutmed | 2015-12-02 12:15