番外 コンソメスープの味がわかる年齢・・

週末の土日は群馬県つま恋の花火大会を見に行く予定だったのですが、急遽予定を変更して、伊香保温泉に行くことになりました。久々の温泉もゆっくりできたのですが、行きの道中に3年ぶりに寄った渋川にある「シジョルゼ」というフランス家庭料理のレストランで飲んだコンソメスープが強烈な印象があったのでぜひ紹介したいと思います。
私は食通ではないですが、ここのコンソメスープだけは生まれて初めての経験でした。
牛、鳥、野菜を75℃以上には温度を上げずにじっくり煮込み・濾す作業を6日間かけて、にごりをしっかりと除いたコンソメスープは、料理というにはもったいないほどのもので、コンソメスープが体に染み込んでくるという感覚はこのコンソメを飲んで生まれて初めての経験でした。思わず目をつぶってしまい言葉が出てこないほどのスープです。コンソメスープと言えばコース料理の最初を飾るメニューで、コンソメスープに注目することなどほとんどないほどで、出されてきたスープをとりあえず飲むというのが今までのことでした。「たかがコンソメ、されどコンソメ・・」と言う言葉があるかどうかは知りませんが、「滋養」という言葉がこのスープを飲んで真っ先に浮かんできた言葉でした。
シェフの自身の現れなのか出てきたスープの中には何の具もなく、琥珀色に澄んだスープだけです。
シェフに聞くところによると、関東近郊の末期医療を行っている病院が末期患者のターミナルケアとしてこのコンソメスープを患者に飲ませている施設もあるとの話を聞き、「滋養」という言葉が間違っていなかったことがわかりました。
少し辛口のシェフは「私のコンソメスープは申し訳ないですが40歳よりも年齢の行った方に飲んでもらえるとこのスープの味とその背景にあるものが理解していただけると思っています。若い方がこのスープを飲んでも、インスタントのコンソメスープとの違いはなかなかわかりにくいかもしれませんね・・」と言うことでした。

私もようやくコンソメスープの味がわかる年齢になったということでしょうか・・。

もちろんコンソメ以外のメニューも厳選した食材が本格的なフレンチの腕前によって調理されるものばかりで、都内の価格の1/4ほどで本格フレンチメニューを臆することなく食べられる数少ない店の1つです。
私が言うのもなんですが、軽井沢、伊香保、草津方面にドライブの折にはぜひ立ち寄ってこのコンソメロワイヤルを味わってみてください。
by nutmed | 2009-07-27 11:52