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第666回 IBSと乳酸菌

10月に入り、これからひと雨ごとに秋の気配が強くなって、冬のプロローグを迎える季節に入りますね。
最近は早朝に読書をする時間が長くなり、少しづつ肌に感じる温度も低くなってきました。

さて、今日のテーマはIBSと乳酸菌です。
最近TVのコマーシャルでも登場するようになったIBS(Irritable Bowel Syndrome:過敏性腸症候群)。
一般には下痢と便秘を交互に繰り返したり、下腹部のガス膨満感、腹痛の症状を伴います。
強烈な便意とともに下痢がおこることがあるため、公共の乗り物に乗ることが恐怖や不安となり、過剰なストレスになって心身症になることも少なくありません。ストレスはIBSの症状を悪化させることが多いので、悪循環になることがあります。IBSの最初の原因はストレスのほか食生活、抗生物質などの薬の多用、LGS、食物性アレルギー、うつ症状などのほかにも、受検の失敗、仕事のトラブル、恋愛のトラブル、他人からの叱責、過激なダイエット、肉親の死など精神的にインパクトのあることが原因になることも珍しくありません。
症状がうつ病や不安症などに似ていること、また精神的トラブルが背景にあることもあるために、抗精神薬などでの治療が進められることが少なくありませんが、原因を根気よく探り、それを排除改善することが何よりもの改善法であることは間違いありません。

さて、このIBSの根本的な改善ではありませんが、症状の実質的な改善に乳酸菌が有効であることを紹介しましょう。
IBSの症状改善に乳酸菌が有効であるという研究報告は多く、ヨーグルトや乳酸菌飲料によって症状が改善されたという報告があります。今回紹介する乳酸菌は2007年に報告されたもので、アシドフィルス菌(L.acidophilus)とラムノーサス菌(L.rhamnosus)がIBSの便秘症状を劇的に改善するという報告です。ラムノーサス菌は最近日本でも乳酸菌商品に配合されていることがポピュラーになりました。
もう1つの乳酸菌は有胞子性乳酸菌のコアギュランス菌(Bacillus Coagulans)で、すでにGBI-30という菌名で米国オハイオ州にある企業に特許取得され、IBSの症状改善用にアメリカ、EUで乳酸菌サプリメントとして販売されているものです。
このGBI-30菌をIBS患者に60日間毎日服用してもらった研究報告を見ると、急な下痢症状、腹痛が大幅に改善されたということです。コアギュランス菌は酸や熱に強いために腸まで確実に届き、また有胞子という特徴があるために他の乳酸菌のように酸だけでなくたんぱく質分解酵素にも強く、腸内で発芽し大腸菌などに対するバクテリオシンの効果が高い乳酸菌でもあります。バクテリオシンについては以前に歯の健康のテーマのパートで説明しましたので参考にしてください。
このバクテリオシン、世界中で今注目されている機能で、日本はその中心的な国でもあるので、今後話題に上ることが多くなると思いますから良く勉強しておくといいでしょうね。
by nutmed | 2009-10-14 07:44