人気ブログランキング | 話題のタグを見る

第675回 妊娠中期からの魚油が新生児の食物アレルギーを予防 その2

今朝の東京は、昨晩の放射冷却のせいか朝から少し肌寒いですが、すがすがしい秋晴れの1日になりそうです。

さて今日は妊婦と魚油についての2回目です。
前回紹介したスウェーデンの研究者らの臨床検討では145人の妊婦さんにボランティア参加をお願し、妊娠5カ月目から出産3-4か月後の授乳期まで毎日1600mgのEPAと1100mg(両者ともに魚油から抽出)を摂取してもらっています。その後、新生児の血液検査したところ、DHA/EPAを摂取した妊婦から出産した新生児ではIgE抗体価は低く、摂取していな妊婦から出産した新生児では高いことが報告されています。
彼らの臨床検討が従来の多くの検討と異なる点は、妊娠中期の5か月から授乳期までのロングランで摂取されていたことです。従来の報告では妊娠10か月目ころからの摂取によるものが多く、摂取期間の長さが予防効果を左右するものと推測できます。
スウェーデンの研究者らが引用していた過去(2003年と2006年)の研究報告を追跡してみると、3つの興味ある点がみつかりました。1つは、妊婦である女性自身が卵や牛乳、小麦などの日常的に食べる食材に対してアレルギーを持っていない場合のほうがさらに予防効果が高いこと、2つめが配偶者の夫も日常的に食べる食材に対してアレルギーを持っていない場合のほうがさらに予防効果が高いこと、3つ目は第1子が日常的に食べる食材に対してアレルギーを持っていない場合のほうがさらに予防効果が高いことです。さらに、この2つの研究報告では、少なくとも妊婦である女性自身が日常的に食べる食材に対してアレルギーを持っていない場合には、スウェーデンの研究者らが報告しているような大量のDHA/EPAを摂取しなくても、1日あたりDHA/EPAともに80mg前後の摂取でも、妊娠5か月目から摂取することによって、新生児のアレルギー予防効果はあると判断しています。
従来の研究で報告されてきた、妊娠中から魚油のDHA/EPAを摂取することによる新生児のアレルギーの予防効果率が想像しているよりも低かった背景には、魚油の摂取期間、研究に参加した妊婦自身と家族のアレルギー歴に関係があることだと思われます。
これらの研究報告から考えられることは、単純に言えば、こどもの親となる両親、少なくとも母親となる女性が、食物性のアレルギーを持たないような食事環境と食事の仕方に留意することが大切であるといえるでしょう。
by nutmed | 2009-10-28 07:54