第690回 スーパーフード 「ホースラディッシュ」

先週末はワイフの体調がすぐれず、毎年恒例にしていた長野県は上田に住む友人による手打ち新蕎麦の相伴会を断念し、患病に専念していました。そのおかげということでもないですが、年内中に読まなければいけなかった書籍を2冊半完読しました。これからの季節はひと雨ごとに寒さが増しますから皆さんも体調を崩さぬようにご用心くださいね。

さて、今日は以前から紹介しよう紹介しようと思ってのびのびになっていたホースラディッシュ(horseradish:西洋ワサビ)の効用についてです。
ホースラディッシュはワサビ、カラシ、大根、ブロッコリー、キャベツと同じアブラナ科に属する植物で、その根をすりおろしたものには独特の辛味があり、今でこそ日本でもローストビーフや肉料理の薬味として重宝されるようになり、愛好者も増えつつありますね。私がホースラディッシュに初めて出会ったのは、今から32年前に初めて訪れたカナダのバンクーバーのレストランでした。私が注文したステーキの薬味として付いてきたのが初めての出会いですが、そのころは「何でこんなに辛いの?・・」と思ったものですが、今では大好きな薬味の1つでもあります。
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ホースラディッシュに含まれるペルオキシターゼという色素反応を起こす酵素は、かなり昔からウィルスや細菌の抗原抗体検査でポピュラーに使われているので、臨床検査に携わる人にはローストビーフの薬味としてよりも検査試薬の1つとしての馴染みのほうが深いかもしれないですね。
さて、このホースラディッシュに含まれているのがグルコシノレート(Glucosinolates)と呼ばれる配糖体で、アブラナ科植物を中心に、植物の葉、茎、根、および種子に広く存在している物質です。グルコシノレートには強い抗がん作用があることが世界中の研究機関から報告されています。グルコシノレートの抗がん作用には、がん細胞の成長を抑制する作用のほか、肝臓の解毒作用を促進強化することで発がん性物質の解毒促進作用があることが報告されています。抗がん作用ということでは、同じアブラナ科のブロッコリー、キャベツ、芽キャベツが以前から注目されていますが、グルコシノレートの含有量で言えば、ホースラディッシュに含まれているグルコシノレートの量はブロッコリー、キャベツ、芽キャベツの10倍以上と言う報告があります。
ホースラディッシュの根をすりおろしたもは、欧米では古くからハーブ療法でも使用されていて、特に鼻炎(アレルギー性)、鼻詰まりの症状の改善には非常に有効で、私の親友でコネチカットで開業する栄養療法のドクターもヘイフィーバー(Hey fever:日本で言う花粉症)の鼻炎にはホースラディッシュの瓶詰を購入させて、それを小さじに半分取り、早朝と昼の食事前に水で薄めずにそのまま飲ませ、飲んだ後は少なくとも10分間は食事をしないように指示しています。私も鼻炎がひどくなると今でもホースラディッシュをこのようにして飲んでいますが、涙がでることがすくなくないですが非常に効果はあり、5分もすると鼻の通りが良くなり1日中爽快な気分を保ってくれます。また、ホースラディッシュには強い抗菌作用があり、尿路感染症や細菌による気管支炎には有効です。明確な報告はありませんが、ホースラディッシュに含まれる強い抗菌物質と酵素が腎臓、膀胱を経て体外に排泄される経路の中で、尿路感染の原因菌の殺菌をすることと、この酵素の働きで利尿作用が強まり、腎臓・膀胱で炎症物質が強制的に排泄促進されるのではないかと考えられています。 事実、ドイツ(The German Commision E:日本の厚生労働省に相当)ではホースラディッシュを尿路感染症の治療処方薬として承認しているほどです。
日本のワサビにも同様な作用があることが国内の大学や研究機関から報告されているので、日本のワサビにも鼻炎の改善や尿路感染症改善効果があるのではないでしょうか。
by nutmed | 2009-11-16 15:26