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第724回 ビタミンDのトピックス 神経にかかわる働き#1

昨日号外でお知らせしましたように、読者からの反響と要望が予想以上に多かったので、ビタミンDのテーマについてはしばらく継続することにします。

そこで改めて今日からこの数年の間のビタミンDのトピックスを紹介していきましょう。
今日のテーマはビタミンDが持つ神経にかかわる働きについてです。以前、友人のドクターが自閉症と栄養素の研究をしていてそれを手伝っていたことや、栄養医学研究所では自閉症児の栄養カウンセリングをしていたこともあって、自閉症と栄養素や重金属、とくに水銀との関係について毎日のように国内外の論文や研究報告を読み漁っていたことがあります。2001年にはじめてビタミンDと自閉症の関係について報告された論文(1)を見つけはしましたが、興味をそそるものではなかったことを記憶しています。その後2005年以降昨年までの5年間に、自閉症の症状のいくつかがビタミンDの著しい不足が深くかかわっているという研究結果がアメリカ、ノルウェーなどから相次いで発表され「自閉症のビタミンD不足セオリー」という言葉もできました。(2-5)自閉症の原因背景には、水銀などの重金属蓄積、ウィルス感染、グルテンやカゼインなどの食材、頭蓋の形成不全などいくつかのセオリーが考えられていますが、ビタミンDの不足は新しいセオリーです。
このビタミンDの不足セオリーの発端は、自閉症児を出産した女性と自閉症児の血液によって検査したいくつかの栄養素の結果がスタートで、最初は自閉症児を出産した女性と自閉症児の血液中のビタミンD(25-OH-ビタミンD)の数値が低い傾向があるということで、人数を増やしてビタミンDに特化して血液検査をした調査からはじまりました。 ビタミンDと自閉症の関係を理解してもらうために少し難しくなりますが、水銀と自閉症のことについて説明します。
今から12年前アメリカで水銀が自閉症の原因に深くかかわっていることが報告され、2003年にそれを裏付ける報告として、1992年以降アメリカにおける自閉症の発症率が30倍以上増加し、特に2-4歳小児では劇的に増加している統計数値が発表されました。
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この原因は乳児が接種する3種混合ワクチンや中学就学前に義務付けられていたB型肝炎ワクチンに使われる防腐剤(チメロサール)に含まれている水銀によるもので、1990年以降その防腐剤の使用が増加したことにあると報告されました。当時は、医師や自閉症児を持つ親のグループ、連邦政府、ワクチン製造メーカーを巻き込んだ論争になったことを鮮明に記憶しています。
水銀(有機水銀)が人間の神経の働きに影響を与えることについては今までに世界中の研究者が報告していますが、カナダのカルガリー大学医学部から発表された動画による影響を見ていただくと理解しやすいと思います(以下動画参照)


水銀と自閉症の因果関係については肯定も否定もほぼ同数いて、否定する学者の中には「なぜワクチンを接種した全ての小児で自閉症の症状を発症しないのか・・」を含め今まで明確な根拠らしきものが報告されておらず、いまだに論争は継続しています。しかし、冒頭で紹介したこの数年の間に発表されている自閉症とビタミンDの不足に関する研究報告は、ビタミンDの不足が水銀の排泄(解毒)を低下させ、体内への蓄積を増加させる原因である可能性が高いことを示すものです。

次回はビタミンDと解毒の働きについて・・

1. Johnson S. Micronutrient accumulation and depletion in schizophrenia, epilepsy, autism and Parkinson’s disease? Med Hypotheses. 2001 May;56(5):641-5.
2. Holick MF. The vitamin D epidemic and its health consequences. J Nutr. 2005 Nov;135(11):2739S-48S.
3. Holick MF. High prevalence of vitamin D inadequacy and implications for health. Mayo Clin Proc. 2006 Mar;81(3):353-73.
4. Cannell JJ. Autism and vitamin D. Med Hypotheses. 2008;70(4):750-9.
5. Cannell JJ, Hollis BW. Use of vitamin D in clinical practice. Altern Med Rev. 2008 Mar;13(1):6-20.
by nutmed | 2010-01-14 14:50