人気ブログランキング | 話題のタグを見る

第727回 ビタミンDのトピックス ビタミンDの摂取手段

今日の東京の午後は昨日までの寒さから一変して気温も上昇し14度まで上昇ています。明日はさらに気温が上昇して4月上旬の陽気になるそうです。今年は寒暖の差が激しいようですから体調管理には十分注意してください。

さて、今日はビタミンDのトピックスの2つ目のテーマになります。
その前にビタミンDのもう1つの働きについて少し紹介させてください。
ビタミンDには「一酸化窒素(NO)」の合成を抑制する作用があります。一酸化窒素と聞くと光化学スモッグなど公害にかかわる物質なので体にはよくないものと思うかもしれませんが、一酸化窒素は人の体内でアルギニンというアミノ酸によって作られ、血管を拡張させて血液の循環量を増加させるために重要な働きをもった物質でもあります。男性の場合にはペニスの勃起を促す血液の循環、また男女問わず毛髪毛根に栄養を送る血液循環を増加させるために一酸化窒素は重要な働きを持っています。男性のED(勃起不全)治療で処方されるバイアグラ、発毛促進剤のミノキシジル(Reup)は、この一酸化窒素の合成生産を増やす目的で開発された薬でもあります。ビタミンDは体にとって重要なビタミンであることは間違いのないことですが、ED改善や発毛促進を行っている人にとっては、ビタミンDが必要以上に過剰とならないよう最適な摂取量を心がけるために、以前お話しているような血液中のビタミンD(25-OH-ビタミンD)と活性型のビタミンD(1-25-OH-ビタミンD)を、少なくとも治療の前と治療中に定期的に検査をすることが、ビタミンDの恩恵を受け、かつED改善や発毛促進の治療を良好にするための条件となることを考えるべきでしょう。

ここからが今日の本題になりますが、体内のビタミンDの量を最適に維持するため、ビタミンDを摂取する手段としては食材は勿論ですが、ビタミンDのサプリメントを摂るということがあります。ただ、日本にはビタミンDに特化したサプリメントというものが見受けられないのは残念でなことです。
しかし、体内に蓄積しているビタミンDの多くは、本来食材やサプリメントで摂取するよりも紫外線を浴びることで皮下で作られる量のほうがはるかに多いはずなのですが(1-4)、この数十年の間に、ことの善しあしは別として必要以上に紫外線から皮膚を保護する習慣が世界的に広がり、その流行は女性だけでなく男性や子供にも広がっている現状です。
第727回 ビタミンDのトピックス ビタミンDの摂取手段_d0070361_16421964.jpg

日光浴によってどれくらいのビタミンDを皮下でつくることができるのでしょうか?
たとえば春から秋までの日中、10-40分間日光浴で紫外線を浴びることで平均20,000IU(500マイクログラム)のビタミンDが作られると言われています(5)
現代生活環境を考えた場合に必要と考えられる1日あたり3,000-5,000IU(75-125マイクログラム)のビタミンDを得るためには4月から9月までの日中で2-5分程度、10月から11月までの日中で10分ほど、12月から3月までの日中でも15-20分程度紫外線に浴することで最適なビタミンD量が皮下で作られるわけです。仮にこの量を牛乳で摂ろうとすれば、コップに30から50杯の牛乳を飲むことになります。また日本で販売されている平均的なマルチビタミンミネラル1錠に含まれているビタミンD量(3.5µg)を考えると、35錠も飲まなければなりません。

わずかこれだけの時間の日光浴でビタミンDが得られる、それも無料で得られるわけですから、老若男女問わず1日1回は日光浴をする習慣をつけていただきたいものですね。紫外線を大量に浴びることえの懸念は確かにありますが、紫外線を防ぐクリームを塗りたくる前のわずかな時間だけでも日光を浴びることは有効です。
特に、これから妊娠を考えている女性と授乳期の乳幼児には積極的に日光浴をしていただくメリットは高いでしょう。


1. Holick MF. Photosynthesis of vitamin D in the skin: effect of environmental and life-style variables. Fed Proc. 1987 Apr;46(5):1876-82.

2. Poskitt EM, Cole TJ, Lawson DE. Diet, sunlight, and 25-hydroxy vitamin D in healthy children and adults. Br Med J. 1979 Jan 27;1(6158):221-3.

3. Available at: www.vitamindcouncil.org/health/autism/vitamin-d-theory-autism.rtf. Accessed August 19, 2008.


4. Holick MF. High prevalence of vitamin D inadequacy and implications for health. Mayo Clin Proc. 2006 Mar;81(3):353-73.

5. Cannell JJ. Autism and vitamin D. Med Hypotheses. 2008;70(4):750-9.
by nutmed | 2010-01-19 17:25