2010年 01月 21日
第729回 ビタミンDのトピックス 抗炎症と免疫力向上
今日の東京は昨日の延長で、朝から気温が高い状態でしたが、昼過ぎから風向きが北にかわったようで、これからまた寒さが戻ってくるような感じです。本当に体調管理には留意してくださいね。
さて、今日のビタミンDのテーマは、ビタミンDが持つ炎症を抑える働きと免疫力を向上させる働きについてです。
結核と言えば過去の病と思われがちですが、TVコマーシャルで北野たけしさんが言っているように、結核はここ数年減るどころか増えている病気の1つです。最近の結核はかつて日本でも猛威を振るった牛タイプや鳥タイプの結核菌だけでなく、東南アジアから持ち込まれた従来日本では見られなかった結核菌も増えているそうです。
この結核菌に感染すると体内の免疫応答システムのスイッチが入り、抗体を作るこおとを含め様々なシステムが動き出しますが、真っ先にスイッチがはいるのが異物である結核菌を認識するセンサーと初動攻撃の役割担っているシステムになります。この2つのシステムが結核菌など外部から侵入してきた異物に対してアタックを開始してくれるおかげで、免疫を高め健康な状態を維持することができるわけです。
2006年にUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の研究発表によれば、ビタミンDには、結核菌に感染した直後に働くこの初動アタックのシステムを活性させ向上させる働きがあることが報告されています。
研究チームは「アメリカ国民の70%でビタミンDの不足および最適な量のビタミンDの補給が行われていない可能性があり、結核菌だけでなく新種のウィルス感染予防のために最適な量のビタミンDの積極的な摂取が望まれる」とコメントしています。
翌年の2007年にはイギリスのクイーンマリー大学の研究グループが人による臨床実験で、ビタミンDには結核菌に対する免疫応答システムを増強する効果があることを発表しました。
2007年にはUCSD(カリフォルニア大学サンディエゴ校)の研究グループが皮膚細胞を使って、外傷からくる炎症を改善する作用には、カテリシジン(cathelicidin)という物質が関わっていて、ビタミンDがカテリシジンの生産能力がコントロールされていることを発表しています。つまり、常時最適なビタミンDを摂取し、体内に十分なビタミンDを維持していないことによって、皮膚に受けた外傷による炎症を抑えることができずに回復が遅れるということになります。
転んで手足に傷をつくったり、ニキビやじんましんの後に傷が中々治りにくい人は、ひょっとするとビタミンDの不足という背景があるかもしれないですね。
傷の治癒のために外から抗生物質、ステロイドを塗ることも重要なことですが、自分自身が持っている自然治癒の力の元となるビタミンDの過不足も考えて見る必要があります。


