2010年 01月 28日
第733回 潰瘍性大腸炎IBD その2
さて、今日は潰瘍性大腸炎IBDの2回目です。潰瘍性大腸炎は初期症状が過敏性腸炎(IBS)とよく似ているのでIBSと間違えることもありますが、IBSについては、以前に数回特集していますのでそちらを見てください。
前回、潰瘍性大腸炎が発症する背景の1つにウィルス、特にサイトメガロウィルス(CMV)とヘルペスウィルスが関わっている研究発表があることを紹介しましたが、このほかにも1992年にアメリカのウィルス学会誌でクラミジアウィルスとの関係が深い可能性が報告されています。潰瘍性大腸炎を発症している患者の血液を採取しウィルス抗体価の検査をした結果、クラミジア抗体価が非常に高く、症状のない正常な人と比較しても、クローン病患者では93%、潰瘍性大腸炎では45%も高いことが報告されています。
潰瘍性大腸炎患者に対して栄養療法では、腸の粘膜の炎症修復とバクテリアの環境改善にフォーカスし、それらの作用効果の高い以下のようなサプリメント、アミノ酸、ハーブをつかいます。
1、L-グルタミン
2、グルコサミン(NAG:N-Acetylglucosamine)
3、タラの肝油(EPA/DHA)
4、ビタミンE
5、ビタミンC
6、亜鉛
7、ビタミンA
8、システイン(N-acetylcyctaine)
9、γ-オリザノール
10、ケルセチン
11、グルタチオン
12、レシチン
13、クルクミン
14、甘草(Licorice)
15、アカニレ
16、アロエベラ
ここにあげた成分は潰瘍性大腸炎の改善には有効な素材で、その有効性は今までにも多くの研究によって報告されていますが、全てを同時に使うのではなく、症状や年齢、アレルギーの有無などを考慮して使用していきます。
この素材を見てLGS(Leaky Gut Syndrome)の改善効果のある素材と共通点があると気づいた方は、このブログのヘビー読者でしょうね(笑)。そうなんです、LGSも潰瘍性大腸炎も症状の根本には「腸の粘膜の機能低下」があります。私ごとで恐縮ですが、LGS改善のために私が設計デザインしたサプリメント(その名もLGSです)が茨城にあるプレバランスさんで扱っていただいています。
これに加えて、直接的に有効な素材としては乳酸菌があります。潰瘍性大腸炎と腸内細菌の因果関係は深く、強い粘膜接着性をもった大腸菌や他の腸内細菌が腸の粘膜に繁殖することによって、腸の膜で作られる免疫のしくみに多大な影響を及ぼすものと考えられます。
スーパーストレインと呼ばれる乳酸菌(L.acidophilus DDS-1/B.bifidum/L.bulgaricus LB-51)を1日を通して飲むことによって、腸内のバクテリアの環境が改善できますが、栄養療法では、L.acidophilus やDDS-1などの乳酸菌を週に1度「乳酸菌浣腸」をすることは珍しくありません。乳酸菌を使った浣腸の効果についてはいくつかの研究報告がありますが、1999年にLancetという権威ある医学誌で、潰瘍性大腸炎の治療薬(メサラジン)による治療効果と同等の効果があると報告されています。
潰瘍性大腸炎の改善には食事も重要なファクターであるといえます。
潰瘍性大腸炎患者に対する食事療法の研究では、症状がひどくなるような食材を避ける「除外食」を厳守した食事と、低含硫食(硫黄成分が含まれない食材)によって潰瘍性大腸炎の症状緩和に効果があります。またタラの肝油などの魚油を摂取することによって症状緩和効果が上がります。


