2010年 02月 08日
第739回 糖分の積極的なコントロール その2
さて、今日は糖分の積極的なコントロールの2回目です。
前回紹介したように、血糖にかなり大きな影響を与えるショ糖(Sucrose)は想像以上に食生活、とくに加工食品から摂取されていることがわかります。このショ糖を消化する酵素がスクラーゼ(Sucrase)ですが、積極的な糖分コントロール((Passive Sugar Control:以下PSC)の1つとして、このスクラーゼの働きを抑制する物質を使うという方法があります。スクラーゼの働きを抑える物質はいくつか存在しますが、長期間使用しても体に無害で、天然の素材から得られた成分、そして適度に甘みがある(砂糖の1/2)成分として最適な素材はL-アラビノース(L-arabinose)です。
L-アラビノースはビート大根(甜菜)から抽出された糖成分で、日本でも食品として販売され入手可能です。L-アラビノースには、血糖を上昇させ、脂質合成をしてしまうショ糖の吸収を抑える作用があり、日本でもアメリカでも糖尿病や高血糖の改善素材として注目されています。

日本でも2000年(井上修二ほか:ヒトにおけるショ糖含有食品摂取後の血糖値上昇に及ぼすL-アラビノースの作用.日本栄養・食糧学会誌,53(6), 243-247(2000)と2001年(讃井和子ほか:健常人におけるL-アラビノース添加テーブルシュガー摂取後の血糖値変化.健康・栄養食品研究,4(1), 13-18(2001))に、アメリカでも2007年に(Preuss HG, Echard B, Bagchi D, Stohs S. Inhibition by natural dietary substances of gastrointestinal absorption of starch and sucrose in rats and pigs: 1. Acute studies. Int J Med Sci. 2007;4(4):196-202.)人の血糖コントロールに対する効果の研究が報告されています。
L-アラビノースも糖ですから血糖を上げますが、それは2%程度ですから、血糖のコントロールには最適な素材と言えるかもしれません。実際に2型糖尿病の患者にL-アラビノースを摂取してもらった研究によれば、血糖コントロールの指標である血中HbA1c(ヘモグロビンA1c)が低下することが報告されています。
食事の中に取り入れたPSCの方法として、L-アラビノースは無理なく継続できる方法ではないかと思います。


