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第743回 妊娠中のタラの肝油のアレルギー症状予防効果

いよいよバンクーバーオリンピックが開幕しました。開会式が行われたドームには最大で7万人が収容できるそうですが、今から35年前、私がバンクーバーに留学していたころには一面が湿地帯だったところです。私が住んでいたバンクーバー島のナナイモという町の郊外には、30年ほど前に日本でも流行した「カウチンセーター」を編む先住民族カウチン族が住んでいて、当時親しくしていたカウチン族の友人の孫が、今回の開会式で民族衣装を纏って踊っていました。さて、日本はメダルをいくつ獲得できるでしょうかね。そんなことよりも、選手の皆さんには日頃の成果を存分に発揮してオリンピックを楽しんでもらいたいものです。

さて、今日はタラの肝油についてです。
タラの肝油などの魚油に含まれるオメガ-3系必須脂肪酸については、その作用効果が世界中の研究者によって膨大な報告がされているところですが、中でも、妊娠中および授乳期の女性がタラの肝油などに含まれるDHA・EPAを摂取することによって、乳幼児の皮膚の症状、精神機能などに有効である報告が沢山発表されています。
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2009年の9月、スェーデンのLinköping大学の研究チームが発表した魚油の持つアレルギー予防効果の報告は、、妊娠中および授乳期の女性が魚油に含まれるDHA・EPAを摂取することで乳幼児のアレルギー症状を改善することを証明した最新の報告だと言えます。
この研究では、自身がアレルギー症状を持っている、または前回出産した子供にアレルギー症状がある145人の妊婦を2つのグループにわけ、1つのグループには1日あたり3000mgのタラの肝油(DHA:1600mg/EPA:1100mg) を、もう1つのグループにはプラシボ(偽薬)を、妊娠25週目から出産3カ月後の授乳期まで飲んでっもらいました。結果として、出産後の乳幼児に皮膚のアレルギー症状、腸の過敏症状などを含む食物性アレルギーの症状が発症したのは、タラの肝油を飲んでいた妊婦では52中1人(約2%)に対して、飲んでいなかった妊婦では65人中10人(約15%)となり、有意な差がありました。

スェーデンでは、生後9カ月直前からタラやニシン、イワシなどDHA・EPAが豊富に含まれた魚を積極的に食べさせる食文化があります。これは北欧諸国だけでなくエスキモー民族でも同様です。日本でも妊婦や乳幼児には魚を積極的に食べさせる食習慣がありましたが、時代の流れとともに、このような食習慣を伝承する先達が少なくなったことや、魚を敬遠する女性や子供が増えたことが大きな原因かもしれません。

私は講演会や、ブログでも度々魚油の作用効果については言及していますが、魚を食べるように勧めると「魚は臭う・・」とか「魚には水銀などの重金属が入っているから・・」という答えが返ってくることが少なくありません。
確かに水際で危険なものを避けることは大切です。人間には、元来体外から入ってくる重金属などを自分の力で排泄する能力がありますが、その能力を高めることを避け、棚に上げてしまって、症状が出てから合成ステロイドのような薬の厄介になる前に、自分自身と子供の持っている能力を高めてあげることは重要なことではないでしょうか。
先日のブログでも紹介したオキアミなどは、妊婦だけでなく幼児にも格好の魚油の摂取源ですから、これから妊娠を考えている女性には、積極的に使ってもらいたいものです。
by nutmed | 2010-02-15 11:42