人気ブログランキング | 話題のタグを見る

第746回 食物過敏症について レクチン不耐性 その1

今年9回目の雪の東京です。はやく温かくなって欲しいものです・・
さて今日は、レクチン不耐性(タイプ2) その1
前回に続いて今日は4つの食物過敏症の2つ目、レクチン不耐性について紹介します。きょうのタイプは話が長くなるので数回にわけて説明します。また話が少し難しくなるかもしれませんが、ついて来てくださいね。
レクチン不耐性は厳密にいえば一般に言われるアレルギーとは異なります。このタイプの食物不耐性には別名がいくつかあり、「抗体依存性細胞毒性(ADCC)」と呼ばれることや、「レクチン起因細胞毒性(lectin mediated cytotoxicity)」と呼ばれることもあります。このタイプの主役にはIgG抗体(1部はIgM抗体)とナチュラルキラー細胞(NK Cell)、それにレクチンという物質が深くかかわります。
ナチュラルキラー細胞とレクチンがどんな役割を担っているのかが理解できないと、このタイプの食物不耐性の理解が進まないと思いますので、今日はこの2つの役者について理解を深めていただくことにしましょう。
第746回 食物過敏症について レクチン不耐性 その1_d0070361_13371226.jpg

1、ナチュラルキラー細胞とは?
体内へのウィルス、バクテリアなど異物の侵入や、正常な細胞ががん化したがん細胞の増殖から体を守ってくれる免疫のしくみを私たちは生まれながらに持っています。その多くを白血球が担ってくれていますが、その白血球の2割ほどを占める細胞がナチュラルキラー細胞で、24時間、365日、常に体内をめぐって、体にとって異物の存在を見回り、それらの異物を発見すると攻撃をしかけ無害化させる殺し屋です。NK細胞は抗体が作られる以前に活躍してくれています。ただし、時として正常な細胞に対しても攻撃をしかけてしまうことがあり、その1つがタイプ2アレルギーのようにIgG抗体を介して正常な細胞を異物と認識し、攻撃をしかけることです。
2、レクチンとは?
レクチンは特異的に糖と結び付くたんぱく質で、特に細胞膜表面に存在する糖と結合し、別な細胞同士を結合させる働きがあります。植物だけでなく動物でも確認されているたんぱく質です。簡単に言うと、細胞と細胞(場合によっては抗体)をくっ付ける(凝集という)糊のような物質と考えてもらうといいでしょう。今でもレクチンについては世界中の研究者が研究を続けていて、今までに数十種類のレクチンが発見されています。身近なところにあるレクチンの働きとしては、血液型の判定検査があります。赤血球(細胞)の膜表面には糖で構成された抗原が存在し、この抗原(以下ABOマーカーといいます)にレクチンが反応して赤血球同士をくっつけて凝集させます。血液にある種のレクチンを混ぜると赤血球が固まり凝集をしますが、A,B,O,ABの型によって凝集の強さがかわります。このしくみを使ってABO血液型が判定できますが、現在の血液型判定にはレクチンを使うことはありません。
ちなみに、2006年にTVの健康番組で白いんげん豆に含まれるレクチンの一種であるファセオリンがダイエット効果があると紹介され、加熱不十分で摂取した視聴者の間で下痢や嘔吐などの症状が多発したことがありましたが、これはレクチンの細胞凝集反応によるものでしょう。レクチンは比較的熱や消化酵素、酸に強いため、70℃以上で30分ほど加熱調理することで活性はなくなります。
レクチンと反応し細胞を凝集させるABOマーカーは赤血球だけでなく、以下のような体内の多くの細胞に存在しており、食物不耐性の症状に深くかかわっている可能性が高いと言えます。
上皮細胞(皮膚、眼、鼻、口、耳管、咽頭、肺、食道、胃、腸、膀胱、尿道、膣)
関節の滑膜
血管内皮細胞(血管、リンパ節、心臓、肺、腹部、骨盤)
分泌液(唾液、消化液、鼻の粘液、母乳、涙、汗、精液、膣分泌液)


今日はここまでにしますが、今日のポイントはこのレクチン、特にレクチンに反応するABOマーカーが体内のあらゆる細胞の表面にも存在している部分は今後重要なポイントになりますから、よく理解してくださいね。
by nutmed | 2010-02-18 13:39