人気ブログランキング | 話題のタグを見る

第747回 食物過敏症について レクチン不耐性 その2

週末はバイク仲間のおじさんたちと伊豆半島への2リングにでかけてきました。宿泊した川奈の鮨長(http://www.sushicho.jp/)は、「和のオーベルジュ」というだけあって、川奈近辺で捕れた旬の新鮮な魚と地のものの料理がおいしい宿です。オーナーで料理長の話によれば、今では伊豆の名物ともなった「キンキ」は、よほどのことがない限り、旬なとき以外で食べられるキンキは海外で取られた冷凍物、アジは宮崎か長崎産だそうで、料理長のこの話を先に聞いておいたので、夕食のときに出されたキンキの煮付けを前にして「やっぱりキンキは伊豆だね!」などと知ったかぶりをせずに済みました(笑)。

さて、今日はレクチン不耐性の2回目ですが、今日は改めてレクチンと関係が深く、食物過敏症とも深い関係がある可能性が高い、血液型について少し説明しておくことにします。
下の図をみてもらうとわかりますが、血液型がA型の人の場合、赤血球の表面にA抗原があり、血清の中にはB型の血液を固めてしまう抗Bといわれる抗体が含まれています。血液型がB型の人では赤血球の表面にB抗原と、血清の中にはA型血液を固める抗Aという抗体をもっています。つまり、A型とB型の血液が混じると、抗原抗体反応により血液が固まったり、赤血球が壊れてしまう(溶血という)状態を引き起こします。一方、血液型O型の人の場合、抗原はありませんが、抗Aと抗Bの両方の抗体があり、血液型AB型の人では、A抗原、B抗原ともありますが、抗Aと抗Bどちらの抗体も持ちません。
第747回 食物過敏症について レクチン不耐性 その2_d0070361_15561675.jpg

難しくなるかもしれませんが、もう少し詳しく解説すると、ABO血液型の場合、A型もB型もO型も、そしてAB型の人も赤血球の膜表面にある抗原は、ある場所まではどの血液型の人でも同じ構造を持っています。そして最後の末端にある物質(糖)が、以下のようにそれぞれの血液型で異なり、血液型を決定しています。
A型抗原の最終末端:N-アセチルガラクトサミン(N-acetyl-D-galactosamine)
B型抗原の最終末端:D-ガラクトース(D-galactose)
O型抗原の最終末端:L-フコース(L-fucose)
AB型抗原の最終末端:N-アセチルガラクトサミンとD-ガラクトース

このような血液の性質によってABO血液型が決定されており、そのしくみには赤血球の表面にある抗原と、それに反応して血液を固めてしまう(凝固)性質が関わっています。
このテーマの初回で説明したように、赤血球の表面に存在している膜抗原は、前回紹介したように以下のような赤血球細胞表面以外の細胞や組織の表面にも存在しています。
上皮細胞(皮膚、眼、鼻、口、耳管、咽頭、肺、食道、胃、腸、膀胱、尿道、膣)
関節の滑膜
血管内皮細胞(血管、リンパ節、心臓、肺、腹部、骨盤)
分泌液(唾液、消化液、鼻の粘液、母乳、涙、汗、精液、膣分泌液)

さらに、これらの血液型特有に持つ抗原に結合して血液を凝固させてしまう抗体(血液を凝固させるので凝集素ともいう)と同じ働きをする物質をヘマグルチニン(hemagglutinins:HA)といい、レクチンもその仲間です。特に植物に含まれるヘマグルチニンをフィトヘマグルチニン(植物性ヘメグルチニン:Phytohemagglutinins:PHA)と呼びます。

さて、ここまでなるべく理解していただきやすいように説明してきましたが、少し難しくなってしまったようで、ご容赦ください。今日のポイントは・・・
1、ABO血液型を決定するのは、赤血球の表面にある抗原に結合し、血液を凝固させてしまう物質(ヘマグルチニン)であること。
2、赤血球の表面にある抗原と同類の抗原は、体の様々な細胞組織にも存在すること。
3、血液を凝固させてしまう物質(ヘマグルチニン)は自然界の植物や動物が持っていること。


ここまでを理解していただくと次回からのレクチンが食物過敏症にどのようにかかわっているかが分かりやすくなると思います。

次回は血液型によって異なる食物に含まれるレクチンの反応について・・
by nutmed | 2010-02-22 17:40