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第749回 食物過敏症について レクチン不耐性 その4

今朝起きたときには、ひょっとして桜でも咲いているのでは?と思わせるほど暖かな朝です。毎週水曜日は栄養カウンセリングの日なので、起床は午前5時。午前7時前には栄養医学研究所へ出てメールのチェックや雑務をこなしますが、少し前まではまだ暗かった朝も、日の出の時間が早くなり、オフィスにつくころには朝陽がまぶいしい季節になりました。もうすぐそこまできてますよ、桜の開花が!

さて、今日はいよいよ血液型とレクチンの関係についてです。
まずは最初に以下のグラフを見てください。これはアメリカで血液型と食物過敏症の研究を長年にわたって続けているDr.Powerの研究所が、1985年から2004年までの20年間にわたって500人の異なる血液型の患者とボランティアに行った食物過敏症の研究データの中の1つです。
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このグラフは、血液型によって主要な食材にアレルギー反応(IgG抗体)の程度が異なる傾向を証明した報告です。この研究結果の評価はアメリカでも非常に高いものですが、この中に日本人が含まれていないこと、ABO血液型(一部RhとMN型の報告もあり)のみであること、また、Rh型の違い(日本人は0.5%がRh陰性、極東の黄色人種では1%がRh陰性、一方白人では15%がRh陰性で、黒人は黄色人種と白人の中間)やアジア人の血球や組織の抗原特異性や頻度は白人とは異なることもあり、全ての食物過敏症がABO血液型で解明できるとは思いませんが、このような長期にわたった研究が世界初であることと、いままでに説明してきたレクチンという物質がABO血液型を決定する背景にあり、赤血球を凝集させる性質をもつこと、そしてその凝集の原因になるABO抗原は体内のあらゆる細胞膜にも存在するという、従来からのエビデンスを考慮すると、今後の食物過敏症(アレルギーを含む)の予防や改善には大いに役立つ研究報告であることはまちがいありません。
食材に対する反応の程度は、黄色線まではIgG抗体の反応が弱い、オレンジ色線まではIgG抗体の反応が中程度、赤色線を越えるとIgG抗体の反応は非常に強いと判断します。
興味深いのは、乳製品と卵に対しては、全ての血液型で中程度以上の反応を示していることに対して、肉類と魚貝類に対してはほぼ全ての血液型で反応は比較的弱いということです。また、全体を通してA型ではIgG抗体をつくってしまう食材反応がほかの血液型に比べ比較的弱いということです。
最近日本でも栄養療法、アレルギーを専門に扱うクリニックや病院でも食物に対するIgG抗体検査を行う施設が増え、検査結果による食事指導を行っていますが、このときに血液型との関係を考えてみることによって、すでに症状とし現れているものもいないものも、その改善の手段と幅が広がると私は考えています。
もう1つ、このブログを購読していただいている読者の中にはドクターや看護師などの医療従事者や栄養士の方もいるようですが、中には既にクライアントのIgG抗体検査を行ったことがある方もいることでしょう。私も青山外苑前クリニックの栄養カウンセリングで何人かのクライアントの食物に対するIgG抗体検査結果を見せてもらったことがあります。症状は腸の働き、神経的な症状、慢性的な栄養吸収障害など、明らかに食物過敏の症状があるにも関わらず、中には明らかにこのABO血液型とは無関係の傾向が表れているクライアントが少なくありません。この中にはレクチン不耐性の影響よりも、もう少し大きな異物の塊(免疫複合体)が関わっている食物過敏症があるのではないかと思っています。免疫複合体と食物過敏症の関係は、今後紹介していきます。
by nutmed | 2010-02-24 07:31