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第765回 食物過敏症 セリアック病と甲状腺

今日は4月1日。早いものでもう1年の1/4が過ぎました!今日は朝からうれしいニュースがあります。2年前から企画してきた「家庭で行う栄養療法」の学習ガイドのソフトが、プレーステーション4のソフトとして発売されることが決まり、このソフトによって、ご家庭でテレビゲーム感覚で毎日の体内環境チェックや、症状別に有効な栄養素の種類や量が、年齢性別によって知ることができるようになります。

さて、今日はセリアック病と甲状腺の働きについてです。
甲状腺は首の前部にあるチョウチョの形に似た小さな臓器ですが、人間の体内環境にとっては非常に大きな仕事をしている臓器の1つです。甲状腺で作られるホルモンは代謝のコントロール、筋肉と骨の成長などを担っていますが、この臓器に異常を来たしホルモンの生産や量が変化することのよって、様々な症状が現れます。体温の調整(低体温)、体重の増加なども甲状腺の働きによる影響であることが多く、セリアック病の人が急激な体重増加や周囲の温度に体が対応できない症状が現れる背景の1つでもあります。
突然、原因がわからない低体温や微熱を繰り返したり、食生活の大きな変化がないにも関わらず体重が急に増えてくるような症状がある場合には、甲状腺の働きを疑ってみて、専門のドクターに診てもらうことと同時に、その元々の背景にグルテンに対する反応がないかを確認してみるべきだと思います。
これもまたメカニズムは明確になってはいませんが、セリアック病の人の多くは、甲状腺の働きが低下する甲状腺機能低下症や橋本病と関わっていることが報告されています。甲状腺機能低下は、妊娠や外傷などの肉体的なストレス、著しい精神的ストレスなど、体の代謝に影響を与える状態の後にスタートすることが多いと言われています。言いかえれば、このような状態のときには、体が必要とする甲状腺ホルモン量が多くなりますが、その要求を満たすだけの甲状腺ホルモンの生産ができないということです。甲状腺ホルモンの生産量が低下し、機能が低下し始めることで、慢性的な疲労、副腎疲労、うつ様症状、筋肉のけいれん、慢性的な便秘、低体温、乾燥肌、皮膚の硬化などの症状があらわれてきますが、セリアック病の人では同様にこれらの症状が頻繁に現れるようになります。
甲状腺機能低下の場合には、甲状腺ホルモンを投与する甲状腺ホルモン補充療法が一般的に行われますが、原因の背景がセリアック病にある場合には、甲状腺ホルモンの補充には注意をする必要があります。その1つは大豆の成分は、いくつかの甲状腺ホルモン剤の吸収を抑制する作用があること。もう1つは、セリアック病の人の中には厳格なグルテン除去食を継続することで、甲状腺の働きが正常に戻ることがあることです。
セリアック病の人の中でグルテン除去食のメニューの中に大豆(黄粉)をとりいれている人は少なくありませんが、大豆の影響で思った以上に甲状腺ホルモンの数値が上がってこないだけでなく、症状が改善されないこともあります。さらに、グルテン除去食の効果によって、甲状腺の働きが正常に戻った場合には、甲状腺ホルモンの補充を中止しないと、今度は甲状腺機能が高くなる甲状腺機能亢進症に至ることもあるわけです。
by nutmed | 2010-04-01 10:15