第777回 血圧コントロールと栄養 その5

日曜日は絶好のツーリング日和だったので久しぶりに秩父方面に走りに行ってきました。早朝6時に家を出て、渋滞のない飯能からの山道は、ヘルメットを通して肌をつく風が冷たく新鮮でした。午前10時前には帰宅して、庭一面に散らかった桜の額の掃除でした。

さて、今日から血圧コントロールに有効な8つの素材を紹介していきます。初回の今日はCoQ-10とビタミンDです。

1、CoQ-10
CoQ-10は正常な血圧を維持コントロールする働きを持った機能性素材の1つですが、2007年にアメリカのJournal of Human Hypertension誌で発表された362人を対象に行われた研究内容によれば、1日あたり30-360mgのCoQ-10を摂取することで、血圧上では平均16.6mgHg、血圧下では平均8.2mgHg、血圧が低下したことが報告されています。この背景には、CoQ-10には心臓の筋肉の肥大を抑制改善する作用があるものと考えられています。
2、ビタミンD
ビタミンDについては、以前ブログでも特集をしていますのでそちらを参考にするといいと思います。血圧とビタミンDの関係については、レニンというホルモンと密接な関係があります。レニンは何らかの理由で血圧が低くなると分泌されるホルモンで、レニンが分泌されることによって、体液の量が増え血圧は上昇しはじめます。ビタミンD(活性型ビタミンD)にはこのレニンの働きを抑える作用があり、不用意な血圧上昇を抑制してくれます。日本では、高血圧の人を治療、経過観察をする場合、血液中のビタミンD(25-OH-ビタミンD)の検査する先生は多くないようですが、定期的に検査してモニター(60-70ng/mlを維持させる)することは有効な指標になると思います。また、1日あたり150マイクログラムのビタミンDの摂取は、血圧の上昇を抑えることが報告されています。
ビタミンDが血圧の上昇に与える影響の背景の1つには、前回紹介したカルシウムと血圧の関係があります。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進させる働きがあるので、ビタミンDが不足することで、食物から摂取したカルシウムの吸収が低下する可能性があります。
以前のブログでビタミンDを特集したときにも紹介しましたが、体内にどのくらいビタミンDが蓄積されていることも重要ですが、25-OH-ビタミンD(体が使える形のビタミンDの活性)がどのくらいあるかを確認することは、血圧のコントロールのために有効な検査だと思います。
by nutmed | 2010-04-26 11:24