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第778回 血圧コントロールと栄養 その6 マグネシウム

今朝のニュースを見ていると、 日本動脈硬化学会は26日、健康診断で心筋梗塞(こうそく)などの危険度の判定に使われている悪玉(LDL)コレステロールについて、「現行の直接測定法には問題があり、今のまま診療や健診に用いるのは適当でない」とする声明を発表したことが報道されていました。これにともなってメタボリック症候群の診断検査に総コレステロールを追加を求めたということです。いままでの方法では、LDLコレステロールを、総コレステロールからHDLコレステロールを引いて計算で求めていたわけで、それが問題があったということは、今まで受診して検査し、診断されていた人はどうなるのでしょうね・・・

さて、今日は血圧コントロールに有効な8つの栄養素の2回目、マグネシウムについてです。マグネシウムについては2回にわたって紹介します。少し長くなりますが、ついてきてくださいね。

マグネシウムは人間の体を構成している約60兆個もの細胞、そしてその細胞で形造られる組織の働き、またビタミン、ミネラル、タンパク質、炭水化物、脂質など栄養素の働きおよび各種酵素の働きには不可欠なミネラルの1つで、血圧のコントロールもその1つです。皆さんも、「マグネシウムと血圧」についてネットで検索してみると沢山の記事がでてくると思いますが、国内外の記事や文献を見ても、マグネシウムが単独で血圧のコントロール、特に血圧を下げる効果についての文献や記事は、明確なものがなく、また症例数も少ない状況でした。マグネシウムが血圧を下げる効果の記事や文献の内容を見ると、実はマグネシウム単独ではなかったことも少なくありません。しかし、2009年6月にアメリカの高血圧に関する学会誌(American Journal of Hypertension 2009 Oct;22(10):1070-5.)でギリシャのAristotle大学の研究チームが発表した研究内容では、12週間のサプリメントによるマグネシウムの単独摂取(1日あたり600mgを3回に分けて摂取)によって、中程度の高血圧患者の血圧が平均で、上が5.8mmHg、下が2.8mmHg
下がったという報告があります。マグネシウム単独での血圧低下の研究報告としては、はじめての報告になると思いますが、この報告によって、サプリメントによるマグネシウムが単独でも血圧を下げる作用があることが証明されたわけです。実際にコロラド在住の私の友人のドクターのクリニックでも、高血圧の改善にかなり以前からマグネシウムを単独で使っていますが、彼のクリニックでは平均して上が20mmHg、下が8mmHg下がると言っていたことがあります。
日本ではミネラルと言えばカルシウムの不足のことや、カルシウムの摂取のことについては盛んに取り上げられていますが、カルシウムにも勝るとも劣らず、人間の体には重要で必要不可欠なミネラルです。

マグネシウムは多くの野菜、果実、動物性たんぱく質に含まれているミネラルです。私自身はサプリメントの熱狂的な信者でも愛好家でもないですから、ビタミンミネラルについていえば、本来は食事の中で様々な食材から摂取するべきだと考えています。マグネシウムもまた同様です。しかし、マグネシウムがリッチな食材を食べないこと、食材に含まれるマグネシウム量、食事の仕方、胃酸や消化酵素の分泌量など、マグネシウムの吸収に不可欠な条件が不十分な現代人の食生活を考えると、マグネシウムが十分量であるとは言い難い状況があります。加えて、ストレスや薬剤の多用によって、体内に蓄積されているマグネシウムの需要が高くなり、また薬剤の影響によりマグネシウムの体外への排泄が進んでしまう状況は、現代人にとって日常的に起きていると言わざるをえません。このような背景から、マグネシウムは、日常から積極的にサプリメントなどで摂取するべきミネラルと言ってもいいでしょう。

体内のマグネシウムの多くは筋肉などの細胞と骨に蓄積されています。マグネシウムは人間の細胞に存在するミネラルとしては、カルシウムに次いで2番目に量が多く、細胞の働きに不可欠なミネラルです。マグネシウムのもっとも重要な働きの1つは、細胞で作られるエネルギーに直接かかわるだけでなく、エネルギーの運搬にもかかわる働きです。
そのほか、マグネシウムには以下のような働きにかかわっています。
・カルシウム、リン、亜鉛、銅、鉄、ナトリウムの代謝
・300種類以上の酵素の活性
・神経の働き
・ホルモンの働き
・筋肉の働き
・免疫の働き
・血圧のコントロール
・血糖のコントロール
・脂肪の代謝
・DNAの合成

これ以外にも、マグネシウムが直接的にも間接的にも影響を与える体内環境はたくさんあります。
言い換えれば、マグネシウムが不足することによって、これらの働きに影響を及ぼす可能性は非常に高いということでもあります。
by nutmed | 2010-04-27 10:18