2010年 05月 01日
第781回 血圧コントロールと栄養 最終回
1昨日は鬼怒川温泉に1泊でしたが行ってきました。「ゆったり、たっぷり、のんびり」の3拍子揃ったおもてなしの温泉と食事に大満足で、胃腸の動きも活発になったようです。
さて、今日は7回にわたって続けてきました、血圧コントロールと栄養の最終回になります。
6、L-カルニチン
L-カルニチンは、アミノ酸のリジンとメチオニンによって、主に肝臓と腎臓で合成されるアミノ酸複合体で、体内では脂肪酸を利用してエネルギーを消費する組織で消費されますが、もっとも需要が多い組織は心臓と骨格の筋肉になります。このときのL-カルニチンの役割は、細胞の中にあるエネルギー生産工場でもあるミトコンドリアに必須脂肪酸を届ける、いわば運び屋の役目です。
2007年の高血圧に関する医学誌(Journal of Clinical Hypertension 2007;9:249-255)で発表された報告によると、L-カルニチンが上腕の動脈の径を平均で2.3%拡張し、上の血圧を9mmHg低下させたことを報告しています。これはL-カルニチンが筋肉でのエネルギー消費にかかわっていることがあり、動脈血管の壁を構成する筋肉組織が正常に働き、壁の厚みを増すことを防いでいることにも関係していると考えられます。
7、レスベラトロール
アメリカではレスベラトロールの人気は衰えるどころか、益々人気は高くなっています。レスベラトロールについては以前ブログ紹介していますが、レスベラトロールには脂質異常症(以前は高脂血症と呼ばれていました・・)の最大の原因でもある脂質代謝、特にLDL-コレステロールを低下させる作用があり、血管壁が厚くなり血圧を上昇させる背景を予防してくれ可能性が高いと言えます。
また、レスベラトロールには、血圧上昇にかかわるアンギオテンシン転換酵素(ACE)の働きを抑えてくれる作用が確認されていて、高血圧の治療で処方されるACE阻害剤にも近い作用を持つことも報告されています。
8、メラトニン
メラトニンは日本ではサプリメントとしては扱われていませんが、アメリカやカナダでは不眠の改善に使われる、習慣性のないサプリメントです。メラトニンは人間の脳
などで作られる、睡眠にかかわるホルモン様物質で、もともとはアミノ酸のトリプトファンからセロトニンが合成された後に作られる物質です。
メラトニンが血圧を下降させる働きを持つことについては、2004年にハーバード大学から、また、2006年にはイスラエルのテルアビブ大学の研究チームが発表しています。
メラトニンは、いわゆる体内時計のコントロールにかかわっている物質であることから、自然にメラトニンが生産され、分泌されることで眠りが起こり、体と脳は安静休息期に入り、血圧が安定するものと考えられています。テルアビブ大学の報告によれば、就寝前に2mgのメラトニンを服用することによって、血圧の上が平均で6mmHg、下が3mmHg低下することが報告されています。


