第784回 ザクロの作用効果について その2

昨日今日は、梅雨の予行演習といった雰囲気のある天気です。午後からは東京の雨もあがるようですが、5月だというのに気温が上がりませんね。

さて、今日はザクロの作用効果の2回目。ザクロのメタボリック症候群改善効果についてです。

今日は最初から少し難しい話になりますが、ついてきてください。
人間の体内で働く酵素は、わかっているだけでも4000種類を越えますが、その中に、肝臓で合成される酵素の1つである「パラオキソナーゼ(PON)」という酵素があります。
この酵素は、有機リン系殺虫剤などのエステル物質を加水分解する酵素として知られています。PONにはいくつかの種類があり、PON-1は血液中ではHDL-コレステロールと結合している酵素で、血管壁に付着したLDL-コレステロールを掃除してくれたり、コレステロールの酸化を防いでくれる作用をもっています。PON-2はPON-1とほぼ同じ作用を持ちますが、血液中よりも細胞内で作用することがおおい酵素と言えます。
PON-1もPON-2もコレステロールの働きにかかわる酵素ですから、これらの酵素が少なくなることで、コレステロールを含む脂質の働きに影響を与え、脂質異常症(以前は高脂血症と呼ばれていました)、糖尿病、高血圧などの生活習慣病をはじめ、肥満を中心とするメタボリック症候群、また心筋梗塞などの原因背景にもなります。
この数年の間の研究で、ザクロに含まれるポリフェノールには、PONの肝臓での合成にかかわる遺伝子の発現にかかわっている可能性が高いことが報告され、またPONが増えることによってHDL-コレステロールが増加し、それによってコレステロールの代謝が良好になることがわかりはじめました。
イスラエルの研究チームの発表では、重度の動脈硬化患者に1年間、毎日200ccほどのザクロ100%のジュースを継続して飲んでもらったところ、動脈の膜厚が最大で30%減少し、またPON-1が著しく上昇し、LDL-コレステロールも低下したという報告があります。また、糖尿病(Ⅱ型糖尿病)、脂質異常症や肥満の人では、PON-1が低いことが報告されていることから、ザクロに含まれるポリフェノールの機能性は、これらの症状の改善と予防に有効であると考えられています。
ザクロ(ジュース)の継続摂取は、メタボリック症候群の改善や予防に有効であると言ってもいいかもしれませんね。
by nutmed | 2010-05-12 07:01