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第791回 脂肪の取り方によるカルシウムとマグネシウムの吸収

今朝の東京は昨晩からの雨もあがり、朝から気温は一気に上昇中です。現在午後2時少し前ですが、気温は30℃を越えました。今日は夏日です!

さて、昨夜原稿書きのための調査で文献検索をしていたときに、面白い研究論文をみつけたので紹介しておきます。この論文はデンマークの研究グループが2000年に、アメリカの消化器研究会の医学誌で発表したものです(Absorption of calcium and magnesium in patients with intestinal resections treated with medium chain fatty acids, Gut 2000;46:819-823 doi:10.1136/gut.46.6.819)
この論文によれば、人の食事に含まれる中鎖脂肪酸(以前のブログで少し紹介しています)と長鎖脂肪酸の量の違いによってカルシウムとマグネシウムの吸収率が異なるかどうかの検討をした結果、中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸を50%づつ加えた食事では圧倒的に排便量が増えているものの、カルシウムとマグネシウムの吸収率は著しい違いはなかったと結語しています。
しかし、論文内容を良くみると、カルシウムについていえば、中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸が50%づつの食事の場合には12.5%、長鎖脂肪酸が多い食事の場合には8.6%、マグネシウムについていえば、中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸が50%づつの食事の場合には2.9%、長鎖脂肪酸が多い食事の場合には5.4%という結果が出ていています。確かに「著しい差異」はないかもしれませんが、有意に差があることは事実のようです。
元来、カルシウムもマグネシウムも水溶性ですから、脂肪酸の構造の違いによって吸収に差が生じるのかは不明ですが、脂肪酸の主たる構造がC(炭素)であることから、マグネシウムとカルシウムのイオンに関係があるのかもしれません。

ただし、この論文には、分析されたカルシウムとマグネシウムが食材からの摂取と書かれていますが、元々体内に存在するカルシウムとマグネシウムの違いをどのようにして判断したのか・・興味のあるところです。

それではよい週末を!
by nutmed | 2010-05-21 14:08