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第809回 逆流性食道炎(GERD) その5

今朝の天気予報では、「今日は貴重な梅雨の晴れ間・・」と言っておりましたが、今年も雨が降らないカラ梅雨になるような気がしていますが、大丈夫なんでしょうかね。予報でも明確に梅雨入り宣言が無くなり、「梅雨に入ったようだ・・」と自身なさげなコメント。どうも曖昧さが残ってシャキっとしない最近の予報ですね。

さて、今日は逆流性食道炎の5回目。胃酸が出すぎるという逆流性食道炎のアプローチについてです。
前回紹介したように、現在の逆流性食道炎の治療アプローチでは、胃酸の分泌を止めてしまうプロトンポンプ阻害剤が主流になっています。その根底には、「胃酸が出すぎている」という逆流性食道炎のスタート時点の考え方があるように感じます。
しかし、よく考えて見ると逆流性食道炎の原因である、胃酸や未消化の食物が逆流してしまうことと、胃酸が沢山分泌されていることは決定的な因果関係ではないとDr.ライトは言いますが、私自身もそう思っています。胃酸の量が少なくても、食道下部の括約筋の働きに問題があったり、食事の仕方、食事の時間や量によって、胃酸が逆流して食道の粘膜に炎症を起こすことはあります。また、プロトンポンプ阻害剤を使用しても、逆流性食道炎の治療効果が見られないケースが少なくないことと、プロトンポンプ阻害剤を汎用することに疑問を持っているドクターも少なくないことも事実です。一時的に、胸やけ、ムカムカするような症状など、逆流性食道炎の症状を抑えることは可能かもしれませんが、逆流性食道炎や一過性LES弛緩の原因が、胃酸ではなく、食道下部の括約筋の働きにあることはわかっているわけですから、「食物から、生きるために不可欠な栄養素を消化分解する役割をもった胃酸」の働きを考えるのであれば、生活の質(QOL)だけでなく、体内環境にも大きな影響を与える可能性のある胃酸の分泌を止めてしまうことは、十分に考慮したうえでのアプローチであるべきで、また安易に胃酸の分泌を止めてしまう方法を患者がドクターに求めることも、十分に説明を聞いて理解したうえでということが望ましいと思います。

次回からは胃酸分泌が低下がもたらす影響についてです・・
by nutmed | 2010-06-17 09:42