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第820回 胃酸と吸収 亜鉛の吸収について 

先週唐突に購入し、今まで使っていたNokiaのスマートフォンから鞍替えしたiphoneは、実際に使ってみると、使う人がiphoneを遣う目的をハッキリと持っていたほうが、使い勝手がいいことがわかりました。つまり、漠然と「iphoneがいい」ということではなく、仕事や趣味で使う目的を明確にしておくほうがいいと思った次第です。きっとまだまだ進化するんでしょうねスマートフォンは・・

さて、今日は胃酸と吸収、亜鉛の吸収についてです。
亜鉛についてはこのブログでも何回は登場しているテーマのミネラルですね。
カルシウムやマグネシウムと同様に、様々な栄養素の代謝の過程で重要な役割を担っているミネラルの1つで、細胞膜の新陳代謝、骨の髄の形成、免疫応答システム、視力、それに多くの酵素の触媒として不可欠なミネラルです。特に、必須脂肪酸のオメガ-3やオメガ-6脂肪酸の代謝の過程では、亜鉛が不足することで合成転換酵素が働かず、折角摂った脂肪酸も期待通りに作用しないことは少なくありません。
亜鉛もまた、その吸収には胃酸が重要なファクターになります。1991年と1993年にアメリカで発表された臨床検討によれば、亜鉛の吸収には胃酸が必要であり、少なくとも胃酸のpHが5よりも高い、つまりよりアルカリ性に傾いている場合には、亜鉛の吸収が50%低下すると報告しています。この検討では、胃酸と吸収のテーマで何回も登場している、タガメットというヒスタミン受容体の働きを抑制する薬と亜鉛を一緒に服用させたときの亜鉛の吸収状態を調べたものですが、鉄などほかのミネラル同様、タガメットを常用している患者では、亜鉛の吸収が著しく低下しています。
日本でサプリメントとして市販されている亜鉛の多くは、ビール酵母から抽出された素材と、最近食品でも使用が許可されたグルコン酸亜鉛だと思いますが、最も吸収率が高い亜鉛のフォームは、硫酸亜鉛という硫酸と亜鉛がキレートしたフォームの亜鉛で、欧米で吸収がいいと言われてきた酸化亜鉛よりもさらに亜鉛の吸収効率が高いと思います。日本では硫酸亜鉛は医薬品で使われる素材で、亜鉛欠乏による味覚障害の症状がある患者に対して汎用的に処方されるミネラルフォームですが、食品添加物としても条件つきで「母乳の代替食品」として使用は可能となっています。

亜鉛の吸収については非常に興味深い研究報告があります。2000年にアメリカの眼科専門誌で発表されたものです。加齢とともに増える目の症状の1つに黄班変性(MD)というものがあります。このMDの発症と亜鉛の関係については、過去にいくつかの研究報告があり、亜鉛不足がMDを引き起こすリスクが高くなることが報告されています。この報告書では、胃酸の分泌は加齢とともに少なくなるのは自然の摂理だが、胃酸の分泌を止めてしまったり、胃酸を中和してりまうような胃薬を常用することによって、亜鉛の吸収は著しく低下し、胃酸の分泌が低下してくる中高齢者では、さらに深刻な亜鉛不足を起こしやすくなり、結果としてMDを発症させたり、症状を悪化させる可能性があるかもしれないとしています。
(Age-Related Eye Disease Study Group: Risk factor associated with age-related macular degeneration, Ophthalmology. 2000; 107:2224-2232)
by nutmed | 2010-07-07 08:04