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第837回 胃酸不足とアレルギー症状 LGS その2

前回のLGSの自己判定の結果、皆さんはいかがでしたか?
これでLGSの有無が確定するわけではありませんが、スコアが20を超えてくる人は、LGSの可能性または腸の働きに何か問題がある可能性がかなり高いと考えられるでしょう。
今日からは、復習の意味もこめて、LGSについてその背景や原因を数回にわけて紹介します。

Leaky Gut Syndrome(LGS)とは、病気の症状を表すいわばニックネームのようなもので、LGSそれ自体は病気ではなく本来は、「腸から栄養素や食物分子などが体の内に漏れて侵入してしまう」(英語ではIncreased intestinal Permeabilityと言います)状態を通称としてこのように呼んでいます。
このLGSは、皆さんが驚くほど沢山の病気の引きがねにもなりますが、その原因もまた様々な背景があります。この小冊子を読み終えたときに、皆さんがLGSおよび、栄養素の吸収について知ることができ、きっと目から鱗が落ちたように、日常の食生活環境に対して今まで以上に注意を向けていただければ幸いです。

○LGSによって引き起こされる病気や症状
いきなり結論から入るのも順序が違うかも知れませんが、まず、皆さんにLGSの症状が深く関わっている病気、また、LGSによって引き起こされる症状を知っていただき、常にそれを頭の中に描いてこの先の説明を読んでいただければ、一層、LGSへの関心、興味が沸くと思います。
LGSと深い関係を持ち、LGSが原因で発症する可能性が非常に高い病気や症状
・ニキビ ・老化 ・エイズ ・アルコール中毒 ・アレルギー症状 ・関節炎  ・喘息 
・自閉症 ・小児多動症   ・クローン病・嚢包性繊維症 ・湿疹 ・食物性アレルギ
ー・アトピー性皮膚炎・蕁麻疹 ・炎症性大腸炎 ・腸内感染 ・過敏性大腸炎 ・栄
養吸収障害・化学薬品過敏症 ・膵臓機能障害 ・乾癬 ・リュウマチ ・精神分裂症 
・潰瘍性大腸炎 ・腹痛 ・恐怖感 ・夜尿症 ・慢性的な吐気 ・慢性的筋肉痛
・錯乱 ・便秘 ・下痢 ・慢性的疲労 ・原因不明の熱発 ・消化不良 ・免疫力低下
・膣感染症 ・皮膚の荒れ ・重金属中毒症 ・不眠症 ・骨粗鬆症 ・ドライアイ

いかがですか? ざっと揚げただけでもこれだけの病気や症状にLGSが深く関わっているわけですが、きっとこの中のどれかに身覚えのあるかたがいるのではないでしょうか。

LGSを理解するうえで避けて通れないのが消化と吸収の働きです。
我々人の消化吸収は、胃や腸だけで行われると考えられがちですが、消化と吸収は、人の体内を貫いていて、口から肛門まで続く1本の管の中で行われています。食べ物が口の中に入り、それを噛む(咀嚼)ことから消化と吸収の工程がはじまるわけです。食べ物は口の中で細かく噛み砕かれ、同時にだ液の中に含まれる消化酵素が絡み合います。食道を通過して胃に送られた食物はここで胃酸と消化酵素の洗礼を受け、次ぎの腸で吸収し易いよう更に細かく分解されます。以下の図は以前から私のブログで何回も登場しているのでおなじみですが、口から肛門までの間のどこで、どのような栄養素が吸収されるのかを説明した図です。LGSが起こるとこの図のような適切な場所で、栄養素の吸収が難しくなるわけです。
第837回 胃酸不足とアレルギー症状 LGS その2_d0070361_7281254.jpg

・腸の基本的役割
腸は、幾重にも曲がりくねった組織で、食べたものから栄養素を消化吸収する以外にも様々な働きがあります。
①胃で小さく分解された食物粒子から栄養素を吸収し、エネルギーに変える
②ビタミンおよびミネラルなどの栄養素を吸収し、タンパク質と結合させて腸管から血液中に運ばせる
③体内の化学物質の解毒を行う
④体の外から侵入してきた細菌やウィルスから体を防御する最初の防衛

・腸の粘膜
腸の壁には絨毛というヒダがあり、これを拡大するとタオルの表面のようになっています。さらにこの上には薄い膜があり、この膜を伸ばして広げると、テニスコートと同じくらいの大きさにもなります。この膜は、通常3~5日で再生されています。この膜があるために、細菌やウィルスの侵入を防いでくれるのと同時に、胃で細かく分解された食物の中の栄養素を吸収できるわけです。
この粘膜が破れてしまうと、細菌やウィルスが体内に侵入して重い感染症や様々なトラブルがおきるだけでなく、胃で十分に消化分解されなかった大きな食物の分子が血液の中を流れはじめます。

・小腸の役目
幾重にも重なっている小腸をまっすぐに伸ばすと約60mにもなります。
小腸では、胃で胃酸によって細かく分解された食物の栄養素が吸収されます。小腸にも膜があって、バリアの役目を担っています。この膜バリアは、分子(物の大きさ)が小さい物質(500ダルトン(炭素原子1個の大きさが12ダルトン)までは通すことができますが、これよりも大きな分子は通さないような構造になっています。
胃酸によって細かく正常に分解された食物の栄養素は、膜バリアを通り、腸壁のすぐ後ろにある血管へ流れこみ、必要な場所へ運ばれます。これが小腸による栄養素の吸収のメカニズムです。
膜バリアが破けて小腸がその役目を果たせなくなると、我々の体にある約70兆個の細胞に、エネルギーとなる栄養素が送れなくなるだけでなく、細菌やウィルス、化学薬品などが体内に侵入してしまします。

この膜バリアはそれほど丈夫な膜ではないので、細菌やウィルス、化学薬品、アルコール、抗生物質など、また胃で十分に分解されない食物が慢性的に接触することによって、また精神的なストレスによっても簡単に破けてしまいます。
by nutmed | 2010-08-04 07:31