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第845回 胃酸と吸収 甘草(リコリス) その2

今朝の東京は今までのむせるような暑さとは違って、肌に感じる朝の風の中に秋の気配を感じることができました。日中の猛暑は相変わらずのようですが、朝晩はようやく本来の季節感が少しですが感じられるようになったような気がします。

さて、今日は甘草の2回目です。
長きにわたって紹介してきたこの胃酸と吸収のテーマのなかで幾度も話してきた、胃酸の分泌を不用意に止めてしまったり、胃酸を中和するような薬を必要以上に乱用依存することによって、栄養素の正しい消化分解、吸収ができなくなります。もし、胃のむかつき、逆流性食道炎、ガスの暴満感などの症状が出やすい、またはそれらの症状の予防を目的とするのであれば、いきなり過激に胃酸を直接止めてしまうような薬を使う前に、まずは今回紹介するDGLを使って症状の状態を確認してからでも遅くはないと私は思っています。DGLは直接的に胃酸の分泌を促進する素材ではありませんが、もし現状または過去にこれらの症状を経験している人であれば、過激な薬を使う前の方法として考えてみてもいいのではないかと思います。
ここから前回の続きです。
望ましくないグリチルリチンの副作用の大部分を取り除いた素材がジグリチルリチンリコリス(DGL:deglycyrrhizineated licorice)と呼ばれるものです。DGLはグリチルリチンを97%取り除いた素材で、甘草のフラボノイド機能成分は残しつつ、カリウムの排泄が進むことによる、水分が体に貯留することによる浮腫み、血圧の上昇、心臓の働きへの影響という厄介な副作用はほとんどない素材です。DGLは胃潰瘍や十二指腸潰瘍の症状緩和改善には優れた作用を持ち、胃酸の分泌を抑えたり止めることなく、炎症を抑える作用があります。
世界中で使われているアスピリンという有名な鎮痛剤がありますが、アスピリンを服用した人の半分以上に起こる、胃の粘膜の損傷があるために、ドクターだけでなく患者の中にもその副作用がイヤで処方を避けることが少なくありません。アスピリンの胃の粘膜への影響を押さえるために、アスピリンを飲む前にDGLを事前に飲むことによって、胃の粘膜が保護されることは、動物実験でも人の臨床試験でも報告されています。DGLによって胃の粘膜が保護されるということは、食物を消化分解するための強力な胃酸から粘膜を保護してくれるということにもなり、ピロリ菌の影響の予防にも繋がると考えます。
このほか、DGLには逆流性食道炎(GERD)の症状の緩和にも有効であることが1980年のアメリカの研究チームによって報告されていることと、慢性的な副腎疲労以前のブログ参照)の際の副腎の働きを改善する作用が報告されています。
DGLについては、カプセルや錠剤で飲むよりも、タブレット状になったいわゆるチュワブルタイプのものが使用しやすいだけでなく、胃の粘膜に対して穏やかに作用をもたらしてくれると思います。

DGLは以下の医療施設で相談にのってくれます。
・神尾記念病院アンチエイジング外来
・青山外苑前クリニック
・岡田クリニック

by nutmed | 2010-08-25 06:58