2010年 09月 07日
第900回 2010.9 ビタミンD トピックス その2
1か月新聞をやめてみたものの、情報へのアクセスには不便は感じることがないばかりか、精神的なストレスがかなりなくなったことを実感しています。
さてさて、今日はビタミンDの2回目です。
ビタミンDはそれ自体が単独で何かの作用を持ってはいますが、「受容体(レセプター)」に結び付くことで作用をすることが多いと言えます。ビタミンDが「鍵」だとすれば受容体は「鍵穴」と考えてもらうとわかりやすいかもしれませんが、ドアを開けるためにはビタミンDが不可欠という関係になります。
かつて、体内のビタミンDの受容体のほとんどは骨、腸、そして腎臓に存在すると信じられてきましたが、科学の進歩に伴い、ビタミンDの受容体は体内のいたるところに存在していることがわかりました。今では、脳にもビタミンDの受容体があることがわかり、情緒や睡眠のコントロールにかかわるセロトニンの合成にビタミンDがかかわっていることがわかっています。この背景から、うつ病の人の中にはビタミンDの摂取量不足、または肝臓、腎臓におけるビタミンDの活性型への変換能力が引く可能性の人がいることもわかりはじめ、症状改善と緩和にビタミンDの摂取が有効であることも報告されています。
ビタミンDの受容体が多く存在する場所としては脂肪があり、脂肪を燃焼させるためにはビタミンDが不可欠であることもわかってきました。通常、食事をしていて満腹感を感じると同時に、脂肪細胞から「レプチン」というホルモンが分泌されてきます。レプチンについては以前のブログで紹介しているので詳細はそちらを参考にしてください。ビタミンDが不足していると、食欲を抑えるこのレプチンの働きを阻害することがわかっています。つまり、ビタミンDが不足している人では、食事をしてもなかなか満腹感を感じられず、過食になり、肥満に導かれることになる可能性が高いということです。また、ビタミンDには膵臓がインスリンをつくる際、およびインスリンに対する抵抗性(インスリンが出ても血糖が代謝されにくい)にもかかわっているため、ビタミンDの不足は、いわゆる2型糖尿病の引き金や、血糖コントロールをしにくくさせてしまう可能性が高くなります。
以前セロトニンと食欲、特に炭水化物の欲求について紹介したように、セロトニンが不足することで、肥満の原因にもなる可能性のある炭水化物の過剰摂取と、食欲のコントロールがしにくくなるだけでなく、セロトニンから変化して作られる、睡眠に直接関係のあるメラトニンにも影響がでてくることがあります。
これらビタミンDの働きや関与する働きを見ても、ビタミンDは他のビタミン類とは明らかに一線を画すビタミンであることがわかりますね。


