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第902回 2010.9 ビタミンD トピックス その4

昨晩の関東地方の雨は尋常ではなかったですね。久々の雨で潤うのはいいですが、昨夜の雨は公共交通への影響もあったほどの、異常な雨でした。都内でも青山や恵比寿では道路や地下鉄にも影響があったようです。これからくる台風は皆こんな被害をもたらすとなると少し心配です。

さて、今日はビタミンDの4回目です」。
欧米の学者や医師の多くが想像していたよりもビタミンD(活性のある)が不足傾向にある背景の大きな原因の1つが過剰な脂肪蓄積であることに疑いの余地はないでしょう。肥満の背景にある過剰な脂肪がビタミンDの不足を招くことと同じように、ビタミンD不足によって、炭水化物の摂取量や食欲のコントロールが引き起こされ、結果として肥満を作り出す原因にもなっていること(前回のブログで紹介)考えると、単に不足しているビタミンDを食事やサプリメントで補えばいいということにはなりません。
この50年ほどの間に、人間は日光を浴びる習慣が少なくなり、紫外線によって体内で合成できるビタミンDの量も格段に少なくなっていると考えられます。その背景には、皮膚がんの予防やメラニンの合成促進、沈着を避けることが生活習慣の中に浸透してきたこともありますし、屋内でのアクティビティが圧倒的に増えたこともあるでしょう。
人間は、何万年という永い歴史の中で、紫外線によって体内でビタミンDを合成する能力を身につけてきたと考えられますが、私はこのわずか50-100年の間に、少しづつではあるものの、この能力が衰えはじめているのではないかと感じています。もっともこれはビタミンDに限った話ではないかもしれません。
日本をはじめ世界各国で、紫外線の照射量とビタミンDの合成量の検討を行ったデータは数多く報告されていますが、それらの報告を見る限りでは、やはり秋から冬、春先までの紫外線照射量は少ないので、ビタミンDの体内合成量も低下している結果は世界共通のことです。老若男女を問わず、屋内で過ごす時間が多くなった昨今の生活環境、また紫外線は悪の根源のように、女性たちはこぞってSPFの数値の高いクリームを使う現代においては、自らが合成できるビタミンDの量が少なくなったと結論づける報告もあるようです。確かに、昔に比べて直接紫外線を浴びることは少なくなったかもしれませんが、紫外線、特にビタミンDの合成に必要なUVBと呼ばれる紫外線の透過性は比較的いいので、顔や腕にSPFのクリームを塗っていても、また日傘を使っていたとしても、それ以外の皮膚に照射される紫外線量は想像以上に多いという報告もあります。ただ、いずれにしても日光に浴する、太陽の光を浴びる環境を、1日わずかの時間でいいからつくることが大切だということですね。紫外線量とビタミンDのことを語るときに必ず引き合いに出るのが、1年を通じて日照量が少ない北欧諸国の民族の生活習慣でしょう。確かに北欧の人々が紫外線の恩恵を受ける時間は少ないと言えますが、骨の症状、代謝に関わる症状、乳がん、前立腺がん、大腸がんなど、ビタミンDの作用に関わる症状の発症率が飛びぬけて多いかと言うと、そうではなく、むしろ少ないと言えます。その背景には食材からのビタミンD摂取量が諸外国に比べて非常に多いということが言えるでしょう。
DHA/EPAが豊富な、タラ、ニシン、イワシなどの魚にはビタミンDが非常に豊富に含まれていますが、これらの食材は生、加工を問わず、北欧の人の食生活に根づいています。また、さらに北に住むエスキモー(ユーピクス族・イヌイット族)などの民族でも同じです。

ビタミンDと紫外線量、それに加えて皮膚の色の関係については次回に・・
by nutmed | 2010-09-09 11:12