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第907回 糖化について その1

今日の東京は急に秋めいてきたような風です。今までの残暑が嘘のように気温もさがりはじめました。週刊予報を見ると、今週末までは30℃を境に残暑は残るようですが、朝晩の風は確実に秋の色が濃くなっているのは嬉しい限りです。

さて、今日は糖化(Glycation)につてです。数回にわけて紹介する予定です。
私は、2009年の12月のブログで、今年2010年は糖化抑制が日本でも話題になるだろうとお話しましたが、今年に入り、医学会だけでなく、一般の方が見る雑誌や番組でもようやく糖化とその抑制についての話題が多く出るようになりました。
糖化を理解するときにわかりやすい例えになるのが「メイラード反応」、別名「褐色反応」という化学反応です。メイラード反応については小中学校の理科の時間に習ったはずですね。
少し難しく説明すると、物質(動植物)の中にある糖とたんぱく質(アミノ酸)が反応して、褐色に変化する反応です。物質が何かに変化する場合には、酵素(触媒)がかかわることが多いですが、メイラード反応の場合には酵素が関与しません。メイラード反応によってモノの色が褐色に変化する反応には、温度とpH(酸度/アルカリ度)が深くかかわっています。
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たとえばこの切ったリンゴ、皆さんも経験があるでしょうが、切ったリンゴをいつまでも放置しておくと、果肉が褐色に変化しますが、これがメイラード反応、つまりリンゴの果肉の細胞が「糖化」しているということです。
メイラード反応はpHの数値が大きくなる(アルカリ性方向に進む)ほど反応が進んで褐色が現れやすく、また色も濃くなり、pH3-9の間が最も反応が進むと言われています。また、温度が高いほど反応が進み、温度が10℃高くなることで反応は5倍進むとも言われています。
下の写真を見てください。最近は日本でもこんな朝食メニューがホテルやレストランだけでなく、自宅でも振る舞われることも増えてきましたね。
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ここに出されているワッフル、メイプルシロップ、ハッシュドポテト、トーストはすべてメイラード反応によって作られたものです。茶色く焦げたワッフル、トースト、ハッシュドポテト、火で煮詰められたメイプルシロップやカラメルシロップの茶色も全てメイラード反応の賜物なんですね。
メイラード反応は糖がたんぱく質(アミノ酸)と反応して起こる糖化のプロセスですが、これと同じような反応が体内で起こることによって、細胞に様々な影響をもたらすことになります。常に血糖が高くなる糖尿病や白内障、皮膚のシワ、弾力の低下などがこの糖化によって作られているものだとすれば、いかに日常生活で不必要な体内での糖化を促進させないようにするかが、生活習慣病や老化の予防につながるということが理解できるでしょう。
by nutmed | 2010-09-15 14:44