2010年 10月 13日
第922回 2型糖尿病の方は高ORAC食品が有効
さて、今日は2型糖尿病の方の多くが直面する、インスリンへの抵抗性を緩和するために、高ORAC食材が有効であるという話題です。ORACとはOxygeon Radical Absorption Capacityの略で、食物の活性酸素吸収能力を表す単位です。言い換えればこの数字が高い食材ほど、抗酸化能力が高いと考えてもいいでしょう。
アメリカの内分泌学会が今年の6月に発表した報告によると、2型糖尿病と診断された患者を2つのグループに分け、一方には治療薬のメトホルミン(ここを参照)を1,000mgだけを飲んでもらい、他方にはメトホルミン1,000mgに加え、毎日イチゴ、ブルーベリー、レーズンのミックスと、ケールジュース(青汁)、ブロッコリのミックスなど、ORACが高い食材を合計で100g食べてもらった結果、高ORAC食材を食べてもらったグループのほうが、3ヶ月後の血液検査の結果では、明らかにインスリンの抵抗性が低下し、血糖コントロールが改善されたことを報告しています。
これは、メトホルミンのもつ糖化抑制作用によるインスリン抵抗性の低下の働きを、高ORAC食材が持つ強力な抗酸化作用が促進させたことによるものだと考えられています。
ORACの高い代表的な食材には以下のような食材があります。
果実100gあたりのORAC数値
・プルーン :5770
・レーズン :2830
・ブルーベリー :2400
・ブラックベリー:2036
・イチゴ :1540
・ラズベリー :1220
・プラム : 950
・オレンジ : 750
・ブドウ(赤) : 740
・チェリー : 670
・キウィ : 605
・グレープフルーツ : 485
野菜100gあたりのORAC数値
・ケール :1770
・ホウレンソウ :1260
・カイワレ大根 : 980
・アルファルファ: 930
・ブロッコリ : 890
・赤カブ : 840
・赤パプリカ : 710
・タマネギ : 450
・ナス : 390
2型糖尿病の方はもちろんですが、血糖コントロールが良好でない方、糖尿病が心配される予備軍の方にも、これらの高ORAC食材は、インスリンが反応しにくくなる状態を改善予防することに有効だと思います。