第927回 肥満を作り出す要因 男性ホルモン その3

日の出の時間がだんだん遅くなり、6時ではまだ暗い季節になってきました。 この時期になると、年末の各種イベント行事のPRがスタートしますが、11月27日(土)に茅ヶ崎のCafeで初のサロンセミナーを開催することになりました。スペースの都合で人数にはかなり制限があるそうですが、詳細は追って掲載します。

さて、今日は男性ホルモンと肥満の3回目です。
日本では耳にすることがありませんが、アメリカの糖尿病専門医の中には、男性に対して、空腹時血糖値、ヘモグロビンA1cと言った血糖コントロールの指標となる血液検査だけでなく、テストステロンの検査を行い、インスリンの感受性と糖のコントロールの状態を確認するドクターが少なくありません。特に、中高齢の男性や遺伝的に糖尿病リスクのある男性には有効な指標であると思います。
加齢による肥満がどのように進んで行くかをまとめてみると・・・・
テストステロンの低下
    ↓
脂肪の増加(肥満)
    ↓
脂肪細胞中のアロマターゼがテストステロンをエストラジオールへ変換
    ↓
テストステロンがさらに低下し肥満が加速


肥満、特に40歳を過ぎてから腹部を中心に脂肪が蓄積する肥満の状態は、単純にコレステロールが上昇し、メタボリック症候群の可能性が高くなるということだけではありません。
2009年5月のブログで紹介していますが、脂肪細胞の中にはアロマターゼという酵素があります。この酵素は男性ホルモンのテストステロンを女性ホルモンのエストラジオールに変換をする働きがありますが、男性ホルモンのテストステロンがさらに少なくなり、女性ホルモンのエストラジオールが増加することによって以下のような状況を生みだす可能性も高くなります。
エストラジオールの増加の主な影響
・性機能の低下
・不妊症(男性)
・骨の代謝低下
・痴呆症のリスク増可能性

50歳後半以降には、自然な食欲や食事の量の低下によって、脂肪量も徐々に少なくなり体重が減ってくることは多いと思いますが、40から50歳半ばまでに、テストステロン量の低下による肥満と、肥満によってさらにテストステロン量が低下するような時期を経てその時期を迎える場合と、40から50歳半ばに肥満を適切に改善し、場合によっては男性ホルモンを補う療法を受けたうえでその時期を迎える場合とでは、体内環境に大きな差がでることは少なくないと言えるでしょう。 アメリカの研究者の中には、「30から50歳までの20年間に、メタボリック症候群や肥満を経験している男性の場合、60歳以降に痴呆症、骨密度の低下、心臓病を患うリスクが高くなる」という研究者も少なくありません。

40歳から50歳代の男性で、この10年ほどの間に腹部や背中の脂肪が増え、10kg以上体重が増えているような方は、血液検査を受けるチャンスがあれば男性ホルモン(総テストステロンとフリーテストステロン)、女性ホルモン(エストラジオール)の検査を受け、現状の数値を知ることをお勧めします。その数値は現状のホルモン状態を知るとともに、現状の基本の数値になりますから、定期的に検査を受けることで、数値の上下を知るとともに、肥満の改善指標になると考えます。

次回は男性ホルモン低下の改善と予防についてです。
by nutmed | 2010-10-20 07:30