2010年 11月 02日
第937回 マグネシウムと血圧 その2
さて、今日はマグネシウムと血圧の2回目です。
血圧とは文字通り血管の圧力で、体の隅々まで酸素と栄養素を運び、老廃物やコレステロールなどの回収をするために心臓のポンプの働きによって発生する圧力です。圧力の高低の状態によって、血圧が正常なのか、高いのか低いのかを判断しますが、正常な血圧の範囲は、最高血圧(収縮期血圧)、いわゆる「上の血圧」が140㎜Hgから最低血圧(拡張期血圧)いわゆる「下の血圧」が90㎜Hg未満とされています。高血圧の状態とは、上の血圧が160㎜Hg以上、または下の血圧が95㎜Hg以上とされています。多くの方が日常的に「血圧が高い」とか「高血圧のようだ」という会話をしていますが、高血圧の90%以上は原因が不明の「本態性高血圧」と呼ばれるグループに入ります。残りの10%ほどが、薬の長期服用や副作用、腎臓、副腎など血圧を上昇させてしまう原因をつくる臓器の働きの異常や負担、また、妊娠中毒症、血管が詰まるような原因によるものです。ただ、明らかなのは、血圧は60歳を過ぎたころから、心臓の働きが徐々に低下し、血管の壁が厚みを増して硬くなり始めるころには、自然に血圧が高くなること、また、年齢に関係なく、血液の流れを阻害するようなコレステロールやカルシウムが血管の壁に沈着することによって血圧は高くなることは事実です。
ブログ読者の方やそのご家族、友人の中にも高血圧の症状があり、通院のうえ血圧を下げる薬を処方されている方がいらっしゃると思います。現在日本国内で最も多く処方されている降圧剤は、カルシウム拮抗剤と呼ばれる種類の薬で、カルシウムの細胞への侵入を阻害する薬です。前回お話したように、カルシウム(Caイオン)には筋肉を収縮硬直させる作用があるため、血管の壁にある筋肉細胞の中にカルシウムが多く侵入することで血圧が上昇しますが、このカルシウム拮抗剤を服用することによって血圧の上昇を抑えるとともに血圧を下げる効果をもっています。この薬のことをネットで検索していただくとわかりますが、カルシウム拮抗剤を高血圧の治療に使う効果紹介の中に「血管が拡張して流れが良くなることで、脳、腎臓、冠動脈(心臓を養う血管)など大切な部分への血流も増加する」という説明があります。この「血管が拡張して・・」のくだりですが、これはカルシウムの持つ筋肉を収縮させる作用を抑えることと同時に、相対する作用を持ったマグネシウムの作用です。厳密に言えば、カルシウム(Caイオン)の侵入を遮断しても、マグネシウムが十分量でなければ血管の壁を作っている筋肉の弛緩はなく、血管は思うように拡張しないということです。
ここで誤解がないように説明しておきますが、このカルシウム拮抗剤はカルシウムそのものの吸収を阻害したりするものではないので、骨や歯の形成に影響はありません。また、高血圧の人が薬を服用する時にグレープフルーツを一緒に摂らないようにと良く言われますが、これも全ての高血圧の薬に対してではなく、カルシウム拮抗剤に対する服用の注意点です。


