人気ブログランキング | 話題のタグを見る

第939回 マグネシウムと血圧 その3

昨日の文化の日の祝日は、晴れの特異日だそうで、全国的にも穏やかな快晴の1日だったようです。
我が家も早朝から町内会のゴミ拾いで久々に町内会をウロウロしてみました。
今月27日(土)に茅ヶ崎で開催するサロン健康セミナーの事務局から連絡があり、参加申し込みがまだ少ないそうですので、お時間と興味のある方は是非ご参加くださいね。詳細はココをご覧ください。

さて、今日はマグネシウムと血圧の3回目です。
カルシウム拮抗剤はカルシウム(Caイオン)が筋肉細胞に侵入することを防ぎブロックする薬で、「カルシウム(チャネル)ブロッカー」とも呼ばれています。カルシウム拮抗剤が最も多く処方されている背景のひとつに、開発製造されてから長い時間を経過した薬で、テレビのCMでも馴染みのあるジェネリック薬品が多く出回っていることから、価格(薬価)が安いという点と、血圧を下げる薬の中では比較的副作用が少なく、重い副作用も見られない点があるでしょう。しかし、全く副作用がないわけではなく、頭痛、顔面紅潮、動悸、浮腫、血圧の下がり過ぎは、服用している人のほぼ全員が経験すると言われています。特に浮腫(むくみ)は下半身や歯肉に見られる副作用です。
カルシウムブロッカーという点では、マグネシウムはこのような副作用のない、天然のカルシウムブロッカーと言ってもいいでしょう。体内に存在するミネラルの多くは、カルシウムとマグネシウムの関係のように、全く逆の作用を持つものや、互いの作用を打ち消してしまうもの、互いの作用を増強するものがあります。
筋肉の働きに作用するマグネシウムとカルシウムについて言えば、筋肉を収縮させ硬直させる作用がカルシウムにあり、筋肉を弛緩させリラックスさせる作用がマグネシウムにあります。
マグネシウムが、血圧の上昇を抑えてくれる背景には、ナチュラルなカルシウムブロッカーであるこかに、カリウムのコントロールにも関与するミネラルであるという点があります。
カリウムには、骨や歯を作る働きや体内の水分を調節する働きのほかに、マグネシウムと同様血管の壁の筋肉をリラックスさせる作用があります。カリウムは、食事から十分に摂取できるミネラルの1つですから、よほどのことがない限り不足や欠乏することはありませんが、カリウムが不足することで血圧は上昇する傾向にあります。私がアメリカで研修中に1度だけ経験したケースの中に、明らかに食事から得られているカリウム量は不足していることはなく、胃酸や消化酵素の分泌状態も決して悪い状態でもなく、腎臓と副腎の働きも良好だけれども、原因不明の高血圧、いわゆる本態性高血圧のクライアントがいました。その時に私のトレーニングをしてくれていた栄養療法のドクターは、血液と毛髪検査でカリウム、カルシウム、マグネシウムを確認し、マグネシウムが低下していることを説明し、2日に1度のマグネシウム点滴を3回行うことをクライアントに勧めました。2回目のマグネシウム点滴を終えた時には、血圧が正常の数値まで落ち、安定してきただけでなく、血液中のカリウムとマグネシウム量が上がっていることも確認できました。
この背景には、マグネシウムがカリウムの体内での代謝に深くかかわっていることがあって、カリウムが問題なく食事から摂取されていても、マグネシウムが不足しているような場合には、カリウムの吸収と代謝が低下するということがあります。
日本でもアメリカでも、高血圧症状の原因と考えられる背景の中には「低マグネシウム状態」があると書かれていますが、高血圧症状の患者の何%がマグネシウムの数値の確認検査をされているのか、またマグネシウムの数値が低かった場合に、マグネシウムを補う治療を行っているのかについてはわかりません。
しかし、1925年に、血圧のコントロールとマグネシウムの関係についての研究報告が行われて以降、これまでに世界中で、マグネシウム不足が高血圧の背景の1つであることが、動物だけでなく人によるたくさんの臨床検討でも明らかにされていることを考えると、高血圧の治療、予防にマグネシウムの利用を考えるべきだと思います。
日本では相変わらず骨を丈夫にするためにカルシウムの摂取が叫ばれています。もちろんカルシウムは人間の体内環境んいとっては不可欠なミネラルであることは間違いのないことですが、自分の体内環境と症状に加えて、カルシウムとマグネシウムの働きを十分理解したうえで、上手に摂取することが望ましいと言えます。
by nutmed | 2010-11-04 11:19