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第950回 ビタミンB12の不足について 不妊

このブログ今日で950回目を迎えます。最初の大きな節目である1000回まで50回を残すばかりとなりました。この調子で進めば、2011年の2月中旬ころには1000回到達になる予定です。できればそのころには1000回記念セミナーを新年初セミナーとして開催したいと思っています。

さて、今日はビタミンB12の不足の原因の予定でしたが、その前に、ビタミンB12の不足が原因の1つではないかということが報告されている不妊について紹介します。
不妊の原因と考えられているものには、子宮内膜、骨盤、卵巣、ホルモンなど女性の背景にあるもの、精子、ホルモンなど男性の背景にあるものが存在しています。これらの背景によって、排卵されないことや、受精しないこと、受精しても受精卵が胎盤に着床しないことなど、不妊には様々な背景があります。
ビタミンB12の不足と男女の不妊がはじめて研究報告されたのは、1990年代前半のことで、それ以降、ビタミンB12の不足が不妊、特に受精卵が着床後の早い段階に流産してしまう現象に深くかかわっていることと、男性の精子の数と活動率に影響を及ぼすことが世界中の研究者によって報告されています。男性の精子の数とビタミンB12の不足についての研究では、日本の研究チームによる研究が世界的にも最も進んでいます。精子を作る際にはビタミンB12が不可欠なビタミンであることがわかりはじめ、実際、男性側不妊の男性に、1日1000-6000μg(マイクログラム)のビタミンB12を数週間服用してもらったところ、平均で40%精子の数が増え、精子の活動率も向上したことを日本の研究チームが報告しています。
一方、女性の不妊とビタミンB12の関係については、習慣性流産の女性の体内のビタミンB12が不足傾向にあるという調査報告に端を発し、その後、ビタミンB12が卵巣、胎盤、子宮といった生殖臓器の細胞の成長や働きに不可欠であることや、女性ホルモンのエストロゲンの分泌(エストロゲンが高くなることで受精卵の着床を阻害する)にかかわっていることがわかりはじめました。
日本でも、不妊外来を持ついくつかの産婦人科では、不妊治療にさきだって、男性女性のビタミンB12の不足を検査し、不足があった場合には本格的な不妊治療の前に、ビタミンB12(ビタミンB6、マグネシウム、葉酸もあわせて)の補充を行うクリニックや病院があるようです。
今回のビタミンB12の不足のテーマのどこかで詳しく紹介するつもりでいますが、ビタミンB12の過不足の検査については、血液中(血清)のビタミンB12を検査するだけでは不十分で、ビタミンB12の代謝の背景を同時に検査することで、正確なビタミンB12の過不足を確認できると言えます。
ビタミンB12の正確な確認のための検査としては以下の3種類になります。
1、血液中(血清)ビタミンB12
2、尿中メチルマロン酸(ビタミンB12の代謝を確認)
3、血液中(血漿)ホモシステイン


このブログを書くために、これら3種類の検査が日本で受けることができるのかを私なりに確認してみました。これら3つの検査を自前で行っているクリニックや病院はほとんどないので、通常は臨床検査を受託する検査センターに外注をして検査します。血液中のビタミンB12とホモシステインについては、検査センターで実施していますが、それでもホモシステインについて実施している検査センターは多くはないようです。
また、残念ながら尿中メチルマロン酸を実施している検査センターは、私の調査した範囲ではありませんでした。ただ、アメリカ外注をしてくれるセンターはありましたが、検査にかかる費用は生活感のある価格ではありませんでした。アメリカをはじめ欧州諸国では、日常的に行われている検査であると同時に、ビタミンB12の不足がもたらす影響への関心度が日本に比べて高いということなのでしょうか。

ビタミンB12の過不足の確認をお願いする際には、少なくとも血液中のビタミンB12およびホモシステインの検査は必ず受けることをお勧めします。
by nutmed | 2010-11-18 12:50