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第954回 ビタミンB12の不足について ビタミンB12の高値

ブログの読者の方の中にも海外ドラマシリーズが好きな方がいらっしゃるようで、私がつぶやいたLOSTのファイナルシーズン最終話に食いついてくれた方が多数いました。ローハイド、ララミー牧場、それいけスマート、ブラボー火星人、名犬ロンドン、拳銃無宿、ハワイ5-0など、私は子供のころからTVっ子で、海外ドラマは大好物でした。学生時代にカナダ、社会に出てからアメリカに留学した背景の1つは、子供のころのアメリカへの憧れがあったことは事実ですね。何年先になるかわかりませんが、いずれはアメリカに移り住む計画は決して諦めてはいません。

さて、今日は血液検査でわかったビタミンB12の不足のケースを紹介します。
日本でもアメリカでも、かつてはビタミンB12の血液検査の信頼性はあまり高いものとは言えませんでした。その理由は、本来人間の体内で活性のないビタミンB12(コバラミン)と活性のあるビタミンB12(コバラミン)の両方を捉えてしまうような検査方法(試薬)であったことが背景にあります。しかし、この十数年の間に検査方法が進歩し、現在では活性のあるビタミンB12(コバラミン)だけを捉えることができるようになったため、ビタミンB12の過不足を確認するための方法として、血液中のビタミンB12を検査することは非常に有効な方法となりました。
以前にも書きましたが、断念なことに日本ではビタミンB12の不足を体系的に検査して確認するドクターは少ないように思います。悪性貧血、骨髄性の症状、がんなど、特殊な症状を疑うことがない限り、まずビタミンB12の不足の確認検査をすることはほとんど無いと言ってもいいでしょう。
最近、栄養カウンセリングで出会ったクライアントの中に、手の指先に針で刺されたような鋭い痛みが頻繁に起こり、以前はなかった立ちくらみやめまいも起こるという60歳を超えた男性に出会いました。これらの症状はビタミンB12が不足することで起きる症状の中でも典型的な症状です。この男性は、1年ほど前から何かの原因によって、肺の細胞の1部が繊維化(細胞が硬くなる)するとともに、手の指の関節が曲がりにくくなり、リウマチのようにこわばりも出ており、都内の大学病院に通院していますが、症状の改善のための栄養指導を受けたいとのことで先日カウンセリングに来られました。 上記のような症状があったため、血液検査でビタミンB12の検査をするようにお願いし、昨日検査の結果が出ました。 私はビタミンB12の不足の確認で血液検査のビタミンB12の数値を見るときに、250(pg/ml)を1つの目安とするようにアメリカで研修中に教え込まれているので、この数値よりも低い場合にはビタミンB12不足を強く疑います。この男性の結果はその数値をはるかにオーバーする4,000(pg/ml)でした。この数値は、素人が見ても「ビタミンB12がたくさんあってよかったね」という数値ではなく、ある意味では異常な数値であるとも言えます。 当然私も異常な数値と判断しましたが、その背景には以下の4つの理由があります。
1、60歳を超えた年齢であり、ビタミンB12を吸収するための前提条件である胃酸の分泌は明らかに少ない
2、現在の症状を治療している病院からビタミンB12製剤や筋肉注射を処方されたことはないことと、ビタミンB12のサプリメントは以前から飲んだことがない
3、少なくともこの1年ほどの食事内容を見ると、明らかに肉や魚などの動物性たんぱく質の摂取量は少ない
4、これまでに乳酸菌の摂取はなく、繊維質の積極的な摂取もない

これらの背景は、この男性がはじめてカウンセリングに来たときの食生活のアンケートの回答によって確認したもので、この4つの背景から見て、血液中のビタミンB12が4,000という異常に高い数値になることは考えにくいものです。 4,000と言う数値はビタミンB12が十分すぎるほど体内に存在しているということとは逆に、ビタミンB12が不足している状態である可能性が非常に高いと私は判断しました。では、何故これほど数値が高くなるのか?と言うことですが、本来体内に蓄積され、体内の細胞や組織臓器が働くために必要なビタミンB12が何かの原因によって、不必要に血液中に流れ出している状態と考えてもらえればいいかもしれません。一方では、上記の4つの状況から見て、体の中にはビタミンB12が入ってくる背景はほとんどない状態ですから、体が必要とするときにビタミンB12が不足しているためめに、この男性が現在持っているビタミンB12が不足しているときの典型的な症状が出てくると考えられます。 現在、この男性には神尾記念病院でビタミンB12の定期的な筋肉注射によってビタミンB12の不足を改善することをお願いしているので、その有効性を見守っているところですが、血液中のビタミンB12が高くなる原因については、大学病院の主治医のドクターに相談しながら、根本的な解決に向けて準備を進めています。文献や研究報告を検索する中で、アメリカから報告されている文献の中に、肺や肝臓の細胞が硬くなる線維化によって、血液中のビタミンB12が高くなり、実際にはビタミンB12の不足となることでビタミンB12の不足の症状が現れることが報告されていることから、この男性のビタミンB12が不足している可能性の背景には繊維化というキーワードがあるのかもしれません。
by nutmed | 2010-11-25 16:29