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第983回 メトホルミン最近のトピックス

昨日は朝から車の事故に遭いまして1日大変な目に遭いました。午前8時ころ、いつものように首都高速に入ろうとしていた路で、これもいつものような渋滞に遭遇し、車が停車した途端後ろから来た車に追突され、その勢いで私の車が前の車に追突する、玉突き事故でした。幸いにも追突される前にバックミラーで後方の車のスピードが速すぎるなと気付き、追突されるかもしれないと思い背中をシートに押しつけて首は前に曲げていたので大きな怪我はなかったです。念のために救急車が呼ばれ、近所の病院で検査したところ、外傷性頚部症候群(最近は「ムチウチ症」とは言わないそうです)には至りませんでしたが、背中と首の張りがあったので、医師から1日休養するようにと指導されて1日おとなしくしていました。

さて、気を取り直して、今日はメトホルミンの最近のトピックスです。
今まで紹介してきたように、メトホルミンという薬の可能性は、がんの治療や予防にまで及ぶ機能性が見出されていますが、その根底には、50年以上も前に開発されたメトホルミンの主要成分であるグアニジンは、元々ゴーツルー(Goat’srue)と言う植物の花から抽出されたハーブの機能性であり、おもにインスリンの作用に関わる機能であることが、今日の研究の基礎になっています。今後もメトホルミンの研究は継続されていくと思いますが、栄養療法の中でメトホルミンを上手に使うことで、その有効性は高まると考えます。

それでは最後にメトホルミンの最近のトピックスを紹介ます。
アンチエイジングのサポート機能
皆さんの中には「カロリーリストリクション(calorie restriction)」「カロリー制限食」という言葉を聞いたことがある人も少なくないと思います。「健康で長生きする秘訣」とも「究極のアンチエイジング」などとも言われ、日本でも老化抑制やアンチエイジングにかかわるドクターや学会が1年ほど前から盛んに連呼していますね。簡単に言えば、カロリー(おもに炭水化物)を制限した食事を継続することによって、がん細胞が増殖するときや、細胞の老化に働くmTOR (エムトール:mammallian Target Of Rapamycin)という物質の働きを低下させることができるというもので、この3年ほどの間にいくるもの研究報告がされています。
メトホルミンには、このmTORの働きを阻害する作用があることが2010年に報告されていますが、実際に動物と人間の臨床検討のデータをみる限りでは、食事と運動療法に加え、メトホルミンを使うことで、細胞の必要以上の老化を抑える可能性は高いと思います。

肥満改善
日本の若い女性でも最近増えている多嚢胞性卵巣(PCOS)という症状の治療に、メトホルミンが処方されることが少なくないようようですが、PCOSで使われるメトホルミンの有効性の1つに、体重の増加による肥満を抑える作用があります。この背景には、メトホルミンの持つインスリンの抵抗性の抑制と過剰なインスリンの分泌を抑える作用、それに上記でも紹介していますが、メトホルミンがもつカロリーの吸収を抑える作用があると考えられます。アメリカでは、メタボリック症候群の肥満改善のために、メトホルミンを処方する栄養療法のドクターも少なくありません。

C型肝炎の治療
依然として増え続けているC型肝炎ですが、その治療にはインターフェロンが使われています。以前に比べて格段に副作用が少なくなったとおは言え、その副作用に悩む患者さんは少なくありません。
最近の研究報告では、メトホルミンにC型肝炎ウィルスの増殖を抑える働きがあることをイギリスの大学が発表していて、今後さらなる検討が期待されているところです。

次回はメトホルミンの最終回、メトホルミンの使用についての注意点です。
by nutmed | 2011-01-19 07:57