第987回 SAMeについて  その2

昨晩の東京近郊も雪交じりの雨が少し降ったようですが、お湿りまではいかなかったようです。連続乾燥注意報も記録的となっていますので、火の取扱いはもちろんですが、喉や鼻の粘膜を乾燥させることによってウィルスの感染リスクを高め内容に、適度は湿り気を与えてあげてくださいね。

さて、今日はSAMeの2回目です。
SAMeは人間の体内にも存在するアミノ酸の種類の1つで、グルタチオンを作るさいに重要な役割をになっています。グルタチオンは脳や肝臓で合成されますが、2008年の9月のブログで、グルタチオンとSAMe、その素材となるホモシステインのことを説明しているので、そちらを参考にしてください。
以前から私のブログでは常連のテーマである、脳内の情報伝達神経ホルモンのセロトニンや血圧、脈拍鼓動、不安恐怖に作用するノルアドレナリン(ノルエピネフリン)を総称して、モノアミンと呼びますが、このモノアミンを構成している素材のが、葉酸、ビタミンB12でありそしてSAMeです。つまり、SAMeは神経の働きには不可欠な物質でもあるということです。

この10年ほどの間に、欧州やアメリカでSAMeがアンチエイジングの素材として注目され話題になっていますが、その背景には、SAMeが脳の機能、特に記憶、集中力、不安、睡眠など、年齢とともに低下または増加する症状の予防に対する有効性が高いということがあります。
1980年代初頭には、SAMeがうつ病、アルツハイマー性痴ほう症、健忘症など、神経の働きにかかわる症状の改善に有効性が高いことが、いくつかの研究報告によって明らかにされていおり、実際に初期のうつ病患者の症状の改善や、物忘れが頻繁になってきた状態の改善に高い効果をSAMeは示しています。
2000年の8月、イギリスのロンドンにあるキングスカレッジ病院(King's College Hospital)神経科の研究チームが、うつ病と診断された患者の骨髄液(骨髄の中の液体)に含まれるSAMeの数値を検査したところ、一般の人に比べて著しく低かったことを報告しています。SAMeが脳の働きに重要な役割を担っていることうを、マウスによる検討で解明した基礎研究が、1989年に九州大学薬学部の研究チームが発表していて、この研究報告がEU諸国やアメリカでSAMeの有効性を証明する背景になったとも言えます。

先週金曜日のブログでも紹介しましたが、私が青山外苑前クリニックで3年にわたって栄養カウンセリングケアしている女性が、SAMeを飲み始めて精神的に楽になり、以前よりも明らかにポジティブになったりと、私が栄養カウンセリングを行ってきたクライアントの中にも、SAMeの効果を実感している方は少なくないですね。
by nutmed | 2011-01-25 10:15