第998回 50歳を過ぎてからの糖分管理 積極管理

日を追うごとに夜明けが早くなっています。今朝も5時に起きしばらくすると、1カ月前にはまだまだ暗闇だったのに。今では5時30分を過ぎるころから空が薄茜色に変化してきます。特に検査は、先日の雪のおかがで、空気も澄んで綺麗なので一段とすがすがしい朝です。

さて、今日は糖分管理を積極的に行うことについてです。
本来、胃酸の分泌能力はもちろんのこと、消化酵素の生産能力など、エネルギーを得るための素材の吸収代謝に不可欠な要素は、年齢が進むことで低下していくことは自然の摂理と言ってもいいでしょう。逆に言えば、細胞組織とともに、若い時のようにエネルギーを要する生活習慣や場面が加齢にしたがって少なくなるので、吸収代謝に不可欠な要素も加齢とともに少なくなると言ってもいいかもしれません。糖の吸収、消費、代謝の量(必要量)も少なくなったときに、有り余るほど過剰な糖分が体内に入ってきても、それをコントロールする能力だけでなく、コントロールするために必要な栄養素の需要も少なくなるため、過剰な糖分が細胞臓器のあちらこちらで厄介な結果を招く原因になるわけです。
日本では毎日の血糖を自宅で確認するための「血糖モニター」や「グルコメーター」は、いわゆる糖尿病と診断がついた人には主治医から勧められることが多いため、おなじみのデバイスですが、ここ10年間で、アメリカやイタリアでは、糖尿病以外でも、50歳以上の男女のアンチエイジング管理、心臓病、脳梗塞などの予防管理のために、個人が自宅で血糖の確認をする目的で使われることが多くなっています。
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私も個人的に2年前からグルコメーターとHbA1cのモニター計を使って、2週に1回ほど、最適な血糖モニターを行っています。従来の血糖を上げないための食事のメニューを主体とする食生活管理と運動管理は、一見すると、積極的なアクティブコントロールのように見えますが、実際には肥満解消、血糖抑制、老化抑制に対して非常にストイックな受動的な管理(パッシブコントロール)に陥りやすい傾向があります。一方で、糖尿病の血糖コントロールではなく、50歳以降で、細胞臓器を中心とした体内環境の管理を、糖分のコントロールという切り口で実践する場合に、随時自宅で自分の血糖モニタリングができることによって、アクティブなコントロールを進めやすくなると思います。
by nutmed | 2011-02-16 06:51