2011年 03月 02日
第T6回 読者質問へ公開回答 その2 たんぱく質
さて、今日は読者からの質問に対する公開回答の2回目、たんぱく質についてです。
「いつもブログの更新を楽しみにしています。小学校4年の娘と中学校2年の息子を持つ母親です。栄養や健康には興味があり、家族の健康管理には気を配っています。最近、友人に誘われて、たんぱく質の大切さをテーマにした、ある健康セミナーに参加した時に、「生命の基礎はたんぱく質なので、動物性、植物性を問わず、たんぱく質を沢山摂ることが長寿の秘訣」と言われました。確かにたんぱく質は大切な栄養素ですが、食べたたんぱく質は本当にそのまま吸収されるのでしょうか?」
1カ月に1度くらいは、これと似たような質問が寄せられます。 意外にも、多くの人が食べたたんぱく質はそのまま体内に吸収されると思っていらっしゃるようです。また、たんぱく質が全てを解決してくれるように思っている人も少なくないようですね。書店に並んでいる栄養や健康の本を見ても、ネットで紹介されている栄養や健康の内容を見ても、たんぱく質については同じようなことが書かれていますし、それは全て正しい情報です。それだけを見ると、たんぱく質は人間にとっては大切な栄養素の1つなので、たくさん摂らないといけないと思うのは当然のことです。ただし、今までこのブログでも幾度も紹介しているように、食べた食材は消化分解というプロセスを経なければ、吸収されないということを忘れてはいけませんね。 例え、優良なたんぱく質が豊富に含まれた食材であっても、たんぱく質の大きさ(分子量)は非常に大きいために、胃酸と消化酵素の働きで、アミノ酸という単位まで分解しなければ吸収はできない、つまり体の基礎になるたんぱく質を合成するためのアミノ酸の吸収はできないということになります。
このあたりのことは過去のブログを参考にしてください。
もう1つ覚えておいていただきたいのは、日本人の多くが持っている可能性のある食物耐性(食物アレルギー)の原因となるのもたんぱく質であるということです。人間の体が問題なく利用可能な状態(大きさ)にまで分解され、吸収されてはじめてたんぱく質の源になるわけです。