人気ブログランキング | 話題のタグを見る

第T6回 読者質問へ公開回答 その2 たんぱく質

毎年、春になると増えるのが女性の便秘の相談です。最近では男性の便秘の相談も多くなりましたね。季節の変わり目ということもあるのでしょうが、その背景には花粉症や不眠、ホルモンバランスなど直接的間接的にストレスの原因となるものが多くなる季節だからではないかと思います。 昨年から、私が成分の設計をした便秘改善のためのハーブティーが好評で、味や香りも良く、飲み始めてから数日で便通に変化が見られるようです。このハーブティー「腸麗快通茶」は神尾記念病院で扱っていますが、腸を刺激したり、水分を凝集させて、強制的に便通を起こさせるのではなく、腸に自然な動きをもたらすハーブの作用で、無理なく排便を促すお茶です。

さて、今日は読者からの質問に対する公開回答の2回目、たんぱく質についてです。
「いつもブログの更新を楽しみにしています。小学校4年の娘と中学校2年の息子を持つ母親です。栄養や健康には興味があり、家族の健康管理には気を配っています。最近、友人に誘われて、たんぱく質の大切さをテーマにした、ある健康セミナーに参加した時に、「生命の基礎はたんぱく質なので、動物性、植物性を問わず、たんぱく質を沢山摂ることが長寿の秘訣」と言われました。確かにたんぱく質は大切な栄養素ですが、食べたたんぱく質は本当にそのまま吸収されるのでしょうか?」

1カ月に1度くらいは、これと似たような質問が寄せられます。 意外にも、多くの人が食べたたんぱく質はそのまま体内に吸収されると思っていらっしゃるようです。また、たんぱく質が全てを解決してくれるように思っている人も少なくないようですね。書店に並んでいる栄養や健康の本を見ても、ネットで紹介されている栄養や健康の内容を見ても、たんぱく質については同じようなことが書かれていますし、それは全て正しい情報です。それだけを見ると、たんぱく質は人間にとっては大切な栄養素の1つなので、たくさん摂らないといけないと思うのは当然のことです。ただし、今までこのブログでも幾度も紹介しているように、食べた食材は消化分解というプロセスを経なければ、吸収されないということを忘れてはいけませんね。 例え、優良なたんぱく質が豊富に含まれた食材であっても、たんぱく質の大きさ(分子量)は非常に大きいために、胃酸と消化酵素の働きで、アミノ酸という単位まで分解しなければ吸収はできない、つまり体の基礎になるたんぱく質を合成するためのアミノ酸の吸収はできないということになります。
このあたりのことは過去のブログを参考にしてください。
もう1つ覚えておいていただきたいのは、日本人の多くが持っている可能性のある食物耐性(食物アレルギー)の原因となるのもたんぱく質であるということです。人間の体が問題なく利用可能な状態(大きさ)にまで分解され、吸収されてはじめてたんぱく質の源になるわけです。
by nutmed | 2011-03-02 07:35